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第一部

ep2. 淫らな生徒会室で、幼馴染と

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 ゆかちゃんが近づいてくる。
 私はさっきから何度も立ち上がろうとしているのに、なぜだか腰から下に力が入らない。

「ゆか……ちゃん……?」

 震える腕の力だけで、体を引っ張り後ずさりをする。
 彼女に対して、恐怖という感情を持ったのはこれが初めてかもしれない。

「逃げないで、みずきちゃん」
「……ゃ、いやぁ……ッ!?」

 気づけば私は悲鳴のような声を上げていた。
 ゆかちゃんの手が私に伸びる。
 亀のような速度でしか動けない私を捉えることなど容易。
 ゆかちゃんは赤子を抱くように、優しく私を抱擁した。
 甘いフルーツタルトのような香りが私の鼻をくすぐる。
 それでも、私の胸の内の恐怖は消えなかった。

「だめ……だめぇ……っ」

 こんなに体が震えているんだ。
 この震えはゆかちゃんにも伝わっているはず。
 私の感情が、彼女に読み取られてしまう。

「ようこそ、生徒会へ」
「……ち、ちがっ…………こんな……ッ」

 私が望んでいたのは、これから生徒会の一員としてみんなと一緒に活動していく、そんな整然とした光景のはずだったのに。
 まだ私は何が起こっているのかを理解しきれず、ただただ頭の中で一人、違う違うと連呼することしかできなかった。

「ずっと、待ってたんだよ、みずきちゃんが……ここに来るのを」
「それ、どういう……ひぅッ!?」

 声が漏れ出し、体がビクンと跳ねる。
 私の背に回ったゆかちゃんの右手が、私は制服の上から背筋をそっと撫でていた。

「声、漏れちゃったね。みずきちゃんのそういう声、ずっと聞いてみたかったんだ…………もっと、もっと聞かせて」
「やめッ、だめぇっ……ふぁああッ!?」

 背筋を撫でていたゆかちゃんの右手が私の制服の中へと入り込み、直に背中を撫でられる。
 さっきの感覚とはまるで違う。
 ゆかちゃんの細い指が私の体に触れるだけで、私の体はおかしくなる。
 まるで触れた瞬間そこから電流を流されたかのようで、思考の自由が奪われていく。

「んっ……んんっ……くふぅ……ッ」
「おへそ、弱いんだね。声、頑張って出さないように努力してるけど、できてないよ」

 背中と同時に腹部まで触られ始める。
 ひんやりとした彼女の手が触れるたび私の体がピクピクと震え、おへそのあたりをクリクリと責められると、一気に我慢できない領域まで引き出される。

「大丈夫? 背中とおなか、同時に触られてるだけだよ? みずきちゃんはそれだけでこんなになっちゃうの? えへへ、もしかして敏感肌かな?」
「いっ……んぅうっ………なんで、もう……やめてぇ……」
「ごめん、それは無理。そういえばみずきちゃん、首筋も……綺麗だよね」

 そう言って、ゆかちゃんは私の首元を見ながら顔を近づけてくる。

「くび……? あ、だめ……ッ!」

 彼女が次に何をしようとしているのか、理解した時にはもう遅かった。

「はむっ」
「~~~~ッ!!? やっ、噛んじゃ……ッ!? はぅううううッ!! 舐めるのもダメぇッ!!」

 首元を舐めたり甘噛みされるたびに、全身がピリリと痺れて、心臓をぎゅっと掴まれるような感覚がやってくる。
 私には両手があるはずなのに、まるで抵抗ができていない。
 赤ちゃんみたいな弱々しい力でゆかちゃんの肩を押さえ、それ以上のことは何もできないでいた。

「あむっ、はむっ……………ふふっ、みずきちゃんおいしい。みずきちゃんってこんな味がしたんだ……」
「やっ……恥ずか、しい……」
「鎖骨のあたりも舐めてあげるね」
「んぁああッ!?」

