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――クラゴの誘拐事件編――
臭いの先に
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箒屋を出たミアは、メインの通りから小道に曲がった先にある書店へと入る。
ここは過去の新聞や事件を纏めた本、そして闇の魔法についても取り扱っている書店だ。勿論、闇の魔法に関しては許可が絶他に必要であるが。
かなり広く、天井に届く高さの本棚には隙間が無い程詰め込んでありジャンル分けが綺麗にされている。1階は新聞や小説に教育関係の本、2階は事件に関する本とゴシップ本。地下は闇の魔法に関する本があり、各フロア読めるようにテーブルと椅子が並べてある。ミアは目的の物がある2階へと向かった。
ミアは今回の事件に類似した事件が無いか探しに来たのだ。誘拐や行方不明に関する本を10冊程杖でテーブルに重ねていくと、椅子に座り手に取り目を通し始めた。
「おい、聞いたかよ。クラゴで子供の誘拐だってよ」
「死の使いか?」
「さあ、どうだろうな。最近魔術師の動きも活発になってやがるからなあ」
「ほんと、怖ぇなあ……」
背後で2人組の男が話す内容が耳に入る。
確かにここの所死の使いよりも魔術師が関係する話ばかり耳にする上に、実際ミアが最近関わった事件も魔術師が原因だったりする。
魔法使いと魔術師の違いは複雑なようで簡単。魔法は原理の分からない不思議で奇跡の力であり、魔力が必ず必要。故にノーマジが魔法使いになる事は無い。あるとしたら、元々魔力は持っていたものの覚醒しておらず後から発覚する事くらいだ。
魔術は手順を踏んで発動させる。原理が分かっているからこそ出来、魔力が無くても可能ではあるが魔力があれば力は強いものになる。
手順次第では魔力を持った者より強くなってしまう為、魔法よりは簡単に出来てしまう。
元々、魔法使いと魔術師の仲は良いとは言えなかった。大昔に魔法使いと魔術師はノーマジを巻き込んだ戦争を引き起こしてしまったのだから。
未だに確執はあるがやはり時間と言うものは大事で、ある程度の魔法使いと魔術師は仲良く出来ていたりする。
それでもやはり確執は無くならないから困る。
人間と本質は何も変わらないのだろう、力があるか無いかだけの違いだけ。
意外にも死の使いは実は魔法使いだけの組織ではなく、魔術師も所属している。そこを考えるとある意味仲は良いのだろう。内部事情等ミアには分からない話だが。
闇の魔法使いと闇の魔術師で構成された組織は、ノーマジを含めて恐怖に陥れているのだ。
ミアがここまで死の使いに執着するには明確な理由が存在している。両親を殺害されているから、と言えば誰にでも伝わるだろう。
両親だけではなく、親戚は全て殺されてしまった。
初めはミア含め誰もが魔法使いか魔術師の仕業だろうと考えていたが、その考えは部屋にあった花で覆った。
ミアが13歳の頃はまだ、世間に死の使いの存在は知れておらず、事件を起こす人物の殆どが闇の魔法使いか魔術師だった。
そして、両親が殺害されてからと言うもののミアの耳に入ってくるものは親戚が死んだ、と言う話ばかり。現場には花が置かれている事しか分からず、勿論犯人は不明。
それから3年が経った冬、漸く死の使いが世間に認知されミアは1つの手掛かりと共に、死の使いが両親を含めた親戚全てを殺した者が分かったのだ。
死の使いは必ず、現場に花を置くと言う事が判明し、ミアはすぐに理解した。奴等が殺したのだと。
そこからの行動はとても早いもので、死の使いや闇の魔法に関するもの、魔術師等様々な事を学び調べあげた。
