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本編
19.欠陥があるんです
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子爵は目を丸くしている。
「契る…とは、性交渉を行うということか…?」
「はい。…実は番の痣というのは、番と正しく出会うための目印のような物なのです。その為、番と正しく出会うことが出来るとその役目を終えて、痣は消えるのです。」
「…なんと。」
「…サーシャは痣のせいでずっと辛い思いをし、色々なものを諦めてきたと思います。痣さえなければ、彼女は自由です。聡明で可愛らしい彼女であれば、今からでも貴族の家に嫁ぐことも、好きな人と結ばれることも可能でしょう。処女でなくとも嫁ぐことは出来ますよね?」
淡々と話すレイに子爵は戸惑う。
「あ、あぁ…確かに我が国では処女性はそんなに重要視されてはいないが…。
…レイ君はそれでいいのか?」
レイは柔らかく微笑んだ。
「…サーシャが幸せなら、それが私の幸せです。
それに私は獣人です。私と一緒にいれば、どうしても好奇の目に晒されます。もし愛し合うことが出来たとしても私達の間に産まれるのは、獣人でしょう。そうなれば、サーシャが大変な目に遭うのは目に見えています。
…そして何より…痣のことで彼女を長年苦しませたのは私ですから。そんな私が彼女に愛される資格などありません。」
「だが…。」
子爵にはレイがどれほどサーシャを愛しているか伝わっていた。
「サーシャは以前、世話役になったのは少しでも両親に喜んで貰いたかったからだと話していました。…そうであれば、子爵が望まれるような結婚をするのがサーシャの幸せなのだと思います。」
「しかし、君はサーシャを失えば…この世界で一人になってしまうんじゃー」
「大丈夫です。元々の世界でも両親は早くに亡くしていて、一人で生きるのには慣れています。」
頑ななレイに子爵は折れた。
もし痣が消えたらサーシャがどうしたいのか本人に気持ちを確認してからでもレイの背中を押すのは遅くないと思った。
「……分かった。
二人が契るのを許そう。
しかし、婚約の件はあくまでもサーシャの意思を尊重する。レイ君もそれに従うように。」
レイは神妙に頷く。
「…畏まりました。」
「では、サーシャと妻をここに呼ぼう。
婚約は保留として、今後のことは痣が消えてから相談だ。サーシャの部屋の隣に君の部屋を用意しよう。今晩、サーシャの部屋に入ることを許可する。」
「ありがとうございます。」
◆ ◇ ◆
その後、サーシャとサーシャの母が部屋に呼ばれ、レイから求婚されたことを二人に伝える。
サーシャは信じられなかった。レイのことを拒否したのに、まさか追いかけて来てくれるなんて。嬉しくて、思わず涙してしまったほどだ。
その後はレイと家族とで夕食を食べた。レイが元の世界の話をしたり、サーシャの父が興味深げに話を聞いたりしているのが嬉しくて堪らなかった。最初は獣人という見慣れない存在に強張っていたサーシャの母もレイの柔らかな物腰に警戒を解いていった。
夕食が終わると、サーシャは父に呼び出された。
父の話によると、レイの世界では婚約の前にある儀式を行うらしい。その為、夜にレイが訪ねてくるはずだと言う。レイに身を任せるようサーシャは言われた。
よく意味がわからなかったが、サーシャは了承した。
しかし、何故だか湯浴みを終え、下着を身に付けようと思ったら、そこにあるのはヒラヒラの夜着だった。侍女を呼び、間違ったものが置いてあると言えば、間違っていないと言われる。仕方なくそれを身につけ、ガウンを羽織る。胸の痣は隠れているが、ガウンの下はどうにも官能的なため、サーシャは落ち着かない。
(こんなの着たことない…。まるで初夜みたいじゃない。それに水晶宮で過ごした夜のことを思い出しちゃう…。)
あの日々を思い出し、サーシャは顔を熱くする。
(もう私ったら何を浮かれているのかしら…。婚約を申し入れてもらえたのは嬉しいけど、まだ痣のことも話してないのに…。)
自室のベッドの上に座り、サーシャは自らの痣を撫でた。
(その儀式の内容は分かんないけど、まず最初に謝罪だわ。それに痣のことを話して…。)
その時、サーシャの部屋の扉がノックされた。
(レイ様だわ!!)
サーシャは急いで扉まで駆けて行き、扉を開ける。
「レイ様!」
サーシャが笑顔でレイを迎え入れると、レイは戸惑っているようだった。
(私ったらつい嬉しくて…。水晶宮であんな態度で接していたのに、急にこんなテンションで来られても驚いてしまうわよね…。)
サーシャは一呼吸して、自分を落ち着かせた。
「レイ様、どうぞ狭いですが、お入りください。」
「う、うん。」
どこに座っていいか分からず、入口で立ち尽くすレイをベッドに座るように促した。部屋の中にはソファなどないので、二人はベッドに並んで腰掛けた。
サーシャは横目でレイの姿を確認する。レイもサーシャ同様ガウンを羽織っている。ガウンの合わせ目からはレイの隆起した逞しい胸が見える。かつて、あの胸に抱かれたことがあったな…と思い出して、サーシャは顔を赤くした。
レイが先に口を開く。
「サーシャ…。元気そうで良かった。
宮を出る時は、その…元気がなかったから。」
「ご心配おかけしました。
あの…レイ様はお元気でしたか?」
「あぁ。セオもリズもサラもよくやってくれてる。
それでも……サーシャがいないと、寂しい。」
「レイ様…。」
「ごめん。また困らせるようなことを言って。
俺から好意を寄せられるのも迷惑だよね。」
「そんな、迷惑なんかじゃー」
「いいんだ。気を遣わないで。
婚約の件も断ってくれて構わない。
ただ、今晩だけは付き合って欲しい。」
サーシャは唖然とする。
「婚約…断ってくれても構わないってなんでそんなこと言うんですか…。」
「…サーシャには好いている奴がいるんだろう?」
そこでサーシャはハッとした。
(私、まだ誤解を解いてなかった。
…ちゃんと本当のことを言って…謝らなきゃ…!)
肩を落とすレイの手に自らの手を重ねる。
「レイ様、ごめんなさい。
私、真実を知られるのが怖くて嘘を吐きました。」
「嘘?」
「はい……。
あの…実は私の身体にはなんというか…欠陥があるんです。
…あの夜、レイ様を突き飛ばしたのも、それを見られたくなかったからで。
好きな人がいると嘘をついてレイ様と距離を置いたり、アリスを斡旋するような真似をしたのも、それに気付かれたくなかったからなんです。」
「欠陥、か。」
レイは視線を落とす。
(何故こんなにひどく傷付いた顔をなさるのかしら…。私を心配してくれてるのかな…。)
サーシャはレイの表情が気になったが、話を続けることにした。
「でも、実家に帰ってきて、両親と話して…ゆっくり考えて気付いたんです、全部私の被害妄想だって。起こってもいないことを勝手に想像して傷ついて…レイ様の気持ちにちゃんと向き合おうともしませんでした。
本当にごめんなさい。」
「サーシャ…。
今なら…見せて、くれるか?」
「…はい。あの、怖かったり、気持ち悪かったりしたら言ってください。すぐに隠しますので。」
レイはこくりと頷く。
サーシャは大きく呼吸をした後、ガウンをずらし、右胸の痣を見せた。レイの反応を見るのか怖くて、ギュッと目を瞑る。
レイから何の反応も聞こえない。
サーシャはそーっと片目を開けてみた。
レイはー
泣いていた。
銀色の瞳からはキラキラと光る雫が落ちていく。あまりにも綺麗な泣き顔に、サーシャは見惚れてしまった。
レイはそっとサーシャの痣に手を伸ばす。
痣に触れる直前で、レイの手が止まる。
「…触っても?」
「は、はい…。」
レイの指先が痣に触れる。
花をなぞる様に指先が動く。
「…ん。」
くすぐったくて、サーシャの口からはつい声が漏れてしまう。
「…綺麗だ。」
「…え?」
「綺麗だよ、サーシャ…。
…この痣は君を沢山傷付けた。
なのに…っ、俺にはこれが堪らなく愛しい…っ。」
レイは泣きながら微笑んでいた。
サーシャにはレイが何故この痣を見て、そんなに泣くのか分からない。
(でも、レイ様を癒やして差し上げたい…。)
気付いたら、身体が動いていた。
サーシャはそっとレイを抱きしめた。
レイの涙は止まらない。
(ずっと…ずっとレイ様のお側にいたい。)
そんなことを思いながら、サーシャはレイが泣くのを静かに聞いていた。
