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しおりを挟むケーキ店に着いた私はローリーの後をついて行き個室へ入ろうと、
「おい、シャーロット、俺は甘い物は食べない」
「お兄様、そんな事を言っても良いの?せっかく誕生日プレゼントを用意したのに」
「だからと言って俺1人で恥ずかしいだろ」
「あら、お兄様、そんな事言っても良いの?」
「何がだ」
「お兄様がとっても喜ぶ誕生日プレゼントを用意したのよ?お兄様はいらないのね?」
「まあいい、早く入れ」
「メリー、早く入りましょ」
「ちょ、ちょっとローリー?」
「なあに?」
「何でもないわ」
私は個室に入り、
「すみません、私まで」
「お前…」
「さあ座りましょ。メリーは私の隣ね?」
「え、ええ」
ローリーの隣、ランフェル様の前の席に座った。
「シャーロットがすまない」
「いえ」
「無理を言ったんだろ?」
「いえ」
「お兄様、私達友達になったの。ね?メリー」
「ローリー、町娘の間だけでしょ?今は違うわよね?」
「今も町娘よ?」
「でも…」
「お兄様も町男よね?」
「はぁぁ、ああ」
「さあケーキ食べましょ」
「でも、」
「遠慮せず食べろ。何だったらプリンを頼んでも良いんだぞ?」
「ふふっ。ここのプリンは美味しいのですか?」
「俺は甘い物は分からない」
「え?でも食堂のプリンは美味しくないって」
「あれは皆そう言っている」
「ふふっ、そうだったのですね」
「お前は甘い物が好きか?」
「え?はい」
「なら遠慮せず頼め」
「はい、ありがとうございます」
「お兄様、レディに向かってお前なんて失礼だわ」
「悪い」
「いえ」
「アメリア嬢と呼んでも、良いか?」
「はい」
「お兄様も今は町男でしょ」
「だから何だ」
「アメリアって呼べば良いじゃない」
「は?それこそ失礼だろ」
「いえ、どうぞお好きなようにお呼び下さい」
「なら、アメリア」
「はい」
私達は見つめ合った。
「私、フルーツタルトにするわ」
私は目線をはずし、
「私も同じので」
フルーツタルトを2つと紅茶を3つ頼み、
「エリーお兄様に誕生日プレゼント渡さないと」
「え?」
「シャーロット」
「いえ、」
私は鞄から取り出し、
「誕生日おめでとうございます」
ハンカチを渡した。
「ありがとう」
「いえ」
「大事に使わせて貰う」
「安物ですみません」
「シャーロットが無理を言ったんだろ?」
「いえ」
フルーツタルトと紅茶がきて、私達は食べ始めた。
コンコン
「シャリー迎えに来たよ」
「エディ」
「おい、エド」
「ん?ああ、そういう事か…。
フェル、俺達は今からデートに行くから帰って来るまでここで時間を潰していなよ」
「勝手な事を言うな」
「俺だってシャリーとデートしても良いだろ?」
「お前な、」
「シャリーをまたここに送り届けるからさ。それまでここで待っててよ」
「エド!」
「さあ、シャリー行こうか」
「エディ行きましょ」
「おい、エド」
「フェル、誕生日おめでとう。君の18歳の誕生日が幸多あらんことを」
エドワード王子とローリーが部屋を出て行き、
「すまん」
「いえ。あの、私は帰りますね?」
「いや、俺とここで時間を潰してくれないか」
「でも」
「俺もここで1人待つのは困る」
「ふふっ、それもそうですね」
「ああ、居てくれると助かる」
「分かりました。ですが婚約者様は良いのですか?誕生日なのに」
「婚約者とは婚約白紙になった」
「もしかして、お兄様のせいですか?」
「違う。休み明けに学園に行けば分かる」
「そう、ですか…」
「アメリアの兄上も被害者だ」
「え?」
「だから気にするな」
「はい」
お兄様も被害者?でもお兄様は婚約するって言っていたはず…。休み明けに学園に行けば分かるかしら…。
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