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10、海神の怒り、巫子の傷
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想像していたのとは違って、その一度では済まなかった。
何度も腹の中に遣られ、その度に、ナルヌイとレニの、力と記憶の境界が溶けていく。
「ナルヌイさま、ナルヌイさま……っ」
淫らに乱れ海神にすがりつき、泣きながら腰を揺すって求めた。
「レナン、」
ナルヌイの口からも、うわごとのように巫子の名が繰り返され、足らぬというよう顎に首筋に、耳に肩にと唇が這い回った。
海の国では建物の外に穏やかな波の音が続き、漁師や、その妻や子が働き遊ぶ声が聞こえる。荒れた波の日には小さな戸口たちが閉ざされ、けれど漏れる灯りが、誰も飢えずに家族で過ごしているのだと教えていた。
雪の国は山の中にあり、木を切り畑を作り、壮麗な神事と融合するよう養蚕が行われていた。雪が溶けるのを待って近隣の国々に運ばれる絹もまた、この厳しい山で民を穏やかに暮らさせていた。
言葉も、顔立ちも表情すら違う、遠く混じり合わぬ二つ国をナルヌイに寄り添って、レニは長い長い間見守った。
そうして、そのどちらも戦火に燃え落ちたところで、意識を失った。
大きな手が髪を撫でている。
誰が、とは思い浮かびもしなかった。
眠っているレニを抱き寄せて髪を撫でるのは、ナルヌイしかいないからだ。
髪にくちづけられると、そこから幸福な安らぎが広がり、涙が零れた。
「疲れさせてしまっただろう。もう少し眠っているといい」
見上げるナルヌイの目に涙はないが、祭の前と違って、少し草臥れて見える。
ハッと、ナルヌイの変化に気づき、レニは慌てて身体を離そうとして、だがわずかな身動ぎができただけだった。
身体が軋んで強張っている。
「どうした」
手を上げ、揃って開いた両目を見つめ、艶のある浅黒い頬を両手で包んだ。
レニの白い手に、ナルヌイの大きな手が覆って隠す。目で問うレニに、ナルヌイが同じように目で頷いた。
大きな身体のどこにも、石の覆いはなくなっていた。
「ありがとう。これほど力ある巫子を得るなど、神と呼ばれるものにとってこの上ない幸運だ」
「……身に余る光栄です」
恥じ入って顔を隠すようにも、甘えるようにも、レニはナルヌイの胸に額を寄せる。
封印は解けたのだろうか、それとも故郷の儀の通り、一夜契ってしばし“渡す”だけだろうか。
ともあれ、祭はまた行うこともできる。
長く続いた家の名を汚さぬ巫子であったと証明された、数十年遅れの安堵や、異国の神へと結ばれてしまった心、思うところは溢れんばかりだが。
重くなる気を振り払うように顔を上げて、レニはナルヌイの顔を強く見つめ直した。
「ナルヌイ様。お止めしないわけにはいきません」
知っていたとでも言う風、ナルヌイは黙って笑みを浮かべる。
「戦など起こしてはなりません。決して見過ごせません」
強く言葉を重ねるレニに、笑んだまま眉を上げるナルヌイの表情は傲慢さと、隠した怒りを帯びていた。
「お前の国、美しい雪と絹の山の国、ギムレンが何故戦に焼かれたのか知っているか」
「それ、は……。小さな国だから……」
「違う」
笑み失せないままのナルヌイの顔に、鼓動が早鐘を打って、正体の判らない不安が渦巻く。
「ギムレンは、両隣の国のどちらにとっても、軍を進めるために有利な道筋なのだ。ギムレンを押さえた方は山から軍を駆け下りさせ、山を登る進軍になる国はまず勝てぬ」
震える唇を引き結び、ナルヌイの顔を滲ませる目に力を入れてこらえた。
「他国に例を見ない壮麗な神事も、稀なる力を持つお前の家も、富を生む養蚕も求めはしなかった。山の向こうの敵を焼くために、お前の国もまた焼かれたのだ」
「……っ」
こらえきれなくなって瞼を伏せ、溢れて止まらない涙を拭うこともできず、せめて嗚咽を漏らすまいと手で口を覆った。