殺した理由もそうだが直接、手を下した人物を突き止めたかった。復讐心だと言う事は否定はしないし、出来ないくらいに悲しみと憎しみに支配されていたミアは必死だった。
「……特に類似するものは無かったわね」
残念そうに小さく呟いたミアは立ち上がり、店を出て行こうと歩き出すと、背後には宙に揺れながら元の場所へ戻っていく本の姿があった。
――――
――――――
ミアは本屋を出た後、道具屋等様々な店を少し覗いては歩き回った。そろそろ連絡が来る頃だろうと、ゆっくり戻る事にし箒屋のある方向へ足を進めた。
―――この、臭い……。
ミアは思わず足を止めてしまい、その場に立ち尽くした。鼻の奥が痛くなり、胃の底から何かが込み上げてくるような匂いはミアの眉を動かし、足を止める理由にピッタリだった。
最初にモイラ・アトルに来た時に鼻をかすめた匂いは、香水だとミアは思っていたが薄く、ほんの僅かに臭いが付いて来ている事を感じ取っていた。
しかし、今その臭いがとても近くに感じ違和感を覚えた。嫌な臭いは嫌な予感しかしないと思ったミアは、匂いを辿っていく。
「トゥラ・キーク」
ミアは杖を使わず小さく声に出せば匂いが雲のように現れると、臭いが強くなる程薄い雲が濃くなっていくのが分かる。ミアはその雲を辿って歩いて行く。
すれ違う人々にぶつからないよう注意して向かった先は、人通りのほぼ無いと言える路地裏だった。
「……っ!」
周りを見渡していれば突然、匂いの雲が霧のように広がりだすと同時に気持ち悪い、とだけでは言い表せれない臭いに思わず口を手で覆ってしまう。
「っ、酷い……臭いっ!」
背後に人の気配を感じ取ると勢い良く振り向き、手をかざし眩い光と共に壁が壊れいけば、崩れ落ちる石の音が響く。
ミアの攻撃魔法だが、崩れた壁には誰も居らず辺りを見回しながら状況を把握しようと口元を手で覆ったまま、走り出した。
正体が分からない者を相手していてもキリが無いのだ、一旦この場から離れる必要があった。それも人の居ない場所へ。
「っく!……コソコソ隠れてないで出て来たらどうなの!」
背後から飛んでくる風の弾を避けながらミアは、姿の見えない人物に大声で叫ぶ。
暫く、攻撃魔法を防御し避けながら走っているとモイラ・アルトから少し離れた所の森へと着いた様で、ミアはこの森は人が殆ど居ないと理解している。
今だと言わんばかりに振り向けば攻撃魔法を飛ばす。
「あー、もう!一体なんなのよ!姿くらい見せなさい!」
ミアは思わず心の声を叫んでしまいながらも、この状況をどうするか考えていればタイミングが良いのか悪いのか、ローブの胸ポケットに仕舞っていた通信玉《シグナルボール》が光だした。
手に取るとすぐにギルの声が聞こえてきた。
「あ、ミアちゃん終わったよ~。今、どこ?」
ギルが喋り終わった瞬間、激しい風に襲われる。
「っぐ、な、……にこの、風……っ!」
「ミアちゃん!?何があったんだ!」
ギルの焦った声色はミアの耳には届いておらず、激しい風に髪の毛が激しく揺れれば周りの木々も激しく揺れていた。まるで竜巻にでも襲われている感覚に、油断してしまえば一瞬で足が地面から浮くだろう。
ミアは両手を地面に向ければ土の壁を自分の周りに作れば、激しい風に襲われなくなった。だが、このままではただ防御しているだけだ、とミアはローブのポケットに入れていた黒い玉を取り出し外に放り投げる。
黒い玉の一部分に穴が空くとその場所に我先にと集まりだした風は、押し退ける様に黒い玉の中へと入っていく。勢い良く吸い込まれていくが勢いが良過ぎるのか、それとも速度が速いせいか凄まじい音が森の中に響き渡る。耳が痛くなる音にミアは両耳を手で強く抑え、音が聞こえないよう防ぎながら周囲の気配も確認していた。
