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妹がいなくなった
贈り物
しおりを挟む最近体の調子が悪い。
チャーリーと結婚し、一人で頑張らなくてもいい、と思って気が抜けたのかしら。
「エリー大丈夫?」
「チャーリー、ごめんなさい」
「寝てていいから」
「でも、今日領地から報告書が届くから」
「確認するだけだろ?」
「うん」
「俺が代わりに確認しておくから」
「ありがとう」
「医師も昼から来てもらうように手配したからそれまで寝てるんだよ?」
「うん」
昼過ぎ、医師の診察を終え、
「旦那様もどうぞお入り下さい」
チャーリーが部屋の中に入ってきて私のベッドの上に座り、私を後ろから支えるように抱き抱えてる。
「先生、エリーは、妻のエミリーヌは治りますか?」
「奥様はご懐妊なされました」
「懐妊?本当ですか?」
「はい、おめでとうございます」
「ありがとうございます。ありがとうございます先生」
チャーリーは医師を見送り、
バタバタバタ
私のベッドへ座り私の手をとった。
「エリー、ありがとう。本当にありがとう」
チャーリーの目には涙が浮かんでいた。
「チャーリー、泣かなくても」
「嬉しいんだ。お腹触ってもいい?」
「それは良いけど、別にお腹出てないわよ?」
「そうだけど、駄目かな?」
「駄目じゃないわ」
チャーリーが私のお腹を撫で、
「俺とエリーの元に来てくれてありがとう。産まれたら父様がたくさん愛情を注ぐから安心して母様の中で母様の温もりを感じてね」
チャーリーは優しくお腹を撫でる。
「チャーリー」
「うん?」
「この子、神から与えられた贈り物よね?」
「そうだね。神に感謝しないと」
「神聖な子よね?」
「俺とエリーの愛の形だよ。エリー愛してる」
チャーリーは私に口付けした。
「私ね」
「うん」
「嬉しい」
「ん?」
「素直に嬉しい」
「そうか」
「うん。チャーリーの子供」
「そうだよ」
「チャーリーの子供が宿って私嬉しいの」
「俺も嬉しい。ありがとうエリー」
「私も神に感謝しないと。贈り物を贈ってくれたから、神に感謝しないと」
「俺も神に感謝する。俺達に与えてくれた事に感謝するよ」
「うん」
チャーリーはずっと私のお腹を優しく撫でていた。
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