お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

ジャバネイル王国の王族達

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「おおっ王族!?」

王族と言われ緊張が走る。

「何を今更?散々俺たちをののしってきたじゃないか!」

俺の反応が気に入らないのか、目の前に立つ男は興奮し息巻いている。

「ちょっとフィリップ!?何を言って?すみませんお許しください」

フィリップと言われていた男の後ろにいた女性が、前に出て男を背後に追いやった。
俺の母さんと同じくらいの年齢か?

「もう良いんだ!こんな風に飼い殺しにされるくらいなら、僕は死んだ方がマシだ!」

背後に追いやられた男が女性を押し退け、また前に出てきた。

「フィリップ!いいから黙って!すみませんっこの子はちょっと気が動転していて、本心じゃ無いんです」

「良いんだよ!僕がムカつくなら殺せば良いだろ」

「なっ何を!」

とうとうフィリップと女性が揉み合いをし出した。


ええと……困ったな。

何か色々勘違いしてるみたいだし、どう説明したら。

俺がどうしようか困っていたら、パールが怒った。

「ええい!ゴチャゴチャとうるさい!ちょっと黙っておれ」

「「!?」」

王族の人達がビックリし、口を動かそうとモゴモゴしているが、何も話せない。
さらに体も固まったようにピクリとも動かなくなった。

何をしたんだ?
パールの方を見ると、猫の姿なのに悪戯な顔をして笑っているのが分かる。

「うるさいから口を閉じて、動けんようにしたんじゃ」

うるさいからって……相変わらず無茶苦茶だな。

パールは動けなくなった王族達の前に立つと話し始めた。

「いいか?何を勘違いしているのか知らんが、ワシらは燦聖教とは無関係じゃ」

猫がふんぞり返り話し出したので、王族達は目を丸め驚いている。
その気持ちわかるよ。
何か言いたそうだが、パールの魔法により何も喋れない。

パールは言いたいことだけ言ったら、前に出ていたフィリップとか言う王族達を押し退け奥に歩いて行く。

「ティーゴ!何しとるんじゃ?早くついて来るのじゃ」

パールが振り返り俺を急かす。
俺もそっちに行くのか?

「ちょっと待ってくれよ」

慌ててパールの後をついて行くと、部屋の奥にあるベットに青ざめた男性と女の子が横たわっていた。
辛うじて生きてるって感じか?
とても苦しそうだ、早く助けてあげないと。

「弱っていた反応は此奴らじゃ。ティーゴよ、早く回復魔法をかけてやるのじゃ」

えっ……

俺で良いのか?

パールがかけた方が良いんじゃ無いかと思ったが、これも俺の成長を見守ってくれているんだろう。
パールの期待を裏切らない為にも、絶対に元気にしてやる。

「分かった!」

俺がベットの方に歩くと何かすると思ったんだろう。周りにいる王族達の顔が青ざめ慌てている。
大丈夫だよ!安心してくれ、元気にしてあげるだけだ。

《リザレクト》

青い顔してベットに横たわる男と女の子を眩い光が包み込む。

光が収まると……肌艶も良くスヤスヤと気持ち良さそうに眠る男と女の子の姿が。

「ふむ!なかなか上手くなったもんじゃのう!これならリザレクションも直に使えるようになるじゃろうて」

パールがニコニコと褒めてくれる。
嬉しいのと目の前にいる人達が元気になったのとで、俺は声を出して喜んだ。

「ヨッシャー!」

んん?
気がつくとその姿を見た王族達が涙を流している。

「もう良いじゃろう」

パールか魔法を解いた。

「あっああ……あなた方は……ううっ」

フィリップとかいう男は、立ち尽くし涙を流している。

「あなたっ」
「お父様!リシェル!」

女性と少年がベットに走ってきた。

なんと部屋の隅にもう一人少年がいた。年の頃は妹のリムくらいか?
元気になった姿を見て泣いて喜んでいる。

その騒がしさに、横たわっていた男性と女の子の目が覚め起き上がると、みんなでぎゅっと抱きしめあっていた

この部屋にいた王族の人たちは全員で五人だった。

「良かったな……」

その姿を見て思わずもらい泣きしそうになる。

落ち着くと、寝ていた男性と少女はベットから降りて全員で俺の前に跪いた。

ちょーーーーっ!!
王族の人が俺なんかに跪かないでくれ!

「あのっ普通にしてっ………?」

王族達は瞳を潤ませ頬を紅潮し俺を見つめる。

ちょっと待ってくれ。

このパターン……って。

「「「「「ありがとうございます!神様の使徒、天使様」」」」」

ああああああ……!

やっぱりだ!違う国に来てまで天使様はやめてくれよ!
なんで直ぐみんな天使様とか神様とか言うんだよ!

頼むからそんな目で俺を見ないでくれ!俺は普通の人ぞっあっちが!
そうだった俺もう人じゃ無い。

……取り敢えず!普通のティーゴなんだ。







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