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エピローグ/後日談
16.はじめてのお留守番(終)*
しおりを挟む「――?? え、るっ、きゃあっ!?」
「シアも、さみしかったんだろう?」
「えっ、あっ、そ、こ、っあぁああっ!!」
そっと柔らかく寝台に横たえ、するりと股を開かせた。
自分ばかりが好きにされては、我慢できない。
自分の手に逆らわないそこは、すでに下着越しにわかるほどにぐっしょりと濡れていた。
下着を取り去り、触れるだけで華奢な身体はすぐに反応を示す。
「……あんっ、あ、あぁっ、エル、っ、エル、ねえっ」
「シア、ほら、すごく締め付けてきてる」
「――いわ、ないでっ、恥ずかしい、から……。ずっと、触れられなかったから、その……あ、だめ、だ、めぇっ、ひっぃいんっ!!」
少し内側に指をまげて軽く膣壁をひっかくようにした、その瞬間だった。
ぎゅううううっと指が強く締め付けられ、シアの体がビクンと大きくのけぞる。
まさか、と思ったが、もう、達してしまったらしい。
はぁ、はぁと荒い呼吸に涙の溜まった瞳。
指を軽く指し入れただけで――あまりにも早い絶頂。
痛みなどの心配がよぎり、大丈夫かと声をかけると、しばらく放心していた彼女がぱちぱちと瞬きをする。
「わ、わたし……もう?」
そして、荒い息を吐きながら顔を覆った。
「シア?」
「はずかしい、わ……。でも、だって……ずっと、触ってもらいたくて……触って、もらえなくて……」
「シア」
「やだ、もう……や、なの……はずか、しい」
顔を覆い、耳まで真っ赤にしながらシアは言葉を吐き出す。
「気持ちよく、なりたい……抱かれたかった。こうされて、嬉しいの、でも本当に、さみしかったの……」
「ああ……」
「からだのことだけじゃないのよ……。心が、ずっとぽっかりしていて……あなたがいない、それがたまらなくつらくて、苦しくて」
「シア」
自分も直情的過ぎたかもしれない。
そっと、その手をゆっくりと下ろさせる。
シアの瞳は潤んでいた。恥ずかしさに歪んだ顔はひどく自分の心をくすぐる。
自分の嗜虐的なところを満たして欲しい。そのまま再び猛って張りつめている雄を突き入れたい、という気持ちはもちろんあったけれど。
それよりも、彼女の心を満たしてやりたかった。
「今日は、ずっと、あなたを確かめたいの」
「――そうだな。私も」
愛欲よりも、勝ったのは優しい情愛だった。
そっとシアを抱きしめて、エルナドは寝台に横になる。
そして唇を丁寧に重ねた。
「んっ、っ、ぁ……っ」
唇をゆっくりと押し付けて開くようにして、舌をそろりと差し入れると、シアがあえかな吐息をはく。可愛い。愛らしい。慈しみたい。
最近、確かに快楽や欲を押し付けるような愛し方になっていたかもしれない、と自嘲する。
身体に溺れるように抱き合ってしまう。彼女に触れると、手が勝手に動き、すぐに追い詰めて昂ぶり、昂らせてしまうから。
でも今日は存在を、確かめ合いたい。
離れていたこともあるが、こうして再び確かめ合うような触れ合いは、久しぶりだった。
ゆっくりと舌を重ねて、シアの舌先を自分の舌先で撫でるように愛撫する。絡み合うそこはゾクゾクとした快感と、甘い安心を連れてくる。
一度、ゆっくりと離して息を吸う。そっと頬に指を置き、そのまま唇を指先でたどる。
小さな口。さっきまでの直情的な行為と、喘ぎを載せていたその唇は、今は花びらのような瑞々しさを感じさせる。そっと唇だけを重ねるキスを繰り返す。
愛している。――今までも、そしてこれからも。
シアはされるがままになっていた。
「きみを確かめたい。きみがいま、腕の中にいることを」
「エル……、うん、わたしも」
小さな手のひらが、自分の頬に触れ、そのまま髪をするりと撫でる。
そのまま互いに、手のひらで身体を辿った。
その指先はどこまでも熱っぽく、愛を帯び、それでいてひどく優しい。
慎ましい胸元と反応しつつあるその桜色の頂。すんなりとした腰を下り、薄い腹部に至る。
そっと唇を首元に当てる。うっすらと汗をかいているそこをちろりと舐めると、くすぐったいのかシアは喉奥で笑った。
「ああ、本当にエルなのね。嬉しい……」
エルナドのしっかりとした首筋から方へと指先を下ろしながら、シアはうっとりと囁いた。彼女の指先が自分の胸元をたどっていくたびに、淡い快感が点々と続く。
確かめるようにエルナドの胸元に顔を寄せてうっとりと瞳を閉じる彼女の姿を見ていると、はっきりとした熱と、沸き立つような情愛がゆっくりと形を成していく。
「私もだ。シアに触れたかったし触れられたかった」
「エル……」
鎖骨をたどって口づけながらそう言うエルナドに、シアは嬉しそうに名を呼び返した。
そっと白金の髪を掻き上げて頬に触れれば、シアの甘い香りがする。
シアの細い指がエルナドの喉元をなぞっていく。
はじめはそっと、愛おしむように。けれど次第に熱を帯びて。
触れるほど、熱を帯びる身体。
けれど、今夜は互いに、穏やかに睦みあおうと心が決まっていた。
「……エル、大好きよ」
囁くシアに、そっと腕を回すエルナド。
月が静かに見守る寝室には、ただやさしい吐息と確かな愛があった。
(終)
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はじめてのお留守番 完です!
お付き合い下さってありがとうございました。
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