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13、海神の帰還
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声はそこで途切れた。後は何度やっても、音のしない奇妙な銀貨であるばかりだった。
椅子のそばに座り込んで、レニは少し鼻を啜った。
逃げて逃げて逃げて、同郷の者たちとも次第に散り散りになり、這いつくばるような日々を袖寄屋の先代に拾われた頃を思い出す。
ナルヌイに繋がっていた感覚は、日々に次第に薄れてきている。もう、レニが抱いている思いと区別がつかないほどだ。
だけど、古い海の神よ。
わたしの一夜の夫となって、わたしを正統の巫子にしてくれた神よ。
あなたにも、どうかこれを聞いていただきたい。
その翌日の予約客は無事に現れ、そこからゆっくりと袖寄屋に元の活気が戻っていった。
「何も問題ないと、それはそれで物足りなく感じますね……」
普通の客の部屋の片付けを終え、交替の声を掛けられたシュカが難しい顔をする。いやいやいやいや、と、レニは激しく首を横に振った。
「よしてくださいよ、縁起でもない。いつも通りが一番ですよ」
わざわざ腕組みをしてまで深く思案し、そうですね、とシュカは茶目っ気たっぷりに笑った。
そしてその次の夜には早速、縁起の悪い顔が現れた。
うとうとと眠りが浅くなった深夜に、私室に蠢く気配を感じて、ハッと息をこぼしてレニは辺りを見回した。
短い間、目の前にある影を見つけられなかった。大きすぎて逆に視界を塞いでいたのだ。
「ナルヌイ様……!」
「……起こしたか。すまない。顔を見たら去ろうと思いながら、機を逃した」
ナルヌイの声は張りを失い、暗く萎んでいる。
嫌な予感がしてすっかり目が覚め、レニは寝台の上に身を起こした。
「……灯りを、点けても構いませんか」
恐る恐る、という声に声で答えず、ナルヌイの方で灯りを点してくれた。
ああ……と、レニは眉を寄せて嘆息する。
大きな背を屈めて見せてくれる、弱く優しい笑みの顔は、半分が石に変わっていた。
手を伸ばし、痛ましいその頬を両手で包む。
「申し訳ありません。宵契りで互いに“渡す”ものは、永遠に続く力ではありません。ご説明を怠り……」
「いいや。お前は違いなく説いた、巫子よ。知っていた」
祭を行いましょう、という言葉は、飲み込んだ。
「聞いてくれるか、レニ」
手を握られ、なされるままに離して、隣に腰掛けるナルヌイの話に耳を傾けた。
心中してでもとレニに脅され行き詰まったナルヌイは、当て所なく歩きはじめ、記憶が戻っていることに思い当たって、かつてのシオンランを目指したという。
力を取り戻して疲れを知らぬ足で、昼も夜も歩き続け、ついにかつての海辺の国へ辿り着いた。
そこには考えた通りの軍港が築かれ、再び激しい怒りにかられて、やはり神告を取り戻そうと道を戻り始める。
だが、軍港にもその周りに栄える街にも、見覚えのある顔があるように思えて、しばらくその街に留まったのだそうだ。
予感の通り、それらはかつてのシオンランの孫の孫たちで、今はもう、敵国だったスイケイエンの民になっていた。
軍港に違いないが戦の気配はなく、それは充分に糧として機能し、シオンランの民も、スイケイエンの民も養っていたのだ。
「怒りに溺れる間に、長い時が経っていたようだ」
長く息を抜くようなナルヌイの声に、ほだされそうな気持ちを、レニはグッと力を込めて取り直す。
「戦は、おやめいただけますか」
フッと、ナルヌイは軽く息をついて笑った。
身を向け直して手を伸ばし、今度はナルヌイの掌がレニの頬を抱いた。
「そうしたい。だが、そうすれば私はこのまま、神ではなくなるのだろう」
レニには、そこまでは知れない。言葉を探すように唇を引き結んだ。
「私が神でなくなったら、レニは私の巫子にはならぬだろうな」
「――ハ⁉」
目を丸くするレニに、ナルヌイは相好を崩す。
