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14、夜明けの薬草茶
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「暗視の魔法薬の実験してんだ」
「アンシぃ?」
顎を捻るナハトに頷いてから、もう一度辺りを見回した。明るいが、なんとなく白っぽく霞んでいて、細かい色が見えにくい。
顔を戻すと、ナハトには元々あまり色彩がないと気づいて、小さく笑った。
「俺でも暗いところで目が見える薬。夜の戦闘に使えないかなと思って」
「ほおぉ。そりゃすげえなあぁ」
獣人たちの作る輪は少し乱れて、それぞれに寛いだ様子で何か話したり笑ったりしているが、先ほどと違ってあまり声が聞こえない。
森に溶け込んでるみたいだ、と、レビはしばらくその様子を眺めていた。
夜が明ける前に魔法薬の効果が切れた。
見えない月の位置を獣人たちに確認してもらって、一晩の使用に耐える量や使用方法について考えを巡らせる。
いらないと言うのに満場一致でナハトをつけられ、森の中を歩いて帰路を辿った。
「いて、」
つまずいた、と思った時には二の腕を掴んで支えられている。
「全然大丈夫じゃねえじゃねえかぁぁ」
「転んで死ぬわけじゃなし」
フンと鼻を鳴らしては笑われ。見えてんの? 普通にぃ、などと声を交わしながら、闇に覆われた森を抜け出した。
「ありがとな。狩りに戻るだろ」
家の扉に手を掛けながら振り返ると、ナハトが首を傾げた。
「この時間じゃ仕事にゃならねえからなあぁ。俺も帰って寝るわぁ」
「えっ、ごめん。邪魔したのか」
「んなこたねえぜぇ。森にいりゃいつでも獲れるってもんでもねえし、色んな日があるからなぁ」
悪かったな、と思わず眉を下げると、悪くねえってとナハトが笑った。
ほんの少し、その顔に見とれてしまって、沈黙が落ちる。
「……こないだ言ってた薬草茶、飲んでく?」
ぷは、とまた笑われた。
「いや寝ろよぉ。夜明けだぜぇ」
「や。どっちにしろ薬の続きやるし、今日は寝ないから」
「ええぇ? いや寝ろよぉ?」
食わねえし寝ねえしお前よぉ、と呆れるナハトに、今度はレビの方が笑ってしまった。
「嫌じゃなかったら、お茶飲んでかない?」
改めて誘い直せば、今度はまた器用に顔をひねって考えるナハトの答えを待った。激しい稽古を見て興奮しているのかもしれない。
もう少し一緒にいてほしい。
「まあいいかぁ。じゃあ飲んだら寝ろよぉ」
「いや仕事したいんだって」
笑いながらナハトを招き入れると、正直に気持ちがうきうきする。
吊してある薬草の匂いをいちいち嗅いで回っているナハトに、待っていてくれるよう声を掛けて、薬罐を火に掛けた。
「茶葉これなんだけど。匂いどう?」
平気? と小さなポットの蓋を取って見せると、新しい場所の探索の続きのよう、ナハトが少し顔を近づけて鼻を鳴らす。
「ええぇ、ホントにけっこう美味そうな匂いだなあぁ。何が入ってんだぁ?」
怪訝な顔にほっとしながら、あれとこれと、と薬草の名を挙げる目は、自然と窓へ向いた。家に隣接して薬草畑を作っていて、植生に無理のないものはそこで育てている。
話してみるとナハトは意外にも薬草をたくさん知っていた。
いちいち森に行くのかと訊かれて、その理由を理解した。彼らは戦闘員だが、狩人だ。夜行性の暮らしの大半を棲み処から出て森の中で過ごす。
それに、ここはナハトが生まれ育った集落からも近い。この境の森の植物に詳しいのは当然かもしれない。
「自分でも薬草の調合したりする?」
裏に薬草畑が、と話したのを窓越しに覗きながら、肩を竦めている。
「しねえしねえぇ。傷に効くやつを噛んで潰して貼っつけとくくれえだよぉ」
唾液はどうだろう……と唸りそうになるが、異文化だ。野暮な口出しはやめておいた。
「みんなレビの薬で助かってるぜぇ。薬草は知ってても調合なんて考えたこともねえぇ」
