【後日談有り】わたしを孕ませてください! ー白の令嬢は、黒の当主の掌で愛に堕ちるー

さわらにたの

文字の大きさ
62 / 94
エピローグ/後日談

16.はじめてのお留守番(終)*

しおりを挟む




「――?? え、るっ、きゃあっ!?」
「シアも、さみしかったんだろう?」
「えっ、あっ、そ、こ、っあぁああっ!!」

 そっと柔らかく寝台に横たえ、するりと股を開かせた。
 自分ばかりが好きにされては、我慢できない。


 自分の手に逆らわないそこは、すでに下着越しにわかるほどにぐっしょりと濡れていた。
 下着を取り去り、触れるだけで華奢な身体はすぐに反応を示す。


「……あんっ、あ、あぁっ、エル、っ、エル、ねえっ」
「シア、ほら、すごく締め付けてきてる」
「――いわ、ないでっ、恥ずかしい、から……。ずっと、触れられなかったから、その……あ、だめ、だ、めぇっ、ひっぃいんっ!!」

 少し内側に指をまげて軽く膣壁をひっかくようにした、その瞬間だった。
 ぎゅううううっと指が強く締め付けられ、シアの体がビクンと大きくのけぞる。

 まさか、と思ったが、もう、達してしまったらしい。
 はぁ、はぁと荒い呼吸に涙の溜まった瞳。
 指を軽く指し入れただけで――あまりにも早い絶頂。

 痛みなどの心配がよぎり、大丈夫かと声をかけると、しばらく放心していた彼女がぱちぱちと瞬きをする。

「わ、わたし……もう?」

 そして、荒い息を吐きながら顔を覆った。

「シア?」
「はずかしい、わ……。でも、だって……ずっと、触ってもらいたくて……触って、もらえなくて……」
「シア」
「やだ、もう……や、なの……はずか、しい」

 顔を覆い、耳まで真っ赤にしながらシアは言葉を吐き出す。

「気持ちよく、なりたい……抱かれたかった。こうされて、嬉しいの、でも本当に、さみしかったの……」
「ああ……」
「からだのことだけじゃないのよ……。心が、ずっとぽっかりしていて……あなたがいない、それがたまらなくつらくて、苦しくて」
「シア」

 自分も直情的過ぎたかもしれない。
 そっと、その手をゆっくりと下ろさせる。
 シアの瞳は潤んでいた。恥ずかしさに歪んだ顔はひどく自分の心をくすぐる。
 自分の嗜虐的なところを満たして欲しい。そのまま再び猛って張りつめている雄を突き入れたい、という気持ちはもちろんあったけれど。
 それよりも、彼女の心を満たしてやりたかった。


「今日は、ずっと、あなたを確かめたいの」
「――そうだな。私も」

 愛欲よりも、勝ったのは優しい情愛だった。
 そっとシアを抱きしめて、エルナドは寝台に横になる。
 そして唇を丁寧に重ねた。
 
「んっ、っ、ぁ……っ」
 
 唇をゆっくりと押し付けて開くようにして、舌をそろりと差し入れると、シアがあえかな吐息をはく。可愛い。愛らしい。慈しみたい。
 
 最近、確かに快楽や欲を押し付けるような愛し方になっていたかもしれない、と自嘲する。
 身体に溺れるように抱き合ってしまう。彼女に触れると、手が勝手に動き、すぐに追い詰めて昂ぶり、昂らせてしまうから。
 でも今日は存在を、確かめ合いたい。

 離れていたこともあるが、こうして再び確かめ合うような触れ合いは、久しぶりだった。 
 ゆっくりと舌を重ねて、シアの舌先を自分の舌先で撫でるように愛撫する。絡み合うそこはゾクゾクとした快感と、甘い安心を連れてくる。
 一度、ゆっくりと離して息を吸う。そっと頬に指を置き、そのまま唇を指先でたどる。
 小さな口。さっきまでの直情的な行為と、喘ぎを載せていたその唇は、今は花びらのような瑞々しさを感じさせる。そっと唇だけを重ねるキスを繰り返す。
 愛している。――今までも、そしてこれからも。
 シアはされるがままになっていた。

「きみを確かめたい。きみがいま、腕の中にいることを」
「エル……、うん、わたしも」

 小さな手のひらが、自分の頬に触れ、そのまま髪をするりと撫でる。
 そのまま互いに、手のひらで身体を辿った。
 その指先はどこまでも熱っぽく、愛を帯び、それでいてひどく優しい。
 慎ましい胸元と反応しつつあるその桜色の頂。すんなりとした腰を下り、薄い腹部に至る。
 そっと唇を首元に当てる。うっすらと汗をかいているそこをちろりと舐めると、くすぐったいのかシアは喉奥で笑った。