「そうか。もう繋がっておらぬから、心は解らぬのだったな」
「へ……」
「驚くようなことか。国も民も諦めたなら、残る望みはお前だけだ、レニ」
開いた口から言葉が出ずに、レニははくはくと空気を噛んだ。首の後ろが、みるみる熱くなっていく。
熱が及ぶ前にと隠すよう、ナルヌイの胸に顔を埋めて着物の袖を掴んだ。
「あなたに、以前と同じお力を戻せるか判りません。故郷とは事情が違いすぎて……」
「うん」
「それでも、よろしければ……」
祭を、と、次第に尻すぼみになる声を探すよう、細い顎に手を掛けてナルヌイがレニの顔を上向かせる。
息を吸ってきちんと言い直そうとする声の、先を取られた。
「私に抱かれてくれるか、レニ」
再び口が空回りして、今度こそ真っ赤な顔をしているに違いない。
巫子の立場を盾にしようとしたのを、遠慮なく踏み倒されたのだ。
だけど、もう、とレニは眉を下げた。
この自分だって。
「……お時間を、ください。支度を、」
「三日も待てぬ」
ヒィと、実際に小さな声を上げた。
「い、一日、せめて一日は……っ」
「承知した。……いや、そうか。杯を酒で願えば手に入るのか?」
うう、と、今度は唸って、レニはいよいよ顔を背ける。
「駄目です……儀を違えます……」
食い下がらず、ナルヌイは単純な相槌を打った。
「承知した。明日の同じ頃でいいだろうか。レニを休ませないと叱られるからな」
はい……と消え入るような声で応じてから、立ち上がったナルヌイを追うように、ハッとレニは顔を上げた。
「ナルヌイ様。よければもっと早くおいでください」
「うん?」
「お目に掛けたいものがあります」
翌日の夜。落ちた銀貨が昔語りをやめても、少し長い間、ナルヌイはそれを見つめていた。
慌て者め、と低い声が柔らかく語ちる。
「この男はな、子供の頃からせっかちで、よくこういう早とちりをして騒ぎを起こすのだ。……レニ、」
顔を上げたナルヌイと目が合い、慌てて隠そうとする顔に手が伸びて、頬を包んだ。
レニの濡れた眦を拭って、ナルヌイが頰笑む。
「泣くことはない。失われたことは悲しいが、かつてあったということは、悲しいことではないのだ」
「……っ」
でもまだ、と、レニは力を込めてこらえる。
まだ自分には、そんな風に思えない。
深い懐に引き寄せられ、胸に顔を埋めたらこらえきれず、声を殺して嗚咽した。
次第に息も落ち着いてくると段々と恥ずかしくなってきて、誰もが子供の頃にはナルヌイに可愛いがられた、という昔語りが頭を過る。
飽きず髪を撫でてくれる手をそっと押し返すよう、身体を離した。
離れた頬や眦をまた拭ってくれるナルヌイの顔が見れない。
「巫子殿に正体を明かされてしまったな」
苦笑いの声にレニがようやく顔を上げると、ナルヌイは少しだけ目を逸らした。
「神などと呼ばれるものはおよそ、大したものでもない。得体の知れぬ力を、捏ねて祀るのは人間の祈りの方なのだ」
何のことかと短い間考えてから、昔語りの会話に思い当たる。
クスと小さく息を抜いて、乱してしまったナルヌイの襟元を整えた。
「所以など、それこそ人の身が問うところではありません。民を守り国を栄えた。ナルヌイ様は、俺が知る通りの神です」
上げる顔に笑みを見せた途端、あっと思う間もなく唇を奪われた。
「っ!」
目を剥くレニに、そうか、とナルヌイが眉を上げる。
「杯がまだだったな」
「も、もう……あなたは……」
よろめきそうになりながら立ち上がり、銀貨を片付けると、用意しておいた水杯の膳を据えた。
「ナルヌイ様。ただいまより、宵契りの渡しを奉じさせていただきます」
辞儀を捧げるレニに、ナルヌイが鷹揚に応じる。
「承知した。受ける」
差し上げられる膳から杯を取り、口をつけるナルヌイの目がスゥと撓んで笑い、顔の熱に戸惑うようレニは目だけを横に外した。
戻される杯を一息に飲み干し、レニが膳を引くと、ナルヌイが腰を上げる。招かれるのを待たずレニも身を上げて、寝台に腰掛けた大きな膝に膝を擦り寄せた。
