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「あ、ちなみにさ、もし襲ってくるとしたらどこの国が可能性あんの?」
「む? 気になるのか?」
「そりゃそうだろ? 一応この国に仕えることになったんだし、何かモルニエさんが大々的に“神の御使い”の存在を発表するらしいし……逃げられそうにないし……」
だからせめて敵の姿だけは把握しておきたい。情報は無いよりあった方が勝率が上がるから。
「モルニエ様だ、ったく……。今すぐにどうこうということはないだろうが、そうだな…………国というよりも、魔本に目をつけた賊の集団が動く可能性としては高いな」
「賊? どんな奴ら?」
「簡単に言えば身分最下層にいる者たち……だな」
ああ、つまりは生活に苦しくなって、なら他の奴らから奪えばいいやって思った連中ってこったな。
「中には戦争で逃げ堕ちた者たちもいる。もちろん敗戦国の……だがな」
「ふぅん、戦いの素人だけじゃねえってのは厄介だな」
騎士訓練をしていたとなれば、下手に知恵も回るし指揮だって取れる奴もいるだろうから、敵としては面倒なタイプには違いない。
「この世界って貧富の差が結構激しいんだよな?」
「ああ、この国はモルニエ様のお蔭で豊かではあるが、一歩外に出ると生活力の無い者はすぐに落ちぶれてしまう。モルニエ様はこんな世界を変えるために世界の神に成り変わろうとしている。神が何もしないのなら、自らがというお考えなのだ」
「なるほどね~、外にはモンスターもいる。だから簡単に生活することができない。だから賊になって他の連中の金品を奪って生活するって感じか」
この国だって豊かに見えるかもしれないが、国の中にも貧富の差は絶対的に存在するだろう。納める税金だってあるはず。それを払えないとモルニエはどう対処しているのか……。
ただ飯を喰わせるわけにはいかないから追い出す? そうなればその者たちは確実に賊と化すか、モンスターに殺されるか……極めて死に近い立場に立たされるだろう。
だが国だって維持するためには税が必要になる。それを徴収することができないのなら、民たちを追い出すことも仕方ないと選択するのかもしれない。そういう決断を鈍らすタイプとも思えない。
酷く言えば役立たずは国にはいらないということ。まだモルニエの人となりを把握したわけではないが、彼女は下手に同情などしないタイプのような気がする。
マイナスしか持ちえない者をあっさり切り捨てる冷酷な部分を持ち合わせていると思う。ただこうして国が豊かになっているということは、国主としては優秀なのだろう。
「国って……何なんだろうな」
「何だ急に? 国は王あってのものだろう?」
本当にそうだろうか? 確かに国が栄え続けていくには頭が必要かもしれない。だが頭だけが優秀でも国は豊かにならない気がする。クーアイの発言も間違ってはいないと思うが、それが全てだとは到底思えない。
まあ、オレみたいな余所者がいくら考えたところで無意味な気もするし、オレはオレで自分の野望のためにやるべきことをやるだけだ。
クーアイとニナの城内案内が終わったところで、モルニエから呼び出しを受けたのでクーアイとともに彼女の執務室へと向かった。
「え? オレが騎士団に?」
モルニエから騎士団に入るように任命を受けた。
「そうよ」
相変わらず彫刻のような端正な顔立ちを見せつけながら、扇子の先を突きつけてくる。
「あなたにはクーアイの下についてもらうわ」
「は、はぁ……って違う! オレってまだすっげえ弱いんですけど? 剣だってまともに触れないし!」
「あら、誰だって初めてはあるものよ? それを修練で補っていくんじゃない。それともあなた、最初から何でもできる天与の才を持っていると思っているのかしら?」
「あ、いやそれは……」
「このことはクーアイも了承済みよ」
え? そうなの?
