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第2章 エーレンタール侯爵家
第8話 意地悪な問いかけ
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午後の穏やかな日差しの中。
侯爵ご一家は庭に咲く薔薇を見ては、その美しさを笑顔で眺めていた。
一家はご領地から一週間後に、王都のお屋敷に戻る予定を話し合う。
カルロス様とベアトリス様は、学園での新学期が始まるからだ。
そんな話をメイド長メリッサさんに教えて貰いながら、グレースはお茶の準備をしていた。
ワゴンを押しながらメリッサと共に、部屋に入っていくと侯爵夫人は嬉しそうにお礼を言う。
「グレース、頼んで悪いわね。
貴女のお茶を飲んでしまったせいで、他のお茶では物足りないのよ!フフフ」
そう話して笑う侯爵夫人に軽く頭を下げてしてから、順次にカップに紅茶を注ぐとソーサに置きテーブルに置いていく。
ベアトリス様の番になると、グレースは特に気を付けた。
それは女の直感なのか、長く貴人たちに接した勘がそうさせる。
「ベアトリス様。溢すといけませんので、お手をテーブルから離してくださいませ」
少しだけ困り顔になり、丁寧にお願いをしてみた。
「あらっ、私に命令するのかしら?
メイドの分際で!生意気ですこと!」
ベアトリスは、そうグレース言うと顔を背ける。
ティーポットを持って立ちつくす彼女に、令嬢はいちゃもんをつけているようだ。
グレースがその言いように困り眉間にシワが寄るを見て、兄が不機嫌に妹に声をかけ注意する。
「ベアトリス!グレース嬢がお茶を置けないだろう。
こんなに皿を前に置いていたら!
見ろ、置く場所がないじゃないか」
カルロスが言うと、渋々ながら素直に手を退かす。
お茶をなんとか無事に置くことが出来た。
「有り難うございます。
では皆様、どうぞお飲みください!」
お茶を飲みだすと、その美味しさを堪能して侯爵がグレースにお褒めの言葉をかけた。
「ほぉ、これは確かに美味いなぁ。
アデラが自慢するだけはあるな!アハハハ」
「そうですわね…。
たしかに、美味しいわ!!」
ベアトリスも思わず、グレースのお茶を美味しいと言ってしまった。
言ってから、気恥ずかしいのか赤い顔をする。
家族は声を出さずに微笑んだ。
グレースはお辞儀をして、その場に立って侯爵一家を眺めた。
本当に、絵のように美しい御家族。
私の家族たちも、国で元気で暮らしていると良いわね。
母は、まだ入院しているのかしら?
故郷の病院のベッドに寝ていた姿を脳裏に浮かべ、母を思い出しそうになってしまう。
母との最後の別れを思い出していたら、侯爵夫妻からお代わりを求められた。
「グレース嬢。
貴女はメイドとしてではなく客人として、このエーレンタール侯爵に滞在するのよ」
アデラは彼女の着ているメイド姿を見て、今後の立場を説明する。
「ですがー、侯爵夫人。
それでは、此方に居るときは肩身が狭いですわ。
少しでも、何かをさせて下さいませ!」
「お母様、グレース嬢が自分で言ってるのです。
宜しいんではなくて?!
でも、どうして隣国に来たのか。ハッキリとした、理由を知りたいですわね!」
ベアトリスは、グレースの罪人と言った事が気になっていた。
母が庇っているのも、まったく気に入らなかったのだ。
彼女は痛いぐらい、そんなベアトリスの気持ちがわかっていた。
「エーレンタール侯爵様!
お茶の席にはつまらない話ですが、私の身の上を聞いて下さい」
全て話した上で、お世話になるのが筋だと思っている。
無理に王妃様が、侯爵夫人に頼み込んだかもとそう感じ始めていた。
「そうだなぁ。
実は私は、妻から何も聞かされてない。
隣国から客人が来るので、置いてくれないかしか知らないのだ。
信じているからいいのだがなぁ」
「私もジョセフィーヌ様から預かっていて欲しいと、貴女が隣国に来たわけは詳しくは手紙には書かれて無かったのよ」
これにはグレースも侯爵夫人以外の方々も、驚きの表情をしていた。
なんて事なの、まったく事情を知らなかったのね。
これは、話さなくてはいけないと覚悟をする。
「では、話させてください!
