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第4章 王家の陰り
第17話 王の退位
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王宮の部屋から出て、扉の外の者に帰宅するといい案内を頼む。
玄関に行く途中で、たくさんの目線を感じた。
ひそひそ話によると、第1王子は地下牢にいるらしい。
どこまで噂が広まっているのか、プリムローズはこの先を思いうんざりする。
玄関で前公爵家の馬車を待つことになった。
王宮から前公爵家には連絡が入っているらしい。
祖父母が心配していると思うので、一刻も早く帰宅したい。
父の宰相がやって来るのが目に入る。
来なくていいのに、プリムローズはため息をついた。
「プリムローズ、無事でなによりだ。
公爵家の馬車で帰りなさい」
「お心遣いに感謝します。
ですが、結構ですわ。
迎えの馬車と行き違いになります。
父上、これから大変ですね。
私のことよりも、王家とご自身をお考え下さいませ。
あら、もう来ましたわ。
失礼します、宰相様」
プリムローズは皮肉を言い、お辞儀をすると馬車に向かった。
父クリストファーは、娘の後ろ姿を見送った。
プリムローズは屋敷に着くと、急ぎ詳しく祖父母に説明する。
2人は目を見開きながら聞き、その話を頭の中で繰り返し考えているようであった。
「まさか?!まだ三十代の若さで退位するのか。
じゃが、その案は皆が幸せになる方法かもしれぬ」
祖父は、プリムローズの案には感心した。
第1王子の平民の話では、2人は悩んだ。
「第1王子は、プリムローズを亡きものにするつもりだったのだろうか?
短絡的すぎる。
もし本当なら、王として器量はない!!」
グレゴリーは、ため息と目に怒りが籠っている。
「もしも、元第1王子が王になったらプリムローズに頭が上がらないわ。
この国の王になりたい場合わね」
祖母は目を細めて、プリムローズを見つめた。
どちらに動くかは、王の考えひとつだ。
すぐに国中の主だった貴族たちは、学園での出来事を聞き不安になり混乱する。
人の口に戸は立てられぬ状態。
王の側近たちと上位貴族たちの間で、王妃と第1王子の事件を議論していた。
玉座の王は、その怒声を他人事の様に聞いていた。
「王が退位だと!?
まだ34歳の若さではないか?!
これからの時に、今は国が安定しているではないか」
「側室を娶って、やり直しをすれば良い。
王妃様は王子様を2人生んでおられる。
もう少し、自重すれば良いのではないか?」
貴族たちの意見はわかれていて、混沌としているように見えた。
「その第1王子が、丸腰のクラレンス公爵ご令嬢に剣を向けたそうではないか」
「そのとおりだ!
学園に通う息子が、目の前でその様子を見た話を聞いた。
それは普通ではないそうだ。
精神的に病んでるかもしれん!」
王妃の派閥は黙ってしまった。
元々少数しかいないので、力はなかったのだ。
「王妃も、気がふれているとの噂だ。
この話、王都の貴族たちは
皆知っているぞ」
「大体、側近らは何をしてたんだ!
こんなことになる前に、手を打てなかったのか!無能な!!」
それを黙って聞いていた王が、前を向き下座の者達に大声で言う。
「余は王の器ではなかったのだ。
側近たちを責めるでない。
ここまで王を務められたのも、彼らが居たからこそだ!
元々、第2王子で側室の子だ。兄に位を譲っても筋は通る。
余は……、もう疲れたのだ」
沈黙の中で、重鎮のプリムローズの祖父が威厳のある声で言いはなった。
「皆のもの!
聞いたか、王の言葉をー!
儂らが命を懸けて守った国を、あっさりと捨てるそうじゃ。
なんと、気の弱いことだ!
我が愚息も、王の側で何をしておったのか!
情けないわぁー!!」
息子を怒鳴りつけると首を左右に振る、戦の神グレゴリー。
「そうじゃの!
この言葉を聞き、王に忠誠をもう一度とは儂も無理じゃのう」
戦友の前ブロイ公爵が、グレゴリーに後押しする。
「聞けばこの案は、王が自らプリムローズ嬢に伺って答えた案ではないか。
僅か9歳の娘の考えとは思えん!
なんという才女、いや天才だ」
皆が王よりも、プリムローズのことを話題にし始める。
「この方が、未来の王妃様になれば益々繁栄するのではないか?」
「おお、そうだ!
