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第4章 真実の愛を求めて
第1話 父から渡された本
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メイドたちがお茶やお菓子をテーブルに並べてから部屋を出たのを見て、侯爵はまた二人の子供たちに話しだした。
「カルロス、グレース嬢の本を読む際は、心して読みなさい。
この本は、ただの恋愛小説ではないぞ。
当主としての大事な心得も書かれておる」
「父上、それはどういう意味ですか?
婚約破棄と、どんな関係があるのですか?!」
カルロスは、読む前に想像をしていた。
男女間のすれ違いや好みの違い、痴話喧嘩などだ。
当主の言葉は、頭の片隅も微塵浮かんではこなかった。
「読みなさい。
ここにいる3人が読み終えたら、本について話し語たろう。
そして、グレース嬢にお礼と感想を聞かせようではないか。
私はできたら、彼女に作家になって貰いたいよ」
父の最後の言葉の作家に2人は驚き、グレースの「真実の愛を求めて」の本を改めて見ていた。
マキシミリアンは、子供たちが部屋に戻ると一人で物思いにふける。
婚約破棄か、わが家は息子がしたのだったな。
一方的ではない、相手の不貞の問題でも婚約破棄をしたのは間違いない。
侯爵は彼女が修道院に入ったのなら、その教会に援助することを決めていた。
偽善かもしれない、だがしないよりはマシだとー。
カルロスは父からグレースの本を渡されてから、自室にて読み始めた。
くだらない本だと最初は馬鹿にしていたが、内容は違っていた。
それは、下級貴族の領地の話から物語の幕が上がる。
山ばかりの畑にする領地が少ない、貴族の娘に生まれた令嬢の話。
まだ幼い彼女に、悲劇が訪れた。
山火事だ!!
せっかく実をつけた作物が、全て焼き払われた。
幼い彼女は父がその場に崩れる姿を見て、涙を流している場面をカルロスは読んでいた。
「彼女の家の実話なのだろうか?!」
カルロスは読みながら、グレースの顔を思い浮かべている。
自分の周りの令嬢とは違い、大人しく悪く言えば地味な女性だった。
彼女はこの令嬢なのだと、カルロスは直ぐに考察した。
隣の領地から当面の援助を受けて、国にも税金の免除を申請する。
それだけでは足りずに、家の家具や宝石類など売れるもの全てを売り払う。
がらーんとした屋敷の中、何もなくなった様子は幼い心にどう見えていたのだろうか。
両親の暗い表情を、1人の少女は黙って見るしかなかった。
焼けた後片付けも、両親は領民と共にしている。
彼女は自分の出来そうな事を探して手伝うことにしたが、かえって面倒をかけるのだ。
そんな彼女を、両親はけして叱ることをしなかった。
そんな彼女は、援助してくれた隣の貴族の長男と婚約する。
月日が流れ弟が生まれ、彼女が学園に通う歳が近づく。
問題が持ち上がった。
学園は、無料では通えない。
両親は娘の為に、結婚指輪を売る話をしていた。
彼女は話を聞くと、両親をとめる。
大切な思い出を、これ以上もう失いたくなかったからだ。
成績が優秀なら、学費免除出来る事を両親から聞かされた。
元々子供らしく遊ばなかったが、ますます勉学に励んで遊ばなくなった。
やがて彼女は特待生として、学園に通う。
だがそれは、婚約者との絆が薄くなる前兆となってしまった。
カルロスは彼女が妹ベアトリスに勉強を教えてるのを知ってるし、直接その様子を見たこともある。
彼女の賢さは、この小説が証拠の品だ。
自分たちは恵まれていたのだ。
学園に当たり前のように通い、小説の主人公は貴族とは名だけで平民に近い生活をしていた。
ノックの音がして、妹ベアトリスが部屋に入ってくる。
「お兄様、本を読んでいたの?
もう、夕食のお時間よ。
一緒に参りましょう!」
ベアトリスの贅を凝らしたドレスが、カルロスは気になってしまう。
グレース嬢は、最初見たドレス姿は質素な物だったな。
本を渡した父の言葉を思い出す。
当主の心得か。
もし自分の領地に災害が訪れたら、私はどうするんだろうか?!
そんな事すら、一度たりとも考えたこともない!