「私の国、つまらぬ漁業の、だが穏やかで豊かなシオンランも同じだ。その場所に海の軍を配置した国が、海に面した他国を圧倒する」
悔しい、悔しいと、思うのはもちろん初めてなはずがない。
それでも、神職の家系だったレニには理解できていなかった。ギムレンは美しく、価値のある国だから奪われたのだと、そう思っていたことにすら、たった今気がついた。
あまりにも、口惜しい。
「国というものは、大きくなればなるほど欲が膨らむ。必ず隣の国を欲しがる。中身ではなく場所をな。そこに住んでいた民など焼き払って、自国の民と増やした軍を置くためだ」
震える息を大きく吸って吐いて、奥歯を食い縛って顔を上げ、ナルヌイの顔を見た。
もう、ナルヌイも笑ってはいない。
「大国、などというものをそもそも許してはならん。百と千に引き裂いて、争えば損をする小国同士でいさせるべきなのだ」
「なりません」
「お前とて故郷を焼いた国が憎いだろう、レナン」
もちろん、もう知っているのだ、ナルヌイも。十八の年で国を追われ、今は居場所を見つけて穏やかに暮らすレニも、その憎しみを忘れたことがないのを。
レニが、力を取り戻したナルヌイの望みが復讐の戦であることを知ったように。
互いに深く繋がり受け入れ、明け渡して、互いの力だけでなく心を分け合ったのだ。
「俺が憎んでいるのは、戦を起こした者です。戦って殺せばいいと思う心だ」
初めて、ナルヌイがぴたりと口を噤んだ。
「戦で死ぬのは兵士と民だ。戦を起こした者はいつも生きている。他者を使って殺し合いをさせることが許せない」
ゆっくりと、鷹揚な仕草でナルヌイが身を離し、起き上がって着物を拾った。
「お前やお前の知己が巻き込まれぬよう心掛けよう」
「なりません!」
「既にお前の知るところではない。後ひとつ、神告を取り戻せば出ていく」
冷えた顔で着物を着込むナルヌイに、動かぬ身体を這いずるようにしてレニも身を起こす。敷布についた手が離せず、獣のように四つのままで、取り戻した力で満ちあふれた様子の神を睨みつけた。
「俺があなたを滅ぼします」
「何を」
「妹がそうしたように」
「……まさか。お前は、あの夜に妹が何をしたのか知らない」
集落中が火に巻かれ、神殿にも火が移った夜。身を捧げた神を捨てて逃げはしないと、妹のチナはレニに別れを告げた。
「チナは、巫女と民の信仰を失った神が堕ち神になることを案じた。神を抱いたまま共に滅びたんだ。あなたと俺はまだ繋がっている。あなたがお心を変えてくださらないなら、俺は同じことをします。方法など解らなくとも、必ずそう成し遂げる」
長い間を置いて、ふ、とナルヌイは淡く笑った。
「そう噛みつくな。巫子レナンよ、」
着物を着終えて整え、身を屈めたナルヌイはレニの耳の縁にくちづけを捺した。私の心はすでに、お前に結ばれた。と、切ないような囁きを残して。
まだ繋がっている、力と心を繋いでいる名前のない絆を通して、その言葉を裏付ける擦り傷の熱のような、苦みを含んだ甘みのようなものが伝わる。
レニが開いた口から言葉を選べないでいる間に、ナルヌイは静かに部屋を出て行った。
窓から差し込む光は青白く、夜が明けたことを教えていた。
もう二度と歩けないかと思った股の関節も、よろめきながら広間を片付けている内に戻ってしまった。
ナルヌイの姿を見つけられず気が触れたように働きまくって、くたくたになって眠りに落ちる夜中、自室の前を通り抜けようとする気配に飛び起きた。
戸と壁の向こうなのに、まるで見えているようにはっきりとナルヌイを感じた。
戸が音を立てるほど勢いよく飛び出して、長身の手首を掴んだ。
ナルヌイは、最後の宝を探しているのだ。
民の心を集め、心酔させることのできる力、“神吿”を。
「おやめください」
ほとんど睨むようなレニを見下ろし、ナルヌイの笑みは柔らかい。
「元より私のものだ」
「一日経って、まだこれほど強く繋がっている。方法は単純なことだ、知るまでもなかった」
「レナン」
「祭の外ではお呼びにならないでください」
