90 / 182
第90話 引き渡し要求
しおりを挟む
短い夏が終わり、そろそろ冬の準備だと思っているとキエルナから手紙が贈られてきた。
差出人はなんと魔王様だ。
何があったのかと慌てて中身を確認すると、それはなんと出頭依頼書だった。
私にはまるで理解できない話だが、なんでも聖導教会なる組織が私の身柄の引き渡しを要求してきたのだそうだ。
この聖導教会はこの前の戦争で人族側と協力して兵士を派遣していた組織で、人族の国々で聖女の管理をしているのだそうだ。
私の同胞は魔族であり、人族の家族はおろか友人だっていないのだから人族のところになんか行きたくない。
ではなぜ魔王様が私にキエルナまで来いと言っているのかというと、魔王様は私が引き渡しを拒否した場合は再び戦争が起こる可能性が高いと考えているからだそうだ。
そのため、ホワイトホルンが雪に閉ざされる前に私をキエルナに呼び、再び治療をして欲しいらしい。
もちろんこれは命令書ではなくて依頼書なので、出頭を拒否することはできる。
だがまた戦争が起きるのであれば、私が行って治療したほうが助かる人が増えるはずだ。
であればヘクターさんに事情を話し、冬の準備を先にやってもらえないか相談してみよう。
そう考えた私はお店の営業時間が終わった後、衛兵の詰め所へと向かった。
「おや? ホリーちゃん、どうしたの?」
「はい。実は――」
私はヘクターさんに事情を説明した。
「ふうん? つまり、ホリーちゃんが人族だから引き渡せってこと?」
ヘクターさんは怪訝そうな表情でそう聞き返してきた。
「みたいです……」
「それでホリーちゃんはどうするんだい?」
「もちろん断りますよ。でもそうすると戦争になりそうだから来てほしいって魔王様が……」
「……」
ヘクターさんはため息をつき、頭を抱えた。
「あの、だから先に冬の準備をしに行けないかって相談に来たんです」
「え?」
「だから、冬の準備です。また去年みたいにゾンビの大群が襲ってきたら困るじゃないですか」
するとヘクターさんは虚を突かれたかのようにポカンとした表情になった。
「ヘクターさん?」
「あ、ああ。まさかそんな相談だとは思わなかったからね。でもね。今年はたぶんだけど、ホリーちゃんがいなくても大丈夫だよ」
「え? どういうことですか?」
「うん。なんだかゾンビの目撃情報がほとんどないんだ。去年のあれで周りのゾンビどころか他の動物もかなりゾンビになっていて、それを根こそぎ倒したみたいでね」
「……そんなことって。それでも今年死んだ動物たちの遺体だってありますよね?」
「でも事実だからね。この感じだと数回ゾンビスモークを焚けば終わるんじゃないかな?」
「そうですか」
「そう。だからホリーちゃんは気にせず行っておいで。ああ、もちろん護衛はつけるよ。ニールでいいよね?」
「え? いいんですか?」
「もちろんだよ。ホリーちゃんは大事なうちの町の一員だからね」
「ありがとうございます」
こうして私は冬の準備に参加せず、ニール兄さんとキエルナを目指すこととなったのだった。
◆◇◆
それから三日後の朝、旅行の準備を終えてお店の中で待っていると一台の魔動車がやってきた。
だが前回乗ったものとは違ってずいぶん小型で、しかも前の車輪が一つしかない。
しかもその運転席からニール兄さんが降りてきたではないか!
私は慌てて店を出るとニール兄さんの許へと駆け寄った。
「ニール兄さん?」
「ああ、ホリー。おはよう。今回はこれでキエルナまで行くぞ」
「え? あ、うん。おはよう。それで、その魔動車は何? どうしたの?」
「これか? これは衛兵隊に導入した新型の魔動車だ。魔道具研究所が寄贈してくれたんだ」
「魔道具研究所? もしかしてエルドレッド様やニコラさん?」
「ああ。ホリーがすぐにキエルナに行けるようにってさ。ホリー、特別研究員なんだろ?」
「え? あ! そういえば……」
すっかり忘れていたが、特別研究員にしてもらって、エルドレッド様とニコラさんの研究に協力していたんだった。
私はエルドレッド様とニコラさんの顔を思い出す。
二人は元気にしているだろうか?
