悪女と呼ばれた王妃

アズやっこ

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17 24歳 ②

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アルバートが新国王になって1年。この国の貴族達を全員招き祝賀パーティーが盛大に開かれた。

一人一人丁寧に挨拶を受け言葉を交わす。当主、当主夫人、令息、令嬢、今日は家族参加のパーティー。

乾杯をして、アルバートと私はダンスを踊り祝賀パーティーが始まった。


今日は私もアルバートの横に座り段の上から皆の様子を見ている。

夫婦、婚約者とダンスを踊る者達、ワイン片手に談笑する殿方達、扇子片手に輪になり話す夫人達、見栄を張り牽制し合う子息達、見目の良い殿方を見つめる令嬢達、壁の華となりつまらなそうにする令嬢達、その間をせわしなく行き来する給仕達、回りを警戒する騎士達、

私は全ての者達を見つめる。


「リリーアンヌどうした?」

「ここにいる全員に、その後ろにいる者達に私達は護られ私達は護る。そしてアルバートを護る一人として私はいる。つくづくそう思ったの」

「ああ、俺はリリーアンヌに支えられて今ここに座っている。そして貴族達に支えられて国王になった。俺はそれを返す為にこれからも努力するつもりだ」

「アルバートなら出来るわ。私はアルバートを信じてる」

「幼い頃からリリーアンヌにそう言われると何故か出来る気がしてくるんだよな。俺を信じてくれる人がいる、裏切らない人がいる、それだけで俺は強くなれる」

「アルバートは強いわ。強くて優しい人。だから自信をもって」

「ああ」

「陛下」


アルバート付きの近衛隊長の声に私は辺りを見た。思い詰めた顔をして歩いてくる子爵の姿。


「イーサン良い、下がっていろ」

「はい」


目の前に来た子爵。


「子爵どうした」

「陛下、どうしてあのような法案を通したのです。私の家は…、もう……、もう!」


突然懐から小刀を取り出しアルバートに向けて向かって来た。

私は咄嗟にローレン隊長の腰にある剣を抜き子爵の小刀を弾き落とし子爵の首元へ剣を向ける。子爵の動きが止まり、私は子爵に目を向けたまま。


「イーサン!早く陛下を安全な場所へ、急いで!」


アルバートとイーサン近衛隊長、夜会の会場の中を警備していたアルバート付きの近衛隊は直ぐに駆けつけアルバートを護衛し裏の部屋へ入って行った。裏の部屋へ続く扉の前は私付きの近衛隊が護っている。


「妃殿下も早く安全な場所へ」


ローレン隊長は直ぐに私の横に立った。


「私は大丈夫。それに今この剣を離す訳にはいかないわ。この剣が首元にある以上子爵には何も出来ない」

「なら私が代わります!」

「ローレン聞きなさい!先ずはグレイソンを安全な場所へ」


ローレン隊長が子爵を見ているのを確認し、私はグレイソンを探す。グレイソンの側にはネイソン近衛隊長がすでに付いていた。グレイソンの周りに近衛隊もいる。グレイソンを安全な場所へ誘導しようとしていた。

ジェイデン付きだったマックス近衛隊長と副隊長、ケニス騎士団長と副団長が私の横に駆けつけた。


「マックス隊と騎士団は貴族達の誘導、この会場から全て出して。怪我人を絶対に出さないで!空いてる部屋に一時避難させ順に馬車の手配、急いで!貴族達はすでに混乱しているわ!」


会場への出入り口、2箇所にはお父様と伯父様がそれぞれいる。お母様と伯母様は夫人達を落ち着かせている。

公爵としてあるべき姿。同じ公爵でもそうではない人もいるけど。


「「「「はい」」」」


急いで騎士達に指示を出し、4箇所ある出入り口へ向かったマックス隊長と副隊長、ケニス騎士団長と副団長。副隊長と副団長はお父様と伯父様と協力している。二人がいる出入り口は後方にあり人が殺到している。


「ローレン、貴方達は二部隊に分かれて空いてる部屋を確保しマックス達へ誘導。それから給仕達を会場から出して」

「私は妃殿下から離れる事は出来ません」

「ならテオ、貴方が代わりに騎士達に指示を出しなさい」

「はい妃殿下」

「この場にはローレンとルーク達だけ残って。ルーク後は任せたわ」

「はい妃殿下」


扉の前にはルークと3人の騎士がいる。


「各々終わったらまた戻って来て、扉の前の警備。誰一人この会場に入れないで」

「はい妃殿下」


私付きの近衛隊もすでに私の周りに集まり子爵を囲んでいる。私は子爵から目を離さず指示を出す。

テオ副隊長は騎士達を連れて会場を出て行った。数人残った騎士達は給仕達を誘導している。


「ローレン、小刀の回収」

「はい」


ローレン隊長は小刀を扉の前で守る騎士に渡し、ルークの剣を持ち剣を子爵に向けて私の斜め前に立つ。


「ローレン、子爵がまだ小刀を持っていないか確認して」


ローレン隊長は片手に剣を持ち、子爵の体を触り確認する。


「持っていません」

「私もそう思ったわ。何本も持って入る事は出来ないもの」


ローレン隊長はまた私の斜め前に立った。


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