6 / 48
――クラゴの誘拐事件編――
箒
しおりを挟む
白に近い茶色のクスノロルド樹木で出来た扉を開くと沢山の箒が壁に掛かっていたり、宙に浮いた状態で止まっている。
少し古びてはいるがミアはこの店の雰囲気がとても好きだった。
箒に関しての知識は浅く、乗り心地が良ければいいと思っている為頻繁に出入りはしない。時々、顔を出しては話をするくらいだ。
扉の音に気が付いたのか此方に顔を出す人物が見えれば、笑顔で話し掛けてくれる。
「いらっしゃい……おや、君が来てくれるなんて嬉しいのう」
「お久しぶりです、エドガーさん」
「おやおや、ボーイフレンドかい」
「違います!」
眼鏡を掛けた白髪を結んだ老人はエドガーと言う名であり、箒職人である。
ミアは箒については特別詳しい訳では無かったが、貰うなら良い物が良い筈だと考え最初は大手会社の販売する箒にしようかと考えていた。しかし、ミアが思う良い箒はエドガーの作る箒だった。
強度性もそうだが、乗った時の安定感やスピードを出してもその安定感は抜群で、乗る人に合わせた形と素材を選んでくれる。自分の為だけの箒のように作ってくれるエドガーの箒はとても愛着が湧き、いつも助けられたのだ、彼の作る箒に。
「今日はこの人の箒を買いに来たんです。ギル、紹介するわね……って、話聞いてる?」
「……ああ、ごめん、つい……。俺、箒見ると止まらなくなっちゃうんだよねえ。どうも、ギルです。ミアちゃんの弟子になりました」
緩い笑みなのにそれでも美しいのだから相変わらず腹が立つ、と思いながらギルは箒が好きなのではと察した。
店内でずっと飾ってある箒を凝視してはブツブツ何かを呟いていた上に、どこのメーカーだとか素材の名前が聞こえていたので相当詳しい筈だ。
「ギル、私箒はあんまり詳しくないの。ギルの好きなように作ってもらったらどうかしら?」
「メーカーの箒にしてあげたら良いんじゃよ」
「何言ってるんですか!私、箒には詳しくないけどエドガーさんの箒とっても!素敵なのよ!」
エドガーもギルもミアの大きな声に驚き、ミアは興奮して話してしまった事を後悔するのと同時に、恥ずかしさが襲ってくる。耐えるかのように下を向いてしまったが、隣に立つギルも目の前に立つエドガーも耳まで真っ赤になっているのが見えクスクスと笑ってしまう。
「……もう、2人とも笑わないでよ」
「ホッホッ、すまんすまん、可愛くてのう。ミアちゃんにそう言われたら作るしかなかろう。ギルくんや、ちょっとこっちに来なさい」
手招きしてギルを奥の部屋に呼ぶとエドガーに着いて行く。
「エドガーさーん!ギルー!私、ちょっと他の店覗いてるから終わったら、通信玉ここ置いておくから連絡してね!」
「分かったー!」
「気を付けるんじゃよ」
ミアの言葉に2人で返事をすれば、ギルは案内された部屋を見渡す。
箒の材料である木材や竜の爪、羽やほうき草等様々な物が棚に置いてあるのが見えた。
「ここが、作業部屋ですか?」
「ああ、そうじゃよ。ギルくんに合う箒を作る為に聞いておきたいんじゃが、ギルくんは箒に乗るのは得意かね?」
「ええ、得意ですよ。一応、スピードもかなり」
「ほう、ならば速さを最大限に生かせて、尚且つ安定性のある物を作らなければの」
「是非、お願いします。俺、箒乗るの昔から大好きなんですよ。……風と一体感になってるのが気持ち良くて」
ギルの言葉にエドガーは優しく微笑んだ。心の底から箒が好きだと、ギルの表情を見ているだけで伝わってくる。そんな姿にエドガーは学生時代を思い出す。
「……わしも箒が好きでのう。ギルくんみたいに箒のスピードは誰にも負けんかった。学校で1番じゃ。」
「へえ、エドガーさん凄いんですね。俺も学校で1番だったんですよ。どっちが速いか勝負、したかったです」
「ホッホッ、わしには勝てんよ」
笑いながらエドガーは木材を物色しては、どれが1番素材として良いだろうか考えながら話す。
「でも、わしはもう箒には乗れんからの」
「理由を聞いても?」
「ああ、構わんよ。と、言っても見てもらえれば早い。この足を」
ギルはズボンの裾を上げる姿を見ては視線を下に向けると、目を開く。右足が完全に木のような泥に似た色に変色しってしまっていれば、根を張ったような凹凸感にギルは、腐ってしまっているのだと感じた。