「契る…とは、性交渉を行うということか…?」
「はい。…実は番の痣というのは、番と正しく出会うための目印のような物なのです。その為、番と正しく出会うことが出来るとその役目を終えて、痣は消えるのです。」
「…なんと。」
「…サーシャは痣のせいでずっと辛い思いをし、色々なものを諦めてきたと思います。痣さえなければ、彼女は自由です。聡明で可愛らしい彼女であれば、今からでも貴族の家に嫁ぐことも、好きな人と結ばれることも可能でしょう。処女でなくとも嫁ぐことは出来ますよね?」
淡々と話すレイに子爵は戸惑う。
「あ、あぁ…確かに我が国では処女性はそんなに重要視されてはいないが…。
…レイ君はそれでいいのか?」
レイは柔らかく微笑んだ。
「…サーシャが幸せなら、それが私の幸せです。
それに私は獣人です。私と一緒にいれば、どうしても好奇の目に晒されます。もし愛し合うことが出来たとしても私達の間に産まれるのは、獣人でしょう。そうなれば、サーシャが大変な目に遭うのは目に見えています。
…そして何より…痣のことで彼女を長年苦しませたのは私ですから。そんな私が彼女に愛される資格などありません。」
「だが…。」
子爵にはレイがどれほどサーシャを愛しているか伝わっていた。
「サーシャは以前、世話役になったのは少しでも両親に喜んで貰いたかったからだと話していました。…そうであれば、子爵が望まれるような結婚をするのがサーシャの幸せなのだと思います。」
「しかし、君はサーシャを失えば…この世界で一人になってしまうんじゃー」
「大丈夫です。元々の世界でも両親は早くに亡くしていて、一人で生きるのには慣れています。」
頑ななレイに子爵は折れた。
もし痣が消えたらサーシャがどうしたいのか本人に気持ちを確認してからでもレイの背中を押すのは遅くないと思った。
「……分かった。
二人が契るのを許そう。
しかし、婚約の件はあくまでもサーシャの意思を尊重する。レイ君もそれに従うように。」
レイは神妙に頷く。
「…畏まりました。」
「では、サーシャと妻をここに呼ぼう。
婚約は保留として、今後のことは痣が消えてから相談だ。サーシャの部屋の隣に君の部屋を用意しよう。今晩、サーシャの部屋に入ることを許可する。」
「ありがとうございます。」
◆ ◇ ◆
その後、サーシャとサーシャの母が部屋に呼ばれ、レイから求婚されたことを二人に伝える。
サーシャは信じられなかった。レイのことを拒否したのに、まさか追いかけて来てくれるなんて。嬉しくて、思わず涙してしまったほどだ。
その後はレイと家族とで夕食を食べた。レイが元の世界の話をしたり、サーシャの父が興味深げに話を聞いたりしているのが嬉しくて堪らなかった。最初は獣人という見慣れない存在に強張っていたサーシャの母もレイの柔らかな物腰に警戒を解いていった。
夕食が終わると、サーシャは父に呼び出された。
父の話によると、レイの世界では婚約の前にある儀式を行うらしい。その為、夜にレイが訪ねてくるはずだと言う。レイに身を任せるようサーシャは言われた。
よく意味がわからなかったが、サーシャは了承した。
しかし、何故だか湯浴みを終え、下着を身に付けようと思ったら、そこにあるのはヒラヒラの夜着だった。侍女を呼び、間違ったものが置いてあると言えば、間違っていないと言われる。仕方なくそれを身につけ、ガウンを羽織る。胸の痣は隠れているが、ガウンの下はどうにも官能的なため、サーシャは落ち着かない。
(こんなの着たことない…。まるで初夜みたいじゃない。それに水晶宮で過ごした夜のことを思い出しちゃう…。)
あの日々を思い出し、サーシャは顔を熱くする。
(もう私ったら何を浮かれているのかしら…。婚約を申し入れてもらえたのは嬉しいけど、まだ痣のことも話してないのに…。)
自室のベッドの上に座り、サーシャは自らの痣を撫でた。
(その儀式の内容は分かんないけど、まず最初に謝罪だわ。それに痣のことを話して…。)
その時、サーシャの部屋の扉がノックされた。
(レイ様だわ!!)
