エンリルの風 チートを貰って神々の箱庭で遊びましょ!

西八萩 鐸磨

文字の大きさ
39 / 49

37.イシュタル神殿

しおりを挟む




 ギルドを出ると、広場から8方向に延びている街路の内の1本を上がり始める。


「ねえねえ、お腹すいたね!」


 コリンがみんなの先頭を、後ろ向きで歩きながら言ってきた。

 やけに楽しそうだ。

 転ばないか心配になる(スキルのお陰でそんな事にはならないだろうけど)。



「そうだな、思いのほか長話になったから、もうそろそろお昼だしな」

「でしょ、でしょ!(ミャンミャン!)」


 ライアンも俺の肩の上で、嬉しそうに鳴く。

 そういえばベンジャミンさん、ライアンのことはスルーだったな・・・ま、いっか。


「じゃあ、大通りメインストリートに出たら、お昼にしましょ」

「「「わーい(みゃ~)!!!」」」

「なんだかな~」


 王都こっちに来た時の、ランチの定番だという、スザンヌさんオススメのレストランに入って、昼食を食べた。

 いわゆる、インドカリーみたいなやつで、幾つもの皿に、いろんな種類の煮込み料理が盛られているものに、これまたナンそっくりな小麦粉をこねて薄くのばした生地をカリッと焼いたやつ、『ニャン』が付いてきた。

 微妙なネーミング・・。


 俺とエル、スザンヌさんは昼間っからシカルを飲み、コリンとアイリス、ライアンはヨーグルトの飲み物『ラッキー』を飲んだ・・・って、ラッじゃねえのかよ!




「さてと、イシュタル神殿へ行きましょうか?」


 腹いっぱい食べたあと店を出ると、スザンヌさんが言った。

 顔がちょっと赤い。

 飲みすぎだろ!


「酒のんで、神殿行ってもいいんですか?」

「なに言ってるの!酒は百薬の長、神さまに捧げる神聖な飲み物よ!だいいち、お祭りの時にお酒はつきものでしょう!」


 まったく説得力がない。


 メインストリートから更に縦方向の道を、上の方の街区へとのぼっていく。


 8方向へ別れていた道が、やがて2本へと集約され、上へ上へとあがっていく。

 俺たちは、2本の内左の方の道を進んでいった。



 目の前に見上げる高さの城壁が見えてきた。

 進んできた道は、その城壁に突き当たるまえに、さらに左へと逸れていく。


 どこまで上がるんだろう?


「さっきの右の方の道はね、王城の内門へ通じているのよ。こっちの道は、王城をぐるりと囲む内壁に沿って、あそこに見える峰の上の神殿へ通じているの」


 スザンヌさんに言われてその指差す方を見上げると・・・王城の遥か上、切り立った崖みたいになっている、峰の上に、白亜に輝くジッグラトが小さく見えた。


 ひえ~!あそこまで行くのか?


「け、けっこう高い所にあるんですね」

「常人のステータスじゃないくせに、ビビってんじゃないわよ。ほら、キリキリ歩く!」

「ん、ばかセイヤは文句が多い」

「文句なんか一言も言ってないだろ!」


 久々に、エルにバカ呼ばわりされた。 
 
 ん?でもじゃなくて、か・・・なんとなくニュアンスちがくね?




「わー、イシュタルの町がもうあんなに小さくなってるー!」


 コリンが眼下を指差した。


「おー、すげえな!」

「お城も、ちっちゃい!」

「だなー」


 そろそろ高さにしてどれくらいだ?

 100mじゃきかないよな・・・200mくらいか?

 結構、上がってきたよな。


「残りあと半分、行くわよ!」

「「へーい!」」


 スザンヌさんに急かされて、再びあるき始める。



 一時間後、ようやく神殿の入口が見えてきた。


「あー、やっと着いた!」


 ・・・にしても、でかくね?


「おっきー!」


 コリンが声を上げる。


「そりゃそうよ、この世界で3本の指に入ると言われているジッグラトだもの」


 スザンヌさんが自慢げに言った。


「そ、旧都アンシャルの神殿は別格だから・・バロニアの王都にあるエヌルタ神殿、アリアの王都にあるアシュル神殿、そしてこのイシュタル神殿が3大神殿と言われてる。・・・でもこの神殿が一番きれい。」

「エルは、全部行ったことあるのか?」

「護衛依頼クエストで何回か」

「そうなんだ」


 ほんと、いろんな経験してるんだな・・。



「じゃあ、行きましょう」


 スザンヌさんに言われて、あとをついて行った。




「いらっしゃいませ。お久しぶりでございます、ローリー様」

「こんにちは、エリーザ。司祭長様はいらっしゃる?」


 あれ?

 ここは、怒るところじゃないの?

 いつもならここで、『スザンヌよ!』って怒鳴っているとこなんだけど・・。


「はい、いらっしゃいます。・・・もうお一方も」

「あら!」


 一礼して答えるエリーザさんに、スザンヌさんは軽く驚いたあと、微笑した。

 そういえば彼女、ハイエルフだ。

 そうか、王都の神殿ともなると下っ端からハイエルフなんだな。


「ほら、セイヤ!」


 ぼーとしていたら、エルに小突かれてしまった。

 スザンヌさんはもう、階段を昇り始めている。


「わ、わりぃ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果

てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。 とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。 「とりあえずブラッシングさせてくれません?」 毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。 そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。 ※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

異世界に来ちゃったよ!?

いがむり
ファンタジー
235番……それが彼女の名前。記憶喪失の17歳で沢山の子どもたちと共にファクトリーと呼ばれるところで楽しく暮らしていた。 しかし、現在森の中。 「とにきゃく、こころこぉ?」 から始まる異世界ストーリー 。 主人公は可愛いです! もふもふだってあります!! 語彙力は………………無いかもしれない…。 とにかく、異世界ファンタジー開幕です! ※不定期投稿です…本当に。 ※誤字・脱字があればお知らせ下さい (※印は鬱表現ありです)

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...