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第5章 永遠の愛をあなたに
第1話 カルロスの恋
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仮面祭りから帰って後の夕食を、侯爵一家はグレースを誘うことにした。
メイド長メリッサが、グレースの部屋の扉を何度もノックをするが返事が全くなかった。
悪いとは思うがこれも仕事。
無断で部屋に入ると、仮面祭りの海賊の衣装から着替えて普段着姿だったがベッドに倒れる様に寝ていた。
呆れながらもメリッサは、グレースをキチンとベッドに寝かす。
彼女は恐縮した態度で、侯爵アキシミアンに見たままを説明する。
その報告を聞くと、かなり疲れていたのだろうと笑って仕方ないと思った。
カルロスは、グレースと夕食を共にできないのをガッカリしていた。
以前の自分なら、そんな感情はなかったはずだ。
勉強を彼女から教えられたり、仮面祭りの大会の芝居を練習を重ねているうちに惹かれてしまったらしい。
彼は本来、女性に対しては受け身であった。
所詮は親の決めた婚約者と婚姻結び、愛情があってもなくとも子を作らなければならない。
それが、貴族の嫡男として生まれた宿命。
彼は小さい頃から、その様なことを言われてはなかった。
だが、周りの友人たちの話を聞き段々に恋愛感情が冷めていってしまった。
あのカトリーナ嬢に、感心が持てないのもそんな理由だった。
今考えたら、彼女にも失礼な態度だったと反省している。
彼女と最初に会ったのは、いつだったのかさえ覚えていない。
伯爵夫人に連れられて、我が家で母と一緒にお茶をした席だったのか?!
会話らしき話もしないで、挨拶のみだったかハッキリしない。
学園で会っても挨拶はするが、彼女の友人のご令嬢たちが馴れ馴れしくてイラついたことしか頭に記憶がなかった。
彼女たちは、私の見た目と地位しか興味なさそうに感じた。
それに比べたら彼女は、まったくと言っていいほど下心はない。
恋愛とかましてや婚姻に対して何も感じてない、イヤ嫌悪を抱いているのではないだろうか。
「真実の愛を求めて」のあの本の噂が落ち着いたら、真っ先に帰国したがっていたのは見ていて分かる。
もし、本を書かなくて盗作騒ぎが起きなかったら…。
私は彼女に出会うことなく、このような思いもしなかったのだろうか。
仮面祭りの大会、あの芝居の最後のセリフは私の気持ちを伝えたのに!
彼女は、一瞬だけ戸惑いを見せたが…。
しかし、すぐに普通にセリフを返してきた。
私の心が込めた思いは、どうやら空振りに終わったみたいだ。
エーレンタール侯爵夫妻は、今日の芝居を見て息子はグレース嬢に好意を持っているのではと感じた。
帰りの馬車での息子の態度が、今までの令嬢に接するのと違う。
あの一歩引いた空気が、グレースにはぜんぜん見当たらないと感じた。
「旦那様、私はカルロスがグレース嬢を好きだと思うわ。
母親としての勘よ。
もし、グレースを求めたら旦那様はお許しになりますか?」
アデラは、夫マキシミアンに率直に聞いてみた。
「私も考えたよ。
グレース嬢は私も好感が持てるし、カルロスのいい伴侶になる資質はある。
しかし、身分がなぁ。
しかも、他国出身の子爵令嬢か。せめて、同じ国で伯爵令嬢なら文句はないのだが…」
マキシミアンは、グレースの本を読み彼女の人柄をその中で考察した。
息子の嫁には、彼女ぐらい自己がある人が好ましい。
「では、もしもよ!
彼女がこの国の貴族の養女になって、我が家に嫁ぐとしたらどうかしら?」
マキシミアンは、妻の頭がおかしくなったかと思う。
「それも公爵だったら、もしくは後ろ盾になって下さったら。
貴方は、二人の仲をお許しになられますか?!」
真剣な表情で自分に語る妻に、自然と笑いが出る。
「ハハハ!公爵だと?!
あり得ない!何処の公爵が、彼女をそれも子爵令嬢を養女にするというのか?」
たまに妻の突拍子のない話を聞いたことがあるが、それは今までの中で1番の話であった。
「旦那様は知らないと思いますが、アルバ公爵は元はジョセフィーヌ様の御婚約者よ。
2人は愛し合ってたわ!」
ますます話が見えないマキシミアンは、妻の話に付き合うことにした。
「それは私も知っているさ。
あの当時は、2人は国の為に引き裂かれた悲劇の主人公たちのようだった」
アデラは、グレースがいま手元に持つルビーの指輪の話を夫にした。
「なんと!その様な大事な品を、彼女グレース嬢に?!」
マキシミアンは妻の話を信じられない面持ちで聞いて、感じた気持ちを出していた。
「貴方!グレースは、ジョセフィーヌ様が誓いを忘れぬ様に渡したと言ってましたわ。
私もそう思ってましたが、まだ深いお考えがあるのではと最近は思っておりますわ」
アデラは、自分の持論を述べた。
確かに、先に話したのも一理ある。
グレース嬢が他国で困った時に、この指輪をもしアルバ公爵が見たらー。
公爵がグレース嬢をお助けになられると、ジョセフィーヌ様は思われた可能性がある。
彼女はそこまで、グレースに対して好意を持っていた表れなのではないかと。
侯爵夫婦は互いに話し合い、ひとつの結論を得た。
エテルネル王妃は、グレースの
「真実の愛を求めて」をお読みになったのだと!
「マキシミアン!
私はグレースの本が、ジョセフィーヌ様の実らなかった愛を思い出させたのではと考えるのです」
「アデラ、私もそう思う!
私だって心が年甲斐もなく、騒ぎ感傷的になったのだ」
二人は何故人々が惑わされたのか、それは王妃とて同じ人だからとー。
グレースの本に、魅力を感じるからそれが答えなのだ。
この先の息子の恋がどう動くか、親たちは楽しみに待つことにした。
メイド長メリッサが、グレースの部屋の扉を何度もノックをするが返事が全くなかった。
悪いとは思うがこれも仕事。
無断で部屋に入ると、仮面祭りの海賊の衣装から着替えて普段着姿だったがベッドに倒れる様に寝ていた。
呆れながらもメリッサは、グレースをキチンとベッドに寝かす。
彼女は恐縮した態度で、侯爵アキシミアンに見たままを説明する。
その報告を聞くと、かなり疲れていたのだろうと笑って仕方ないと思った。
カルロスは、グレースと夕食を共にできないのをガッカリしていた。
以前の自分なら、そんな感情はなかったはずだ。
勉強を彼女から教えられたり、仮面祭りの大会の芝居を練習を重ねているうちに惹かれてしまったらしい。
彼は本来、女性に対しては受け身であった。
所詮は親の決めた婚約者と婚姻結び、愛情があってもなくとも子を作らなければならない。
それが、貴族の嫡男として生まれた宿命。
彼は小さい頃から、その様なことを言われてはなかった。
だが、周りの友人たちの話を聞き段々に恋愛感情が冷めていってしまった。
あのカトリーナ嬢に、感心が持てないのもそんな理由だった。
今考えたら、彼女にも失礼な態度だったと反省している。
彼女と最初に会ったのは、いつだったのかさえ覚えていない。
伯爵夫人に連れられて、我が家で母と一緒にお茶をした席だったのか?!
会話らしき話もしないで、挨拶のみだったかハッキリしない。
学園で会っても挨拶はするが、彼女の友人のご令嬢たちが馴れ馴れしくてイラついたことしか頭に記憶がなかった。
彼女たちは、私の見た目と地位しか興味なさそうに感じた。
それに比べたら彼女は、まったくと言っていいほど下心はない。
恋愛とかましてや婚姻に対して何も感じてない、イヤ嫌悪を抱いているのではないだろうか。
「真実の愛を求めて」のあの本の噂が落ち着いたら、真っ先に帰国したがっていたのは見ていて分かる。
もし、本を書かなくて盗作騒ぎが起きなかったら…。
私は彼女に出会うことなく、このような思いもしなかったのだろうか。
仮面祭りの大会、あの芝居の最後のセリフは私の気持ちを伝えたのに!
