お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

金貨がいっぱい

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『何故あんな虫ケラどもを生き返らせたのじゃ!』

勇者達を生き返らせた事が気に要らないコンちゃんは、俺に抱っこされながらプリプリと怒る。

「仕方ないだろ?あれは闘いで殺し合いじゃないからね。殺したらダメなんだよ?」

『むう……じゃが妾は彼奴ら好かん!主殿の事を悪く言うし妾の事も狐と……次に会った時は許さんのじゃ』

納得がいかないのか、コンちゃんの怒りは収まらない。勇者達よ、次に会った時は知らないからな?

「はいはい……」

俺はコンちゃんの頭を撫でて気を紛らわせる事にした。

「ティーゴよこのケーキなかなか旨いのじゃ!」

パールが美味しそうにケーキを口いっぱいに頬張る。

俺たちはパニックに陥った闘技場を人混みに紛れて外に出たあと、甘味屋に入りみんなでケーキを食べていた。

何故なら銀太がある甘味屋のケーキの匂いに釣られて突然勢いよく走りだしたのだ。
俺達は慌てて後を追いかけると。先に店に到着していた銀太が、店内に並ぶケーキをウットリと余りにも欲しそうに眺めていたので、中に入りケーキを食べる事にしたのだ。

パールは猫の姿ではなく、人化した美しい男性の姿で、口の端にクリームを付けケーキ頬張って食べている……見た目と行動がこんなにも一致しないのはさすがパールだ。

黙って座っていたら、それだけでかっこいいのになと思うがそれは流石に言えない。

『うむ!我はこの黄色のケーキが気に入った』
『俺はやっぱり神々の悪戯伝説のチョコケーキだな!うまっ』

美味しそうに食べる姿は見てるだけで和む。
この王都は「本当に燦聖教が仕切っているのか?」と疑問に思うほどに、今迄に行った街と比べると平和だ。
お店も普通にお客さんが入っている様に思うし、奴隷らしき姿も見かけない。
俺が存在に気づいていないだけなんだろうか?

「パールこの王都に来て何か気付いた事あるか?」

一人で考え込んでも仕方ないので、こんな時はパール大先生に相談するのが一番だ。

「むぅ?もぐもぐ……ゴクンッ!はぁ。この王都についてか?そうじゃのう…闘技場はかなり面白かったのじゃ!」

パールは口一杯に詰め込んだケーキを急いで咀嚼すると、飲み込み答えてくれたが……。
何だよそれ!確かに二階席で楽しそうだったもんな。

「そこでワシは、ティーゴに金貨をいっぱい賭けて勝った…もがっ」

パールが大きな声で賭けに勝った事を自慢しようとしたので、慌てて口を塞いだ!

「ちょっパール声が大きいよ!賭けに勝ったとか誰かに聞かれたら……!」
「ぬ……?すまんのだ嬉しくってつい興奮してしもうた」

猫の姿でなく、美青年のパールが反省し俯くと何とも艶かしい。
何なんだその無駄にダダ漏れている色気は!

「はぁ……気をつけてくれよ?俺たちはまだこの王都のことを調べている最中なんだぜ?」
「分かっておる」

俺に賭けて勝ったって……どれくらいだ?倍率はかなり高かったよな?

「それでどれ位勝ったんだ?」
「ふふん?聞いて驚くなよ?ざっと見て金貨二十億枚じゃ」

「はっはぁぁぁ!?きっきっ…金貨二十億枚だと?」

 恐ろしい金額に思わず叫んでしまった。

「人に偉そうに注意して、自分の方がでかい声で叫んでおるではないか!」

パールにそう言われ何も言い返せない。本当すみません。

周りに座っていた客達が、大声を出した俺に一斉に注目したので店内に居ずらくなり急いで店を後にした。

するとパールとスバルがまだ食べていた途中だと、猛抗議。
機嫌が悪くなり俺は必死に謝り胡麻を擂るのだった。

「ごめんな?後でいっぱい甘味を作ってやるから?な?もう許して」
「むう……パイとフワフワのケーキもじゃ!」
「分かった!パールはパイとふわふわケーキな?作る作る」
「俺は久しぶりに王様のパンが食べたい!」
「スバルは王様のパンな?了解、今から異空間に戻って甘味パーティだ!だからもう……許して」

そんな俺たちの後をついて来ていた奴らがいたのだが、俺は機嫌を直すのに必死で全く気が付かなかった。




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