少なくともニコラさんは相変わらずやっていそうな気はするけれど……。
「ホリー、もう準備は?」
「大丈夫。荷物持ってくるね」
「ああ、持つよ」
「ありがと」
お店の中から荷物を運んでもらい、魔動車の後部座席の後ろにある狭いスペースへ積み込んでもらった。そして私は戸締りを確認すると、魔動車の後部座席に座った。
後部座席は男性でも詰めれば二人は座れそうだ。
前の運転席は明らかに一人用なので、どうやらこの魔動車は三人乗りのようだ。
ニール兄さんは運転席に座ると、ハンドルを持って魔動車を起動した。するとブゥン、というわずかな振動音が伝わってくる。
「行くぞ」
「うん」
ニール兄さんはゆっくりと魔動車を動かした。私たちを乗せた魔動車はゆっくりと慣れ親しんだホワイトホルンの町を進んでいく。
「あれ? そういえばニール兄さん、運転大丈夫なの? ものすごい魔力がいるんじゃないっけ?」
「ああ。これは新型らしくてさ。衛兵になれるくらいの魔力があれば一日運転できるらしい」
「すごいね」
「ああ。徹底的な軽量化と動力効率の改善で、今までの十分の一くらいの魔力で運転できるってニコラさんの手紙に書いてあった」
なるほど。言われてみれば小型だし、外気が入ってくるようなことはないが天井は幌だ。
「そっか。いつか私も運転できるかな?」
「きっとあの二人が奇跡の力で動かせる魔道具を作ってくれるよ」
「うん。そうだね」
こうして私たちはキエルナへと向かうのだった。
差出人はなんと魔王様だ。
何があったのかと慌てて中身を確認すると、それはなんと出頭依頼書だった。
私にはまるで理解できない話だが、なんでも聖導教会なる組織が私の身柄の引き渡しを要求してきたのだそうだ。
この聖導教会はこの前の戦争で人族側と協力して兵士を派遣していた組織で、人族の国々で聖女の管理をしているのだそうだ。
私の同胞は魔族であり、人族の家族はおろか友人だっていないのだから人族のところになんか行きたくない。
ではなぜ魔王様が私にキエルナまで来いと言っているのかというと、魔王様は私が引き渡しを拒否した場合は再び戦争が起こる可能性が高いと考えているからだそうだ。
そのため、ホワイトホルンが雪に閉ざされる前に私をキエルナに呼び、再び治療をして欲しいらしい。
もちろんこれは命令書ではなくて依頼書なので、出頭を拒否することはできる。
だがまた戦争が起きるのであれば、私が行って治療したほうが助かる人が増えるはずだ。
であればヘクターさんに事情を話し、冬の準備を先にやってもらえないか相談してみよう。
そう考えた私はお店の営業時間が終わった後、衛兵の詰め所へと向かった。
「おや? ホリーちゃん、どうしたの?」
「はい。実は――」
私はヘクターさんに事情を説明した。
「ふうん? つまり、ホリーちゃんが人族だから引き渡せってこと?」
ヘクターさんは怪訝そうな表情でそう聞き返してきた。
「みたいです……」
「それでホリーちゃんはどうするんだい?」
「もちろん断りますよ。でもそうすると戦争になりそうだから来てほしいって魔王様が……」
「……」
ヘクターさんはため息をつき、頭を抱えた。
「あの、だから先に冬の準備をしに行けないかって相談に来たんです」
「え?」
「だから、冬の準備です。また去年みたいにゾンビの大群が襲ってきたら困るじゃないですか」
するとヘクターさんは虚を突かれたかのようにポカンとした表情になった。
「ヘクターさん?」
「あ、ああ。まさかそんな相談だとは思わなかったからね。でもね。今年はたぶんだけど、ホリーちゃんがいなくても大丈夫だよ」
「え? どういうことですか?」
「うん。なんだかゾンビの目撃情報がほとんどないんだ。去年のあれで周りのゾンビどころか他の動物もかなりゾンビになっていて、それを根こそぎ倒したみたいでね」
「……そんなことって。それでも今年死んだ動物たちの遺体だってありますよね?」
「でも事実だからね。この感じだと数回ゾンビスモークを焚けば終わるんじゃないかな?」
「そうですか」
「そう。だからホリーちゃんは気にせず行っておいで。ああ、もちろん護衛はつけるよ。ニールでいいよね?」
「え? いいんですか?」
「もちろんだよ。ホリーちゃんは大事なうちの町の一員だからね」
「ありがとうございます」
こうして私は冬の準備に参加せず、ニール兄さんとキエルナを目指すこととなったのだった。
◆◇◆
それから三日後の朝、旅行の準備を終えてお店の中で待っていると一台の魔動車がやってきた。
だが前回乗ったものとは違ってずいぶん小型で、しかも前の車輪が一つしかない。
しかもその運転席からニール兄さんが降りてきたではないか!