もう私たちの代は捨てて、未来の次世代に期待をしようぞ!」
そこでグレゴリーは、困り顔で皆を諌める。
「まぁまぁ、孫の考えもあるしのう。
じゃがのう、あれが男なら宰相に推挙するぞ!
何も男ではなく、女宰相でも良くないか?!
孫のプリムローズは、文官試験を受けると言っている!」
グレゴリーの話に他の者は、目を輝かせた。
「素晴らしい!!
新たな王で女性地位を高めよう。
女とてプリムローズ嬢とはいかなくても、才女はいるかもしれん」
「そろそろ、男女格差を縮めようではないか」
王を無視して議論する者たちを、王や側近らも白くなった顔色で見るしかなかった。
王の退位に伴い、隣国ウィルスタにいる元第1王子に王を譲渡した。
現在の王を臣下に下して、側近たちは責任をとり辞職して位を下げる。
王と側近たちは、新しい領地でのやり直しの決断を下した。
貴族たちによる、満場一致であった。
それには戦の神と、その戦友が裏で暗躍した結果だった。
王と側近たちは、決定に黙って頷くしかなかった。
この結果を、家族に伝えなくてはならない。
どう話せばいいか、机の上で肘突き頭を抱えた。
側近たちも同じである、暗く重い気持ちが胸に広がっている。
祖父グレゴリーが王宮から屋敷に帰宅すると、孫のプリムローズが待っていた。
「お祖父様、私の案は通りましたか?
王は臣下に下り、位は何に?
何処の領地になりますか?
父は宰相を辞して、王と一緒に其処へ行くのかしら?
お兄様は、私たちの所へ来てくれますわよね?」
たくさん質問する孫に、祖父は呆れて苦笑するのである。
「プリム。旦那様はお疲れなのですよ。
休ませてあげてね」
祖母はプリムローズを嗜めた。
「まだ詳しくは決定していない。
愚息から、儂が一旦公爵を預かる。
兄とお前どちらが良いか決めようではないか?
プリム!お前は、公爵と宰相になりたくないか?!」
プリムローズはちょっと悩んで、祖父に素直に気持ちを話す。
「兄上がいるでしょう?
私はなってみたいけど。
まだ9歳だし、まだまだ先になるわ」
「そうじゃのう。
お前も、今日は疲れただろう。
ひとまず休んで、ゆっくりと考えようとするかのう。
お休み、プリム」
話すと祖父は、プリムローズの頭を優しく撫でた。
玄関に行く途中で、たくさんの目線を感じた。
ひそひそ話によると、第1王子は地下牢にいるらしい。
どこまで噂が広まっているのか、プリムローズはこの先を思いうんざりする。
玄関で前公爵家の馬車を待つことになった。
王宮から前公爵家には連絡が入っているらしい。
祖父母が心配していると思うので、一刻も早く帰宅したい。
父の宰相がやって来るのが目に入る。
来なくていいのに、プリムローズはため息をついた。
「プリムローズ、無事でなによりだ。
公爵家の馬車で帰りなさい」
「お心遣いに感謝します。
ですが、結構ですわ。
迎えの馬車と行き違いになります。
父上、これから大変ですね。
私のことよりも、王家とご自身をお考え下さいませ。
あら、もう来ましたわ。
失礼します、宰相様」
プリムローズは皮肉を言い、お辞儀をすると馬車に向かった。
父クリストファーは、娘の後ろ姿を見送った。
プリムローズは屋敷に着くと、急ぎ詳しく祖父母に説明する。
2人は目を見開きながら聞き、その話を頭の中で繰り返し考えているようであった。
「まさか?!まだ三十代の若さで退位するのか。
じゃが、その案は皆が幸せになる方法かもしれぬ」
祖父は、プリムローズの案には感心した。
第1王子の平民の話では、2人は悩んだ。
「第1王子は、プリムローズを亡きものにするつもりだったのだろうか?
短絡的すぎる。
もし本当なら、王として器量はない!!」
グレゴリーは、ため息と目に怒りが籠っている。
「もしも、元第1王子が王になったらプリムローズに頭が上がらないわ。
この国の王になりたい場合わね」
祖母は目を細めて、プリムローズを見つめた。
どちらに動くかは、王の考えひとつだ。
すぐに国中の主だった貴族たちは、学園での出来事を聞き不安になり混乱する。
人の口に戸は立てられぬ状態。
王の側近たちと上位貴族たちの間で、王妃と第1王子の事件を議論していた。
玉座の王は、その怒声を他人事の様に聞いていた。
「王が退位だと!?
