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一章 トーマス村編
魔法剣の輝き
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僕は『私は』思い出す『思いだした』かつての『自分を』
夢を見ていたのはどのくらいだったのだろう、瞬きをする間もないほどの時間だったに違いない、
だがその刹那の間に、私の体はかつての自分の形を取り戻した。
手足は細くしなやかになり、銀色の髪は伸び背中に流れていく。
私は腰からダガーを引き抜くと『魔法剣』を発動する。
「『魔法剣・炎』!」
炎を纏わせたダガーをそのままゴブリンジェネラルに突きこみ、そのままジェネラルの体を燃やし尽くす。
ジェネラルは断末魔の悲鳴をあげるとそのまま地面に転がる。
隣ではミリスがこちらをみてポカンと口をあけている
「あなたは…だれ?アルノは???」
「今は時間がないから後で。それより私はゴブリンキングを倒しに行くから、落ち着いたらギャレットさんかダインさんのフォローに入ってあげて。」
私はそれだけ言うとまだ何か言おうとしていたミリスを残し、エルミが足止めしているキングに向かって走り出した。
◇
「なんて事!ゴブリンキングがこの森に出たことなんて今までなかったのに!」
普段は勤めてのんびり話すようにしていたが、強敵相手に血気盛んだった頃の口調に戻ってしまっている。
私は矢をつがえながら走り回り、キングを少しでもその場から移動させないようにけん制を続ける。少しでも村人が避難する時間を稼がなくては…
「風の精霊よ!エルミージュの名において、その力を今我が前に示せ!サイクロンアロー!!」
矢に風の精霊魔法を乗せて打ち込むが、キングは巻き起こる風を鬱陶しがるだけで特にダメージを受けているようには見えない。
ゴブリンキングはA級に分類される魔物だけあって、今の私では足止めが精一杯だ。
「『魔法剣・聖』ホーリーブレード!」
その時1人の女性がゴブリンキングに斬りかかった。
その剣はゴブリンキングの黒いオーラを切り裂き、そのまま右腕を切り落とした。
そしてその顔を見た時、私は驚き彼女の名前を叫んでしまった。
◇
「ユーフィリス、あなたなの!?」
私はエルミに一つ頷くと、そのままゴブリンキングに追撃をかけた。
右手を失ったゴブリンキングは左手の剣を横なぎに私を切り払おうとしてきたが、私はその刃の下をくぐり抜けるとそのまま左足をホーリーブレードで切り裂き背後に回りこむ。
「とどめだ!」
肩甲骨の間からブレードを突き刺し、顔に突き抜けるように突き通す。
ゴブリンキングから出ていた黒いオーラが霧散すると、そのまま力尽きた。
「このまま他の魔物を倒すぞ。エルミ!私に続け!」
◇
その後は一方的な蹂躙と言っていい展開になった。
ゴブリンキングとゴブリンジェネラルの1体が討伐された事により、他のゴブリン達が浮き足立ったからだ。
私とエルミは残り2体のジェネラルの戦いに加わり難なく撃破。
後に残ったゴブリン達はもはや敵ではなく、まだ力の残っている自警団と狩猟ギルドの面々で殲滅した。
◇
「ちょっとこっちへ」
エルミに自警団や狩猟ギルドのメンバーと離れた場所に連れて行かれ説明を求められた。
「それにしても、あなた25年前の戦争の時に亡くなったって聞いてたけど…」
「あぁ、そうだな。25年…?経っているのか…?」
私の体が発光し始めた、意識がまた眠ろうとしている。この体は借り物という事か…
「すまない…話をしている時間はなさそうだ。後の事はまかせたぞ…」
「ちょっと何言ってるの!説明しなさいよ!」
私の意識は眠りに落ちていった。
ステータス
名前 ユーフィリス・レイアス・アレスガルド
