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しおりを挟む最近ジル様は忙しくしていてなかなかゆっくり話す時間が取れない。
今日は花の苗を植えようとジル様と約束をしていたんだけど、朝食の時に、
「悪い、一緒に花を植えようと言っていたんだが今は忙しくて時間が取れそうにない。俺も楽しみにしていたんだが」
「馬鹿王子の事もありますし仕方ありませんよ。一人で植えれる所まで植えるので大丈夫です。土いじり楽しいですもの」
「クルトとノールに手伝わせる」
「良いのですか?」
「二人は今日の護衛兼だ」
「分かりました」
朝食を終えジル様と外へ出て来たらクルト様とノール様が待っていて、
「シア、楽しむのは良いが休憩しながらだぞ?」
「分かりました」
ジル様は私を抱きしめ、
「行ってくる」
「お気をつけて」
私の額に口付けをして騎士隊へ行った。
とても生暖かい視線を感じ、私は振り返り、
「今日はお願いします。では早速苗を植えましょうか」
「「はい」」
「苗を植えた事はありますか?」
「俺は母親が花が好きなので子供の頃手伝っていました」
「素敵なお母様ね。では、クルト様は大丈夫そうですね。ノール様はどうですか?」
「ノールは俺が教えますよ」
「ではお願いします」
私は苗を植え始め、クルト様はノール様に教え二人は違う花壇を植えていた。
途中、休憩する為に声をかける。
「ノール様、休憩にしませんか?」
「…………はい」
「クルト様も休憩にしましょう」
「そうですね、喉が渇きました」
庭のテーブルには冷たい果樹水が用意してあり、
「どうぞ」
私は二人に手渡した。
「ありがとうございます」
元気なクルト様とは違い、
「…………ども」
ノール様は言葉少なめです。
私は喉が渇いていたのか一気に飲み、お二人も一気に飲んでいました。
確かノール様は奥手だと言っていたわね。確かに奥手かもしれないわ。
「王女様は隊長と仲が良いんですね」
「ええ」
沈黙の中、話題をふってくれたクルト様に感謝だわ。
「クルト様は?」
「彼女ですか?」
「ええ」
「いますよ。俺達も仲がいいです」
「まあ、素敵ね」
「ノール様は?」
カーラに聞いたなんて知ったら気を悪くするだろうし、クルト様に聞いたのにノール様に聞かないのも変だと思って聞いたけど、良かったのかしら。
「…………俺は……」
「ノールは女性が苦手で」
「ごめんなさい。でも誰しも苦手なものはあるわ」
「そうですよね」
「さあ、あと少し頑張りましょうか」
また黙々と花の苗を植えた。
「シア」
ジル様の声に振り向き、ジル様の元へかけて行く。
「ジル様」
私は抱きついた。
「もう昼食の時間だぞ」
「もうそんな時間でしたか」
「どうだ?」
「あと少し植えたら終わりです」
「それなら俺も一緒に植えるか」
「はい!」
ジル様と一緒に植えたらあっという間に植え終わり、
「シア、汗をかいてるぞ」
と、ジル様がハンカチで汗を拭ってくれ、
「ありがとうございます。それにハンカチ使ってくれたのですね」
「いつも持ち歩いている。シアから貰った大事な物だ」
「またお渡ししますね?」
「ああ、待ってる」
「昼食はジル様と一緒ですか?」
「ああ。それと昼食を食べた後に大事な話がある」
「分かりました」
「クルト、ノール、お前達はもう騎士隊へ戻れ。昼からは俺がシアの側にいるから大丈夫だ」
「「分かりました」」
「クルト様、ノール様、今日はお手伝いありがとうございました」
ジル様は私の手を引き邸の中へ入って来た。
昼食を食べ、書斎へ来た。ソファーに座り、
「シア、大事な話だが、暫く王城へ帰ってくれないか」
「どうしてですか?」
「キースから連絡がきた」
「王弟殿下の使いの者は何と」
「謀反を起こす」
「そうですか。陛下の返答は」
「返答待ちだ。鷹を飛ばしたから1週間以内には連絡が来ると思うが」
「辺境が戦場になりますか?」
「戦場にはならない。だが隣国から逃げて来た者は一人残らず捕らえ牢屋に入れる予定だ」
「平民もですか?」
「勿論だ。平民に成りすまし王や側近が逃げてくるかもしれない」
「妥当な判断ですね」
「その時刃向かえばその場で斬る」
「適切だと思います」
「その場をシアに見せたくない」
「ジル様、私は辺境伯の妻になります。辺境で一生生きていきたいのです」
「当たり前だ」
「ならその優しさはいりません。私は小娘ですがこの国の王女です。私は王女として、辺境伯夫人として全てを見るべきだと思います。目に入れたくないものを見ないのは簡単です。ですが目を背けていけないものから背けていては私は辺境伯夫人として失格です」
「そんな事はない」
「争いが起これば辺境は国を護るため、民を護るために騎士達が戦う場所です。ここで食い止め進ませない、その思いだけで戦う騎士達を置いて私だけ安全な所へ逃げれば私は辺境に帰って来れません。
逃げ出す辺境伯夫人がどこにいるのです」
「だが、」
「ジル様、私は辺境伯夫人として、貴方の妻として心構えは持っています。王女として覚悟も持っています。全てを見届ける責任が私にはあります。元を正せば始まりは私ですから」
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