エーレンタール侯爵の領地は、ザィール屈指の麦の生産地で潤いある土地だったからだ。
そう、恵まれた土地なのだと…。
「カルロス、グレース嬢の本を読む際は、心して読みなさい。
この本は、ただの恋愛小説ではないぞ。
当主としての大事な心得も書かれておる」
「父上、それはどういう意味ですか?
婚約破棄と、どんな関係があるのですか?!」
カルロスは、読む前に想像をしていた。
男女間のすれ違いや好みの違い、痴話喧嘩などだ。
当主の言葉は、頭の片隅も微塵浮かんではこなかった。
「読みなさい。
ここにいる3人が読み終えたら、本について話し語たろう。
そして、グレース嬢にお礼と感想を聞かせようではないか。
私はできたら、彼女に作家になって貰いたいよ」
父の最後の言葉の作家に2人は驚き、グレースの「真実の愛を求めて」の本を改めて見ていた。
マキシミリアンは、子供たちが部屋に戻ると一人で物思いにふける。
婚約破棄か、わが家は息子がしたのだったな。
一方的ではない、相手の不貞の問題でも婚約破棄をしたのは間違いない。
侯爵は彼女が修道院に入ったのなら、その教会に援助することを決めていた。
偽善かもしれない、だがしないよりはマシだとー。
カルロスは父からグレースの本を渡されてから、自室にて読み始めた。
くだらない本だと最初は馬鹿にしていたが、内容は違っていた。
それは、下級貴族の領地の話から物語の幕が上がる。
山ばかりの畑にする領地が少ない、貴族の娘に生まれた令嬢の話。
まだ幼い彼女に、悲劇が訪れた。
山火事だ!!
せっかく実をつけた作物が、全て焼き払われた。
幼い彼女は父がその場に崩れる姿を見て、涙を流している場面をカルロスは読んでいた。
「彼女の家の実話なのだろうか?!」
カルロスは読みながら、グレースの顔を思い浮かべている。
自分の周りの令嬢とは違い、大人しく悪く言えば地味な女性だった。
彼女はこの令嬢なのだと、カルロスは直ぐに考察した。
隣の領地から当面の援助を受けて、国にも税金の免除を申請する。
それだけでは足りずに、家の家具や宝石類など売れるもの全てを売り払う。
がらーんとした屋敷の中、何もなくなった様子は幼い心にどう見えていたのだろうか。
両親の暗い表情を、1人の少女は黙って見るしかなかった。
焼けた後片付けも、両親は領民と共にしている。
彼女は自分の出来そうな事を探して手伝うことにしたが、かえって面倒をかけるのだ。
そんな彼女を、両親はけして叱ることをしなかった。
そんな彼女は、援助してくれた隣の貴族の長男と婚約する。
月日が流れ弟が生まれ、彼女が学園に通う歳が近づく。
問題が持ち上がった。
学園は、無料では通えない。
両親は娘の為に、結婚指輪を売る話をしていた。
彼女は話を聞くと、両親をとめる。
大切な思い出を、これ以上もう失いたくなかったからだ。
成績が優秀なら、学費免除出来る事を両親から聞かされた。
元々子供らしく遊ばなかったが、ますます勉学に励んで遊ばなくなった。
やがて彼女は特待生として、学園に通う。
だがそれは、婚約者との絆が薄くなる前兆となってしまった。
カルロスは彼女が妹ベアトリスに勉強を教えてるのを知ってるし、直接その様子を見たこともある。
彼女の賢さは、この小説が証拠の品だ。
自分たちは恵まれていたのだ。
学園に当たり前のように通い、小説の主人公は貴族とは名だけで平民に近い生活をしていた。
ノックの音がして、妹ベアトリスが部屋に入ってくる。
「お兄様、本を読んでいたの?
もう、夕食のお時間よ。
一緒に参りましょう!」
ベアトリスの贅を凝らしたドレスが、カルロスは気になってしまう。
グレース嬢は、最初見たドレス姿は質素な物だったな。
本を渡した父の言葉を思い出す。
当主の心得か。
もし自分の領地に災害が訪れたら、私はどうするんだろうか?!
そんな事すら、一度たりとも考えたこともない!
エーレンタール侯爵の領地は、ザィール屈指の麦の生産地で潤いある土地だったからだ。
そう、恵まれた土地なのだと…。
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