腐るとしても病気の類でない事も分かる。きっと、呪いの呪文を掛けられたのだ。
呪いの呪文と言っても様々種類はあるが、エドガーが掛けられた呪いのは樹木にされてしまう呪いだろう。どう言う経緯かは分からないが、足だけで済んだと言うところではないかと考える。
あまり見つめていては失礼だろうとギルは顔を上げると、優しく微笑むエドガーと目が合う。
「昔、ミアちゃんに助けてもらったんじゃよ。……死の使いと少し揉めてしもうての、呪いの魔法を掛けられそうになってた所をミアちゃんが助けに入ってくれたんじゃ。おかげで右足だけで済んだ」
右足を優しく撫でるように擦るエドガーの表情は優しかった。
だが、ギルは疑問に思う事があった。樹木になってしまうと体の機能を失い、血液も無ければ動かす事が出来ないだけではなく、痛覚も無くなってしまう。それは、足だけだったとしてもその呪いを掛けられてしまえば右足を使って歩く事は不可能。
ギルは素直に問い掛けた。
「失礼ですが、普通に歩けているように俺は見えたんですけど……!」
「ああ、それはミアちゃんのおかげじゃよ。最初自分のせいでって泣いてしもうてな、何としてでも歩けるようにって薬を作ってくれたんじゃよ。今でもその薬を定期的に送ってくれるんじゃ……ええ子だよ、あの子は本当に」
ギルはエドガーの話にやはり、ミアは優しい女性だと改めて感じる。学生の頃もそうだった事を思い出しては、自然と優しい表情になる。当然、本人は気付いていない。
エドガーにホッホッ、と笑われるとギルは不思議そうに見つめ返した。
「お弟子さんなんじゃろ?あの子の事を頼んだよ。……きっと、あの子は無理をしてしまう」
「ええ、勿論。……俺は、ずっとミアを見てましたから。必ず、守りますよ」
「ホッホッ、青春じゃのぉ~」
愉快に笑うエドガーにギルは少し複雑ではあったが、今は、今だけはこの状況を楽しんでおきたい。この気持ちは自分だけの物なのだから。
「さて、と。材料なんだが、どんなスピードや圧にも耐えれるようにカアシの木、ムルゴの樹脂、竜の鱗と爪。そして、ほうき草にペガサスの尻尾を混ぜれば……」
材料を全て浮かせばエドガーは目を瞑り、ステッキの様な杖で箒を作っていく。
人によって杖は違い、ミアは普通の小さな杖だがそれぞれ杖との相性がある。ギルの杖はミアの杖よりも太く、先端の尖った長めの杖だ。
「箒を乗る者に、魔法の加護あらんことを……」
エドガーは箒を作る際、必ず心を込める。箒に乗る者の安全を願い、そして風を気持ち良く感じれるように。
光に包まれる材料を見つめていればすぐに姿を表した。カアシの木の黒さから柄部分は黒く、竜の竜鱗が赤いおかげか所々赤みが混じっている。竜の爪は金に輝く装飾にもなっており、穂の部分はユニコーンのプラチナブロンドの色とほうき草の焦げたような色が混じっているが、穂先に向かう程プラチナブロンドの色が強くなっている。
ユニコーンは人間界ではポップでメルヘンなカラーでイメージされている。紫やピンクなどが不安定に絡み合うような可愛い、色合い。しかし、実際魔法界では人と同じように様々な色の毛並みだ。
ギルは箒を見ながら自分の髪の毛の色に合わせてくれたのだろうと、小さく微笑みながらエドガーに視線を向ける。
「この色のユニコーンは珍しいのでは?」
「ホッホッ、折角ミアちゃんがわしの作る箒を良い物と言ってくれたからな。とびきりサービスしなければならんよ」
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいますね」
ギルはエドガーに目を細めて微笑んでは頭を下げた。
とても、大切な箒になった。大手の会社が作ったどんなに凄い箒よりも特別な物だ。
ギルは通信玉を手に取るとミアに通信した。
少し古びてはいるがミアはこの店の雰囲気がとても好きだった。
箒に関しての知識は浅く、乗り心地が良ければいいと思っている為頻繁に出入りはしない。時々、顔を出しては話をするくらいだ。
扉の音に気が付いたのか此方に顔を出す人物が見えれば、笑顔で話し掛けてくれる。
「いらっしゃい……おや、君が来てくれるなんて嬉しいのう」
「お久しぶりです、エドガーさん」
「おやおや、ボーイフレンドかい」
「違います!」
