お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

二人の関係

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「カカッカスパール様!」

俺は思わず緊張して手に汗握る。
カスパール様の家で、姿を見た事はあったけど。こんな動く姿は……見ているだけで鼓動が激しく動いているのが分かる。

「何じゃティーゴよ?何を急に緊張しとるんじゃ」

カスパール様が俺を見てニヤニヤと笑う。その表情はまるでパールだ。

『ああっ主!!何だよっその姿にもなれるのか!』

カスパール様の姿に気付いたスバルが、すごい勢いでこっちに向かって飛んでくると、その勢いのままカスパール様の顔に張り付いた。

「わっぷ。こりゃスバル!前が見えんではないか!」

よほど嬉しかったのか、スバルがパールの顔にしがみついて離れない。

『俺ずっと主のその姿と話しがしたかったんだ。その姿の主と旅がしたかった。でも主はいつも猫の姿か魔王の姿で……何だよ!なれるんなら!この姿にもなってくれよーーーーっうわーーんっ』

パールは手でべリッと顔からスバルを引き剥がすと、頭の上に乗せた。
スバルはカスパール様の頭の上でまだ、ワンワンと泣いている。

「はぁ……じゃからこの姿になるのは嫌じゃったんじゃ。泣いておるスバルの姿は見とうない」

パールは困った顔をして、溜息混じりにそう言うが……。
スバルのやつよっぽど嬉しかったんだな。
カスパール様が大好きだもんな、一号たちがいなくて良かった。いたらスバルと同じ様になってただろう。想像するだけでも……ハチャメチャだ。

肝心の大司教グリモワールを見ると、カスパール様の姿になったパールを見て、固まり動かなくなってしまった。

「カスパール様?どうするつもり?固まってるけど」

「何じゃティーゴよ?カスパールなどど、いつものパール呼びで良えんじゃよ?」

「いやっその姿だと流石に緊張するっていうか……伝説の有名人だしな」

「まぁ?ワシは伝説の有名人じゃがの?」

パールはニヤリと笑う。

「その姿はメタモルフォーゼで変身したのか?」

「そうじゃ。本当はコンちゃんのハイメタモルフォーゼを使いたいんじゃが、まだ習得できておらんからの。見た目だけじゃ! 能力などは魔王のままじゃよ」

「そうなのか」

パールは少し悔しそうに話す。
自分にできない事があるのが悔しいんだろう。普通の人は出来ない事だらけなんだがな?

「のうリィモよ? お主は当時のワシら大賢者が封じていた魔法【吸魂奪ディメンター】を使ったのではあるまいな? あれは人の魂を奪って寿命を延ばす」

パールがなにやら恐ろしい事を言い出した。
ディメンター?初めて聞く魔法だ。
古代魔法の本にだって記述されていない。

「……はぁ。カスパール様はまだそんな事を言ってるのですか? あなた達大賢者はすぐにアレはダメ、これはダメ、人の為にならない。とすぐに禁じる。そこまでして人は何をしてくれた? 僕が助けて欲しい時に何もしてくれなかった。自分達は僕達に助けられて当然と、感謝もせずにのうのうと生きているのに」

「リィモよ?何かの見返りを求めてワシは人を助けたりしておらん」

「そんなの僕だって……でもね。もういいんだ僕は思い通りにならない人よりも思い通りになる仲間だけの国を作る事にしたんだ。そこに我儘な人は要らない。ねぇ?僕がどうやって禁忌の書物の封印を解いたと思う?」

そう言われパールは何も言えずに黙り込む。

「はははっ稀代の天才大賢者カスパール様でも分からない?答えは簡単さ。大賢者マーリン、大賢者ソロモンよ、いでよ」

次の瞬間、地面から湧き上がるように黒い影が現れ、人の形を形成していく。


数分もすると、俺の目の前に真っ黒な人の様な何かが現れた。

「その姿は……マーリン。ソロモン」

パールはそう呟くと、影の様な人型ひとがたを見て固まってしまった。



★  ★  ★


レンタルに一巻部分が切り替わりました。
一巻の続きはそのまま無料で読んでいただけます。
作者の住んでいる所では土曜日が発売日です。
ワクワクしながら本屋さんに行ってみようと思います。

カスパールとグリモワールに何があったのか、二人の過去はカスパールがまだスバル達をテイムしていない過去にまで遡ります。
こちらのお話ももうすぐ。













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