「脱ぎますか」
「いいや」
来い。と、偉大な波の神が逞しい腕を伸ばした。
椅子のそばに座り込んで、レニは少し鼻を啜った。
逃げて逃げて逃げて、同郷の者たちとも次第に散り散りになり、這いつくばるような日々を袖寄屋の先代に拾われた頃を思い出す。
ナルヌイに繋がっていた感覚は、日々に次第に薄れてきている。もう、レニが抱いている思いと区別がつかないほどだ。
だけど、古い海の神よ。
わたしの一夜の夫となって、わたしを正統の巫子にしてくれた神よ。
あなたにも、どうかこれを聞いていただきたい。
その翌日の予約客は無事に現れ、そこからゆっくりと袖寄屋に元の活気が戻っていった。
「何も問題ないと、それはそれで物足りなく感じますね……」
普通の客の部屋の片付けを終え、交替の声を掛けられたシュカが難しい顔をする。いやいやいやいや、と、レニは激しく首を横に振った。
「よしてくださいよ、縁起でもない。いつも通りが一番ですよ」
わざわざ腕組みをしてまで深く思案し、そうですね、とシュカは茶目っ気たっぷりに笑った。
そしてその次の夜には早速、縁起の悪い顔が現れた。
うとうとと眠りが浅くなった深夜に、私室に蠢く気配を感じて、ハッと息をこぼしてレニは辺りを見回した。
短い間、目の前にある影を見つけられなかった。大きすぎて逆に視界を塞いでいたのだ。
「ナルヌイ様……!」
「……起こしたか。すまない。顔を見たら去ろうと思いながら、機を逃した」
ナルヌイの声は張りを失い、暗く萎んでいる。
嫌な予感がしてすっかり目が覚め、レニは寝台の上に身を起こした。
「……灯りを、点けても構いませんか」
恐る恐る、という声に声で答えず、ナルヌイの方で灯りを点してくれた。
ああ……と、レニは眉を寄せて嘆息する。
大きな背を屈めて見せてくれる、弱く優しい笑みの顔は、半分が石に変わっていた。
手を伸ばし、痛ましいその頬を両手で包む。
「申し訳ありません。宵契りで互いに“渡す”ものは、永遠に続く力ではありません。ご説明を怠り……」
「いいや。お前は違いなく説いた、巫子よ。知っていた」
祭を行いましょう、という言葉は、飲み込んだ。
「聞いてくれるか、レニ」
手を握られ、なされるままに離して、隣に腰掛けるナルヌイの話に耳を傾けた。
心中してでもとレニに脅され行き詰まったナルヌイは、当て所なく歩きはじめ、記憶が戻っていることに思い当たって、かつてのシオンランを目指したという。
力を取り戻して疲れを知らぬ足で、昼も夜も歩き続け、ついにかつての海辺の国へ辿り着いた。
そこには考えた通りの軍港が築かれ、再び激しい怒りにかられて、やはり神告を取り戻そうと道を戻り始める。
だが、軍港にもその周りに栄える街にも、見覚えのある顔があるように思えて、しばらくその街に留まったのだそうだ。
予感の通り、それらはかつてのシオンランの孫の孫たちで、今はもう、敵国だったスイケイエンの民になっていた。
軍港に違いないが戦の気配はなく、それは充分に糧として機能し、シオンランの民も、スイケイエンの民も養っていたのだ。
「怒りに溺れる間に、長い時が経っていたようだ」
長く息を抜くようなナルヌイの声に、ほだされそうな気持ちを、レニはグッと力を込めて取り直す。
「戦は、おやめいただけますか」
フッと、ナルヌイは軽く息をついて笑った。
身を向け直して手を伸ばし、今度はナルヌイの掌がレニの頬を抱いた。
「そうしたい。だが、そうすれば私はこのまま、神ではなくなるのだろう」
レニには、そこまでは知れない。言葉を探すように唇を引き結んだ。
「私が神でなくなったら、レニは私の巫子にはならぬだろうな」
「――ハ⁉」
目を丸くするレニに、ナルヌイは相好を崩す。
「そうか。もう繋がっておらぬから、心は解らぬのだったな」
「へ……」
「驚くようなことか。国も民も諦めたなら、残る望みはお前だけだ、レニ」
開いた口から言葉が出ずに、レニははくはくと空気を噛んだ。首の後ろが、みるみる熱くなっていく。
