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おまけ ミリア視点
しおりを挟む「ローレンスどういう事よ。説明してよ。どうしてこんな所に入れられるのよ。ローレンスは王子でしょ?私は王子の妻なのよ。王子の妻になれたのにいきなり牢屋ってどういう事よ。ねぇローレンス聞いてるの!話が違うじゃない。エリーナ様と婚約破棄して妃になるまで王宮で暮らそうって言ってたじゃない。私は牢屋じゃなくて綺羅びやかな部屋で暮らしたいの。妃になったら贅沢し放題だって言ったのはローレンスなのよ。マダムサリーのドレスだって、宝石だって、まだ買ってもらってないんだからちゃんと買ってよね。
ねぇローレンス聞いてるの?」
どうしてローレンスは黙っているのよ。
私だって初めは妃なんてなりたくなかったし、第一王子の恋人、それだけで良かったの。婚約者のエリーナ様が私達を隔てる障害で、ローレンスは好きでもないエリーナ様と陛下から私を護る為に結婚する。そして私はそんなローレンスを支える天使のような女性。
私は愛する人の為に耐えて我慢する健気な女性。
そして
エリーナ様は私とローレンスの犠牲の上で成り立ってる婚約者。
それで良かったの。
私だって別に初めからローレンスのお嫁さんになりたかった訳じゃないの。王宮で贅沢できるなら愛妾でも良かったのよ?ローレンスはいつも私に言っていたもの。好きなだけドレスも宝石も買ってくれるって。
毎日毎日『私の妃になってほしい』そう言われ続けたら愛妾でも良いって思ってたけどやっぱり妃が良いって思っちゃうでしょ?『何もしなくていい。ミリアは私から愛されてるだけでいい』そう言われたらならお嫁さんになってあげてもいいかなって思ったの。
王宮は男爵家とは比べものにならないほど高級な物しかないらしいし、食べる物もとても美味しいんだって。ドレスも宝石も欲しいだけ買えて、そんな生活に憧れない女性はいないわ。
それに学園の皆はローレンスと私が恋人でエリーナ様は邪魔者、そう思っていたし。
『ミリア様も大変ね』
『そんな事はないわ。エリーナ様も不憫な方なの。ローレンスに愛してももらえなくて邪険に扱われてるんだもの。ローレンスに愛されているのは私だから。ねぇ貴女もエリーナ様に優しくしてあげて?可哀想な方だもの。私が優しくすると余計に気分が悪いじゃない』
『ふふ、男爵家の財力で足りるのかしら』
『身分は関係ないってローレンスがいつも言っているわ。だってローレンスの妻なのよ?ローレンス自身が選んだ人が妻になるべきだもの』
『婚約者のエリーナ様がどう思っていらっしゃるかは別よ?でもそうね、お二人には愛の力があるものね。どんな事になっても愛しあうお二人なら乗り越えられるわ』
『ええ、ありがとう』
皆も認めているのよ?ローレンスに愛されてるのは私。私はエリーナ様より上なの。だってローレンスは王子なのよ?その王子が愛してる女性は誰よりも上に決まっているじゃない。
貴族の中では爵位が関係しても王族に勝るものはないわ。
「ねぇローレンス、婚約破棄したら丸く収まるって言ってたじゃない。あれは嘘だったの?私には迷惑をかけないって言ったから私は賛成したの。卒業パーティーだって楽しみにしてたのよ。それなのに始まる前にここに連れてこられて、ドレスだってドロドロになっちゃったじゃない。
そもそもなんで私が着れないマダムサリーのドレスをエリーナ様が着てるのよ。そんなのおかしいわ。ねぇ、今からエリーナ様から貰ってきてよ。ローレンスならこの牢屋から出れるんでしょ?早く鍵を開けさせて私も早く出してよ」
卒業パーティーでローレンスがエリーナ様と婚約破棄をするって言ったから私は賛同しただけ。結婚は愛しあう男女がするものよ。
でもやっぱり卒業パーティーが終わった次の日とかにしておけば良かったわ。ローレンスが卒業パーティーが終わったら婚姻準備に入るからどうしてもその前に言いたいって言うから。
それにローレンスの婚約者は私よ?