「ああ、本当にエルなのね。嬉しい……」

 エルナドのしっかりとした首筋から方へと指先を下ろしながら、シアはうっとりと囁いた。彼女の指先が自分の胸元をたどっていくたびに、淡い快感が点々と続く。
 確かめるようにエルナドの胸元に顔を寄せてうっとりと瞳を閉じる彼女の姿を見ていると、はっきりとした熱と、沸き立つような情愛がゆっくりと形を成していく。

「私もだ。シアに触れたかったし触れられたかった」
「エル……」

 鎖骨をたどって口づけながらそう言うエルナドに、シアは嬉しそうに名を呼び返した。
 そっと白金の髪を掻き上げて頬に触れれば、シアの甘い香りがする。
 シアの細い指がエルナドの喉元をなぞっていく。
 はじめはそっと、愛おしむように。けれど次第に熱を帯びて。

 触れるほど、熱を帯びる身体。
 けれど、今夜は互いに、穏やかに睦みあおうと心が決まっていた。


「……エル、大好きよ」
 
 囁くシアに、そっと腕を回すエルナド。
 月が静かに見守る寝室には、ただやさしい吐息と確かな愛があった。






(終)

===========================

はじめてのお留守番 完です!
お付き合い下さってありがとうございました。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

【完結】呪いを解いて欲しいとお願いしただけなのに、なぜか超絶美形の魔術師に溺愛されました!

藤原ライラ
恋愛
 ルイーゼ=アーベントロートはとある国の末の王女。複雑な呪いにかかっており、訳あって離宮で暮らしている。  ある日、彼女は不思議な夢を見る。それは、とても美しい男が女を抱いている夢だった。その夜、夢で見た通りの男はルイーゼの目の前に現れ、自分は魔術師のハーディだと名乗る。咄嗟に呪いを解いてと頼むルイーゼだったが、魔術師はタダでは願いを叶えてはくれない。当然のようにハーディは対価を要求してくるのだった。  解呪の過程でハーディに恋心を抱くルイーゼだったが、呪いが解けてしまえばもう彼に会うことはできないかもしれないと思い悩み……。 「君は、おれに、一体何をくれる?」  呪いを解く代わりにハーディが求める対価とは?  強情な王女とちょっと性悪な魔術師のお話。   ※ほぼ同じ内容で別タイトルのものをムーンライトノベルズにも掲載しています※

【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~

世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。 ──え……この方、誰? 相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。 けれど私は、自分の名前すら思い出せない。 訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。 「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」 ……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!? しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。 もしかして、そのせいで私は命を狙われている? 公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。 全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね! ※本作品はR18表現があります、ご注意ください。

勘違い妻は騎士隊長に愛される。

更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。 ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ―― あれ?何か怒ってる? 私が一体何をした…っ!?なお話。 有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。 ※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。

襲われていた美男子を助けたら溺愛されました

茜菫
恋愛
伯爵令嬢でありながら公爵家に仕える女騎士イライザの元に縁談が舞い込んだ。 相手は五十歳を越え、すでに二度の結婚歴があるラーゼル侯爵。 イライザの実家であるラチェット伯爵家はラーゼル侯爵に多額の借金があり、縁談を突っぱねることができなかった。 なんとか破談にしようと苦慮したイライザは結婚において重要視される純潔を捨てようと考えた。 相手をどうしようかと悩んでいたイライザは町中で言い争う男女に出くわす。 イライザが女性につきまとわれて危機に陥っていた男ミケルを助けると、どうやら彼に気に入られたようで…… 「僕……リズのこと、好きになっちゃったんだ」 「……は?」 ムーンライトノベルズにも投稿しています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

一目惚れは、嘘でした?

谷川ざくろ
恋愛
代打で参加したお見合いで、「一目惚れです」とまさかのプロポーズをされた下級女官のシエラ・ハウエル。 相手は美しい公爵、アルフレッド・ベルーフィア。 疑わしく思いつつも、病気がちな弟の治療と領地への援助を提示され、婚約を結んだ。 一目惚れと言っていた通り溺愛されて相思相愛となり、幸せな結婚生活を送るシエラだったが、ある夜、夫となったアルフレッドの本音を聞いてしまう。 *ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

処理中です...