私は慌てて店を出るとニール兄さんの許へと駆け寄った。
「ニール兄さん?」
「ああ、ホリー。おはよう。今回はこれでキエルナまで行くぞ」
「え? あ、うん。おはよう。それで、その魔動車は何? どうしたの?」
「これか? これは衛兵隊に導入した新型の魔動車だ。魔道具研究所が寄贈してくれたんだ」
「魔道具研究所? もしかしてエルドレッド様やニコラさん?」
「ああ。ホリーがすぐにキエルナに行けるようにってさ。ホリー、特別研究員なんだろ?」
「え? あ! そういえば……」
すっかり忘れていたが、特別研究員にしてもらって、エルドレッド様とニコラさんの研究に協力していたんだった。
私はエルドレッド様とニコラさんの顔を思い出す。
二人は元気にしているだろうか?
少なくともニコラさんは相変わらずやっていそうな気はするけれど……。
「ホリー、もう準備は?」
「大丈夫。荷物持ってくるね」
「ああ、持つよ」
「ありがと」
お店の中から荷物を運んでもらい、魔動車の後部座席の後ろにある狭いスペースへ積み込んでもらった。そして私は戸締りを確認すると、魔動車の後部座席に座った。
後部座席は男性でも詰めれば二人は座れそうだ。
前の運転席は明らかに一人用なので、どうやらこの魔動車は三人乗りのようだ。
ニール兄さんは運転席に座ると、ハンドルを持って魔動車を起動した。するとブゥン、というわずかな振動音が伝わってくる。
「行くぞ」
「うん」
ニール兄さんはゆっくりと魔動車を動かした。私たちを乗せた魔動車はゆっくりと慣れ親しんだホワイトホルンの町を進んでいく。
「あれ? そういえばニール兄さん、運転大丈夫なの? ものすごい魔力がいるんじゃないっけ?」
「ああ。これは新型らしくてさ。衛兵になれるくらいの魔力があれば一日運転できるらしい」
「すごいね」
「ああ。徹底的な軽量化と動力効率の改善で、今までの十分の一くらいの魔力で運転できるってニコラさんの手紙に書いてあった」
なるほど。言われてみれば小型だし、外気が入ってくるようなことはないが天井は幌だ。
「そっか。いつか私も運転できるかな?」
「きっとあの二人が奇跡の力で動かせる魔道具を作ってくれるよ」
「うん。そうだね」
こうして私たちはキエルナへと向かうのだった。
10
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
死んでるはずの私が溺愛され、いつの間にか救国して、聖女をざまぁしてました。
みゅー
恋愛
異世界へ転生していると気づいたアザレアは、このままだと自分が死んでしまう運命だと知った。
同時にチート能力に目覚めたアザレアは、自身の死を回避するために奮闘していた。するとなぜか自分に興味なさそうだった王太子殿下に溺愛され、聖女をざまぁし、チート能力で世界を救うことになり、国民に愛される存在となっていた。
そんなお話です。
以前書いたものを大幅改稿したものです。
フランツファンだった方、フランツフラグはへし折られています。申し訳ありません。
六十話程度あるので改稿しつつできれば一日二話ずつ投稿しようと思います。
また、他シリーズのサイデューム王国とは別次元のお話です。
丹家栞奈は『モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します』に出てくる人物と同一人物です。
写真の花はリアトリスです。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる