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本編 浮島編
トカと女神ジェラルド
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———私とこの水龍は、神界にある水の宮殿で一緒に暮らしていたのだけど、ある時この子がポカをやらかしてね?
「ポカ? 何をやらかしたんじゃ?」
———それはそのう……。ええとね?
急に口をモゴモゴとさせ言葉を濁し出した駄女神。なんじゃと言うんじゃ。
「モゴモゴさせんと早う言え! ワシはそんなに待てん」
———はぁーっ。ったくせっかちジジイなんだから。私の大切な……をね? 勝手に……ちゃったからさぁ? お仕置きとして龍の翼を奪ったの! そしたら運悪く地上に落ちゃったってわけ! そう言うこと! だから早く力を与えて回復してあげてちょうだい。
駄女神が「言ったわよ? 早くしてちょうだい」とでも言わんばかりに鼻息荒くふんぞりかえる。
この駄女神はなにを言うとるんじゃ? 肝心なところを誤魔化しておって何も伝わってこん! この水龍を回復をさせるのはいいんじゃが、この駄女神の言うことを聞いておるようで気に食わぬ。
「お主は肝心な所を何も言っておらん。大切な何を勝手にしたんじゃ?」
———えっ? それは……ええとゴニョ。
よほど言いたく無いのか、駄女神はワシから目を逸らし口笛を吹き出した。何をしとるんじゃこの女神。そんな態度をとるのならワシにも考えがある。
「言う気が無いのならワシはこの場を立ち去るまでじゃ!」
ワシはワザと踵を翻し、その場をさって行くフリをして見た。
———わわわっちょっと待ってよ! 言うから! この水龍がね? 私が大切にしまっておいた奉納品を勝手に食べちゃったのよ! あれは中々レアなお菓子だったからゆっくり大切に味わおうと思っていたのにそれを!
「ほう……奉納品のう……そんな事で死にそうな目に合わせるとか」
ワシは少し呆れたようにジロリと残念女神を見る。
———あっやっそのう……? まぁあれよ! 勝手に人のものを食べたらダメだよ? ってわからせるためにね? お仕置きのつもりがね? 死にそうな目に遭わせるつもりなんて本当になかったのよ! なのに、その水龍が足を滑らせてね? 地上と繋がっている水鏡にダイブしちゃってね? 翼があればどって事なかったのにお仕置きで翼を奪っていたから……。
早口で捲し立てるように残念女神が説明しておるが、ほとんど残念女神のせいでこんな事になっておるんじゃないか。
「ほう? なるほどのう。これは全面的にお主が悪い」
———なっ!
「だってそうじゃろう? お主が残念女神のせいでこの水龍は死にかけておるのじゃから。しっかりした女神であればこんな事にならんかったじゃろうのう」
ワシは少し小馬鹿にしたように鼻で笑ってやった。少しは反省せい!
———ぐっ……! ……それは分かっているわよ、反省してるわ。だからお願いします、この子を回復させて下さい。もう私の眷属には戻れないの。
「戻れない? なんでじゃ?」
———それは……落ちた時に尻尾が千切れて、その尻尾がこの神聖な滝になったの。水龍は倒れた状態で自分の神力をこの滝に流し続けて、もう神力が殆ど残っていない。
「なるほどのう、じゃからこの滝からは神力が感じられたのか、滝がこやつの一部じゃったとは思わんかったが」
———分かってくれた? じゃあお願いよ? 私はそろそろ神界に戻らないといけないわ。
「まぁここまで知ってしまったんじゃ。何もせんとか好ましく無い。それに元々回復してやるつもりだったしのう」
———ありがとう! それとこの玉を飲ませてね。数百年後に龍族の最強種まで進化できるから、こんなことしか出来なくてごめんなさい。じゃあその子を頼んだからね?
ワシに水色に煌めく不思議な玉を渡すと、駄女神は姿を消した。
「よし回復してやるか!」
ワシは水龍の口に玉を含ませ、リザレクションを放った。
★★★
コメントの返信が遅れていて申し訳ありません。全てわくわくしながら楽しく読ませて頂いています。
後日ちゃんと返信しますので少しだけお待ち下さいねm(_ _)m
「ポカ? 何をやらかしたんじゃ?」
———それはそのう……。ええとね?