そうか、と頷くナルヌイは笑みのままだ。まるで、愛しいと言う代わりのように。
何度も腹の中に遣られ、その度に、ナルヌイとレニの、力と記憶の境界が溶けていく。
「ナルヌイさま、ナルヌイさま……っ」
淫らに乱れ海神にすがりつき、泣きながら腰を揺すって求めた。
「レナン、」
ナルヌイの口からも、うわごとのように巫子の名が繰り返され、足らぬというよう顎に首筋に、耳に肩にと唇が這い回った。
海の国では建物の外に穏やかな波の音が続き、漁師や、その妻や子が働き遊ぶ声が聞こえる。荒れた波の日には小さな戸口たちが閉ざされ、けれど漏れる灯りが、誰も飢えずに家族で過ごしているのだと教えていた。
雪の国は山の中にあり、木を切り畑を作り、壮麗な神事と融合するよう養蚕が行われていた。雪が溶けるのを待って近隣の国々に運ばれる絹もまた、この厳しい山で民を穏やかに暮らさせていた。
言葉も、顔立ちも表情すら違う、遠く混じり合わぬ二つ国をナルヌイに寄り添って、レニは長い長い間見守った。
そうして、そのどちらも戦火に燃え落ちたところで、意識を失った。
大きな手が髪を撫でている。
誰が、とは思い浮かびもしなかった。
眠っているレニを抱き寄せて髪を撫でるのは、ナルヌイしかいないからだ。
髪にくちづけられると、そこから幸福な安らぎが広がり、涙が零れた。
「疲れさせてしまっただろう。もう少し眠っているといい」
見上げるナルヌイの目に涙はないが、祭の前と違って、少し草臥れて見える。
ハッと、ナルヌイの変化に気づき、レニは慌てて身体を離そうとして、だがわずかな身動ぎができただけだった。
身体が軋んで強張っている。
「どうした」
手を上げ、揃って開いた両目を見つめ、艶のある浅黒い頬を両手で包んだ。
レニの白い手に、ナルヌイの大きな手が覆って隠す。目で問うレニに、ナルヌイが同じように目で頷いた。
大きな身体のどこにも、石の覆いはなくなっていた。
「ありがとう。これほど力ある巫子を得るなど、神と呼ばれるものにとってこの上ない幸運だ」
「……身に余る光栄です」
恥じ入って顔を隠すようにも、甘えるようにも、レニはナルヌイの胸に額を寄せる。
封印は解けたのだろうか、それとも故郷の儀の通り、一夜契ってしばし“渡す”だけだろうか。
ともあれ、祭はまた行うこともできる。
長く続いた家の名を汚さぬ巫子であったと証明された、数十年遅れの安堵や、異国の神へと結ばれてしまった心、思うところは溢れんばかりだが。
重くなる気を振り払うように顔を上げて、レニはナルヌイの顔を強く見つめ直した。
「ナルヌイ様。お止めしないわけにはいきません」
知っていたとでも言う風、ナルヌイは黙って笑みを浮かべる。
「戦など起こしてはなりません。決して見過ごせません」
強く言葉を重ねるレニに、笑んだまま眉を上げるナルヌイの表情は傲慢さと、隠した怒りを帯びていた。
「お前の国、美しい雪と絹の山の国、ギムレンが何故戦に焼かれたのか知っているか」
「それ、は……。小さな国だから……」
「違う」
笑み失せないままのナルヌイの顔に、鼓動が早鐘を打って、正体の判らない不安が渦巻く。
「ギムレンは、両隣の国のどちらにとっても、軍を進めるために有利な道筋なのだ。ギムレンを押さえた方は山から軍を駆け下りさせ、山を登る進軍になる国はまず勝てぬ」
震える唇を引き結び、ナルヌイの顔を滲ませる目に力を入れてこらえた。
「他国に例を見ない壮麗な神事も、稀なる力を持つお前の家も、富を生む養蚕も求めはしなかった。山の向こうの敵を焼くために、お前の国もまた焼かれたのだ」
「……っ」
こらえきれなくなって瞼を伏せ、溢れて止まらない涙を拭うこともできず、せめて嗚咽を漏らすまいと手で口を覆った。
「私の国、つまらぬ漁業の、だが穏やかで豊かなシオンランも同じだ。その場所に海の軍を配置した国が、海に面した他国を圧倒する」
悔しい、悔しいと、思うのはもちろん初めてなはずがない。
