48 / 55
48 気持ちの変化
しおりを挟む昇天させないといけなかったのは彼女の思いじゃなくて前の時の私。
未来を変えないと、って一番未来を変えないといけなかったのは私の未来。
私自身で私の未来を変えないと平和な日常にはならない。皆が平和な日常を送れれば平和な国になる。
だから私は幸せになる。
「フランキー聞いて、ルイが正式に私の護衛騎士に決まったわ」
「そうか、あいつ忠誠を誓ったのか」
「ええ、こんな嬉しいことはないわ」
私はフランキーに抱きついた。
私を抱き止めるフランキー。
「フランキーも嬉しい?」
「嫉妬もするけどルイ以上に信頼できる奴はいない。グレースを命懸けで護ってもらわないといけないからな」
そう言って笑ったフランキーは安心した顔だった。
隣国のお祖父様が亡くなった知らせを聞いた時は泣いてる私を抱きしめてくれた。私はフランキーの胸でおもいっきり泣いたの。
手は寂しい時じゃなくても繋ぐわ。私はフランキーと手を繋ぐのが好きだから。安心する、側にいてくれる、励ましてくれる、色々な意味はあるけど、それでもお兄様とは違う意味をフランキーには感じるの。それは幼い頃から。
私が気付いていなかっただけで、家族に囚われていただけで、私の気持ちが変わった今、フランキーと手を繋ぐのが恥ずかしい、そう思う時もあるの。
私の手を繋ぎ前を歩くフランキーの背中に抱きつきたいと思う時もある。抱きしめられると離れた時に残る温もりに寂しいと感じる時もある。
何もない時に抱きしめてほしい、そう思う事はよくあるのよ?
前は言えた『手繋いでよ』それが言えないの。手ではないけど、抱きしめて、それが恥ずかしくて言えないの。
フランキーの優しさも男らしらも、今までずっと見てきたつもりだった。それでも見ようとしなかったものが見えた時、私の心に変化が現れたの。
手を繋ぐのは好き、前は簡単に言えたわ。家族として好き、それも簡単に言えた。
でもその『好き』って言葉が今は簡単に言えないの。フランキーを男性と見ているから言葉に出すことが恥ずかしいの。
フランキーはずっと待っててくれてる。私の気持ちが育つまで問い詰めずそっと見守ってくれてる。
お兄様も私の心の変化は気付いたわ。
『お前が幸せなら俺は見守るだけだ』
今は邪魔をせず見守ってくれてるの。
お兄様の前で手を繋いでいてもフランキーを睨むけど何も言わないわ。フランキーもお兄様に睨まれても私の手をギュッと握って離さないわ。
お兄様とフランキーって案外似てるのよね。本人達は嫌がるけど。自分が愛し護るものへの執着?そこは同じだもの。それに言い争いをしても仲がいいの。
この前なんて二人で仲良く話してたわ。最後は握手なんかしてたのよ?二人して私を見て笑っていたの。
本当に少しずつ 少しずつ好きが溜まっていくのが分かるの。
フランキーが私を愛しいと見つめる視線に恥ずかしくて顔が赤くなるけど嬉しかったり、フランキーが嬉しいとか好きだと思った時は繋いだ私の手をギュッと握ったり。
今までは励ましだと思っていたけど、励ましだけじゃなかった事に気付いたの。それにじっと私を見ていた時の視線も今思えば私を好きだと見つめていたんだなって。
今私を見つめる時と同じ目をしてるから。
気付かなかったその一つ一つに気付いて、また嬉しいと思うの。
私の頬に触れる手にドキンと胸が高鳴ったり、抱きしめられる腕に心臓が壊れるんじゃないかと思うほど鼓動が早くなったわ。それにフランキーの背に手を回して抱きしめ返した時、フランキーが私をギュッと抱きしめたわ。フランキーの腕の中で私は幸せ、そう思ったの。
言葉だけじゃなくて行動でも好きと伝わる。気持ちが溢れて無意識に体が動く。自然と手を繋いだり、ギュッと力が入ったり、その行動からフランキーの思いが流れてくる。
嬉しそうににこにこしているフランキーの顔をずっと見ていたい。
私はフランキーの隣で。
そうそう、この前初めてやきもちを焼いたのよ?
フランキーがレーナレーナってレーナの事ばかり話すから。稽古仲間なのも知ってるわ。
でもやきもちは別でしょ?
私はフランキーと繋いでいた手を離して
『そんなにレーナと稽古したいならしてくれば?フランキーなんてもう知らない』
私は早足で歩いたわ。私ってこんなに早く歩けるのねって思ったほどよ?