ローレンスが言ってたもの。エリーナ様は親に決められた婚約者だけど私はローレンスが選んだ婚約者だって。
なら親が婚約破棄すれば良かったんじゃないの?
ローレンスがわざわざ言わないといけない事なの?
ああもう!このドレス気に入ってたのに。お父様じゃ到底買えないドレスだったのよ?お父様もお母様もこのドレスを見た時すごく驚いていたの。お母様なんて何度もドレスを触っていたしお父様なんて『高級品だよな、いくらで売れ……いやいや、ハハハ』って笑っていたわ。ドレスに合わせたアクセサリーも宝石が何個も付いていたの。アクセサリーはここに連れてこられた時に危ないからって外されちゃったけど後で返してもらわないと。
さっきからいくらローレンスを呼んでも何も答えてくれないの。もうローレンスは当てにならないわ。
「ねぇ、そこの騎士様、私もう家に帰りたいんだけど、いつになったらここを開けてくれるの?開けてくれたら今度デートしてあげるわ。ね?だから開けてくれる?」
にこっと笑えば大抵の男性は聞いてくれるの。
なのに騎士様は私を見ようとしないのよ?頭おかしいんじゃない?
可愛い可愛いで育ったから、実際可愛いし?ローレンスもいつも可愛いって言ってくれるわ。顔も可愛いのに小柄だから守ってあげたくなるんだって。
別にね、ローレンスが言う程エリーナ様は不細工じゃないのよ?系統が違うっていうだけ。私が可愛い系ならエリーナ様は美人系。女の私から見てもエリーナ様のあの美人顔は憧れるもの。綺麗な顔立ちだなって本当に思うの。生まれ変わったら私も美人顔になりたいって思うほどよ?
ただローレンスは可愛い系が好きだっただけなの。エリーナ様の顔が好みじゃないって言っていたもの。好みの顔じゃない婚約者が本当はずっと嫌だったんだって。
ローレンスも綺麗な顔立ちだから同族嫌悪?だと思うわ。
本当はね?ローレンスとエリーナ様が並んで歩いているのを初めて見た時、私ドキンって胸が高鳴ったの。『綺麗…』思わず声が出たの。私からしたらお似合いの二人に見えたわ。
でもそのローレンスが選んだのは私。
ふふ、私はあのエリーナ様より勝ったの。
「早くここから出してよ……」
ずっと叫んでいたからもう喉も痛いし、疲れちゃったわ…。
「起きろミリア!」
うるさい声に目が覚めた。
「お父様?なに?そんな怖い顔して、どうしたの?」
「お前は何をしたんだ」
「もう、今眠いの。大事な話じゃないなら後にしてよ」
「ミリア!俺が起きろって言ったら起きろ!」
「ふぁぁ、もうなによ」
「お前は何をしたんだ。殿下を誑かしたそうじゃないか!陛下に聞かされ俺は心臓が止まるかと思ったんだぞ!」
「でも止まらなかったんでしょ?ここで元気に叫んでるんだから」
「ミリア!