種族 人間
職業 王女
ユニークスキル 『魔法剣Lv5』
スキル 『剣聖Lv9』
『神速Lv6』
夢を見ていたのはどのくらいだったのだろう、瞬きをする間もないほどの時間だったに違いない、
だがその刹那の間に、私の体はかつての自分の形を取り戻した。
手足は細くしなやかになり、銀色の髪は伸び背中に流れていく。
私は腰からダガーを引き抜くと『魔法剣』を発動する。
「『魔法剣・炎』!」
炎を纏わせたダガーをそのままゴブリンジェネラルに突きこみ、そのままジェネラルの体を燃やし尽くす。
ジェネラルは断末魔の悲鳴をあげるとそのまま地面に転がる。
隣ではミリスがこちらをみてポカンと口をあけている
「あなたは…だれ?アルノは???」
「今は時間がないから後で。それより私はゴブリンキングを倒しに行くから、落ち着いたらギャレットさんかダインさんのフォローに入ってあげて。」
私はそれだけ言うとまだ何か言おうとしていたミリスを残し、エルミが足止めしているキングに向かって走り出した。
◇
「なんて事!ゴブリンキングがこの森に出たことなんて今までなかったのに!」
普段は勤めてのんびり話すようにしていたが、強敵相手に血気盛んだった頃の口調に戻ってしまっている。
私は矢をつがえながら走り回り、キングを少しでもその場から移動させないようにけん制を続ける。少しでも村人が避難する時間を稼がなくては…
「風の精霊よ!エルミージュの名において、その力を今我が前に示せ!サイクロンアロー!!」
矢に風の精霊魔法を乗せて打ち込むが、キングは巻き起こる風を鬱陶しがるだけで特にダメージを受けているようには見えない。
ゴブリンキングはA級に分類される魔物だけあって、今の私では足止めが精一杯だ。
「『魔法剣・聖』ホーリーブレード!」
その時1人の女性がゴブリンキングに斬りかかった。
その剣はゴブリンキングの黒いオーラを切り裂き、そのまま右腕を切り落とした。
そしてその顔を見た時、私は驚き彼女の名前を叫んでしまった。
◇
「ユーフィリス、あなたなの!?」
私はエルミに一つ頷くと、そのままゴブリンキングに追撃をかけた。
右手を失ったゴブリンキングは左手の剣を横なぎに私を切り払おうとしてきたが、私はその刃の下をくぐり抜けるとそのまま左足をホーリーブレードで切り裂き背後に回りこむ。
「とどめだ!」
肩甲骨の間からブレードを突き刺し、顔に突き抜けるように突き通す。
ゴブリンキングから出ていた黒いオーラが霧散すると、そのまま力尽きた。
「このまま他の魔物を倒すぞ。エルミ!私に続け!」
◇
その後は一方的な蹂躙と言っていい展開になった。
ゴブリンキングとゴブリンジェネラルの1体が討伐された事により、他のゴブリン達が浮き足立ったからだ。
私とエルミは残り2体のジェネラルの戦いに加わり難なく撃破。
後に残ったゴブリン達はもはや敵ではなく、まだ力の残っている自警団と狩猟ギルドの面々で殲滅した。
◇
「ちょっとこっちへ」
エルミに自警団や狩猟ギルドのメンバーと離れた場所に連れて行かれ説明を求められた。
「それにしても、あなた25年前の戦争の時に亡くなったって聞いてたけど…」
「あぁ、そうだな。25年…?経っているのか…?」
私の体が発光し始めた、意識がまた眠ろうとしている。この体は借り物という事か…
「すまない…話をしている時間はなさそうだ。後の事はまかせたぞ…」
「ちょっと何言ってるの!説明しなさいよ!」
私の意識は眠りに落ちていった。
ステータス
名前 ユーフィリス・レイアス・アレスガルド
種族 人間
職業 王女
ユニークスキル 『魔法剣Lv5』
スキル 『剣聖Lv9』
『神速Lv6』
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