「お前みたいな危険人物を、他の者の下になどつけることはできん。私としては甚だ不本意ではあるが、モルニエ様きっての頼みごと、私が直々に鍛えてやろう」
うわ~獰猛なお目々。もしかしたら修練中に「あ、手が滑った」とか言って殺そうとしてくる可能性も考えられる。正直それは勘弁願いたい……。
「メニューにあったレベルだけれど、修練を積むと上がっていくのでしょ? ならばあなたが優先すべきことは、最低でも自分の身を守れるぐらいに強くなること。幸いあなたには“黒の魔本”があるのだから精進し易いんじゃないかしら?」
確かにこの世界にはない銃を扱えるようになれば戦闘のアドバンテージとしてはかなりのもの。ただいくら飛び道具があるとはいえ、相手も魔本使いで飛び道具持ちならほとんど意味がないような……。
でもオレとしてもレベルを早々に上げていきたいと思っていたので、断るような提案でもない。いや、断れないんだろうけどさ。
「えっと……まあ、よろしく」
「ああ、【ラードック】の騎士として立派に育て上げてやろう」
早速修練場へ行くぞと言われ首根っこを掴まれて強制移動させられた。そこからはまあ、一言でいえば地獄に近いシゴキが始まった。
「む? 気になるのか?」
「そりゃそうだろ? 一応この国に仕えることになったんだし、何かモルニエさんが大々的に“神の御使い”の存在を発表するらしいし……逃げられそうにないし……」
だからせめて敵の姿だけは把握しておきたい。情報は無いよりあった方が勝率が上がるから。
「モルニエ様だ、ったく……。今すぐにどうこうということはないだろうが、そうだな…………国というよりも、魔本に目をつけた賊の集団が動く可能性としては高いな」
「賊? どんな奴ら?」
「簡単に言えば身分最下層にいる者たち……だな」
ああ、つまりは生活に苦しくなって、なら他の奴らから奪えばいいやって思った連中ってこったな。
「中には戦争で逃げ堕ちた者たちもいる。もちろん敗戦国の……だがな」
「ふぅん、戦いの素人だけじゃねえってのは厄介だな」
騎士訓練をしていたとなれば、下手に知恵も回るし指揮だって取れる奴もいるだろうから、敵としては面倒なタイプには違いない。
「この世界って貧富の差が結構激しいんだよな?」
「ああ、この国はモルニエ様のお蔭で豊かではあるが、一歩外に出ると生活力の無い者はすぐに落ちぶれてしまう。モルニエ様はこんな世界を変えるために世界の神に成り変わろうとしている。神が何もしないのなら、自らがというお考えなのだ」
「なるほどね~、外にはモンスターもいる。だから簡単に生活することができない。だから賊になって他の連中の金品を奪って生活するって感じか」
この国だって豊かに見えるかもしれないが、国の中にも貧富の差は絶対的に存在するだろう。納める税金だってあるはず。それを払えないとモルニエはどう対処しているのか……。
ただ飯を喰わせるわけにはいかないから追い出す? そうなればその者たちは確実に賊と化すか、モンスターに殺されるか……極めて死に近い立場に立たされるだろう。
だが国だって維持するためには税が必要になる。それを徴収することができないのなら、民たちを追い出すことも仕方ないと選択するのかもしれない。そういう決断を鈍らすタイプとも思えない。
酷く言えば役立たずは国にはいらないということ。まだモルニエの人となりを把握したわけではないが、彼女は下手に同情などしないタイプのような気がする。
マイナスしか持ちえない者をあっさり切り捨てる冷酷な部分を持ち合わせていると思う。ただこうして国が豊かになっているということは、国主としては優秀なのだろう。
「国って……何なんだろうな」
「何だ急に? 国は王あってのものだろう?」
本当にそうだろうか? 確かに国が栄え続けていくには頭が必要かもしれない。だが頭だけが優秀でも国は豊かにならない気がする。クーアイの発言も間違ってはいないと思うが、それが全てだとは到底思えない。
まあ、オレみたいな余所者がいくら考えたところで無意味な気もするし、オレはオレで自分の野望のためにやるべきことをやるだけだ。
クーアイとニナの城内案内が終わったところで、モルニエから呼び出しを受けたのでクーアイとともに彼女の執務室へと向かった。
「え? オレが騎士団に?」
モルニエから騎士団に入るように任命を受けた。
「そうよ」
相変わらず彫刻のような端正な顔立ちを見せつけながら、扇子の先を突きつけてくる。
「あなたにはクーアイの下についてもらうわ」
「は、はぁ……って違う! オレってまだすっげえ弱いんですけど? 剣だってまともに触れないし!」
「あら、誰だって初めてはあるものよ? それを修練で補っていくんじゃない。それともあなた、最初から何でもできる天与の才を持っていると思っているのかしら?」
「あ、いやそれは……」
「このことはクーアイも了承済みよ」
え? そうなの?
「お前みたいな危険人物を、他の者の下になどつけることはできん。私としては甚だ不本意ではあるが、モルニエ様きっての頼みごと、私が直々に鍛えてやろう」
うわ~獰猛なお目々。もしかしたら修練中に「あ、手が滑った」とか言って殺そうとしてくる可能性も考えられる。正直それは勘弁願いたい……。
「メニューにあったレベルだけれど、修練を積むと上がっていくのでしょ? ならばあなたが優先すべきことは、最低でも自分の身を守れるぐらいに強くなること。幸いあなたには“黒の魔本”があるのだから精進し易いんじゃないかしら?」
確かにこの世界にはない銃を扱えるようになれば戦闘のアドバンテージとしてはかなりのもの。ただいくら飛び道具があるとはいえ、相手も魔本使いで飛び道具持ちならほとんど意味がないような……。
でもオレとしてもレベルを早々に上げていきたいと思っていたので、断るような提案でもない。いや、断れないんだろうけどさ。
「えっと……まあ、よろしく」
「ああ、【ラードック】の騎士として立派に育て上げてやろう」
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