さすがに人間は噛んで貼り付けるだけ、よりはマシに思うが、それも言わないでおく。
「ナハトは若いから薬もあんまり要らないよな。なんか、あったらいいのに、みたいなものってある?」
「うおぇぇ? 言ったら作れンのかよぉ。すげえなあぁ、レビぃ」
「絶対作れるとは限んないけど、研究してみるの好きなんだ」
頭いいもんなぁ、と面白い顔で眺められて、そういう問題? と笑った。
レビはベッドに、ナハトには椅子に掛けてもらい、薬草茶で腹の中をあたためる。
普通に忠告を無視しようと思っていたのだが、よく眠れそうな心地だった。
「あー……。ニオイを消せるモンがあったらいいなぁぁ」
「うん? あっ、……なるほど」
「まだ言ってねえのに分かったのかよぉ。どういう頭してンだぁ」
驚きを表現している顔に、笑ってしまった。
狩りの時に体臭を消せたら、と確かめると、そういうこと、と狩人の抜け目のない笑みが返される。
なるほど、考えてみる。と、頷きながら、砦に来たばかりの頃、花の香りをつけた石鹸が獣人たちに不評だったのを思い出して小さく笑った。
なんでもない話をしながら、時折部屋の中を観察するナハトの目がこちらにも向いて、遠慮なくその様子を楽しんだ。
「わかったぁ」
「うん?」
「頭が違うだろぉぉ」
「頭?」
「違うよなぁぁ?」
「んん?」
首を捻りかけて、ナハトの視線が動くのを見つめ。自分の顔の周りを見ていると気づいて、遅れて思い出した。必要もなく赤くなってしまう。
「ああ、髪型か……」
「ああぁ、そうか、髪の形だぁ」
手をやって、こめかみの傍に作った細い編み込みに触れてみる。忘れていた。
「王都にいた頃は、よく編んでたんだ。……ちょっと、久しぶりにやってみようかと思って」
変? と尋ねると、即答で「いいやぁ」が返され、半眼になった。単に興味がない答えだ。
「最近下ろしてんだけど……」
「知ってるぜぇ」
「……どういう髪型が好きとかある?」
髪型ぁ? と顎を捻るナハトを、少し唇を尖らせて見つめた。聞かなくても解る「ない」の言い方だ。
だが思いがけず、ニヤッと笑みを浮かべて小さく突き出される舌に、目を丸くする。
「裸のが好きかもなあぁ」
呆れたのは一瞬で、メラメラと対抗心が燃え上がった。そんな下ネタでからかえるとでも思われているのか。
甘く見られては困る。
カップを退けるとローブの留め金を素早く、大きく外して、肩から布を落として中のシャツも放り出して見せた。
「へえ。こういうこと?」
ポカンと口を開けたまま目を丸くしているナハトに、してやったりの気持ちになるのは短い間で。
そのまま身体を這うように行き来する目線に、段々恥ずかしくなってきた。
「えっ……?」
「おま、なんだ、それ、ぇ」
「えっ?」
ああ。と。自分の身体を見下ろす。邪魔になるだろうと思ってこの前は外していたのだ。
左右非対称に身体にまとわせている、細い金の鎖を指で持ち上げた。
「ああ。これは、うーん、霊力増幅装置みたいなの。まだ研究途中なんだけど」
霊力の流れを辿って縦横につながり、肌の上に渡らせている、金の鎖が作る網。鎖と鎖の繋ぎ目に丸い輪を使って、色とりどりの石を下げてある。
「エッロ……」
「エロ!?」
これが? と、風呂に入るときは外すし、性行為には邪魔だろうと思った細い鎖を指で持ち上げ、マジマジと見つめた。
「すげえぇ……宝石かぁ、これぇ?」
カップを空にして脇にわざわざ置いて、身を乗り出し伸びてくる指は、だが石には触れない。触れていないが石の形を辿るように指を動かされて、心臓が跳ねた。
「や……。さすがに、んな金持ちじゃねえよ。これは魔石っていって、俺が自分で作った。宝石だったらよかったんだけど」
「へえぇ?」
全く解らん。と、顔に書いてある。
小さく笑って、よく見たいらしい様子に気づいて脇に避けた。一人分空けたスペースに腰を下ろすナハトが、そっと指を伸ばして鎖を持ち上げると、指先があばらの辺りに触れた。
「 、魔石って、のは。俺の霊力で作る魔術の石なんだけど、霊力の量で言うと、本物の石の方がはるかに多いんだ」