サーシャは急いで扉まで駆けて行き、扉を開ける。
「レイ様!」
サーシャが笑顔でレイを迎え入れると、レイは戸惑っているようだった。
(私ったらつい嬉しくて…。水晶宮であんな態度で接していたのに、急にこんなテンションで来られても驚いてしまうわよね…。)
サーシャは一呼吸して、自分を落ち着かせた。
「レイ様、どうぞ狭いですが、お入りください。」
「う、うん。」
どこに座っていいか分からず、入口で立ち尽くすレイをベッドに座るように促した。部屋の中にはソファなどないので、二人はベッドに並んで腰掛けた。
サーシャは横目でレイの姿を確認する。レイもサーシャ同様ガウンを羽織っている。ガウンの合わせ目からはレイの隆起した逞しい胸が見える。かつて、あの胸に抱かれたことがあったな…と思い出して、サーシャは顔を赤くした。
レイが先に口を開く。
「サーシャ…。元気そうで良かった。
宮を出る時は、その…元気がなかったから。」
「ご心配おかけしました。
あの…レイ様はお元気でしたか?」
「あぁ。セオもリズもサラもよくやってくれてる。
それでも……サーシャがいないと、寂しい。」
「レイ様…。」
「ごめん。また困らせるようなことを言って。
俺から好意を寄せられるのも迷惑だよね。」
「そんな、迷惑なんかじゃー」
「いいんだ。気を遣わないで。
婚約の件も断ってくれて構わない。
ただ、今晩だけは付き合って欲しい。」
サーシャは唖然とする。
「婚約…断ってくれても構わないってなんでそんなこと言うんですか…。」
「…サーシャには好いている奴がいるんだろう?」
そこでサーシャはハッとした。
(私、まだ誤解を解いてなかった。
…ちゃんと本当のことを言って…謝らなきゃ…!)
肩を落とすレイの手に自らの手を重ねる。
「レイ様、ごめんなさい。
私、真実を知られるのが怖くて嘘を吐きました。」
「嘘?」
「はい……。
あの…実は私の身体にはなんというか…欠陥があるんです。
…あの夜、レイ様を突き飛ばしたのも、それを見られたくなかったからで。
好きな人がいると嘘をついてレイ様と距離を置いたり、アリスを斡旋するような真似をしたのも、それに気付かれたくなかったからなんです。」
「欠陥、か。」
レイは視線を落とす。
(何故こんなにひどく傷付いた顔をなさるのかしら…。私を心配してくれてるのかな…。)
サーシャはレイの表情が気になったが、話を続けることにした。
「でも、実家に帰ってきて、両親と話して…ゆっくり考えて気付いたんです、全部私の被害妄想だって。起こってもいないことを勝手に想像して傷ついて…レイ様の気持ちにちゃんと向き合おうともしませんでした。
本当にごめんなさい。」
「サーシャ…。
今なら…見せて、くれるか?」
「…はい。あの、怖かったり、気持ち悪かったりしたら言ってください。すぐに隠しますので。」
レイはこくりと頷く。
サーシャは大きく呼吸をした後、ガウンをずらし、右胸の痣を見せた。レイの反応を見るのか怖くて、ギュッと目を瞑る。
レイから何の反応も聞こえない。
サーシャはそーっと片目を開けてみた。
レイはー
泣いていた。
銀色の瞳からはキラキラと光る雫が落ちていく。あまりにも綺麗な泣き顔に、サーシャは見惚れてしまった。
レイはそっとサーシャの痣に手を伸ばす。
痣に触れる直前で、レイの手が止まる。
「…触っても?」
「は、はい…。」
レイの指先が痣に触れる。
花をなぞる様に指先が動く。
「…ん。」
くすぐったくて、サーシャの口からはつい声が漏れてしまう。
「…綺麗だ。」
「…え?」
「綺麗だよ、サーシャ…。
…この痣は君を沢山傷付けた。
なのに…っ、俺にはこれが堪らなく愛しい…っ。」
レイは泣きながら微笑んでいた。
サーシャにはレイが何故この痣を見て、そんなに泣くのか分からない。
(でも、レイ様を癒やして差し上げたい…。)
気付いたら、身体が動いていた。
サーシャはそっとレイを抱きしめた。
レイの涙は止まらない。
(ずっと…ずっとレイ様のお側にいたい。)
そんなことを思いながら、サーシャはレイが泣くのを静かに聞いていた。
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