急に口をモゴモゴとさせ言葉を濁し出した駄女神。なんじゃと言うんじゃ。
「モゴモゴさせんと早う言え! ワシはそんなに待てん」
———はぁーっ。ったくせっかちジジイなんだから。私の大切な……をね? 勝手に……ちゃったからさぁ? お仕置きとして龍の翼を奪ったの! そしたら運悪く地上に落ちゃったってわけ! そう言うこと! だから早く力を与えて回復してあげてちょうだい。
駄女神が「言ったわよ? 早くしてちょうだい」とでも言わんばかりに鼻息荒くふんぞりかえる。
この駄女神はなにを言うとるんじゃ? 肝心なところを誤魔化しておって何も伝わってこん! この水龍を回復をさせるのはいいんじゃが、この駄女神の言うことを聞いておるようで気に食わぬ。
「お主は肝心な所を何も言っておらん。大切な何を勝手にしたんじゃ?」
———えっ? それは……ええとゴニョ。
よほど言いたく無いのか、駄女神はワシから目を逸らし口笛を吹き出した。何をしとるんじゃこの女神。そんな態度をとるのならワシにも考えがある。
「言う気が無いのならワシはこの場を立ち去るまでじゃ!」
ワシはワザと踵を翻し、その場をさって行くフリをして見た。
———わわわっちょっと待ってよ! 言うから! この水龍がね? 私が大切にしまっておいた奉納品を勝手に食べちゃったのよ! あれは中々レアなお菓子だったからゆっくり大切に味わおうと思っていたのにそれを!
「ほう……奉納品のう……そんな事で死にそうな目に合わせるとか」
ワシは少し呆れたようにジロリと残念女神を見る。
———あっやっそのう……? まぁあれよ! 勝手に人のものを食べたらダメだよ? ってわからせるためにね? お仕置きのつもりがね? 死にそうな目に遭わせるつもりなんて本当になかったのよ! なのに、その水龍が足を滑らせてね? 地上と繋がっている水鏡にダイブしちゃってね? 翼があればどって事なかったのにお仕置きで翼を奪っていたから……。
早口で捲し立てるように残念女神が説明しておるが、ほとんど残念女神のせいでこんな事になっておるんじゃないか。
「ほう? なるほどのう。これは全面的にお主が悪い」
———なっ!
「だってそうじゃろう? お主が残念女神のせいでこの水龍は死にかけておるのじゃから。しっかりした女神であればこんな事にならんかったじゃろうのう」
ワシは少し小馬鹿にしたように鼻で笑ってやった。少しは反省せい!
———ぐっ……! ……それは分かっているわよ、反省してるわ。だからお願いします、この子を回復させて下さい。もう私の眷属には戻れないの。
「戻れない? なんでじゃ?」
———それは……落ちた時に尻尾が千切れて、その尻尾がこの神聖な滝になったの。水龍は倒れた状態で自分の神力をこの滝に流し続けて、もう神力が殆ど残っていない。
「なるほどのう、じゃからこの滝からは神力が感じられたのか、滝がこやつの一部じゃったとは思わんかったが」
———分かってくれた? じゃあお願いよ? 私はそろそろ神界に戻らないといけないわ。
「まぁここまで知ってしまったんじゃ。何もせんとか好ましく無い。それに元々回復してやるつもりだったしのう」
———ありがとう! それとこの玉を飲ませてね。数百年後に龍族の最強種まで進化できるから、こんなことしか出来なくてごめんなさい。じゃあその子を頼んだからね?
ワシに水色に煌めく不思議な玉を渡すと、駄女神は姿を消した。
「よし回復してやるか!」
ワシは水龍の口に玉を含ませ、リザレクションを放った。
★★★
コメントの返信が遅れていて申し訳ありません。全てわくわくしながら楽しく読ませて頂いています。
後日ちゃんと返信しますので少しだけお待ち下さいねm(_ _)m
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