悪女と呼ばれた王妃

アズやっこ

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25 24歳 ⑩

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王宮から数分で公爵家へ着き、お父様が待つ書斎へ向かった。

書斎の中には私の家族、伯父様家族が集まっていた。


「お父様お待たせしてすみません」

「本題に入ろう。義兄上とも話し合ったが、俺と義兄上は残る。使用人にも聞いたが俺達と共に、と言う者達は邸に残る」

「分かりました」

「ライアンとカーターは帝国の学院に留学させる手続きは済んだ。帝国での暮らしは伯爵家があるから問題はない。アリーナもライアンに付いて行かせる。勿論数人の使用人もだ。使用人の家族には領地へ行って貰う事になるが、それも了承済みだ。

ただ、」

「僕は残る」

「タイラー、貴方には学びたい事があるでしょ?留学して勉強して。この国に残ったら最悪の場合があるの。だから言ってるのよ?」

「そんな事くらい分かってる。弟のカーターはライアンと一緒に留学させるけど僕は残る。リリーアンヌに何を言われてもそこは譲れない」

「タイラー、あのね、」

「ねぇリリーアンヌ、僕はリリーアンヌがいたから、僕を認めてくれたから今もここに居る。なら最後まで一緒にいたいよ」


今のタイラーに何を言っても無駄ね。タイラーにはこれから説得するしかないわ。


「それでだ、アリーナ達は数日後に帝国へ向けて出発させる」

「分かりました。伯父様、伯母様、面倒事に巻き込む形になりすみません。伯父様にはご迷惑がかからないようにしますので。伯母様もカーターと一緒に帝国へ行ってもらう形になりすみません」

「私は残るわ。アリーナにカーターの事はお願いしたの」

「伯母様」

「カーターとも話し合った。カーターも納得し帝国へ留学するわ。私は最悪の場合、離縁すれば良いもの。私は最後まで見届ける。公爵夫人が二人も居なくなるのはこちらのすきを見せる事になるしね。

リリーアンヌ、本当はアリーナも残りたいのよ?それでもライアンとカーターには帝国に爵位がある伯爵夫人が必要なの。それにライアンはこの国の王位継承権を持ってる。だからこそライアンを護る為にアリーナは帝国に付いて行くの。アリーナのためにも私は狸公爵と戦うわ」

「はい」


お母様は私の隣に座り私を抱きしめた。


「母様は愛しい娘の力になりたい。それは本心よ?出来れば残りたい。でもね、最悪の場合を考えてライアンを生かす事が貴女の力になれると思ったの。

あの公爵は一筋縄では行かない。だから気をつけて。

愛してるわリリーアンヌ、私の可愛い娘」

「お母様、私もお母様の娘に産まれて良かったです。くれぐれもお体には気をつけてお過ごし下さい」


私はお母様に抱きついた。


公爵家を出る前に庭で花を摘んだ。その花を荷馬車で眠る子爵の上に置いた。

お父様達に見送られ馬車に乗り込もうとした時、


「リリーアンヌ様、私をリリーアンヌ様のメイドにして頂きたいんです」

「マイラそれは駄目よ。マークが居るでしょ」

「息子も了承しています。それに奥様がマークをライアン様の従者にと帝国へ一緒に連れて行って下さると。帝国で従者になる学校にも通わせて頂けるんです。今は皆様に文字を教わり頑張っています。

それにこの国にはいたくないと…」

「そう、ね……。それなら尚更貴女も帝国へ行きなさい」

「いえ、私はこの国に残りたいんです。それにリリーアンヌ様のお力になりたいんです。どうか、どうかお願いします」


私はマイラの側にいるマークと向き合い、


「マーク、お母さんと離れるのは嫌よね?一緒に帝国に付いて来てほしいわよね?」

「リリーアンヌ様、俺はこの国が嫌いだ。こんな国なくなればいい」

「そうね」

「でも母さんはこの国が好きだ。それにリリーアンヌ様が好きだ。それに俺もリリーアンヌ様とここの人達は信用できる。俺はライアン様の為にこの命をかけて側に居る事を選んだ。母さんは自分の命をかけてリリーアンヌ様の側に居る事を選んだ。それが俺と母さんが自ら選んだ選択なんだ。

リリーアンヌ様、母さんをお願いします」

「最悪の場合、もう会えなくなるかもしれないのよ?帝国からこの国へ帰って来れないかもしれない。それでも良いの?」

「俺と母さんは平民だ。なら自分が仕える主人は自分で選びたい。自分の命をかけたいと思える主人が見つかった。ならお互いに後悔のしないように生きたい」


真っ直ぐ私を見つめ話すマークの顔はとても生き生きしていた。その姿に私は涙が出そうになった。


「分かったわ。マイラを私のメイドとして雇います。お母様達と帝国へ行く途中に子爵領があるからそこに来て。それまで親子の時間を大切にしてね」

「分かりました」


私はマイラに向き直し、


「後悔する事になるかもしれないわ、それでも良いのね?」

「後悔はリリーアンヌ様のお側に居ない事です」

「そう、分かったわ。

マイラ、私のメイドになってくれる?」

「はい喜んでお世話させて下さい」


ルークも合流し私達は子爵領へ向けて旅立った。




 ❈ 「悪女と呼ばれた王妃」短編から長編に変更します。

思いの外話が長くなりそうです。変更をしてすみません。

           アズやっこ


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