熱が及ぶ前にと隠すよう、ナルヌイの胸に顔を埋めて着物の袖を掴んだ。
「あなたに、以前と同じお力を戻せるか判りません。故郷とは事情が違いすぎて……」
「うん」
「それでも、よろしければ……」
祭を、と、次第に尻すぼみになる声を探すよう、細い顎に手を掛けてナルヌイがレニの顔を上向かせる。
息を吸ってきちんと言い直そうとする声の、先を取られた。
「私に抱かれてくれるか、レニ」
再び口が空回りして、今度こそ真っ赤な顔をしているに違いない。
巫子の立場を盾にしようとしたのを、遠慮なく踏み倒されたのだ。
だけど、もう、とレニは眉を下げた。
この自分だって。
「……お時間を、ください。支度を、」
「三日も待てぬ」
ヒィと、実際に小さな声を上げた。
「い、一日、せめて一日は……っ」
「承知した。……いや、そうか。杯を酒で願えば手に入るのか?」
うう、と、今度は唸って、レニはいよいよ顔を背ける。
「駄目です……儀を違えます……」
食い下がらず、ナルヌイは単純な相槌を打った。
「承知した。明日の同じ頃でいいだろうか。レニを休ませないと叱られるからな」
はい……と消え入るような声で応じてから、立ち上がったナルヌイを追うように、ハッとレニは顔を上げた。
「ナルヌイ様。よければもっと早くおいでください」
「うん?」
「お目に掛けたいものがあります」
翌日の夜。落ちた銀貨が昔語りをやめても、少し長い間、ナルヌイはそれを見つめていた。
慌て者め、と低い声が柔らかく語ちる。
「この男はな、子供の頃からせっかちで、よくこういう早とちりをして騒ぎを起こすのだ。……レニ、」
顔を上げたナルヌイと目が合い、慌てて隠そうとする顔に手が伸びて、頬を包んだ。
レニの濡れた眦を拭って、ナルヌイが頰笑む。
「泣くことはない。失われたことは悲しいが、かつてあったということは、悲しいことではないのだ」
「……っ」
でもまだ、と、レニは力を込めてこらえる。
まだ自分には、そんな風に思えない。
深い懐に引き寄せられ、胸に顔を埋めたらこらえきれず、声を殺して嗚咽した。
次第に息も落ち着いてくると段々と恥ずかしくなってきて、誰もが子供の頃にはナルヌイに可愛いがられた、という昔語りが頭を過る。
飽きず髪を撫でてくれる手をそっと押し返すよう、身体を離した。
離れた頬や眦をまた拭ってくれるナルヌイの顔が見れない。
「巫子殿に正体を明かされてしまったな」
苦笑いの声にレニがようやく顔を上げると、ナルヌイは少しだけ目を逸らした。
「神などと呼ばれるものはおよそ、大したものでもない。得体の知れぬ力を、捏ねて祀るのは人間の祈りの方なのだ」
何のことかと短い間考えてから、昔語りの会話に思い当たる。
クスと小さく息を抜いて、乱してしまったナルヌイの襟元を整えた。
「所以など、それこそ人の身が問うところではありません。民を守り国を栄えた。ナルヌイ様は、俺が知る通りの神です」
上げる顔に笑みを見せた途端、あっと思う間もなく唇を奪われた。
「っ!」
目を剥くレニに、そうか、とナルヌイが眉を上げる。
「杯がまだだったな」
「も、もう……あなたは……」
よろめきそうになりながら立ち上がり、銀貨を片付けると、用意しておいた水杯の膳を据えた。
「ナルヌイ様。ただいまより、宵契りの渡しを奉じさせていただきます」
辞儀を捧げるレニに、ナルヌイが鷹揚に応じる。
「承知した。受ける」
差し上げられる膳から杯を取り、口をつけるナルヌイの目がスゥと撓んで笑い、顔の熱に戸惑うようレニは目だけを横に外した。
戻される杯を一息に飲み干し、レニが膳を引くと、ナルヌイが腰を上げる。招かれるのを待たずレニも身を上げて、寝台に腰掛けた大きな膝に膝を擦り寄せた。
「脱ぎますか」
「いいや」
来い。と、偉大な波の神が逞しい腕を伸ばした。
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