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#9 I’m in a different world 〜時に異世界はいい世界なこともあると思ったりした(1)
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4時間ほど電車に揺られ、2人は新潟駅に到着した。駅には両親が車で迎えに来ている。この車…白の色味が象牙のようにも見えるプジョー505。バブル期の東京でさえ滅多に見かけないマニアックなセダンだ。
一見地味だがピニンファリーナが描く極めて優美なライン、伝統の猫足がもたらすしっとりした乗り心地が、貴明は大好きだ。彼の趣味嗜好が全般的に天邪鬼で、車はポンコツなラテン車が好きなのは、こちらも少し変わり者の父の影響だ。
「相変わらずいい感じに枯れてるね。俺が免許取ったらもらうからな、親父」
「新しいの買ってからな。次は母さんと2人で乗れればいいから、フィアットやシトロエンの小さいのにしようと思ってんだ」
「ああ、パンダもいいね。AXや5、ミニも捨てがたいし迷うなあ」
「まずは免許取れ。そして修理地獄を味わえ。はははー」
貴明の趣味は音楽と車しかないが、車趣味を一番深く話せるのは父であった。
「もう、会うなり車の話とか…ただいま!お母さん」
「澄香ちゃん!また綺麗になって。兄妹でこうも違うもんかねえ」
「なにい⁉︎ま、母さんも元気そうでいいけどさ」
貴明は怪しげな能力を身につけさせられたが、こうして家族が揃うと何も変わりない時間が流れる。むろん能力や梨杏のことは親に話すつもりはない。
4人は昼食のため古町へと流れる。実家とはいえ貴明が新潟市に住んだのは高校時代の3年だけ。地元意識はさほどないが、古町界隈の昭和レトロな雰囲気は貴明も澄香もお気に入りだ。そして2人とも新潟独特のかつ丼が大好物である。
「肉は薄くて小さめで玉子もないのに、美味いんだよなあ。俺は特製!7枚!」
「澄香も大好き。7枚で!」
「…よせ、食べきれない。どうせまたしれっと残すんだから、普通の4枚にしなさい」
こういうとき、母と父は当然のように澄香の味方に回る。
「澄香が残したらあんたが食べればいいでしょ。相変わらず面倒くさいんだから」
「そうだぞ貴明、相変わらず面倒くさいな」
「何で俺が非難されんだよ!てか澄香に甘過ぎ」
「それがお兄ちゃんの人徳だよー」
「いや絶対違…あーっ!本当に7枚頼みやがった。絶対多いってそれ」
「えっへへー、この見た目の満足感がいいんだよ。大きいやつはさあ」
「見た目で満足する趣味やめい!残しても俺によこすなよ、いいか絶対よこすなよ!」
「あれー?振りですかあ?お兄ちゃん」
両親は賑やかな2人を温かく見守る。そして澄香は予想どおり、
「お兄ちゃん。澄香はとても満足しました。さてどうでしょう」
と、満面の笑みで残りのかつ丼を押し付けてきた。貴明は結局、妹が半分ほども残した分まで含め、計10.5枚のとんかつと1.6倍のご飯を片付ける羽目に。
「許す…まじ…澄香…」
貴明ははちきれんばかりの腹をさすり、一同は家に帰った。
部屋に戻った2人は、アルバムをめくりながら昔話をする。この家にある唯一のアルバムなのだが、写真が1ページに2枚くらいしかなくスカスカだ。
「ウチの写真はほとんどなくなったんだよな。あの火事のせいで」
5年前。剣崎家は新潟市に来る直前、長野市に住んでいた。そこで隣家の火事が延焼し、家が全焼する不幸に見舞われる。幸いにして人的被害はなかったが、写真や子どもの頃の物など思い出の品はほとんど焼失してしまった。家族は心折れて、焼け出されるように父が転勤願を出し、この新潟に移り住んだのだった。
「子どもの頃の写真も、あれで焼けちゃったんだよ」
「残念だよね。そういえばお兄ちゃん、子どもの頃って覚えてる?」
貴明は言葉に詰まる。幼少時の記憶は、景護と響子がいた阿寒以外はあまりないのだ。というか転々としたせいで各地ごちゃ混ぜになり、よくわからないという方が正確か。