私の恥ずかしい、過去からになりますが…」
グレースが断ると、エーレンタール侯爵一家はあのベアトリスさえも静かになり話を聞くことになる。
その話は、話す自分も聞く人たちも悲しい気持ちになる話であった。
侯爵ご一家は庭に咲く薔薇を見ては、その美しさを笑顔で眺めていた。
一家はご領地から一週間後に、王都のお屋敷に戻る予定を話し合う。
カルロス様とベアトリス様は、学園での新学期が始まるからだ。
そんな話をメイド長メリッサさんに教えて貰いながら、グレースはお茶の準備をしていた。
ワゴンを押しながらメリッサと共に、部屋に入っていくと侯爵夫人は嬉しそうにお礼を言う。
「グレース、頼んで悪いわね。
貴女のお茶を飲んでしまったせいで、他のお茶では物足りないのよ!フフフ」
そう話して笑う侯爵夫人に軽く頭を下げてしてから、順次にカップに紅茶を注ぐとソーサに置きテーブルに置いていく。
ベアトリス様の番になると、グレースは特に気を付けた。
それは女の直感なのか、長く貴人たちに接した勘がそうさせる。
「ベアトリス様。溢すといけませんので、お手をテーブルから離してくださいませ」
少しだけ困り顔になり、丁寧にお願いをしてみた。
「あらっ、私に命令するのかしら?
メイドの分際で!生意気ですこと!」
ベアトリスは、そうグレース言うと顔を背ける。
ティーポットを持って立ちつくす彼女に、令嬢はいちゃもんをつけているようだ。
グレースがその言いように困り眉間にシワが寄るを見て、兄が不機嫌に妹に声をかけ注意する。
「ベアトリス!グレース嬢がお茶を置けないだろう。
こんなに皿を前に置いていたら!
見ろ、置く場所がないじゃないか」
カルロスが言うと、渋々ながら素直に手を退かす。
お茶をなんとか無事に置くことが出来た。
「有り難うございます。
では皆様、どうぞお飲みください!」
お茶を飲みだすと、その美味しさを堪能して侯爵がグレースにお褒めの言葉をかけた。
「ほぉ、これは確かに美味いなぁ。
アデラが自慢するだけはあるな!アハハハ」
「そうですわね…。
たしかに、美味しいわ!!」
ベアトリスも思わず、グレースのお茶を美味しいと言ってしまった。
言ってから、気恥ずかしいのか赤い顔をする。
家族は声を出さずに微笑んだ。
グレースはお辞儀をして、その場に立って侯爵一家を眺めた。
本当に、絵のように美しい御家族。
私の家族たちも、国で元気で暮らしていると良いわね。
母は、まだ入院しているのかしら?
故郷の病院のベッドに寝ていた姿を脳裏に浮かべ、母を思い出しそうになってしまう。
母との最後の別れを思い出していたら、侯爵夫妻からお代わりを求められた。
「グレース嬢。
貴女はメイドとしてではなく客人として、このエーレンタール侯爵に滞在するのよ」
アデラは彼女の着ているメイド姿を見て、今後の立場を説明する。
「ですがー、侯爵夫人。
それでは、此方に居るときは肩身が狭いですわ。
少しでも、何かをさせて下さいませ!」
「お母様、グレース嬢が自分で言ってるのです。
宜しいんではなくて?!
でも、どうして隣国に来たのか。ハッキリとした、理由を知りたいですわね!」
ベアトリスは、グレースの罪人と言った事が気になっていた。
母が庇っているのも、まったく気に入らなかったのだ。
彼女は痛いぐらい、そんなベアトリスの気持ちがわかっていた。
「エーレンタール侯爵様!
お茶の席にはつまらない話ですが、私の身の上を聞いて下さい」
全て話した上で、お世話になるのが筋だと思っている。
無理に王妃様が、侯爵夫人に頼み込んだかもとそう感じ始めていた。
「そうだなぁ。
実は私は、妻から何も聞かされてない。
隣国から客人が来るので、置いてくれないかしか知らないのだ。
信じているからいいのだがなぁ」
「私もジョセフィーヌ様から預かっていて欲しいと、貴女が隣国に来たわけは詳しくは手紙には書かれて無かったのよ」
これにはグレースも侯爵夫人以外の方々も、驚きの表情をしていた。
なんて事なの、まったく事情を知らなかったのね。
これは、話さなくてはいけないと覚悟をする。
「では、話させてください!
私の恥ずかしい、過去からになりますが…」
グレースが断ると、エーレンタール侯爵一家はあのベアトリスさえも静かになり話を聞くことになる。
その話は、話す自分も聞く人たちも悲しい気持ちになる話であった。
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