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第5章 常勝王の道
第14話 馬の耳に念仏
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後ろから付いてく黒髪クルクルくせ毛の体格良い男は、銀髪の光り輝く長い髪を眩そうに目を細めた。
彼は何が起きるのだと、
見守っているとー。
突如、両手を天に高くあげ何かをぶつぶつ言い始める。
「我は、ロイヤル・ゴッド・アイを持つ継承者!
名は、プリムローズなり~!
この聖なる瞳に、道なき道を映したまえ。
出でよ、常勝への道ー!」
いま最高に格好いいと、両手をこれでもかと高く挙げてふんずり返る。
「うむっ、ムムッ!
何やら、空気が変わった趣がする!
こ……、これは」
チューダーは目を擦り見開くと、辺りが木々の間に空間が出来上がった。
「やりましたわ!
さぁー、全ての者たちをコチラに呼ぶのです。
敵が、我らの所へ来る前にー」
信じられない光景だが、チューダーは手招きして大群を動かすのだった。
ぞくぞくと彼女のあとに、その道へ足を踏み入れて行く。
「道よりも幅が広いんじゃのう。
これだけの道を整備するのは、莫大な労力がかかる」
「はい、ですから常勝王も後悔したのです。
この道を作らないで、森から素直に行って戦えば勝利だったと自伝で書かれてましたわ」
身内同士のやり取りに、何気なく仲間に入る東の将軍。
「タラレバですな。
もし、こうしていたら…。
こんな結末にならなかったのに。
この事も後世の人が、今の我々みたいに語り合うのでしょうな」
「全員が避難したのは良いとして、どうやって敵の行動を偵察するのです。
見張りの兵も居ないのですぞ!」
北の将軍チューダーは、下に目線を送って疑問を投げかける。
視線を痛く感じつつも、彼女は参謀として抜かりはなかった。
「考えが正しければ、動物たちには呪術はかけてないわ!
よって、ピーちゃんのお仲間に頼むとしよう!
ピーちゃん、よろしくね~!!」
「ピー、ぴぃ~!」
一声鳴いて返事するが、ほんと理解しているのか。
具体的な指示なしではないか?
飛び立つ白い鷹を見つめて、実によく働くなと感慨深げに大人たちは空を見た。
プリムローズが招き入れた動物たちは、匂いがしない者たちの存在にいち早く気づいてしまう。
ラベンダーの匂いがしない者は、敵と見なして良い!
刷り込まれた教えは絶対!
純粋無垢で仲間意識が強く、彼女を仲間と思ってか信頼を持っている。
妨げになる者を、排除する行動を起こそうとしていた。
人っこ1人、存在がない静寂な空間。
なにかの足音と、複数の殺気を感じた。
ギルは野生児の勘か、そちらの方角を振り返った。
「メリー、ルシアン殿下!
何かの気配が近づいて来る!
悪いので間違いない、殺気を感じる。
二人とも気を付けろよ、いいなー!」
いきなり言われた二人は、自分の持つ剣を構えるのだった。
「獣じゃないか?!
あんなにたくさん、何処から現れたんだよ!
二人とも、早く逃げるぞー!」
「ギル師匠!逃げるって、人の足では追いつかれます。
馬に乗りましょう!」
メリーが進言して、馬に乗ったが一向に動かない。
「えー、何でビクともしないの!
ほらっ、走りなさい!!」
彼女は必死に馬のわき腹を、足で軽く蹴ってもダメだった。
「私の馬も動かない?
どうして、聞き分けないのだ!
これでは、【馬の耳に念仏】ではないか~」
殿下の大声が、その場に虚しく響く。
「バカ!大声だすな!
渋い年寄りくさい、古風な言い回しだな。
これでは、いくら言い聞かせても意味ない!
早く、馬から降りるぞー!!」
馬たちは人間よりも賢かった、木の枝にいるリスたちが馬に告げていた。
『そいつらは敵だ。
匂いがしないもん!』
『そう、花の良い匂いがしない。
ヒンメル様がそう言ってたよ!』
引っ張ってもびくともしない、馬たちを見捨てて置いていくことにする。
「どうしてーよー!!
獣が襲ってくるのー!!
お嬢様~、助けて~~!!」
獣たちの鳴き声にパニックになり、3人は食料の入った鞄だけを持ち走る。
一瞬、プリムローズはメリーの叫び声を聞いたような気がした。
「まさか~!