「俺はあんまり…あっ?」
「なに?」
「いやなんでもない。お前こそ覚えてるの?」
「えへ、実は私も焼け出される前のことはあんまり」
「なんだ、大して変わらないじゃん」
「それよりお兄ちゃん!今、澄香に言えないようなことを思い出したでしょ」
「んなわけねえだろ、女の子の思い出なんて…」
「あーっ!澄香は女の子なんて一言も言ってませんー。へえー、ふうーん?」
澄香はニカっと悪い笑顔で下から覗き込む。誘導尋問のつもりもなかったが兄の華麗な自爆により、興味津々の悪い顔になっている。
「ち、違うわ!女の子っても幼稚園の…ほらこの娘だよ。これ見て思い出したの」
貴明が指差した一枚には、幼い貴明とともに大きな瞳の利発そうな女の子が写っていた。
「わー、お兄ちゃんも不自然に可愛いねー。で、この娘がお兄ちゃんの初恋?」
「いや園児だぞ?旭川にいた頃の幼なじみだよ。これは旭山動物園の遊園地。小さい汽車だったかな?昔は動物園なのにこういう遊具の方が人気でさ。今もあるのかな」
「ずるーい。澄香、行ったことないもん」
「そりゃあ澄香は、この頃ならまだ2歳とかだろうしな」
「ふーん。この娘、さぞ美人になってるでしょうね」
「だといいな…本当に」
「え?」
澄香は、貴明の沈んだ表情を見て慌てる。そういえばこの写真を見つけてから、貴明はどうにも居場所のないような態度になっていた。
「…この娘な、自殺したんだ。中学生のとき」
初めて聞く話の重さに、澄香はますます焦る。
「あ、あの…ごめんなさい…私知らなくて…」
「いいよ、澄香は面識ないから。こっちこそごめんな」
「ううん…」
写真の娘…天枷恵美子は、6歳まで過ごしていた北海道旭川市でのご近所同士で、同じ幼稚園に通っていた。当時から貴明は斜に構えた面倒くさい子どもで友達が少なかったが、恵美子は委細おかまいなし。なぜか貴明には明るく大らかに接していた。
「わっ!貴明ちゃんまた転んだ!大丈夫?」
「なんもだ、大丈夫だからあっち行ってよ」
「何言ってんの、血が出てるっしょや」
「いいよー、痛くないから」
「だーめ!ちょっと傷見せてよ、あーもう!消毒!」
恵美子は貴明の肘のスリ傷を拭き、軽く舐める。2人の関係性はまるで緩い主従関係のようであった。淡い初恋…否定はしたが、今も彼女を想うと心が痛む。
一見地味だがピニンファリーナが描く極めて優美なライン、伝統の猫足がもたらすしっとりした乗り心地が、貴明は大好きだ。彼の趣味嗜好が全般的に天邪鬼で、車はポンコツなラテン車が好きなのは、こちらも少し変わり者の父の影響だ。
「相変わらずいい感じに枯れてるね。俺が免許取ったらもらうからな、親父」
「新しいの買ってからな。次は母さんと2人で乗れればいいから、フィアットやシトロエンの小さいのにしようと思ってんだ」
「ああ、パンダもいいね。AXや5、ミニも捨てがたいし迷うなあ」
「まずは免許取れ。そして修理地獄を味わえ。はははー」
貴明の趣味は音楽と車しかないが、車趣味を一番深く話せるのは父であった。
「もう、会うなり車の話とか…ただいま!お母さん」
「澄香ちゃん!また綺麗になって。兄妹でこうも違うもんかねえ」
「なにい⁉︎ま、母さんも元気そうでいいけどさ」
貴明は怪しげな能力を身につけさせられたが、こうして家族が揃うと何も変わりない時間が流れる。むろん能力や梨杏のことは親に話すつもりはない。
4人は昼食のため古町へと流れる。実家とはいえ貴明が新潟市に住んだのは高校時代の3年だけ。地元意識はさほどないが、古町界隈の昭和レトロな雰囲気は貴明も澄香もお気に入りだ。そして2人とも新潟独特のかつ丼が大好物である。
「肉は薄くて小さめで玉子もないのに、美味いんだよなあ。俺は特製!7枚!」
「澄香も大好き。7枚で!」
「…よせ、食べきれない。どうせまたしれっと残すんだから、普通の4枚にしなさい」
こういうとき、母と父は当然のように澄香の味方に回る。
「澄香が残したらあんたが食べればいいでしょ。相変わらず面倒くさいんだから」
