少年刑事レオンの冒険──犯罪者を出し抜け!

作家志望の怠惰な学生

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ジェームズトンプソンと深紅の男

無敵の誘拐

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 俺は考えもないまま、屋根をそろそろと渡っていた。足元のタイルは古く、大きな動きをするとそれがずれて足を滑らせそうだ。自暴自棄になって林を見下ろし、塀へと急ぐ犯人をにらみつけた。

〈さあ、飛びこみだ──〉

 それらしい助走もつけず、思い切り屋根を蹴って林の中へと落下した。打ちどころは最悪ではないが、足の骨が外れたような感覚がした。暗闇の中、数メートル先に動くもの──犯人とフェリシアが見え、足を引きずるようにして駆け寄っていった。

 二人の犯人のうち一人に掴みかかろうとするが、ふいに運ぶのをやめたそいつに肘鉄を食らわされた。そのまま地面に押さえつけられ、もう一人の敵はいまにも塀を超えようとしている。俺は怒涛の勢いで相手の腹に連続パンチを叩き込んだ。体が自由に動かないが、俺に乗っかっている奴をひるませるには十分だった。

 拘束が緩んだ隙に、足を曲げ、怒りを乗せつつ跳躍させる──その渾身の一撃で相手を蹴飛ばしてやった。すぐに立ち上がって塀をよじ登り、フェリシアの元へ向かおうとする。

 敷地外へ出ると、分かり切ったことだったが、辺り一面色あせた麦畑だった。その中から、灰色のワゴン車がこちらへ突っ込んで来た。もちろん、受け止めるのは不可能だ──俺はローリング回転避けをして、麦畑に飛び込んだ。車の追撃はなく、塀を超えて来た仲間(俺が蹴飛ばした奴)を屋根に乗せて、あぜ道を疾走していった。

〈ちくしょう!けどナンバープレートは覚えたぞ──〉

 ぬかるむ畑から抜け出し、息を切らしつつ門へと駆けた。

 建物の入り口に、リーパーを含めすべての刑事が集まっていて、無線か何かで連絡を取り合っていた。俺はふらふらとした足取りでリーパーに近づき報告しようとした。

「リーパー刑事!教授が誘拐された!」
「そんなことはわかりきっている。君は知らないだろうけど、今日さらわれたのは二人だ。ジェームズだよ。彼も、なぜか誘拐されてしまった」

 更なる衝撃が走った──あの無敵に思えたジェームズ・トンプソンが、さらわれただと……?

「ナンバープレートは見ました!灰色のワゴン車──俺も同行して彼らを救い出します!」
「ダメだ、絶対に」

 必死に意気込みを伝えるが、意外にもリーパーに冷徹に断られた。しばらくアプローチするも、彼は断固として危険だと言い張り、自宅に帰るよう言われてしまった。

 無論、そう安々と引き下がる俺ではない。彼女に親友になるって言ったんだ──見捨てられるものか。




 あとがき

 ここまで読んでいただきありがとうございます!少々「友情」を前に押し出しすぎでしょうか?ご意見いただけると嬉しいです!いいね・お気に入り登録もお願いします!余談ですが、ただいまアクションシーンの練習中です。かっこいいバトルはアニメや漫画だけの特権じゃないと証明したいんだ!
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