57 / 101
妹がいなくなった
ユシュはもう家族
しおりを挟むユシュが卒院し、キャメル侯爵家へやって来た。
「ユシュ、いらっしゃい」
「当主様、この度はありがとうございました」
ユシュは礼儀正しく頭を下げた。
「ユシュ」
「はい、当主様」
「私の事はお姉さんでも、エミリーヌさんでも、そうね、皆お嬢様って呼んでるからお嬢様でもいいのよ?」
「シスターから言われました。当主様を敬い、頂いたご恩に感謝しなさい、と」
「そう」
「はい。ですから当主様をお嬢様など、ましてやお名前を呼ぶなど出来ません」
「ユシュの気持ちは分かったわ。それでもユシュはもうキャメル侯爵家の一人なの。私が護る一人なの」
「はい、お慈悲頂けたこととても嬉しく思います」
「ユシュ、貴方はまだ子供なの。子供らしく過ごしてほしいわ」
「ですが…」
「ならそうね、ユシュ、当主である私から、私をお嬢様と呼びなさい。いい?」
「はい、お嬢様」
「ふふっ、ユシュ、疲れたでしょ?」
「大丈夫です」
「先ずは部屋を案内するわ」
「はい、お嬢様」
私はユシュを使用人部屋へ案内した。
「使用人部屋でごめんなさいね」
「そんな、一人部屋なんて勿体ないです」
「ここは貴方の部屋、貴方だけの空間よ?」
「ありがとうございます」
「一応必要なものは揃ってるはずだけど、足りないものは遠慮なく言ってね?
一応服もそこの引き出しに入ってるから後で見て?
それとお風呂はごめんなさい、騎士達が暮らしてる方にしかないの。この邸のお風呂は女性専用にしたから。お祖父様は部屋にお風呂があるし、ジム、執事ね?ジム達家族はこの邸の裏で住んでるから邸の中は女性の方が多いの。
不便だと思うけど」
「分かりました」
「ごめんなさいね?後でお風呂の場所は騎士に案内させるわ」
「はい」
「少し横になって、ね?後で夕食を一緒に食べましょ?」
「はい」
夕食の時間になり、今日は邸に住むジム家族、メイド、騎士、皆が集まって、
「ユシュ、キャメル侯爵家へようこそ。貴方もキャメル家の家族の一員よ? 今日は貴方の歓迎会なの。
たくさん食べてね?」
「ありがとうございます」
「さあ、皆、食べましょ?」
今日は各々各自で好きな物を好きなだけ取って食べる事にした。席も好きな所に座って食べれるように料理を壁側へ並べた。
騎士達は数少ないメイドの隣の席を取り合い、ガインやベンはユシュと食べてる。お祖父様もお祖母様と仲良く二人で食べていて、お祖父様なんてせっせと料理を盛ってお祖母様に渡してるわ。
「お嬢様も召し上がりましょう」
「メイ、ありがとう。どれも美味しそうね」
「はい」
「料理長には悪い事をしたわ。大勢の食事を用意させて、それに今も作ってるんでしょ?」
「騎士達がいますから」
「そうよね。後でお礼を言わないと」
「はい。さあお嬢様も好きなものを取って下さい」
「どれにしようかしら…」
私は少しづつ皿に盛りメイと席に座った。
お祖父様はお祖母様を膝の上に座らせ食べさせてもらっている。本当に仲が良いんだから!
ふふっ、ユシュも笑ってるし、皆の笑顔が見れて良かったわ。ここにチャーリーもいたら良かったのに!
64
あなたにおすすめの小説
さよなら、私の初恋の人
キムラましゅろう
恋愛
さよなら私のかわいい王子さま。
破天荒で常識外れで魔術バカの、私の優しくて愛しい王子さま。
出会いは10歳。
世話係に任命されたのも10歳。
それから5年間、リリシャは問題行動の多い末っ子王子ハロルドの世話を焼き続けてきた。
そんなリリシャにハロルドも信頼を寄せていて。
だけどいつまでも子供のままではいられない。
ハロルドの婚約者選定の話が上がり出し、リリシャは引き際を悟る。
いつもながらの完全ご都合主義。
作中「GGL」というBL要素のある本に触れる箇所があります。
直接的な描写はありませんが、地雷の方はご自衛をお願いいたします。
※関連作品『懐妊したポンコツ妻は夫から自立したい』
誤字脱字の宝庫です。温かい目でお読み頂けますと幸いです。
小説家になろうさんでも時差投稿します。
〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。
藍川みいな
恋愛
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」
憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。
彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。
すごく幸せでした……あの日までは。
結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。
それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。
そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった……
もう耐える事は出来ません。
旦那様、私はあなたのせいで死にます。
だから、後悔しながら生きてください。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全15話で完結になります。
この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。
感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。
たくさんの感想ありがとうございます。
次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。
このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。
良かったら読んでください。
【完結】愛されていた。手遅れな程に・・・
月白ヤトヒコ
恋愛
婚約してから長年彼女に酷い態度を取り続けていた。
けれどある日、婚約者の魅力に気付いてから、俺は心を入れ替えた。
謝罪をし、婚約者への態度を改めると誓った。そんな俺に婚約者は怒るでもなく、
「ああ……こんな日が来るだなんてっ……」
謝罪を受け入れた後、涙を浮かべて喜んでくれた。
それからは婚約者を溺愛し、順調に交際を重ね――――
昨日、式を挙げた。
なのに・・・妻は昨夜。夫婦の寝室に来なかった。
初夜をすっぽかした妻の許へ向かうと、
「王太子殿下と寝所を共にするだなんておぞましい」
という声が聞こえた。
やはり、妻は婚約者時代のことを許してはいなかったのだと思ったが・・・
「殿下のことを愛していますわ」と言った口で、「殿下と夫婦になるのは無理です」と言う。
なぜだと問い質す俺に、彼女は笑顔で答えてとどめを刺した。
愛されていた。手遅れな程に・・・という、後悔する王太子の話。
シリアス……に見せ掛けて、後半は多分コメディー。
設定はふわっと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる