紡紘亭短編集

Phlogiston

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水泳の時間

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「恥ずかしい、けどっ・・・」

僕は小学校低学年の頃からおしっこ我慢の楽しさに取り憑かれてきた・・・。それゆえの手痛い失敗もある・・・。簡単に言えば、おしっこ我慢の天敵は冬と飲み物とプールだ。こればかりは・・・どうにもならない。そう、・・・どうにもならないんだよね・・・。

ある初夏の日の朝、僕はいつものように起床してすぐにおしっこをした。おしっこの量はいつも通りだし、朝食での水分も少なめ、体調も程々に良い。・・・準備は万端だ。これから再び家に戻るまで、学校ではトイレを一切使わない・・・。そう心に誓った。トイレについて何らかのトラウマがあるという訳ではない、ただ、・・・おしっこ我慢が楽しいからだ。

そういう事ばかりしていると、さぞかし成績が悪かろうと思われるかも知れない。・・・しかし僕の成績はかなり良好だった。教科書や問題集を渡されると、その日のうちにほぼ全て読めて分かってしまうし、簡単には忘れない。だから日頃の授業が退屈でしょうがなかった。

唯一の弱点は体育だったが、こればかりはどうしようもない。僕とて努力したら報われるのであれば少なからずの努力はする。しかし僕の場合はみんなが持っている何かが致命的に足りないのだろうと観念せざるを得なかった。・・・それくらい僕の体育の成績は低調を極めたのだが、その話は別の機会に。

「しかし、まあいい・・・」僕はそういう自分を受け入れていた。ある程度にはできる事があるので恥にも苦にもならない。勉強なら得意だし、その上おしっこ我慢も・・・。とはいえ体育の時間は毎度毎度来る度に憂鬱になるし、大の苦手である水泳に関しては恐怖ですらあった。この年のプール授業はこの日が初日で、夏とはいえまだ何となく肌寒い・・・。プール授業は3時間目、とりあえずそこまでの授業は何とかこなして、・・・いよいよプールの時間か・・・、気乗りしないなあ・・・、それに何となく・・・尿意があるし・・・、でも学校のトイレは使いたくないんだよね。

もちろんトイレには行かず、更衣室で手早く水着に着替えると、そのままプールに向かう。肌寒いのが災いしてか緊張してか、・・・さっき気になっていた尿意が少し強くなっているみたいに感じられた。授業が始まると、先生の短い話、準備運動に続いて軽くシャワーを浴びてから、さていよいよプールに入らないといけない・・・。

「冷たっ・・・!!」いつもの温水とは似ても似つかぬ冷水のシャワーに、僕の膀胱はキュッと反応した。「嘘・・・、まだこんな時間じゃないか、ふざけるな・・・」僕は自分の膀胱をピシャッと叱り付けた。僕の膀胱はしゅんとしおれながらもいじらしくも懸命に尿意を伝えてくる・・・、有り得ない、まだ3時間目だぞ・・・、思い出すとこの辺りから僕と僕の中の悪魔が、口論を始めたのだと思う・・・。

やはりシーズン最初のプールは予想通り、またはそれ以上に冷たかった。身体にまとわりついて体温をどんどん剥ぎ取っていく様子はまるで魔物だ。僕はほとんど泳げないし、泳ぎながら体温を回復させる事もできない。周囲に気を遣い、浮いて見えない程度にはプールに入らないといけない。

プールに入り、凍えるようになっては上がり、しかしプールから上がっても天気は真夏ではないから更に凍えるような気分になる・・・。それを何回もこなさないといけない。そうこうしているうちに、僕の膀胱は早くも悲鳴を上げ始めた。そう、ものすごくおしっこをしたくなってきたのだ・・・。

プールの時間はプールに隣接して設けられたトイレを自由に使えるので、大抵の生徒は一度、二度といった具合にトイレを利用する。しかし僕は意地でも使いたくなかった。とにかく学校のトイレは使いたくないという強い意志があったのだ。そうこうしている間にプールの時間は終了し、僕は何とかトイレを使わずにやり過ごすことができた。・・・しかし既に僕の膀胱は全身に電流を走らせるかのようにビリビリと悲鳴をあげて盛大に苦しんでいた。

