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「俺達がその婆さんと暮らすのか?」
「ああ。ただし自分の家族と思え」
「は?」
「お前の家族は妹と弟だけでなく、婆さんも自分の家族だと思え。そして同じ領地に住む領民達も家族だと思え。それが出来るなら儂の領地に明日にでも迎え入れよう」
「そこで暮らしたら妹や弟は腹いっぱい飯が食えるか?」
「食える。 儂の領民は皆が家族だ。例え余所者のお前達でも家族として迎え入れてくれる。妹や弟は大勢の祖父、祖母、父親、母親、兄、姉、弟、妹ができる。怒られる事もあるだろう。だが皆優しい心を持った者達だ。互いに助けあい見捨てる事などしない。儂の領民達は儂の誇る家族だからな。
だがお前が皆を家族だと思わなければ皆も家族だと思ってはくれないぞ。家族は助け合い暮らすだろ?」
「ああ」
「婆さんは優しい人なんだ。爺さんを亡くして落ち込んでいるからな、お前達が一緒に暮らしてくれたら儂も安心だ」
「婆さんは嫌がらないか?」
「嫌がらないな。昔は女ガキ大将と言われていてな、年頃になってからはお淑やかになったが豪快さは健在だ。だが爺さんが亡くなって寝込みがちでな」
「お祖父様、もしかしてステラお祖母様ですか?」
「そうだ」
「では亡くなられたのはトムお祖父様ですか?」
「そうだ」
「そうでしたか…。とても残念です…」
「エリーも知ってる人なの?」
「会った事はないの。でも領地からくる書類の中にたまに絵手紙が入ってるのよ。行った事がなくても絵手紙を見ると情景が思い浮かべられたわ」
「それは助かるね」
「ええ。トムお祖父様もステラお祖母様も領民から慕われていてね、いつも先陣をきって率先してやってくれるそうよ。ダンも助かると言ってたわ」
「エミリー、あの二人は昔からガキ大将だからな、自ずと皆から慕われる」
「そうなのですね」
「儂もガキの時はよく領地に遊びに行っててな、トム兄の後を付いて回ったな」
「そうなのですね」
「マークどうする。儂の領地で働くか」
「本当に妹と弟も一緒に連れて行っていいんだな」
「ああ。婆さんと一緒に暮らし、婆さんの面倒を見るのが条件だが、婆さんも寝たきりじゃない。足が不自由と言っても杖を付いて歩く事はできる。ただ一緒に出掛け手を貸してほしい。荷物を持ったり段差を気を付けたりお前の妹と弟でも出来る事だ。お前も母親の手伝いをしていただろ?」
「ああ」
「それと同じ事だ。どうする、来るか」
「妹と弟の意見も聞きたい」
「そうだな、それが良い」
「もし妹も弟も領地に行くと言ったら、どうやって孤児院から出ればいい」
「儂が身元引受人になってお前達を迎えに行く。それからはそうだな、
ガイン、ベンを呼んでこい。今調理場にいる」
ガインが部屋を出て行った。
「今呼びに行かせたベンと言う者はいずれ領地の執事になる。儂等の代わりに領地を全て預かる者だ。今はベンの父親のダンが執事として全てを預かってくれとる。領地に行ったらダンの指示に従え」
「分かった」
コンコン
「入れ」
「大旦那様お呼びですか」
「ベン、マークだ。領民になるかもしれん」
「はい」
「マーク、ベンだ。いずれベンは領地へ帰り父親の跡を継いで執事になる。領民は執事の指示を仰ぐ事になっている」
「分かった」
「ベン、マークとマークの妹と弟が領民になると決めたら3人を領地に連れて行ってほしい。ダンに会わせステラ婆さんの家に一緒に住んで貰う。領地での生活も教えてほしい。頼めるか」
「分かりました」
「お前も親と少し一緒に過ごしてこい」
「ありがとうございます」
「ダンが元気なうちはこっちで儂やエミリーの手伝いをして貰うがな」
「私もそのつもりです」
「では行ってもいいぞ。後であっちの報告を頼む」
「はい」
ダンが出て行き、
「儂がお前達の身元引受人になってお前達を預かる。それからダンと領地へ行って貰う。領地ではお前の歳の子等はもう働いている。領地では文字の読み書きよりよも畑仕事が出来る者の方が重用される。お前の妹や弟がいずれ王都に戻りたいと言うならそれならそれでも良い」
「分かった」
「妹と弟とよく話し合え」
「分かった」
「期限は一週間だ。もし王都から離れないと決めたならお前は騎士になれ。厳しい訓練になるが」
「騎士では妹や弟を近くで護れない」
「孤児院の中にいれば安全は補償される」
「孤児院の中でだ」
「それとて卒院したお前が孤児院で過ごす事はできんだろ」
「そうだけど」
「騎士は安定した収入が貰える。見習いの時の給金は安いが贅沢しないならお前一人なら暮らしていける。後はお前の努力次第だ。厳しい訓練に耐え、日々鍛錬を怠るな。一度指摘された事は次には出来るようにするんだ。日々の積み重ねが出来る奴ではないと騎士にはなれんぞ」
「分かった」
「一週間後使いをやる。そこにいるガインが孤児院へ訪ねる。その時自分達で決めた事を返事をするんだ。良いな」
「分かった」
「一度騎士の訓練を受けてみろ。それも判断基準になるだろう」
「分かった」
「ガイン、マークをグレンの所に連れて行け」