ここには、勝手に入れませんもの。
メリーが近くにいるはずないわ。
きっと、疲れて幻聴が聞こえたのね。ホホホ」
呑気に笑って甘いチョコレートを満足そうに頬張っている彼女は、ちょっと離れた場所で走って逃げている彼らの現状を知らないでいた。
彼は何が起きるのだと、
見守っているとー。
突如、両手を天に高くあげ何かをぶつぶつ言い始める。
「我は、ロイヤル・ゴッド・アイを持つ継承者!
名は、プリムローズなり~!
この聖なる瞳に、道なき道を映したまえ。
出でよ、常勝への道ー!」
いま最高に格好いいと、両手をこれでもかと高く挙げてふんずり返る。
「うむっ、ムムッ!
何やら、空気が変わった趣がする!
こ……、これは」
チューダーは目を擦り見開くと、辺りが木々の間に空間が出来上がった。
「やりましたわ!
さぁー、全ての者たちをコチラに呼ぶのです。
敵が、我らの所へ来る前にー」
信じられない光景だが、チューダーは手招きして大群を動かすのだった。
ぞくぞくと彼女のあとに、その道へ足を踏み入れて行く。
「道よりも幅が広いんじゃのう。
これだけの道を整備するのは、莫大な労力がかかる」
「はい、ですから常勝王も後悔したのです。
この道を作らないで、森から素直に行って戦えば勝利だったと自伝で書かれてましたわ」
身内同士のやり取りに、何気なく仲間に入る東の将軍。
「タラレバですな。
もし、こうしていたら…。
こんな結末にならなかったのに。
この事も後世の人が、今の我々みたいに語り合うのでしょうな」
「全員が避難したのは良いとして、どうやって敵の行動を偵察するのです。
見張りの兵も居ないのですぞ!」
北の将軍チューダーは、下に目線を送って疑問を投げかける。
視線を痛く感じつつも、彼女は参謀として抜かりはなかった。
「考えが正しければ、動物たちには呪術はかけてないわ!
よって、ピーちゃんのお仲間に頼むとしよう!
ピーちゃん、よろしくね~!!」
「ピー、ぴぃ~!」
一声鳴いて返事するが、ほんと理解しているのか。
具体的な指示なしではないか?
飛び立つ白い鷹を見つめて、実によく働くなと感慨深げに大人たちは空を見た。
プリムローズが招き入れた動物たちは、匂いがしない者たちの存在にいち早く気づいてしまう。
ラベンダーの匂いがしない者は、敵と見なして良い!
刷り込まれた教えは絶対!
純粋無垢で仲間意識が強く、彼女を仲間と思ってか信頼を持っている。
妨げになる者を、排除する行動を起こそうとしていた。
人っこ1人、存在がない静寂な空間。
なにかの足音と、複数の殺気を感じた。
ギルは野生児の勘か、そちらの方角を振り返った。
「メリー、ルシアン殿下!
何かの気配が近づいて来る!
悪いので間違いない、殺気を感じる。
二人とも気を付けろよ、いいなー!」
いきなり言われた二人は、自分の持つ剣を構えるのだった。
「獣じゃないか?!
あんなにたくさん、何処から現れたんだよ!
二人とも、早く逃げるぞー!」
「ギル師匠!逃げるって、人の足では追いつかれます。
馬に乗りましょう!」
メリーが進言して、馬に乗ったが一向に動かない。
「えー、何でビクともしないの!
ほらっ、走りなさい!!」
彼女は必死に馬のわき腹を、足で軽く蹴ってもダメだった。
「私の馬も動かない?
どうして、聞き分けないのだ!
これでは、【馬の耳に念仏】ではないか~」
殿下の大声が、その場に虚しく響く。
「バカ!大声だすな!
渋い年寄りくさい、古風な言い回しだな。
これでは、いくら言い聞かせても意味ない!
早く、馬から降りるぞー!!」
馬たちは人間よりも賢かった、木の枝にいるリスたちが馬に告げていた。
『そいつらは敵だ。
匂いがしないもん!』
『そう、花の良い匂いがしない。
ヒンメル様がそう言ってたよ!』
引っ張ってもびくともしない、馬たちを見捨てて置いていくことにする。
「どうしてーよー!!
獣が襲ってくるのー!!
お嬢様~、助けて~~!!」
獣たちの鳴き声にパニックになり、3人は食料の入った鞄だけを持ち走る。
一瞬、プリムローズはメリーの叫び声を聞いたような気がした。
「まさか~!
ここには、勝手に入れませんもの。
メリーが近くにいるはずないわ。
きっと、疲れて幻聴が聞こえたのね。ホホホ」
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