僕もこういう時には特別にトイレに行くくらいの配慮をするべきだったのに、意地の方がまさってしまった。ぐんっと膀胱の出口の辺りの筋肉に気合を入れて、トイレに行かせてと泣きわめく大いに膨らんだ膀胱を無視すると、再び更衣室に戻り、手早く身体に残った水分をタオルで拭き取ると、元の衣類を身に着けた。盛大な尿意を尻目に衣類をまとう時の絶望感はかなりのもので、・・・それはトラウマとして現在でも残っている。気が付くと休み時間は残り数分、トイレに行くか行くまいか、最後の最後で迷ったが、・・・心を鬼にしてトイレの前を通過した。

次の時間の始まる合図があった時、僕の膀胱はもはや限界に近かった。しかしそういう状態で始業を迎えるのはむしろ慣れていたし、どちらかというとそれが快感だった。だから僕は4時間目も難なくやり切れると思い込んでいた・・・。

しかしプールの威力は凄まじかった。プールの水は僕の体温を予想以上に奪っていたのだろう・・・。膀胱はもうぱんぱんだというのに、次から次におしっこが運ばれてくる・・・。膀胱はありったけの悲鳴を上げていよいよ苦しみ出した。僕は顔を赤らめ、はあはあと息を荒くした。しかし周囲から奇妙に見られる程には大げさにはしなかった。・・・しなかったつもりでいた。

授業がなかなか終わらない。いつもなら五分十分があっという間に過ぎるというのに、この時間に限っては時計が凍りついたように動かないのだ・・・。ああっ、もう限界だ、膀胱が壊れてしまう・・・、でもトイレには行きたくない・・・。どうにか尿意を堪えて昼休みにトイレに行くしかない。・・・いや、昼休みもトイレに行きたくない。どうにかして家に帰るまでこの爆弾級の尿意を何とかできないものか・・・。しかしそうだとするとおしっこができるのは午後三時あたり、・・・まだ三時間以上もある!!流石にそれは無理だ、無理だよおおおお!!!

尿意はどんどん強くなる、あまりの激しい尿意に僕は身体の震えるような感覚に陥った。下腹部からのものすごい尿意は全身を駆け巡り、・・・もはや普段の尿意などではなかった。しかし、手を挙げてトイレに行くことをためらってしまった。ああっ、ものすごくおしっこしたい、おしっこが今にも全部噴き出してしまいそうだ!!んあああっ、むあああああっ!!

その時、僕の膀胱はついに限界の限界を突破した・・・。普段、おしがま生活て鍛えに鍛えた僕の尿道括約筋は、ぎゅるんっ!という猛烈な圧力に屈してしまったのだ。もうこうなるとおしっこは次々に出口を求めて殺到する。・・・手に負えるようなものではなかった。僕の椅子からは黄色いジュースがしとしとと、しかし一人の生徒のおしっことしては考えられないほど大量に流れ出したのである・・・。

周囲は驚き、または嘲りの目でいっぱいになった。僕は顔から火が出るように恥ずかしく、これからどうしたらいいのか不安になった。・・・幸い体育着はあったので着替えには困らなかったが、・・・違う、そういう事ではないのだ。

数日後、再びプールの時間がやって来た。一抹のいやな予感、それは的中してしまった。

「我慢強い男の子は、プールの時間もおしっこ我慢できるんだよね?その後もね!?」・・・クラスの男子は僕に冷たい要求をしたのだ。僕はプールの時間はもちろん、プールが終わってからもトイレに行く事を許されなくなってしまった。もはや、秋が来てプールの時間が終わるまでどうしようもなかった。・・・クラスが変わってもそれを知っている者が必ずいて、その「慣例」が継続してしまったのだ・・・。

僕の膀胱は、それまではごく自由に、楽しくおしがまを楽しんでいた。しかし、それからは冷たく静かに、暗く暗く苦しむ日々に突き落とされてしまった・・・。とは言え、それを再びの快楽に変換してしまうまでに長い時間は必要とはしなかったし、その後に精通があってもなお、おしがまの快楽を貪り続けて今に至ってしまうのだが・・・・・・。
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