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お節介な人
それからも私は侍女として働きました。
「ガネットちゃん」
「ハルク様」
「ガネットちゃん口開けて?」
「口?」
「はい、あ~ん」
私は思わず口を開けてしまいました。
「甘い…」
「砂糖菓子だよ?」
「ありがとうございます」
「これから俺が毎日ガネットちゃんにあ~んしてあげるね」
「結構です」
「またまた~。それにあ~んした顔可愛いかったよ?思わずキスしそうになっちゃった」
「ハルク様!」
「思い止まった俺を褒めてほしいよ」
「からかうのは止めて下さい」
「え~。俺はガネットちゃんをからかうのが毎日の楽しみなのにな~」
「止めて下さい」
私はあれから毎日ここに来ています。夕日が染まる空、夕日が沈む薄暗くなる空、一軒の灯りが灯った。
帰ろうと後ろを振り返りました。
「ハルク様」
「綺麗だよね、ここからの景色」
「はい」
「反対側は殺伐としてるのにこっち側は平穏そのものだ」
「はい」
「見てるだけで幸せになれる」
いつもの軽いハルク様ではなくとても落ち着いた話し方でした。それにとても優しいお顔をされて見つめていました。
「そうですね」
「ガネットも見ていて幸せになれるんだ?」
「ええ。私には得られなかったものです」
「でも得たいとも思ってるものだろ?」
「まあ、そうですね」
「得たいなら直ぐに得られるだろ?」
「そうですかね」
「待ってる奴がいる」
「はて?どなたでしょう」
「毎日見てたじゃないか」
「私はこの景色が気に入って見てただけですよ?」
「正直に答えてほしい」
「はい」
「元旦那をもう愛してない?」
「はい」
「なら何で毎日見てる?」
「元気に暮らしているかぐらいは気になります。元夫ですから」
「そこに少しも気持ちはない?」
「そうですね、気持ちはありません。ですが、全く無いのかと言えば嘘になります」
「それは何故?」
「言葉程信じられないものは無いと思っていても言葉程耳に残るものはありません」
「そうだね」
「母が父を信じ続けたのは特別な何かがあったから。でも、言葉で得た信じたものもあると思います。夜にまた来る、愛してる、その言葉は心に直接届きます。
彼の愛してると言う言葉を信じられないと思う一方で愛してると言う言葉は私に残ります」
「そうか」
「私が彼を愛せるかとはまた別ですが」
「ん?」
「彼をもう一度愛せる自信はありません。それは本心です。もう一度愛したとしてまた裏切られたら?裏切らないとは言えませんよね?もし夜遅く帰ってきたら私は疑います。 女がいるのか?遊んできたのか?それが例え仕事で遅くなったとしてもです。そんな思いをお互いかかえていては上手くいくものも上手くいきません。だから私達にやり直しは出来ないのです。
ですがガネットだけだと言われると愛されていたのかと思いましたし、今も愛してると言われるとずっと何年も愛してくれていたのかと思いました。
以前に言いましたよね?
私だけを愛してくれる、死んでもなお愛してくれる人を私も望みたいと」
「ああ」
「私は一途に私を愛してくれる人を探しています。叶わぬ思いかもしれません。それでも望んだしまうんです、私を一途に愛してくれる誰かを」
「そうか」
「はい、私には叶わぬ夢かもしれませんが…」
「ガネットちゃん」
「ハルク様」
「ガネットちゃん口開けて?」
「口?」
「はい、あ~ん」
私は思わず口を開けてしまいました。
「甘い…」
「砂糖菓子だよ?」
「ありがとうございます」
「これから俺が毎日ガネットちゃんにあ~んしてあげるね」
「結構です」
「またまた~。それにあ~んした顔可愛いかったよ?思わずキスしそうになっちゃった」
「ハルク様!」
「思い止まった俺を褒めてほしいよ」
「からかうのは止めて下さい」
「え~。俺はガネットちゃんをからかうのが毎日の楽しみなのにな~」
「止めて下さい」
私はあれから毎日ここに来ています。夕日が染まる空、夕日が沈む薄暗くなる空、一軒の灯りが灯った。
帰ろうと後ろを振り返りました。
「ハルク様」
「綺麗だよね、ここからの景色」
「はい」
「反対側は殺伐としてるのにこっち側は平穏そのものだ」
「はい」
「見てるだけで幸せになれる」
いつもの軽いハルク様ではなくとても落ち着いた話し方でした。それにとても優しいお顔をされて見つめていました。
「そうですね」
「ガネットも見ていて幸せになれるんだ?」
「ええ。私には得られなかったものです」
「でも得たいとも思ってるものだろ?」
「まあ、そうですね」
「得たいなら直ぐに得られるだろ?」
「そうですかね」
「待ってる奴がいる」
「はて?どなたでしょう」
「毎日見てたじゃないか」
「私はこの景色が気に入って見てただけですよ?」
「正直に答えてほしい」
「はい」
「元旦那をもう愛してない?」
「はい」
「なら何で毎日見てる?」
「元気に暮らしているかぐらいは気になります。元夫ですから」
「そこに少しも気持ちはない?」
「そうですね、気持ちはありません。ですが、全く無いのかと言えば嘘になります」
「それは何故?」
「言葉程信じられないものは無いと思っていても言葉程耳に残るものはありません」
「そうだね」
「母が父を信じ続けたのは特別な何かがあったから。でも、言葉で得た信じたものもあると思います。夜にまた来る、愛してる、その言葉は心に直接届きます。
彼の愛してると言う言葉を信じられないと思う一方で愛してると言う言葉は私に残ります」
「そうか」
「私が彼を愛せるかとはまた別ですが」
「ん?」
「彼をもう一度愛せる自信はありません。それは本心です。もう一度愛したとしてまた裏切られたら?裏切らないとは言えませんよね?もし夜遅く帰ってきたら私は疑います。 女がいるのか?遊んできたのか?それが例え仕事で遅くなったとしてもです。そんな思いをお互いかかえていては上手くいくものも上手くいきません。だから私達にやり直しは出来ないのです。
ですがガネットだけだと言われると愛されていたのかと思いましたし、今も愛してると言われるとずっと何年も愛してくれていたのかと思いました。
以前に言いましたよね?
私だけを愛してくれる、死んでもなお愛してくれる人を私も望みたいと」
「ああ」
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「そうか」
「はい、私には叶わぬ夢かもしれませんが…」
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