お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

ユグドラシル

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パールにユグドラシルの小枝を見せるため、急いでオーちゃんのお店に行こうと足を進めると……
俺を見つけたアレクがニコニコしながら走って来た。
あの顔はまた何か良い報告があるんだろうな。
何だろう……新しい生地が作れたか?それとも?

「ティーゴ!聞いてくれっ!とうとう完成したんだよ!」

走って来たアレクに、ガシッと両肩を掴まれガクガクっと揺さぶられる。
怪力のアレクに、いきなり体を揺さぶられたティーゴは堪ったもんじゃない。

「ちょっ!落ち着けアレク!分かったから」

必死にアレクを落ち着かせようとするも、興奮冷めやらずと言った様子で饒舌じょうぜつに話を進めるアレク。

「念願のアレが完成したんだっ興奮せずにいられるかよっ!とりあえずコッチに来てくれ!」

アレクに無理やり手を引っ張られ、ついた先には……見た事もない新しい建物が建っていた。

「こんな建物あったか?」

「へへっ二号さんに頼んで作ってもらったんだよ」

しかもこの建物は、作られてからもう一ヶ月になると言う。

「俺……全く気付かなかった……」

レインボーマスカットの畑裏にその建物はあった。

「これはレインボーマスカッ酒の貯蔵庫さっ」

「レインボーマスカッ酒!?」

『むふふぅ……ティーゴしゃま。やっと完成したんでキュよ!』
『村でも大人気のお酒でキュよ!』

キューとキュウタが大きなシッポをプリプリ振りながら、貯蔵庫から出て来た。

「これはキューさんとキュウタさんに教えて貰いながら作ったお酒なんだ」

「キューとキュウタに!?」

『そうでキュよっ!ガンガーリスはレインボーマスカットでお酒を作るのが得意なんでキュ!
お酒作りは大勢いないと難しキュて……でもパールしゃまが人族の言葉を話せる様にしてキュれたおかげで、獣人達と協力して作れたんでキュ!』

キューが褒めてと言わんばかりに、しっぽプリプリ俺を見つめる。
何その姿。可愛いすぎるだろ!

「凄いなぁキューにキュウタ。ありがとうなっ」

キューとキュウタの頭を思いっきりワシワシと撫でてやると、二匹は気持ち良さそうにウットリしている、その姿がまた可愛いくて……俺のヨシヨシと撫でる手が止まらない。

「でもさ?酒って最低でも一年位ねかせるって昔読んだ本に書いてたような……」

「そこなんだよ!それがこの貯蔵庫なら一時間で一年ねかせた状態になる魔法の貯蔵庫なんだよ!」

「何だそれは……!?そんな事が出来るのか?」

「何か良いアイデアはないかとキューさんがオーちゃんに相談してな?そしたら時間経過の魔道具を作ってくれたんだ」

何だそれは!オーちゃんの錬金術の腕前凄すぎだろ……。

「オーちゃんって凄いな……」

オーちゃんの凄さに改めて感動していたらアレクが背中をバンバンと叩き、酒を飲めと勧めてくる。

「さぁ!飲んでみてくれよっ」

良くみると貯蔵庫の側には、テーブルと椅子がありそこでレインボーマスカッ酒が試飲出来るようになっていた。

すでにテーブルには三号と一号が椅子に座り、顔を赤らめ楽しそうに飲んでいる。
その姿はもうどう見ても酔っ払いである。
おいっ一号に三号よ。それもう試飲じゃないだろ。

俺は一号と三号達がいるテーブルの空いてる椅子に座り、キューが渡してくれたレインボーマスカッ酒を飲んでみる……透明だが光が当たるとエメラルドみたいな色にも見える美しいお酒。

ゴクッ
「……!うまっ」

フルーティーなんだけど、そこまで甘くもなく飲みやすい……!

『ふふっどう?美味しいでしょー?』

『あっし……気に入っちまいやした』

横で酔っ払い達がニヤニヤと俺の反応を見て楽しんでいる。

「お前達飲みすぎんなよ?」

『何言ってんのよー!らいじょーぶっふふふっ』

俺の様子を見て確信したのかアレクが「よっしゃー!」っと飛んで喜んでいた。
キューとキュウタは何やら楽しそうなダンスを踊っている。

俺の知らない間に異空間で名産品が出来上がっていた。


⭐︎★⭐︎★⭐︎★⭐︎


「何じゃ?楽しそうじゃのう?」

パールが貯蔵庫にやって来た。もうこの場所はジャイコブ達も加わりお祭り騒ぎとなっている。

「ああっパールぅ……俺パールに用があったんだよう……」

「何じゃ?珍しいティーゴ酔っ払っておるのか?」

「ええ~酔ってないよ?」

「いやいや顔も赤いし……目も虚ろじゃ」

ニコニコ笑いながらティーゴはポケットから何かを取り出した。

「ふふっ……パールにコレを見せたかったんだよ」

ティーゴはユグドラシルの小枝をパールに渡す。

「なっ!ここっコレを何処で手に入れたのじゃ!」


スピースピー……。

ティーゴはテーブル顔を付け気持ち良さそうに眠っていた。

「なっ!ティーゴよっ頼むっ起きてくれっ!一体何処で手に入れたのじゃー!ワシ気になって仕方ない」

パールが必死に起こそうと揺らすも、ティーゴは幸せそうな顔をして気持ち良さそうにスヤスヤと眠っていた。
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