パーティーが始まる少し前に陛下から呼び出されて来てみれば着いた早々別室に連れて行かれてさっきまで出してももらえなかったんだぞ。あいつは倒れるし、それにお前のせいで男爵領を取り上げられたんだぞ。慰謝料代わりだとな!」
「慰謝料?貰うなら分かるけどどうして取り上げられるの?」
「お前が殿下の不貞の相手だからだろ」
「不貞って愛しあう二人なら不貞じゃなくて愛の行為なのよ?お父様知らないの?」
「殿下には婚約者のハウバウル公爵令嬢が居るだろうが」
「それだって親に決められた婚約者ってだけでローレンスが選んだ婚約者は私だもの。それを不貞って間違ってるわ」
「ミリアには婚約者が居なかったが婚約者は大体親が決めるものだ。お前がここまで馬鹿だとは思わなかった」
「お父様が女は馬鹿な方がいいって言ったんじゃない。女は愛嬌さえあればいいって。勉強なんて変な知恵をつけるだけだって。それを私が悪いみたいに言わないでよ」
「領地が無くて俺達はどう暮らしていけばいいんだ…」
「お父様達の事は私に任せて。なんたって私はローレンスの妻なのよ?お父様達を養ってあげるわ」
「お前は今の状況が分からないのか?お前は今牢屋の中に入ってる。それに平民になったのにどう俺達を養うつもりだ?殿下ももう平民になって王族でもない。殿下も無一文なんだぞ」
「何を言ってるの?ローレンスは第一王子よ?」
「それを剥奪されたら平民だ」
「えーーー!なら私ローレンスのお嫁さんにはならないわ」
「婚姻証明書にサインしただろ」
「そんなの取り消すわ」
「それは出来ない」
「なら私だけ家に帰るわ」
「それも出来ない」
「どうして私の家よ?」
「お前を絶対に家には入れない。お前はもう俺達の子供でもないんだ。それにお前に手を貸したら男爵まで取り上げられる。男爵まで失ったら俺達は貴族ではなくなり路頭に迷うだろ。お前の為に俺達がどうして平民にならないといけないんだ。そもそもお前が殿下なんかと恋仲になんてなるからだ。お前が殿下に手を出したから俺達まで被害に巻き込まれる羽目になったんだぞ」
「それなら私だって被害者よ。どうしてローレンスとエリーナ様の婚姻破棄で私までこんな所に入らないといけないの?そもそもローレンスとエリーナ様の問題じゃない。巻き込まれたのは私の方よ。
それにお父様だって喜んでたじゃない。良くやったって、殿下をよく虜にしたって一番喜んでたのお父様じゃない。ローレンスから貰った物だって勝手に売ってたの知ってるのよ?それにもっと貰えって言ったのお父様じゃない。今度は高い宝石を強請れって」
「お前!黙れ!よくそう嘘をつけるな!」
「嘘じゃないわ。初めから高い物を強請ると怪しまれるから徐々に強請るんだぞって教えてくれたのお父様よ。お前はローレンスの愛妾になるんだぞって初めにそう言ったのはお父様よ」
「ミリア!もう何も話すな!」
「お父様が言ったのにどうしてよ」
「俺はそんな事言ってない」
言った言わないをお父様と言い合いになってお父様は怒って帰って行ったわ。『金輪際俺の前に顔を見せるな』そう捨て台詞を吐いていたけど、お父様はあれで私を可愛がってるもの。すぐに迎えにくるわ。それより帰るなら帰る前に私をここから出してから帰ってくれればいいのに。
それよりもローレンスが平民ってなによ。そんなの聞いてないわ。なんか陛下が難しい事言ってたのは知ってるけど、難しすぎて聞いてなかったのよね。
にこにこしてれば大抵の事はやり過ごせるもの。
学園の補習だってキース先生とお話しして終わりなの。どんな所に遊びに行くとか普段何してるのとか休みの日は一日どう過ごしいるのとか、だから私は包み隠さず話していたわ。だってキース先生聞き出すの上手いんだもん。宿屋も一度行ってみたいって言ってたからいつも行ってる宿屋を教えてあげたわ。好きな人に贈るならこの店がお勧めとか奥手なキース先生に色々教えてあげてたの。
キース先生も好きな人と上手くいけばいいんだけどな。
あんなに優しい先生だもの、好きな人も好きになってくれるわよ。後は髪型さえ直せば格好いいのに。目が隠れる程の前髪のせいで格好いい顔が隠れているのよ?それに雰囲気は暗い感じだし。初めは私も怖かったけど話してみれば優しいし楽しい先生だったわ。
ここももう退屈だし、早くここから出れないかな…?
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