完結した作品の番外編特集

アズやっこ

文字の大きさ
81 / 101
半日だけの…。貴方が私を忘れても

静かな家

しおりを挟む

朝起きると騎士達が部屋に入って来た。


「何の用だ!誰の許可を得て入って来た!」


騎士達に聞かされた。

怪我をして記憶を失ったと。そして足が動かないと。


「どういう事だ!俺は騎士だ!」


立ち上がろうとしても足に力が入らない。騎士達に手を借り車椅子に座る。


「騎士には戻れないのか」

「はい。残念ですが」

「そりゃあこの足では騎士は無理だな。

悪いがエマを呼んでほしい。この足では動く事が出来ない」


エマを呼んでほしいと言ったのに来たのはベイクだった。

それからベイクに説明された。

エマは伯爵夫人になりもう人妻だと。それでもエマの側に居たいのなら愛人になれと言う。

俺が愛人?馬鹿にするな!


「少し外の空気を吸いたい」

「分かりました」


騎士達が車椅子を持ち上げ階段を下りる。

庭に出て、


「何か今日は静かだな」

「そう、ですね」

「いや、今までも静かだったか?」


怪我をして記憶を失ったらしい俺は「今まで」を覚えていない。

感覚なのか、なんとなく、なんとなく静かに思えた。

騎士達へ行けば皆の話し声や笑い声、掛け声や隊長達の怒号が聞こえる。だからかもしれない。


俺は目を閉じ風を感じる。少し冷たい風が頬をかすめる。

風の音に混じり子供の声が聞こえた気がした。

辺りを見渡しても子供はいない。


気のせいか


気づいたら目から涙が流れていた。


聞こえた風の音

空虚な心に冷たい風がふく


騎士には戻れない

足も動かない

エマとも結婚出来ない


だから俺は泣いているんだろう。


静かすぎるこの庭に

静かすぎる邸に


得体もしれない恐怖が俺を襲う。

俺は孤独を感じているんだろう。

まるでここは俺しかいない世界のようだ…。


しおりを挟む
感想 79

あなたにおすすめの小説

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

さよなら、私の初恋の人

キムラましゅろう
恋愛
さよなら私のかわいい王子さま。 破天荒で常識外れで魔術バカの、私の優しくて愛しい王子さま。 出会いは10歳。 世話係に任命されたのも10歳。 それから5年間、リリシャは問題行動の多い末っ子王子ハロルドの世話を焼き続けてきた。 そんなリリシャにハロルドも信頼を寄せていて。 だけどいつまでも子供のままではいられない。 ハロルドの婚約者選定の話が上がり出し、リリシャは引き際を悟る。 いつもながらの完全ご都合主義。 作中「GGL」というBL要素のある本に触れる箇所があります。 直接的な描写はありませんが、地雷の方はご自衛をお願いいたします。 ※関連作品『懐妊したポンコツ妻は夫から自立したい』 誤字脱字の宝庫です。温かい目でお読み頂けますと幸いです。 小説家になろうさんでも時差投稿します。

〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。

藍川みいな
恋愛
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」 憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。 彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。 すごく幸せでした……あの日までは。 結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。 それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。 そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった…… もう耐える事は出来ません。 旦那様、私はあなたのせいで死にます。 だから、後悔しながら生きてください。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全15話で完結になります。 この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。 感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。 たくさんの感想ありがとうございます。 次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。 このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。 良かったら読んでください。

【完結】さよなら私の初恋

山葵
恋愛
私の婚約者が妹に見せる笑顔は私に向けられる事はない。 初恋の貴方が妹を望むなら、私は貴方の幸せを願って身を引きましょう。 さようなら私の初恋。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

〖完結〗その愛、お断りします。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚して一年、幸せな毎日を送っていた。それが、一瞬で消え去った…… 彼は突然愛人と子供を連れて来て、離れに住まわせると言った。愛する人に裏切られていたことを知り、胸が苦しくなる。 邪魔なのは、私だ。 そう思った私は離婚を決意し、邸を出て行こうとしたところを彼に見つかり部屋に閉じ込められてしまう。 「君を愛してる」と、何度も口にする彼。愛していれば、何をしても許されると思っているのだろうか。 冗談じゃない。私は、彼の思い通りになどならない! *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

処理中です...