眼鏡を掛けた白髪を結んだ老人はエドガーと言う名であり、箒職人である。
ミアは箒については特別詳しい訳では無かったが、貰うなら良い物が良い筈だと考え最初は大手会社の販売する箒にしようかと考えていた。しかし、ミアが思う良い箒はエドガーの作る箒だった。
強度性もそうだが、乗った時の安定感やスピードを出してもその安定感は抜群で、乗る人に合わせた形と素材を選んでくれる。自分の為だけの箒のように作ってくれるエドガーの箒はとても愛着が湧き、いつも助けられたのだ、彼の作る箒に。
「今日はこの人の箒を買いに来たんです。ギル、紹介するわね……って、話聞いてる?」
「……ああ、ごめん、つい……。俺、箒見ると止まらなくなっちゃうんだよねえ。どうも、ギルです。ミアちゃんの弟子になりました」
緩い笑みなのにそれでも美しいのだから相変わらず腹が立つ、と思いながらギルは箒が好きなのではと察した。
店内でずっと飾ってある箒を凝視してはブツブツ何かを呟いていた上に、どこのメーカーだとか素材の名前が聞こえていたので相当詳しい筈だ。
「ギル、私箒はあんまり詳しくないの。ギルの好きなように作ってもらったらどうかしら?」
「メーカーの箒にしてあげたら良いんじゃよ」
「何言ってるんですか!私、箒には詳しくないけどエドガーさんの箒とっても!素敵なのよ!」
エドガーもギルもミアの大きな声に驚き、ミアは興奮して話してしまった事を後悔するのと同時に、恥ずかしさが襲ってくる。耐えるかのように下を向いてしまったが、隣に立つギルも目の前に立つエドガーも耳まで真っ赤になっているのが見えクスクスと笑ってしまう。
「……もう、2人とも笑わないでよ」
「ホッホッ、すまんすまん、可愛くてのう。ミアちゃんにそう言われたら作るしかなかろう。ギルくんや、ちょっとこっちに来なさい」
手招きしてギルを奥の部屋に呼ぶとエドガーに着いて行く。
「エドガーさーん!ギルー!私、ちょっと他の店覗いてるから終わったら、通信玉ここ置いておくから連絡してね!」
「分かったー!」
「気を付けるんじゃよ」
ミアの言葉に2人で返事をすれば、ギルは案内された部屋を見渡す。
箒の材料である木材や竜の爪、羽やほうき草等様々な物が棚に置いてあるのが見えた。
「ここが、作業部屋ですか?」
「ああ、そうじゃよ。ギルくんに合う箒を作る為に聞いておきたいんじゃが、ギルくんは箒に乗るのは得意かね?」
「ええ、得意ですよ。一応、スピードもかなり」
「ほう、ならば速さを最大限に生かせて、尚且つ安定性のある物を作らなければの」
「是非、お願いします。俺、箒乗るの昔から大好きなんですよ。……風と一体感になってるのが気持ち良くて」
ギルの言葉にエドガーは優しく微笑んだ。心の底から箒が好きだと、ギルの表情を見ているだけで伝わってくる。そんな姿にエドガーは学生時代を思い出す。
「……わしも箒が好きでのう。ギルくんみたいに箒のスピードは誰にも負けんかった。学校で1番じゃ。」
「へえ、エドガーさん凄いんですね。俺も学校で1番だったんですよ。どっちが速いか勝負、したかったです」
「ホッホッ、わしには勝てんよ」
笑いながらエドガーは木材を物色しては、どれが1番素材として良いだろうか考えながら話す。
「でも、わしはもう箒には乗れんからの」
「理由を聞いても?」
「ああ、構わんよ。と、言っても見てもらえれば早い。この足を」
ギルはズボンの裾を上げる姿を見ては視線を下に向けると、目を開く。右足が完全に木のような泥に似た色に変色しってしまっていれば、根を張ったような凹凸感にギルは、腐ってしまっているのだと感じた。
腐るとしても病気の類でない事も分かる。きっと、呪いの呪文を掛けられたのだ。
呪いの呪文と言っても様々種類はあるが、エドガーが掛けられた呪いのは樹木にされてしまう呪いだろう。どう言う経緯かは分からないが、足だけで済んだと言うところではないかと考える。
あまり見つめていては失礼だろうとギルは顔を上げると、優しく微笑むエドガーと目が合う。
「昔、ミアちゃんに助けてもらったんじゃよ。……死の使いと少し揉めてしもうての、呪いの魔法を掛けられそうになってた所をミアちゃんが助けに入ってくれたんじゃ。おかげで右足だけで済んだ」
右足を優しく撫でるように擦るエドガーの表情は優しかった。