「なるほどなぁ。宝石ならなんでもいいのかぁ?」
「アンシぃ?」
顎を捻るナハトに頷いてから、もう一度辺りを見回した。明るいが、なんとなく白っぽく霞んでいて、細かい色が見えにくい。
顔を戻すと、ナハトには元々あまり色彩がないと気づいて、小さく笑った。
「俺でも暗いところで目が見える薬。夜の戦闘に使えないかなと思って」
「ほおぉ。そりゃすげえなあぁ」
獣人たちの作る輪は少し乱れて、それぞれに寛いだ様子で何か話したり笑ったりしているが、先ほどと違ってあまり声が聞こえない。
森に溶け込んでるみたいだ、と、レビはしばらくその様子を眺めていた。
夜が明ける前に魔法薬の効果が切れた。
見えない月の位置を獣人たちに確認してもらって、一晩の使用に耐える量や使用方法について考えを巡らせる。
いらないと言うのに満場一致でナハトをつけられ、森の中を歩いて帰路を辿った。
「いて、」
つまずいた、と思った時には二の腕を掴んで支えられている。
「全然大丈夫じゃねえじゃねえかぁぁ」
「転んで死ぬわけじゃなし」
フンと鼻を鳴らしては笑われ。見えてんの? 普通にぃ、などと声を交わしながら、闇に覆われた森を抜け出した。
「ありがとな。狩りに戻るだろ」
家の扉に手を掛けながら振り返ると、ナハトが首を傾げた。
「この時間じゃ仕事にゃならねえからなあぁ。俺も帰って寝るわぁ」
「えっ、ごめん。邪魔したのか」
「んなこたねえぜぇ。森にいりゃいつでも獲れるってもんでもねえし、色んな日があるからなぁ」
悪かったな、と思わず眉を下げると、悪くねえってとナハトが笑った。
ほんの少し、その顔に見とれてしまって、沈黙が落ちる。
「……こないだ言ってた薬草茶、飲んでく?」
ぷは、とまた笑われた。
「いや寝ろよぉ。夜明けだぜぇ」
「や。どっちにしろ薬の続きやるし、今日は寝ないから」
「ええぇ? いや寝ろよぉ?」
食わねえし寝ねえしお前よぉ、と呆れるナハトに、今度はレビの方が笑ってしまった。
「嫌じゃなかったら、お茶飲んでかない?」
改めて誘い直せば、今度はまた器用に顔をひねって考えるナハトの答えを待った。激しい稽古を見て興奮しているのかもしれない。
もう少し一緒にいてほしい。
「まあいいかぁ。じゃあ飲んだら寝ろよぉ」
「いや仕事したいんだって」
笑いながらナハトを招き入れると、正直に気持ちがうきうきする。
吊してある薬草の匂いをいちいち嗅いで回っているナハトに、待っていてくれるよう声を掛けて、薬罐を火に掛けた。
「茶葉これなんだけど。匂いどう?」
平気? と小さなポットの蓋を取って見せると、新しい場所の探索の続きのよう、ナハトが少し顔を近づけて鼻を鳴らす。
「ええぇ、ホントにけっこう美味そうな匂いだなあぁ。何が入ってんだぁ?」
怪訝な顔にほっとしながら、あれとこれと、と薬草の名を挙げる目は、自然と窓へ向いた。家に隣接して薬草畑を作っていて、植生に無理のないものはそこで育てている。
話してみるとナハトは意外にも薬草をたくさん知っていた。
いちいち森に行くのかと訊かれて、その理由を理解した。彼らは戦闘員だが、狩人だ。夜行性の暮らしの大半を棲み処から出て森の中で過ごす。
それに、ここはナハトが生まれ育った集落からも近い。この境の森の植物に詳しいのは当然かもしれない。
「自分でも薬草の調合したりする?」
裏に薬草畑が、と話したのを窓越しに覗きながら、肩を竦めている。
「しねえしねえぇ。傷に効くやつを噛んで潰して貼っつけとくくれえだよぉ」
唾液はどうだろう……と唸りそうになるが、異文化だ。野暮な口出しはやめておいた。
「みんなレビの薬で助かってるぜぇ。薬草は知ってても調合なんて考えたこともねえぇ」
さすがに人間は噛んで貼り付けるだけ、よりはマシに思うが、それも言わないでおく。
「ナハトは若いから薬もあんまり要らないよな。なんか、あったらいいのに、みたいなものってある?」
「うおぇぇ? 言ったら作れンのかよぉ。すげえなあぁ、レビぃ」