ガインとマークが部屋を出て行った。
「ああ。ただし自分の家族と思え」
「は?」
「お前の家族は妹と弟だけでなく、婆さんも自分の家族だと思え。そして同じ領地に住む領民達も家族だと思え。それが出来るなら儂の領地に明日にでも迎え入れよう」
「そこで暮らしたら妹や弟は腹いっぱい飯が食えるか?」
「食える。 儂の領民は皆が家族だ。例え余所者のお前達でも家族として迎え入れてくれる。妹や弟は大勢の祖父、祖母、父親、母親、兄、姉、弟、妹ができる。怒られる事もあるだろう。だが皆優しい心を持った者達だ。互いに助けあい見捨てる事などしない。儂の領民達は儂の誇る家族だからな。
だがお前が皆を家族だと思わなければ皆も家族だと思ってはくれないぞ。家族は助け合い暮らすだろ?」
「ああ」
「婆さんは優しい人なんだ。爺さんを亡くして落ち込んでいるからな、お前達が一緒に暮らしてくれたら儂も安心だ」
「婆さんは嫌がらないか?」
「嫌がらないな。昔は女ガキ大将と言われていてな、年頃になってからはお淑やかになったが豪快さは健在だ。だが爺さんが亡くなって寝込みがちでな」
「お祖父様、もしかしてステラお祖母様ですか?」
「そうだ」
「では亡くなられたのはトムお祖父様ですか?」
「そうだ」
「そうでしたか…。とても残念です…」
「エリーも知ってる人なの?」
「会った事はないの。でも領地からくる書類の中にたまに絵手紙が入ってるのよ。行った事がなくても絵手紙を見ると情景が思い浮かべられたわ」
「それは助かるね」
「ええ。トムお祖父様もステラお祖母様も領民から慕われていてね、いつも先陣をきって率先してやってくれるそうよ。ダンも助かると言ってたわ」
「エミリー、あの二人は昔からガキ大将だからな、自ずと皆から慕われる」
「そうなのですね」
「儂もガキの時はよく領地に遊びに行っててな、トム兄の後を付いて回ったな」
「そうなのですね」
「マークどうする。儂の領地で働くか」
「本当に妹と弟も一緒に連れて行っていいんだな」
「ああ。婆さんと一緒に暮らし、婆さんの面倒を見るのが条件だが、婆さんも寝たきりじゃない。足が不自由と言っても杖を付いて歩く事はできる。ただ一緒に出掛け手を貸してほしい。荷物を持ったり段差を気を付けたりお前の妹と弟でも出来る事だ。お前も母親の手伝いをしていただろ?」
「ああ」
「それと同じ事だ。どうする、来るか」
「妹と弟の意見も聞きたい」
「そうだな、それが良い」
「もし妹も弟も領地に行くと言ったら、どうやって孤児院から出ればいい」
「儂が身元引受人になってお前達を迎えに行く。それからはそうだな、
ガイン、ベンを呼んでこい。今調理場にいる」
ガインが部屋を出て行った。
「今呼びに行かせたベンと言う者はいずれ領地の執事になる。儂等の代わりに領地を全て預かる者だ。今はベンの父親のダンが執事として全てを預かってくれとる。領地に行ったらダンの指示に従え」
「分かった」
コンコン
「入れ」
「大旦那様お呼びですか」
「ベン、マークだ。領民になるかもしれん」
「はい」
「マーク、ベンだ。いずれベンは領地へ帰り父親の跡を継いで執事になる。領民は執事の指示を仰ぐ事になっている」
「分かった」
「ベン、マークとマークの妹と弟が領民になると決めたら3人を領地に連れて行ってほしい。ダンに会わせステラ婆さんの家に一緒に住んで貰う。領地での生活も教えてほしい。頼めるか」
「分かりました」
「お前も親と少し一緒に過ごしてこい」
「ありがとうございます」
「ダンが元気なうちはこっちで儂やエミリーの手伝いをして貰うがな」
「私もそのつもりです」
「では行ってもいいぞ。後であっちの報告を頼む」
「はい」
ダンが出て行き、
「儂がお前達の身元引受人になってお前達を預かる。それからダンと領地へ行って貰う。領地ではお前の歳の子等はもう働いている。領地では文字の読み書きよりよも畑仕事が出来る者の方が重用される。お前の妹や弟がいずれ王都に戻りたいと言うならそれならそれでも良い」
「分かった」
「妹と弟とよく話し合え」
「分かった」
「期限は一週間だ。もし王都から離れないと決めたならお前は騎士になれ。厳しい訓練になるが」
「騎士では妹や弟を近くで護れない」
「孤児院の中にいれば安全は補償される」
「孤児院の中でだ」
「それとて卒院したお前が孤児院で過ごす事はできんだろ」
「そうだけど」
「騎士は安定した収入が貰える。見習いの時の給金は安いが贅沢しないならお前一人なら暮らしていける。後はお前の努力次第だ。厳しい訓練に耐え、日々鍛錬を怠るな。一度指摘された事は次には出来るようにするんだ。日々の積み重ねが出来る奴ではないと騎士にはなれんぞ」
「分かった」
「一週間後使いをやる。そこにいるガインが孤児院へ訪ねる。その時自分達で決めた事を返事をするんだ。良いな」
「分かった」
「一度騎士の訓練を受けてみろ。それも判断基準になるだろう」
「分かった」
「ガイン、マークをグレンの所に連れて行け」
ガインとマークが部屋を出て行った。
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