それでも、神職の家系だったレニには理解できていなかった。ギムレンは美しく、価値のある国だから奪われたのだと、そう思っていたことにすら、たった今気がついた。
あまりにも、口惜しい。
「国というものは、大きくなればなるほど欲が膨らむ。必ず隣の国を欲しがる。中身ではなく場所をな。そこに住んでいた民など焼き払って、自国の民と増やした軍を置くためだ」
震える息を大きく吸って吐いて、奥歯を食い縛って顔を上げ、ナルヌイの顔を見た。
もう、ナルヌイも笑ってはいない。
「大国、などというものをそもそも許してはならん。百と千に引き裂いて、争えば損をする小国同士でいさせるべきなのだ」
「なりません」
「お前とて故郷を焼いた国が憎いだろう、レナン」
もちろん、もう知っているのだ、ナルヌイも。十八の年で国を追われ、今は居場所を見つけて穏やかに暮らすレニも、その憎しみを忘れたことがないのを。
レニが、力を取り戻したナルヌイの望みが復讐の戦であることを知ったように。
互いに深く繋がり受け入れ、明け渡して、互いの力だけでなく心を分け合ったのだ。
「俺が憎んでいるのは、戦を起こした者です。戦って殺せばいいと思う心だ」
初めて、ナルヌイがぴたりと口を噤んだ。
「戦で死ぬのは兵士と民だ。戦を起こした者はいつも生きている。他者を使って殺し合いをさせることが許せない」
ゆっくりと、鷹揚な仕草でナルヌイが身を離し、起き上がって着物を拾った。
「お前やお前の知己が巻き込まれぬよう心掛けよう」
「なりません!」
「既にお前の知るところではない。後ひとつ、神告を取り戻せば出ていく」
冷えた顔で着物を着込むナルヌイに、動かぬ身体を這いずるようにしてレニも身を起こす。敷布についた手が離せず、獣のように四つのままで、取り戻した力で満ちあふれた様子の神を睨みつけた。
「俺があなたを滅ぼします」
「何を」
「妹がそうしたように」
「……まさか。お前は、あの夜に妹が何をしたのか知らない」
集落中が火に巻かれ、神殿にも火が移った夜。身を捧げた神を捨てて逃げはしないと、妹のチナはレニに別れを告げた。
「チナは、巫女と民の信仰を失った神が堕ち神になることを案じた。神を抱いたまま共に滅びたんだ。あなたと俺はまだ繋がっている。あなたがお心を変えてくださらないなら、俺は同じことをします。方法など解らなくとも、必ずそう成し遂げる」
長い間を置いて、ふ、とナルヌイは淡く笑った。
「そう噛みつくな。巫子レナンよ、」
着物を着終えて整え、身を屈めたナルヌイはレニの耳の縁にくちづけを捺した。私の心はすでに、お前に結ばれた。と、切ないような囁きを残して。
まだ繋がっている、力と心を繋いでいる名前のない絆を通して、その言葉を裏付ける擦り傷の熱のような、苦みを含んだ甘みのようなものが伝わる。
レニが開いた口から言葉を選べないでいる間に、ナルヌイは静かに部屋を出て行った。
窓から差し込む光は青白く、夜が明けたことを教えていた。
もう二度と歩けないかと思った股の関節も、よろめきながら広間を片付けている内に戻ってしまった。
ナルヌイの姿を見つけられず気が触れたように働きまくって、くたくたになって眠りに落ちる夜中、自室の前を通り抜けようとする気配に飛び起きた。
戸と壁の向こうなのに、まるで見えているようにはっきりとナルヌイを感じた。
戸が音を立てるほど勢いよく飛び出して、長身の手首を掴んだ。
ナルヌイは、最後の宝を探しているのだ。
民の心を集め、心酔させることのできる力、“神吿”を。
「おやめください」
ほとんど睨むようなレニを見下ろし、ナルヌイの笑みは柔らかい。
「元より私のものだ」
「一日経って、まだこれほど強く繋がっている。方法は単純なことだ、知るまでもなかった」
「レナン」
「祭の外ではお呼びにならないでください」
そうか、と頷くナルヌイは笑みのままだ。まるで、愛しいと言う代わりのように。
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