彼女は、一瞬だけ戸惑いを見せたが…。
しかし、すぐに普通にセリフを返してきた。
私の心が込めた思いは、どうやら空振りに終わったみたいだ。
エーレンタール侯爵夫妻は、今日の芝居を見て息子はグレース嬢に好意を持っているのではと感じた。
帰りの馬車での息子の態度が、今までの令嬢に接するのと違う。
あの一歩引いた空気が、グレースにはぜんぜん見当たらないと感じた。
「旦那様、私はカルロスがグレース嬢を好きだと思うわ。
母親としての勘よ。
もし、グレースを求めたら旦那様はお許しになりますか?」
アデラは、夫マキシミアンに率直に聞いてみた。
「私も考えたよ。
グレース嬢は私も好感が持てるし、カルロスのいい伴侶になる資質はある。
しかし、身分がなぁ。
しかも、他国出身の子爵令嬢か。せめて、同じ国で伯爵令嬢なら文句はないのだが…」
マキシミアンは、グレースの本を読み彼女の人柄をその中で考察した。
息子の嫁には、彼女ぐらい自己がある人が好ましい。
「では、もしもよ!
彼女がこの国の貴族の養女になって、我が家に嫁ぐとしたらどうかしら?」
マキシミアンは、妻の頭がおかしくなったかと思う。
「それも公爵だったら、もしくは後ろ盾になって下さったら。
貴方は、二人の仲をお許しになられますか?!」
真剣な表情で自分に語る妻に、自然と笑いが出る。
「ハハハ!公爵だと?!
あり得ない!何処の公爵が、彼女をそれも子爵令嬢を養女にするというのか?」
たまに妻の突拍子のない話を聞いたことがあるが、それは今までの中で1番の話であった。
「旦那様は知らないと思いますが、アルバ公爵は元はジョセフィーヌ様の御婚約者よ。
2人は愛し合ってたわ!」
ますます話が見えないマキシミアンは、妻の話に付き合うことにした。
「それは私も知っているさ。
あの当時は、2人は国の為に引き裂かれた悲劇の主人公たちのようだった」
アデラは、グレースがいま手元に持つルビーの指輪の話を夫にした。
「なんと!その様な大事な品を、彼女グレース嬢に?!」
マキシミアンは妻の話を信じられない面持ちで聞いて、感じた気持ちを出していた。
「貴方!グレースは、ジョセフィーヌ様が誓いを忘れぬ様に渡したと言ってましたわ。
私もそう思ってましたが、まだ深いお考えがあるのではと最近は思っておりますわ」
アデラは、自分の持論を述べた。
確かに、先に話したのも一理ある。
グレース嬢が他国で困った時に、この指輪をもしアルバ公爵が見たらー。
公爵がグレース嬢をお助けになられると、ジョセフィーヌ様は思われた可能性がある。
彼女はそこまで、グレースに対して好意を持っていた表れなのではないかと。
侯爵夫婦は互いに話し合い、ひとつの結論を得た。
エテルネル王妃は、グレースの
「真実の愛を求めて」をお読みになったのだと!
「マキシミアン!
私はグレースの本が、ジョセフィーヌ様の実らなかった愛を思い出させたのではと考えるのです」
「アデラ、私もそう思う!
私だって心が年甲斐もなく、騒ぎ感傷的になったのだ」
二人は何故人々が惑わされたのか、それは王妃とて同じ人だからとー。
グレースの本に、魅力を感じるからそれが答えなのだ。
この先の息子の恋がどう動くか、親たちは楽しみに待つことにした。
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