「そうだぞ貴明、相変わらず面倒くさいな」
「何で俺が非難されんだよ!てか澄香に甘過ぎ」
「それがお兄ちゃんの人徳だよー」
「いや絶対違…あーっ!本当に7枚頼みやがった。絶対多いってそれ」
「えっへへー、この見た目の満足感がいいんだよ。大きいやつはさあ」
「見た目で満足する趣味やめい!残しても俺によこすなよ、いいか絶対よこすなよ!」
「あれー?振りですかあ?お兄ちゃん」
両親は賑やかな2人を温かく見守る。そして澄香は予想どおり、
「お兄ちゃん。澄香はとても満足しました。さてどうでしょう」
と、満面の笑みで残りのかつ丼を押し付けてきた。貴明は結局、妹が半分ほども残した分まで含め、計10.5枚のとんかつと1.6倍のご飯を片付ける羽目に。
「許す…まじ…澄香…」
貴明ははちきれんばかりの腹をさすり、一同は家に帰った。
部屋に戻った2人は、アルバムをめくりながら昔話をする。この家にある唯一のアルバムなのだが、写真が1ページに2枚くらいしかなくスカスカだ。
「ウチの写真はほとんどなくなったんだよな。あの火事のせいで」
5年前。剣崎家は新潟市に来る直前、長野市に住んでいた。そこで隣家の火事が延焼し、家が全焼する不幸に見舞われる。幸いにして人的被害はなかったが、写真や子どもの頃の物など思い出の品はほとんど焼失してしまった。家族は心折れて、焼け出されるように父が転勤願を出し、この新潟に移り住んだのだった。
「子どもの頃の写真も、あれで焼けちゃったんだよ」
「残念だよね。そういえばお兄ちゃん、子どもの頃って覚えてる?」
貴明は言葉に詰まる。幼少時の記憶は、景護と響子がいた阿寒以外はあまりないのだ。というか転々としたせいで各地ごちゃ混ぜになり、よくわからないという方が正確か。
「俺はあんまり…あっ?」
「なに?」
「いやなんでもない。お前こそ覚えてるの?」
「えへ、実は私も焼け出される前のことはあんまり」
「なんだ、大して変わらないじゃん」
「それよりお兄ちゃん!今、澄香に言えないようなことを思い出したでしょ」
「んなわけねえだろ、女の子の思い出なんて…」
「あーっ!澄香は女の子なんて一言も言ってませんー。へえー、ふうーん?」
澄香はニカっと悪い笑顔で下から覗き込む。誘導尋問のつもりもなかったが兄の華麗な自爆により、興味津々の悪い顔になっている。
「ち、違うわ!女の子っても幼稚園の…ほらこの娘だよ。これ見て思い出したの」
貴明が指差した一枚には、幼い貴明とともに大きな瞳の利発そうな女の子が写っていた。
「わー、お兄ちゃんも不自然に可愛いねー。で、この娘がお兄ちゃんの初恋?」
「いや園児だぞ?旭川にいた頃の幼なじみだよ。これは旭山動物園の遊園地。小さい汽車だったかな?昔は動物園なのにこういう遊具の方が人気でさ。今もあるのかな」
「ずるーい。澄香、行ったことないもん」
「そりゃあ澄香は、この頃ならまだ2歳とかだろうしな」
「ふーん。この娘、さぞ美人になってるでしょうね」
「だといいな…本当に」
「え?」
澄香は、貴明の沈んだ表情を見て慌てる。そういえばこの写真を見つけてから、貴明はどうにも居場所のないような態度になっていた。
「…この娘な、自殺したんだ。中学生のとき」
初めて聞く話の重さに、澄香はますます焦る。
「あ、あの…ごめんなさい…私知らなくて…」
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「ううん…」
写真の娘…天枷恵美子は、6歳まで過ごしていた北海道旭川市でのご近所同士で、同じ幼稚園に通っていた。当時から貴明は斜に構えた面倒くさい子どもで友達が少なかったが、恵美子は委細おかまいなし。なぜか貴明には明るく大らかに接していた。
「わっ!貴明ちゃんまた転んだ!大丈夫?」
「なんもだ、大丈夫だからあっち行ってよ」
「何言ってんの、血が出てるっしょや」
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