「絶対作れるとは限んないけど、研究してみるの好きなんだ」
頭いいもんなぁ、と面白い顔で眺められて、そういう問題? と笑った。
レビはベッドに、ナハトには椅子に掛けてもらい、薬草茶で腹の中をあたためる。
普通に忠告を無視しようと思っていたのだが、よく眠れそうな心地だった。
「あー……。ニオイを消せるモンがあったらいいなぁぁ」
「うん? あっ、……なるほど」
「まだ言ってねえのに分かったのかよぉ。どういう頭してンだぁ」
驚きを表現している顔に、笑ってしまった。
狩りの時に体臭を消せたら、と確かめると、そういうこと、と狩人の抜け目のない笑みが返される。
なるほど、考えてみる。と、頷きながら、砦に来たばかりの頃、花の香りをつけた石鹸が獣人たちに不評だったのを思い出して小さく笑った。
なんでもない話をしながら、時折部屋の中を観察するナハトの目がこちらにも向いて、遠慮なくその様子を楽しんだ。
「わかったぁ」
「うん?」
「頭が違うだろぉぉ」
「頭?」
「違うよなぁぁ?」
「んん?」
首を捻りかけて、ナハトの視線が動くのを見つめ。自分の顔の周りを見ていると気づいて、遅れて思い出した。必要もなく赤くなってしまう。
「ああ、髪型か……」
「ああぁ、そうか、髪の形だぁ」
手をやって、こめかみの傍に作った細い編み込みに触れてみる。忘れていた。
「王都にいた頃は、よく編んでたんだ。……ちょっと、久しぶりにやってみようかと思って」
変? と尋ねると、即答で「いいやぁ」が返され、半眼になった。単に興味がない答えだ。
「最近下ろしてんだけど……」
「知ってるぜぇ」
「……どういう髪型が好きとかある?」
髪型ぁ? と顎を捻るナハトを、少し唇を尖らせて見つめた。聞かなくても解る「ない」の言い方だ。
だが思いがけず、ニヤッと笑みを浮かべて小さく突き出される舌に、目を丸くする。
「裸のが好きかもなあぁ」
呆れたのは一瞬で、メラメラと対抗心が燃え上がった。そんな下ネタでからかえるとでも思われているのか。
甘く見られては困る。
カップを退けるとローブの留め金を素早く、大きく外して、肩から布を落として中のシャツも放り出して見せた。
「へえ。こういうこと?」
ポカンと口を開けたまま目を丸くしているナハトに、してやったりの気持ちになるのは短い間で。
そのまま身体を這うように行き来する目線に、段々恥ずかしくなってきた。
「えっ……?」
「おま、なんだ、それ、ぇ」
「えっ?」
ああ。と。自分の身体を見下ろす。邪魔になるだろうと思ってこの前は外していたのだ。
左右非対称に身体にまとわせている、細い金の鎖を指で持ち上げた。
「ああ。これは、うーん、霊力増幅装置みたいなの。まだ研究途中なんだけど」
霊力の流れを辿って縦横につながり、肌の上に渡らせている、金の鎖が作る網。鎖と鎖の繋ぎ目に丸い輪を使って、色とりどりの石を下げてある。
「エッロ……」
「エロ!?」
これが? と、風呂に入るときは外すし、性行為には邪魔だろうと思った細い鎖を指で持ち上げ、マジマジと見つめた。
「すげえぇ……宝石かぁ、これぇ?」
カップを空にして脇にわざわざ置いて、身を乗り出し伸びてくる指は、だが石には触れない。触れていないが石の形を辿るように指を動かされて、心臓が跳ねた。
「や……。さすがに、んな金持ちじゃねえよ。これは魔石っていって、俺が自分で作った。宝石だったらよかったんだけど」
「へえぇ?」
全く解らん。と、顔に書いてある。
小さく笑って、よく見たいらしい様子に気づいて脇に避けた。一人分空けたスペースに腰を下ろすナハトが、そっと指を伸ばして鎖を持ち上げると、指先があばらの辺りに触れた。
「 、魔石って、のは。俺の霊力で作る魔術の石なんだけど、霊力の量で言うと、本物の石の方がはるかに多いんだ」
「なるほどなぁ。宝石ならなんでもいいのかぁ?」
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