私と貴方の宿命

アズやっこ

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今日はフローラが学園を休み、


「アメリア、今日食堂に行かない?」

「良いわよ」


昼食の時間になり、私とデイジーは食堂へ向かった。

今日もたくさんの人がいる食堂。私達も並び順番を待った。


「おい」


突然話しかけられ、


「プリン美味しくなかっただろ?」

「あ、はい」

「フッ、だから言ったんだ」


貴方の笑った顔、初めて見たわ。
私は胸が高鳴った。


「プリン代、すみませんでした」

「あれくらい気にするな」

「はい。ありがとうございました」


貴方は中に入って行った。


「驚いたわね」

「急に話しかけられると驚くわよね。でもお礼が言えて良かったわ」

「もう私は頼まないわ」

「ふふっ、私もよ」


順番になり私達は中へ入り注文した昼食を手に空いてる席に座った。


「ねぇアメリア」

「なに?」

「貴女のお兄様」

「お兄様?」


デイジーの視線の先に、お兄様と女性が仲良さそうに並んで座り昼食を食べていた。


「隣の女性、確かランフェル様の婚約者よ?貴女のお兄様、大丈夫なの?」


だから貴方は私を睨むのね。
婚約者と仲が良い男性の妹だから…。


「あの人、あまり良い噂聞かないわよ?」

「噂?でも、婚約者いるんでしょ?」

「ランフェル様も何も言わないみたい」

「そう、」

「お兄様、気をつけた方が良いわよ」

「それとなく聞いてみるわ。婚約者がいる人と仲良くするのは良くないもの」

「そっちじゃないわよ」

「え?」

「男癖が悪いって噂よ?それに男女のあれこれも聞くわ」

「そうなの?」

「だから気をつけた方がいいって言ってるじゃない」

「そうね」




帰りの馬車の中、


「お兄様、今日食堂にいた?」

「いたけど。突然どうした」

「私も今日は食堂に行ったの」

「なら声をかけてくれれば良かっただろ」

「お兄様、女性と一緒に座っていたから声をかけられなかったの」

「そうか」

「あの女性は恋人?」

「なんで?」

「とても仲良さそうに見えたから」

「あ、そう、見えたか?」

「恋人かと思ったわ」

「そうか」


お兄様が照れた顔をした。


「お兄様はあの女性が好きなの?」

「まあ、な、」

「でも、婚約者がいるって聞いたわ」

「ああ」

「婚約者がいる人なのよ?」

「彼女は寂しい人なんだよ」

「寂しい人?」

「婚約者が冷たいらしい」

「それでも」

「放っておけないんだ」

「それに悪い噂があるって」

「それも誤解なんだ。俺も噂は聞いている。でも、彼女は噂通りの女性じゃない。彼女に気を持つ奴が多いだけで彼女は清楚な女性なんだ」

「噂は噂だとしても、」

「分かってる。彼女が言っていたんだ。婚約者とはもうすぐ婚約を解消する。だから待っててほしいって。そしたら俺と婚約するって」

「え?」

「彼女は侯爵令嬢だから身分が違うのは分かってる。それでも身分の下の男爵でも良いって言ってくれた」

「お兄様」

「婚約解消したら迎えに行くと約束した」

「それでも、」

「分かってる。それまでは2人になるのを控えるよ。だから今は目を瞑ってくれないか」

「分かったわ。一応確認なんだけど」

「なんだ?」

「何もしてないわよね?」

「お前は馬鹿か!当たり前だろ!」

「本当に?」

「俺だって貴族の端くれだ。手は出さない」

「なら良いんだけど」

「本当にそんな女性じゃないんだ。少し手が触れただけで真っ赤にして恥ずかしがる女性なんだ」

「そうなの?」

「だから噂通りの女性じゃないって言っているだろ」

「そう」

「あと少しなんだ」

「え?」

「後は向こうの返事待ちだって言っていた」

「そう」


でも、その女性、侯爵令嬢なのよね?婚約者はランフェル様。ランフェル様は公爵令息よ?ランフェル様から婚約解消するなら分かるけど、公爵家の返事待ち?

女性の家はきっと余程の権力者なのね。







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