まるで何事も無かったかの様に静かになれば、ミアは壁を解除してやる。崩れ落ちながら壊れていく土の壁に感謝しつつミアは辺りを見回してみれば、目の前に黒の大きく長いローブを羽織り、フードを深くまで被った人物が立っていた。
男なのか女なのかすらも分からない位ローブで体を覆われてしまっている。不気味な雰囲気を感じれば死の使いの魔法使いか、と身構える。
「…アンタ、何者?」
「それを考えるのがお前の仕事だろ?」
粘着物の様に貼り付いてくるしつこさを感じる喋り方に少し、頭にきた。攻撃魔法でも当てないと気が済まない気持ちになったミアは、目の前の人物を睨み付ける。
顔でも見てやろうと近付こうとした時だった、先程の風とは違う強い風に思わず目を瞑り、顔を腕で隠すと聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ミアちゃん!」
「ギル!」
「……残念、邪魔が入ったな。また会おう、魔女」
「あ、ちょっと!ま、っ!」
追い掛けようとするも眩い光と共に消え去ってしまった。
声は男だった人物が誰なのかは分からないが、確実に良い奴では無い事は確かだった。溜息を吐き出し、乱れた髪の毛を整えながら箒に乗ったギルを見つめた。
「よく此処が分かったわね。というか、くるの速かったわね」
「通信玉《シグナルボール》が壊れてなかったみたいだからね。辿って来たんだよ、この箒に乗って、ね?」
ギルの髪の毛と同じ穂をした箒に乗る姿を見ては、エドガーのセンスにミアは笑顔になった。とても、様になっている姿に小さく笑みを浮かべてはギルに礼を告げた。
心配してくれたのだろう、と目の前のギルを見ればミアですら分かるくらいだった。
「さ、エドガーさんにお金払わなきゃ。行くわよ」
「この箒の乗り心地最高だよ」
「そりゃあ、エドガーさんの作る箒だもの」
箒に乗ったまま着いてくるギルを横目に今回の事件に、あの男が関わっているのではないかと考えながらも魔法、と言うより魔術だった事にミアは気付いていた。
ここは過去の新聞や事件を纏めた本、そして闇の魔法についても取り扱っている書店だ。勿論、闇の魔法に関しては許可が絶他に必要であるが。
かなり広く、天井に届く高さの本棚には隙間が無い程詰め込んでありジャンル分けが綺麗にされている。1階は新聞や小説に教育関係の本、2階は事件に関する本とゴシップ本。地下は闇の魔法に関する本があり、各フロア読めるようにテーブルと椅子が並べてある。ミアは目的の物がある2階へと向かった。
ミアは今回の事件に類似した事件が無いか探しに来たのだ。誘拐や行方不明に関する本を10冊程杖でテーブルに重ねていくと、椅子に座り手に取り目を通し始めた。
「おい、聞いたかよ。クラゴで子供の誘拐だってよ」
「死の使いか?」
「さあ、どうだろうな。最近魔術師の動きも活発になってやがるからなあ」
「ほんと、怖ぇなあ……」
背後で2人組の男が話す内容が耳に入る。
確かにここの所死の使いよりも魔術師が関係する話ばかり耳にする上に、実際ミアが最近関わった事件も魔術師が原因だったりする。
魔法使いと魔術師の違いは複雑なようで簡単。魔法は原理の分からない不思議で奇跡の力であり、魔力が必ず必要。故にノーマジが魔法使いになる事は無い。あるとしたら、元々魔力は持っていたものの覚醒しておらず後から発覚する事くらいだ。
魔術は手順を踏んで発動させる。原理が分かっているからこそ出来、魔力が無くても可能ではあるが魔力があれば力は強いものになる。
手順次第では魔力を持った者より強くなってしまう為、魔法よりは簡単に出来てしまう。
元々、魔法使いと魔術師の仲は良いとは言えなかった。大昔に魔法使いと魔術師はノーマジを巻き込んだ戦争を引き起こしてしまったのだから。
未だに確執はあるがやはり時間と言うものは大事で、ある程度の魔法使いと魔術師は仲良く出来ていたりする。
それでもやはり確執は無くならないから困る。
人間と本質は何も変わらないのだろう、力があるか無いかだけの違いだけ。
意外にも死の使いは実は魔法使いだけの組織ではなく、魔術師も所属している。そこを考えるとある意味仲は良いのだろう。内部事情等ミアには分からない話だが。
闇の魔法使いと闇の魔術師で構成された組織は、ノーマジを含めて恐怖に陥れているのだ。
ミアがここまで死の使いに執着するには明確な理由が存在している。両親を殺害されているから、と言えば誰にでも伝わるだろう。
両親だけではなく、親戚は全て殺されてしまった。
初めはミア含め誰もが魔法使いか魔術師の仕業だろうと考えていたが、その考えは部屋にあった花で覆った。
ミアが13歳の頃はまだ、世間に死の使いの存在は知れておらず、事件を起こす人物の殆どが闇の魔法使いか魔術師だった。
そして、両親が殺害されてからと言うもののミアの耳に入ってくるものは親戚が死んだ、と言う話ばかり。現場には花が置かれている事しか分からず、勿論犯人は不明。
それから3年が経った冬、漸く死の使いが世間に認知されミアは1つの手掛かりと共に、死の使いが両親を含めた親戚全てを殺した者が分かったのだ。
死の使いは必ず、現場に花を置くと言う事が判明し、ミアはすぐに理解した。奴等が殺したのだと。
そこからの行動はとても早いもので、死の使いや闇の魔法に関するもの、魔術師等様々な事を学び調べあげた。
殺した理由もそうだが直接、手を下した人物を突き止めたかった。復讐心だと言う事は否定はしないし、出来ないくらいに悲しみと憎しみに支配されていたミアは必死だった。
「……特に類似するものは無かったわね」
残念そうに小さく呟いたミアは立ち上がり、店を出て行こうと歩き出すと、背後には宙に揺れながら元の場所へ戻っていく本の姿があった。
――――
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ミアは本屋を出た後、道具屋等様々な店を少し覗いては歩き回った。そろそろ連絡が来る頃だろうと、ゆっくり戻る事にし箒屋のある方向へ足を進めた。
―――この、臭い……。
ミアは思わず足を止めてしまい、その場に立ち尽くした。鼻の奥が痛くなり、胃の底から何かが込み上げてくるような匂いはミアの眉を動かし、足を止める理由にピッタリだった。
最初にモイラ・アトルに来た時に鼻をかすめた匂いは、香水だとミアは思っていたが薄く、ほんの僅かに臭いが付いて来ている事を感じ取っていた。
しかし、今その臭いがとても近くに感じ違和感を覚えた。嫌な臭いは嫌な予感しかしないと思ったミアは、匂いを辿っていく。
「トゥラ・キーク」
ミアは杖を使わず小さく声に出せば匂いが雲のように現れると、臭いが強くなる程薄い雲が濃くなっていくのが分かる。ミアはその雲を辿って歩いて行く。
すれ違う人々にぶつからないよう注意して向かった先は、人通りのほぼ無いと言える路地裏だった。
「……っ!」
周りを見渡していれば突然、匂いの雲が霧のように広がりだすと同時に気持ち悪い、とだけでは言い表せれない臭いに思わず口を手で覆ってしまう。
「っ、酷い……臭いっ!」
背後に人の気配を感じ取ると勢い良く振り向き、手をかざし眩い光と共に壁が壊れいけば、崩れ落ちる石の音が響く。
ミアの攻撃魔法だが、崩れた壁には誰も居らず辺りを見回しながら状況を把握しようと口元を手で覆ったまま、走り出した。
正体が分からない者を相手していてもキリが無いのだ、一旦この場から離れる必要があった。それも人の居ない場所へ。
「っく!……コソコソ隠れてないで出て来たらどうなの!」
背後から飛んでくる風の弾を避けながらミアは、姿の見えない人物に大声で叫ぶ。
暫く、攻撃魔法を防御し避けながら走っているとモイラ・アルトから少し離れた所の森へと着いた様で、ミアはこの森は人が殆ど居ないと理解している。
今だと言わんばかりに振り向けば攻撃魔法を飛ばす。
「あー、もう!一体なんなのよ!姿くらい見せなさい!」
ミアは思わず心の声を叫んでしまいながらも、この状況をどうするか考えていればタイミングが良いのか悪いのか、ローブの胸ポケットに仕舞っていた通信玉《シグナルボール》が光だした。
手に取るとすぐにギルの声が聞こえてきた。
「あ、ミアちゃん終わったよ~。今、どこ?」
ギルが喋り終わった瞬間、激しい風に襲われる。
「っぐ、な、……にこの、風……っ!」
「ミアちゃん!?何があったんだ!」
ギルの焦った声色はミアの耳には届いておらず、激しい風に髪の毛が激しく揺れれば周りの木々も激しく揺れていた。まるで竜巻にでも襲われている感覚に、油断してしまえば一瞬で足が地面から浮くだろう。
ミアは両手を地面に向ければ土の壁を自分の周りに作れば、激しい風に襲われなくなった。だが、このままではただ防御しているだけだ、とミアはローブのポケットに入れていた黒い玉を取り出し外に放り投げる。
黒い玉の一部分に穴が空くとその場所に我先にと集まりだした風は、押し退ける様に黒い玉の中へと入っていく。勢い良く吸い込まれていくが勢いが良過ぎるのか、それとも速度が速いせいか凄まじい音が森の中に響き渡る。耳が痛くなる音にミアは両耳を手で強く抑え、音が聞こえないよう防ぎながら周囲の気配も確認していた。
まるで何事も無かったかの様に静かになれば、ミアは壁を解除してやる。崩れ落ちながら壊れていく土の壁に感謝しつつミアは辺りを見回してみれば、目の前に黒の大きく長いローブを羽織り、フードを深くまで被った人物が立っていた。
男なのか女なのかすらも分からない位ローブで体を覆われてしまっている。不気味な雰囲気を感じれば死の使いの魔法使いか、と身構える。
「…アンタ、何者?」
「それを考えるのがお前の仕事だろ?」
粘着物の様に貼り付いてくるしつこさを感じる喋り方に少し、頭にきた。攻撃魔法でも当てないと気が済まない気持ちになったミアは、目の前の人物を睨み付ける。
顔でも見てやろうと近付こうとした時だった、先程の風とは違う強い風に思わず目を瞑り、顔を腕で隠すと聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ミアちゃん!」
「ギル!」
「……残念、邪魔が入ったな。また会おう、魔女」
「あ、ちょっと!ま、っ!」
追い掛けようとするも眩い光と共に消え去ってしまった。
声は男だった人物が誰なのかは分からないが、確実に良い奴では無い事は確かだった。溜息を吐き出し、乱れた髪の毛を整えながら箒に乗ったギルを見つめた。
「よく此処が分かったわね。というか、くるの速かったわね」
「通信玉《シグナルボール》が壊れてなかったみたいだからね。辿って来たんだよ、この箒に乗って、ね?」
ギルの髪の毛と同じ穂をした箒に乗る姿を見ては、エドガーのセンスにミアは笑顔になった。とても、様になっている姿に小さく笑みを浮かべてはギルに礼を告げた。
心配してくれたのだろう、と目の前のギルを見ればミアですら分かるくらいだった。
「さ、エドガーさんにお金払わなきゃ。行くわよ」
「この箒の乗り心地最高だよ」
「そりゃあ、エドガーさんの作る箒だもの」
箒に乗ったまま着いてくるギルを横目に今回の事件に、あの男が関わっているのではないかと考えながらも魔法、と言うより魔術だった事にミアは気付いていた。
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