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1章
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「ギルドカードですねー。こちらに記入をお願いしますー」
「はい」
教会を出てギルドへ。
ギルドの受付の男性は気怠そうに古びた紙を渡してきた。
早速記入しようとして固まる。
………何語だこれ。
「エディさん…」
「ん?どうしたの?ケイ」
「俺、ここの文字読めません…」
情けない限りだが異世界なので仕方がないと自分に言い聞かせる。
正直にそう白状した。
「あら…じゃあアタシが代筆するわ。ケイはアタシの質問に答えてね」
「はい…エディさん、ありがとうございます」
「ふふ、いいのよ。これくらい」
エディは面倒がらずにむしろ嬉しそうに言った。
ギルドカードに書くからと聞かれた内容は割と多かった。
名前、性別、年齢、利用目的、適応属性、攻撃手段etc…
利用目的を冒険者にしたために多くなったらしい。
ちなみに商売をするのなら商業ギルドに登録しなくてはいけないそうだ。
どちらにしてもこの中央管轄ギルドへの登録が先らしい。
中央管轄ギルドでは商業ギルドか冒険者ギルドのどちらかが作成できる。
ギルド関連の相談事もこのギルドが担っているらしい。
要するに中央管轄ギルドは全ギルドの母体だ。
「はい、これよろしく」
「はーい、記入漏れないですねー。発行しますのでお待ちくださいー」
がちゃがちゃと謎の機械を操作している。
それを見ているだけでも楽しい。
じぃっとそれを受付から覗き見ていると気怠い人が顔を上げた。
「あのー…そんなに見ないでもらえるとー…」
「あっ、すみません…」
……昨日もそんなセリフ言われた気がする…
気になるものをじっと見てしまうのは癖だ。
兄にも直すよう言われていたのに…と肩を落とす。
「……。たしかお連れの方、騎士団でしたよねー。2人一緒なら中に入っても構いませんよー」
「えっいいんですか!」
「よかったわね、ケイ。じゃあ中に行きましょうか」
どうやらエディは道がわかっているらしい。
エディの後をついて行くと中に入れてもらうことができた。
「うわぁ…」
スチームパンク。
旧時代的であり新時代的である。
一言でいえばすごいかっこいい、だ。
「あまり触らないでくださいねー。見る分には構いませんからー」
そう言われていろいろ見て回る。
エディ曰くまるで子どものように瞳をきらきらさせていて愛らしかったとか。
「へえ…こんな風になってるのねえ…」
エディも気になるものを見つけたらしい。
そんな姿を横目で確認しながらうろうろする。
気怠い人がちょいちょいと手招きをしていた。
「?」
「これ、あげますー。君がここに来た時私がいたらここに入れますからー」
「いいんですか!」
「もちろん」
そうして手渡してくれたのはピアス。
これならいつでも着けていられるし邪魔にもならない。
しかもよく見ればこの人と同じ色合いだ。
なるほど、これが通行証代わりなのか。
光に当たると赤く光るそれ。
一見黒に見えるところから髪に紛れて見えなくなるくらいだと思う。
「うわあ…!ありがとうございます!」
そう言って彼のことを見れば同じ色合いの瞳に気づく。
深い栗色の長い前髪に隠れるようにしてあった瞳。
それは確かにピアスと同じ色だった。
「ふふふ…失くさないようにしてくださいねー。魔法で固定することもできますからー。…はい、ギルドカードもできましたよー」
「…石?」
「これを加工したりして持ち歩くんですよー。紙をいちいち持ち歩くなんて不便でしょー?」
「確かにそうですね。じゃあピアス以外にしないと…」
「あら、もうできたの?それじゃケイ、今日はもう帰りましょう?加工はまた今度ゆっくりしましょうね」
「はい!今日はありがとうございました!」
「いえいえー」
こうしてギルドカードは無事発行されギルド見学も終了し、帰路に着いたのだった。
「はい」
教会を出てギルドへ。
ギルドの受付の男性は気怠そうに古びた紙を渡してきた。
早速記入しようとして固まる。
………何語だこれ。
「エディさん…」
「ん?どうしたの?ケイ」
「俺、ここの文字読めません…」
情けない限りだが異世界なので仕方がないと自分に言い聞かせる。
正直にそう白状した。
「あら…じゃあアタシが代筆するわ。ケイはアタシの質問に答えてね」
「はい…エディさん、ありがとうございます」
「ふふ、いいのよ。これくらい」
エディは面倒がらずにむしろ嬉しそうに言った。
ギルドカードに書くからと聞かれた内容は割と多かった。
名前、性別、年齢、利用目的、適応属性、攻撃手段etc…
利用目的を冒険者にしたために多くなったらしい。
ちなみに商売をするのなら商業ギルドに登録しなくてはいけないそうだ。
どちらにしてもこの中央管轄ギルドへの登録が先らしい。
中央管轄ギルドでは商業ギルドか冒険者ギルドのどちらかが作成できる。
ギルド関連の相談事もこのギルドが担っているらしい。
要するに中央管轄ギルドは全ギルドの母体だ。
「はい、これよろしく」
「はーい、記入漏れないですねー。発行しますのでお待ちくださいー」
がちゃがちゃと謎の機械を操作している。
それを見ているだけでも楽しい。
じぃっとそれを受付から覗き見ていると気怠い人が顔を上げた。
「あのー…そんなに見ないでもらえるとー…」
「あっ、すみません…」
……昨日もそんなセリフ言われた気がする…
気になるものをじっと見てしまうのは癖だ。
兄にも直すよう言われていたのに…と肩を落とす。
「……。たしかお連れの方、騎士団でしたよねー。2人一緒なら中に入っても構いませんよー」
「えっいいんですか!」
「よかったわね、ケイ。じゃあ中に行きましょうか」
どうやらエディは道がわかっているらしい。
エディの後をついて行くと中に入れてもらうことができた。
「うわぁ…」
スチームパンク。
旧時代的であり新時代的である。
一言でいえばすごいかっこいい、だ。
「あまり触らないでくださいねー。見る分には構いませんからー」
そう言われていろいろ見て回る。
エディ曰くまるで子どものように瞳をきらきらさせていて愛らしかったとか。
「へえ…こんな風になってるのねえ…」
エディも気になるものを見つけたらしい。
そんな姿を横目で確認しながらうろうろする。
気怠い人がちょいちょいと手招きをしていた。
「?」
「これ、あげますー。君がここに来た時私がいたらここに入れますからー」
「いいんですか!」
「もちろん」
そうして手渡してくれたのはピアス。
これならいつでも着けていられるし邪魔にもならない。
しかもよく見ればこの人と同じ色合いだ。
なるほど、これが通行証代わりなのか。
光に当たると赤く光るそれ。
一見黒に見えるところから髪に紛れて見えなくなるくらいだと思う。
「うわあ…!ありがとうございます!」
そう言って彼のことを見れば同じ色合いの瞳に気づく。
深い栗色の長い前髪に隠れるようにしてあった瞳。
それは確かにピアスと同じ色だった。
「ふふふ…失くさないようにしてくださいねー。魔法で固定することもできますからー。…はい、ギルドカードもできましたよー」
「…石?」
「これを加工したりして持ち歩くんですよー。紙をいちいち持ち歩くなんて不便でしょー?」
「確かにそうですね。じゃあピアス以外にしないと…」
「あら、もうできたの?それじゃケイ、今日はもう帰りましょう?加工はまた今度ゆっくりしましょうね」
「はい!今日はありがとうございました!」
「いえいえー」
こうしてギルドカードは無事発行されギルド見学も終了し、帰路に着いたのだった。
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