だが、ギルは疑問に思う事があった。樹木になってしまうと体の機能を失い、血液も無ければ動かす事が出来ないだけではなく、痛覚も無くなってしまう。それは、足だけだったとしてもその呪いを掛けられてしまえば右足を使って歩く事は不可能。
ギルは素直に問い掛けた。
「失礼ですが、普通に歩けているように俺は見えたんですけど……!」
「ああ、それはミアちゃんのおかげじゃよ。最初自分のせいでって泣いてしもうてな、何としてでも歩けるようにって薬を作ってくれたんじゃよ。今でもその薬を定期的に送ってくれるんじゃ……ええ子だよ、あの子は本当に」
ギルはエドガーの話にやはり、ミアは優しい女性だと改めて感じる。学生の頃もそうだった事を思い出しては、自然と優しい表情になる。当然、本人は気付いていない。
エドガーにホッホッ、と笑われるとギルは不思議そうに見つめ返した。
「お弟子さんなんじゃろ?あの子の事を頼んだよ。……きっと、あの子は無理をしてしまう」
「ええ、勿論。……俺は、ずっとミアを見てましたから。必ず、守りますよ」
「ホッホッ、青春じゃのぉ~」
愉快に笑うエドガーにギルは少し複雑ではあったが、今は、今だけはこの状況を楽しんでおきたい。この気持ちは自分だけの物なのだから。
「さて、と。材料なんだが、どんなスピードや圧にも耐えれるようにカアシの木、ムルゴの樹脂、竜の鱗と爪。そして、ほうき草にペガサスの尻尾を混ぜれば……」
材料を全て浮かせばエドガーは目を瞑り、ステッキの様な杖で箒を作っていく。
人によって杖は違い、ミアは普通の小さな杖だがそれぞれ杖との相性がある。ギルの杖はミアの杖よりも太く、先端の尖った長めの杖だ。
「箒を乗る者に、魔法の加護あらんことを……」
エドガーは箒を作る際、必ず心を込める。箒に乗る者の安全を願い、そして風を気持ち良く感じれるように。
光に包まれる材料を見つめていればすぐに姿を表した。カアシの木の黒さから柄部分は黒く、竜の竜鱗が赤いおかげか所々赤みが混じっている。竜の爪は金に輝く装飾にもなっており、穂の部分はユニコーンのプラチナブロンドの色とほうき草の焦げたような色が混じっているが、穂先に向かう程プラチナブロンドの色が強くなっている。
ユニコーンは人間界ではポップでメルヘンなカラーでイメージされている。紫やピンクなどが不安定に絡み合うような可愛い、色合い。しかし、実際魔法界では人と同じように様々な色の毛並みだ。
ギルは箒を見ながら自分の髪の毛の色に合わせてくれたのだろうと、小さく微笑みながらエドガーに視線を向ける。
「この色のユニコーンは珍しいのでは?」
「ホッホッ、折角ミアちゃんがわしの作る箒を良い物と言ってくれたからな。とびきりサービスしなければならんよ」
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいますね」
ギルはエドガーに目を細めて微笑んでは頭を下げた。
とても、大切な箒になった。大手の会社が作ったどんなに凄い箒よりも特別な物だ。
ギルは通信玉を手に取るとミアに通信した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った
五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」
8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
年増令嬢と記憶喪失
くきの助
恋愛
「お前みたいな年増に迫られても気持ち悪いだけなんだよ!」
そう言って思い切りローズを突き飛ばしてきたのは今日夫となったばかりのエリックである。
ちなみにベッドに座っていただけで迫ってはいない。
「吐き気がする!」と言いながら自室の扉を音を立てて開けて出ていった。
年増か……仕方がない……。
なぜなら彼は5才も年下。加えて付き合いの長い年下の恋人がいるのだから。
次の日事故で頭を強く打ち記憶が混濁したのを記憶喪失と間違われた。
なんとか誤解と言おうとするも、今までとは違う彼の態度になかなか言い出せず……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる