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妹がいなくなった
目指す者の目
しおりを挟むコンコン
「エリー少し良い?」
「チャーリーどうしたの?」
「エミリーヌに会いたいと言ってる人がいるんだ」
「私に会いたい人?分かったわ」
チャーリーと一緒に入って来たのは、
「ジェフ様」
「キャメル侯爵、お久しぶりです」
「お久しぶり。ジェフ様が私に会いたい人なの?」
「はい。チャーリー殿に口利きをしてもらい面会をさせて頂きたくて」
「そんな畏まらないで?」
「ですが」
「畏まられると私も困るわ」
「分かりました」
「それで?」
「この子なんだが」
ジェフ様の後ろには少年がいた。
「その子がどうしたの?」
「キャメル侯爵家で医師を育てているとチャーリーに聞いてな」
「ええ、領地で勉学を教えているけど」
「この子、モリスが医師になりたいと言っているんだ」
「そう」
「それで申し訳ないんだが」
「それは構わないんだけど…」
「やっぱり無理か?」
「無理じゃないの。ただ、キャメル侯爵家の領民になってもらわないといけないの。モリスの親御さんは?」
「母親が商店街で働いていてな、俺もチャーリーに話は聞いたから母親にも確認した」
「それでモリスのお母様は何て?」
「モリスを頼むと」
「そう。隠さず言うけど領民にするには意味があるの。医師になるまでにかかる費用を全額キャメル侯爵家で負担する代わりに医師になったらキャメル侯爵家お抱え医師になってもらうわ。モリスが医師になっても派遣という形になるの。もしモリスが個人的に町医者になりたいとかならこの話は引き受けられないわ」
「そうか」
「ええ。領地での勉学から留学費用、留学先の生活費、学費、全てを負担するから。出来ればお母様も領民になって貰えると助かるんだけど」
「モリスの母親は商店街にお店を出してる。領地へ移り住むのは無理だと思う」
「そう」
私はモリスの前に立ち、
「モリス、貴方は医師になりたいの?」
「はい」
「領地では一日勉強づけよ?遊ぶ暇もないわ」
「分かってます」
「それにお母様とは離れ離れよ?」
「はい」
「医師になったとしても自分の思うようにはならないかも知れないわよ?」
「はい」
「最悪お母様とずっと暮らせないかも知れない、それでも良いの?」
「はい」
「ジェフ様」
「何だ」
「お母様から籍を抜いてキャメル侯爵家の領民にします」
「良いのか」
「ええ。お母様も納得の上なら出来るだけ早めに領地へ行かせたいのだけど。
それでももう一度お母様に確認をお願いします。今後お母様の籍に戻すならお母様にも領民になって貰うと」
「分かった」
「お母様の気持ちが確認出来次第こちらも手続きをします」
「よろしく頼む」
「分かりました。ではもう一度お母様に確認を」
「分かった」
ジェフ様とモリスが出て行き、
「どうして受け入れたの?」
「モリスの目が」
「目?」
「医師になりたい志が見えたの。医師になるにはなりたいと思う強い気持ちがないと無理だと思うの。親元を離れ勉強づけなのよ?寂しいと思う気持ちも勿体ないの」
「そうだな」
「ええ」
後日、ジェフ様からモリスのお母様の気持ちを確認し、モリスは領地へ向かった。
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