 まずい、一瞬意識が飛んでしまいそうになった。
 無意識に両腿をギュッと閉じ、全身が硬直していく。
 背中とおなか、首筋を責められ、自分の体が限界に近づいているのが分かる。
 多分後ひとつ、次のステップに持って行かれたら…………その時はもう、どうなるか分からない。

「次期生徒会長さん、すごく敏感なのね」
「あははっ、首筋噛まれてビクンビクンしてる。吸血鬼みた~い」

 完全に意識の外側から、そんな声が聞こえてきた。
 篠塚先輩と橋下先輩。
 二人はこんな状態になっている私をまじまじと見つめていた。

「やっ……先輩、見ないで、くださ……うぁああっ!?」

 ゆかちゃんの舌責めが激しくなる。
 まるでよそ見をするなとでも言われているかのようだった。

「見ないで? 嫌よ、ここでずっと見てるわ」
「なん、で……?」
「見たいから見るの。ああ、そっか。次期生徒会長さんはまだこの学校の生徒会規約を知らないのね」
「生徒会……規約?」

 急に何の話をしているんだろう。
 激しくなるゆかちゃんの責めを受けながら、私は篠塚先輩の話に耳を傾ける。

「ほら、この学校っていくつか古臭い風習が残っているじゃない? 生徒会規約もその一つでね。一般の学生は知ることができない、生徒会役員だけに課せられるルールがあるの」

 篠塚先輩の隣にいた橋下先輩がグイと体を乗り出す。

「そうそう、そのルールの一つに『人の身の上に立つもの、常に献身であれ』だっけ? そういうのがあってね~。つまリね、学生の代表である生徒会長は生徒のお願いを何でも聞いてあげなきゃいけないってことなの! そりゃあ一番偉いんだからね~、当たり前よね~」
「そん、なぁ……ッ! くぅ……ッ!?」

 生徒会長は生徒のお願いを何でも聞かなければならない?
 幾ら何でも、そんな決まりごと無茶苦茶すぎる。

「今は引き継ぎ期間で曖昧になっているけど、一応生徒会長の就任式もやったことだし、ゆかはもう生徒会長の肩書きじゃないのよね。じゃあ生徒会長のみずきちゃんは、ゆかのお願いを聞いてあげないとね」
「みずきちゃんガンバ! ゆかのお願い、聞いてあげてね~」
「おね……がい……?」
「あむっ、ぷは……っ」

 ゆかちゃんは先ほどの会話を聞いていたのか、私に対すると責めを一旦止めた。
 乱れた髪にトロンとした表情のゆかちゃんと視線が合う。

「みずきちゃん……」
「はぁ……はぁ……ゆか、ちゃん……」
「私の、お願いは……ね……」

 息を飲む。
 この学校のルールに従うなら、これからゆかちゃんが口にするどんな言葉にも、私は従わなければならない。

「……ふふっ、そのまま、そのまま動かないでね……」
「……ぇ?」

 それは、それは容易い願いではあったけれど……
 ゆかちゃんは私の肩を押さえたまま、顔を近づけてくる。
 昔から、綺麗な顔だと思っていた。
 彼女と視線が合うと、胸がトクンと跳ねるようになったのはいつからだろう。
 そんな彼女の顔が目の前まで迫って————このままだと。
 このままだと————ッ!

「むぐぅッ!?」

 香水と汗の入り混じった匂いが香る。
 背中と後頭部を強く押さえられ、ゆかちゃんの胸と私の胸がぶつかり合う。
 そしてそのまま、私の唇とゆかちゃんの唇が重なる。

「あら」
「お~」

 周囲から感嘆の声が上がる。
 篠塚先輩と橋下先輩の声だけじゃない。
 この部屋のいたる所から視線を感じる。
 そう思うだけで、恥ずかしくて、胸が熱くなって、私の体が変になる。

「んっ……んんっ……」
「あむっ…………んっ……」

 ゆかちゃんはいつまで経っても唇を離してくれない。
 みんなに見られながら、キスをされ続けて…………体が熱くて溶けそうになる。

「んっ」
「あぁっ」

 そんなとき、ゆかちゃんが一瞬口を離した。
 ようやく終わってくれた。
 そう思った直後だった。

「んぐうぅううッ!!?」

 再び、ゆかちゃんは私の唇を奪う。
 それも、先ほどの口付けとはまた別の口付け。
 油断した私の口内にゆかちゃんの舌が入り込んでくる。

「んっ……んぁうっ……んむっ……」
「ンンッ!? ぁん、んむ、ンンーーーーッ!!?」

 ゆかちゃんの舌が私の口内で好き勝手に暴れまわる。
 責めが強くなれば強くなるほど、無意識に私の背筋が反り上がっていって、ついには体を起こすことすらできなくなり、私は完全に押し倒されてしまう。

「んむっ……んきぃ……みじゅきぃ………んんっ……」
「むぐぅう……ッ!? かふっ……ゆかちゃ、わたひっ………ひぅッ、ンンッ!?」

 キスされて、舌で責められて、息継ぎをする一瞬私の名を呼ばれるとそれだけでビクンとなって。
 そしてまた、キスをされて。

 だめ——ダメ……ッ!!

 もう限界——くる————くるッ!

「ンァむッ!? いやっ、もうッ——ん、ンむぅッ!? んんッ!? ンンンンンンーーーーッ!!」

 くぐもった嬌声と共に、私の中に溜まっていたものが溢れ出した。
 体がビクンと跳ねたまま指や足の先が硬直し、ビクビクと震えた状態のまま帰ってこれない。
 震えに合わせて、秘所から何度も何度も愛液が溢れて止まらない。
 その度に周囲から歓声のような声が上がる。
 ゆかちゃんの前で、こんな大勢の前で、絶頂する姿を見られて、恥ずかしくて——もう止まってと何度も願うのに、絶頂は止まらない。
 暴力的な快楽に頭の中が真っ白にされる。

「はぁ……はぁ…………んむっ」

 ようやく、絶頂の波がおさまりかけたそのとき、ゆかちゃんはさらに追い撃ちをかけてきた。

「——ッ!? んぐッ!!? んグゥううううッ!!?」

 もう私の体はとうに限界を迎えているのに、それでもゆかちゃんは責めを止めてくれない。
 それどころか、私の弱点を的確に責めてくる。
 私は口の中を責められるのは初めてで、どこを責められるとどうなるかなんて私ですら知らないのに、ゆかちゃんはもう私の弱点を全て把握しているかのように責めてくる。
 舌の裏側を徹底的に責められ、私の体が意識とは別にジタバタ動き出す。

 そして——また————

「ふぁむっ、んっ!? ……ぁだ……ッ、も、やめっ! あっ……んむっ!? ……ふむぅううううううッ!!?」

 だめだ、もう、ゆかちゃんが私の唇を奪い続けている限り、私は延々と絶頂し続けてしまう。
 太ももやおしりの方まで濡れていく感覚が、恥ずかしくて泣きたくなる。
 抵抗する力を持たない私は、ゆかちゃんが責めを止めてくれるまで、ただただその責めを受け続けて、ただただ絶頂し続けることしかできない。

「ん……あぁ……っ」
「ふぁ……あぁッ! あぁう……ッ!? か、あ……止まら、な…………ひぁあっ!?」

 ゆかちゃんが一度唇を離す。
 だが大きな絶頂を迎えた私は、その後も絶頂の余韻がおさまらず、その絶頂の余韻で小さな絶頂を何度か繰り返した。
 ゆかちゃんは何もしてないのに絶頂を繰り返す私をじっと見ていた。
 そして、ふふっと不敵に笑う。

「休憩終わり」
「やめ……まだ…………あっ」

 ゆかちゃんの顔がまた近づいてきた。
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