まだ34歳の若さではないか?!
これからの時に、今は国が安定しているではないか」
「側室を娶って、やり直しをすれば良い。
王妃様は王子様を2人生んでおられる。
もう少し、自重すれば良いのではないか?」
貴族たちの意見はわかれていて、混沌としているように見えた。
「その第1王子が、丸腰のクラレンス公爵ご令嬢に剣を向けたそうではないか」
「そのとおりだ!
学園に通う息子が、目の前でその様子を見た話を聞いた。
それは普通ではないそうだ。
精神的に病んでるかもしれん!」
王妃の派閥は黙ってしまった。
元々少数しかいないので、力はなかったのだ。
「王妃も、気がふれているとの噂だ。
この話、王都の貴族たちは
皆知っているぞ」
「大体、側近らは何をしてたんだ!
こんなことになる前に、手を打てなかったのか!無能な!!」
それを黙って聞いていた王が、前を向き下座の者達に大声で言う。
「余は王の器ではなかったのだ。
側近たちを責めるでない。
ここまで王を務められたのも、彼らが居たからこそだ!
元々、第2王子で側室の子だ。兄に位を譲っても筋は通る。
余は……、もう疲れたのだ」
沈黙の中で、重鎮のプリムローズの祖父が威厳のある声で言いはなった。
「皆のもの!
聞いたか、王の言葉をー!
儂らが命を懸けて守った国を、あっさりと捨てるそうじゃ。
なんと、気の弱いことだ!
我が愚息も、王の側で何をしておったのか!
情けないわぁー!!」
息子を怒鳴りつけると首を左右に振る、戦の神グレゴリー。
「そうじゃの!
この言葉を聞き、王に忠誠をもう一度とは儂も無理じゃのう」
戦友の前ブロイ公爵が、グレゴリーに後押しする。
「聞けばこの案は、王が自らプリムローズ嬢に伺って答えた案ではないか。
僅か9歳の娘の考えとは思えん!
なんという才女、いや天才だ」
皆が王よりも、プリムローズのことを話題にし始める。
「この方が、未来の王妃様になれば益々繁栄するのではないか?」
「おお、そうだ!
もう私たちの代は捨てて、未来の次世代に期待をしようぞ!」
そこでグレゴリーは、困り顔で皆を諌める。
「まぁまぁ、孫の考えもあるしのう。
じゃがのう、あれが男なら宰相に推挙するぞ!
何も男ではなく、女宰相でも良くないか?!
孫のプリムローズは、文官試験を受けると言っている!」
グレゴリーの話に他の者は、目を輝かせた。
「素晴らしい!!
新たな王で女性地位を高めよう。
女とてプリムローズ嬢とはいかなくても、才女はいるかもしれん」
「そろそろ、男女格差を縮めようではないか」
王を無視して議論する者たちを、王や側近らも白くなった顔色で見るしかなかった。
王の退位に伴い、隣国ウィルスタにいる元第1王子に王を譲渡した。
現在の王を臣下に下して、側近たちは責任をとり辞職して位を下げる。
王と側近たちは、新しい領地でのやり直しの決断を下した。
貴族たちによる、満場一致であった。
それには戦の神と、その戦友が裏で暗躍した結果だった。
王と側近たちは、決定に黙って頷くしかなかった。
この結果を、家族に伝えなくてはならない。
どう話せばいいか、机の上で肘突き頭を抱えた。
側近たちも同じである、暗く重い気持ちが胸に広がっている。
祖父グレゴリーが王宮から屋敷に帰宅すると、孫のプリムローズが待っていた。
「お祖父様、私の案は通りましたか?
王は臣下に下り、位は何に?
何処の領地になりますか?
父は宰相を辞して、王と一緒に其処へ行くのかしら?
お兄様は、私たちの所へ来てくれますわよね?」
たくさん質問する孫に、祖父は呆れて苦笑するのである。
「プリム。旦那様はお疲れなのですよ。
休ませてあげてね」
祖母はプリムローズを嗜めた。
「まだ詳しくは決定していない。
愚息から、儂が一旦公爵を預かる。
兄とお前どちらが良いか決めようではないか?
プリム!お前は、公爵と宰相になりたくないか?!」
プリムローズはちょっと悩んで、祖父に素直に気持ちを話す。
「兄上がいるでしょう?
私はなってみたいけど。
まだ9歳だし、まだまだ先になるわ」
「そうじゃのう。
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