突然腕を掴まれて気付いたらフランキーの胸が目の前にあったわ。
『グレースごめん…怒ったのか?』
私は何も答えなかったわ。フランキーと話したくなかったの。
『俺が好きなのはグレースだ。だから許してくれないか?グレース?』
フランキーはずっと『ごめんグレース。俺はグレースが好きだ』って何度も言っていたわ。
『………フランキーは、レーナが、好きなんでしょ?』
『俺が好きな人はグレースだけだ。信じてくれ』
『レーナの事好きにならない?』
『当たり前だろ』
『これからも?ずっと?』
『これからも好きにならない。俺が一生好きなのはグレースだけだ。これからも愛し続けたいと思うのもグレースしかいない。
グレース好きだ、愛してる……』
フランキーは私をギュッと抱きしめた。
私もフランキーに手を回そうと思ったのよ?
『グレースもレーナにやきもち焼いてくれたんだな。まさかあのグレースがな…』
だから回すのを止めたわ。
そうよ?やきもちよ?
それにあのって鈍感なって事でしょ?
そうよ、鈍感よ、悪い?
『俺だけじゃなかった…、俺だけじゃなかった…』
嬉しいような切ないようなフランキーの声を聞いて私はフランキーを抱きしめた。
『私はフランキーが好きよ』
好きって自然に出たの。
フランキーを抱きしめたい、そう思ったら私はフランキーを抱きしめていたわ。
フランシスという一人の人として向き合ってみたら私だけに見せる優しさも私だけに向ける好意も私だけに心を許してる姿も、幼い頃から変わらないフランキーを私は信じられる。
触れたくて触れてほしくて、でも少し恥ずかしくて、でも触れられると嬉しくて、夜寝る前までフランキーの事を思ってるわ。
フランキーは寝たかな?
フランキーと早く会いたいな
明日は抱きしめてって言おう
でも恥ずかしいわ
いつかは口付けも、してみたい…
好きな人とする口付け…
やっぱり恥ずかしいわ
でも唇にする口付け…
私は何度も自分の唇を触ったわ。
キャー、想像するだけで…
……早く婚約しようって言ってくれないかな?
77
あなたにおすすめの小説
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
【完結】婚約破棄されて処刑されたら時が戻りました!?~4度目の人生を生きる悪役令嬢は今度こそ幸せになりたい~
Rohdea
恋愛
愛する婚約者の心を奪った令嬢が許せなくて、嫌がらせを行っていた侯爵令嬢のフィオーラ。
その行いがバレてしまい、婚約者の王太子、レインヴァルトに婚約を破棄されてしまう。
そして、その後フィオーラは処刑され短い生涯に幕を閉じた──
──はずだった。
目を覚ますと何故か1年前に時が戻っていた!
しかし、再びフィオーラは処刑されてしまい、さらに再び時が戻るも最期はやっぱり死を迎えてしまう。
そんな悪夢のような1年間のループを繰り返していたフィオーラの4度目の人生の始まりはそれまでと違っていた。
もしかしたら、今度こそ幸せになれる人生が送れるのでは?
その手始めとして、まず殿下に婚約解消を持ちかける事にしたのだがーー……
4度目の人生を生きるフィオーラは、今度こそ幸せを掴めるのか。
そして時戻りに隠された秘密とは……
婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました
Blue
恋愛
幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。
【完結】妹ばかり愛され追い出された姉ですが、無口な夫と暮らす日々が幸せすぎます
コトミ
恋愛
セラフィナは、実の親と、妹によって、家から追い出されることとなった。セラフィナがまだ幼い頃、両親は病弱なカタリナのため設備環境が良い王都に移り住んだ。姉のセラフィナは元々両親とともに住んでいた田舎に使用人のマーサの二人きりで暮らすこととなった。お金のない子爵家な上にカタリナのためお金を稼がなくてはならないため、子供二人を王都で暮らすには無理があるとセラフィナだけ残されたのだ。そしてセラフィナが19歳の時、3人が家へ戻ってきた。その理由はカタリナの婚約が上手くいかず王宮にいずらくなったためだ。やっと家族で暮らせると心待ちにしていたセラフィナは帰宅した父に思いがけないことを告げられる。
「お前はジェラール・モンフォール伯爵と結婚することになった。すぐに荷物をまとめるんだ。一週間後には結婚式だ」
困惑するセラフィナに対して、冷酷にも時間は進み続け、結婚生活が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる