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――クラゴの誘拐事件編――
空色を追い掛けて
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紺青と言うべきか藍色と言うべきか、正式な色名では言い表せれない夜空に空色が混ざる。
星に負けんばかりに輝き飛び立つ姿は、とても速く美しく、アパタイトバードが通った場所は少し、光っている。
「待って!ギル速くない!?」
「だから言ったじゃん~、俺役に立つよ~って」
アパタイトバードをミア達も物凄いスピードで追い掛けるものの、ギルはミアよりも速くまだスピードを出せそうな程余裕そうな表情に見えた。
今ならあの自信満々な笑みの理由が分かった気がして、少しばかり苦笑いを浮かべそうになる。
しかし、ミアも負けてられないとスピードを出せばしっかり柄を握りしめ、目の前のアパタイトバードを追う。
「じゃあ、そろそろ睡眠薬やっても良いんだよね?」
「ええ!勿論よ!私は右側からやるわ」
「なら、俺は左側ね」
左右に同時に分かれるとミアは一回転しつつ、右側を何とかキープさせるものの正直、気を抜くと置いて行かれそうな気がしていた。
箒に乗るのは不得意ではなく、寧ろその逆で運動神経の良いミアは上手だった。しかし、スピードとなるとまた訳が違う。安定感もそうだが、ミアの細身でスレンダーな体系では飛ばされそうになってしまい、思わず変な所に力が入ってしまう。
箒はそんなミアをカバーするかの如く頑張ってくれるおかげで、いつも無事で多少無理なスピードを出せている。
「……ごめんね、今日はいつも以上に無理しなきゃいけないみたい。頑張ってね」
ミアは箒に視線を落とし小さく呟き、そっと柄を撫でた。
長年乗ってきた箒だ、いつ寿命を迎えるかは魔法使い次第であり、ミアはかなり愛着が湧いている。無事に壊さず仕事を終わらせたいと思いながら、腰に付けた袋の中から睡眠薬を数粒、取り出した。
この距離で反応しない所を見ると、上手く匂いを隠せている様だ。
ぬいぐるみを銜えた嘴は少し隙間が空いており、そこに投げ込めば上手く効いてくれる筈だと考え、ぶつかる寸前まで距離を詰めた。
素直に投げてしまってはこのスピードだ、飛んでいってしまう為入れ込む形にしなければいけない。手を伸ばし何とか口の中に入れようとしたが、伸ばした前髪が視界を邪魔してしまい、髪を結ってくれば良かったと後悔する。
「ギルー!入れれるなら沢山入れて!」
「分かったよー」
こんな場面でも緩い口調に小さく息を吐き出してしまった。
気を取り直してもう1度挑戦しようとした時、ミアは手を止め目だけ横に動かした。
叩き付けられる様な向かい風の中、鼻を掠める臭いが強く感じれると同時に複数の気配を感じた。
早くもお出ましなのかと今度は深い溜息を吐いたが、邪魔をされてしまって困るとアパタイトバードに隠れたギルが居る方向に目を向けた。その時だった、アパタイトバードが大きな鳴き声をあげたのは。
「キィエエエエエエエェエエエッ!」
思わず耳を塞ぎたくなる甲高い鳴き声に、少し頭が痛くなった。
ミアはその鳴き声を聞いて少し驚く。この鳴き声をあげる時はアパタイトバードが怒った時に鳴く声で、何に怒ったのだろうかとミアは考える。
「弾け飛べ!!!」
「……っ!」
後ろの方から声が聞こえたミアは振り向く暇も無く、箒から飛ばされてしまうが、右手で掴み何とか落下を免れたものの、速く走る箒に体を大きく揺らされてしまう。
後ろを何とか確認すれば、6人程フードを被り空を飛んでいる人影が近付いてくるのが見えた。
魔術は基本、何かを代償に魔術を発動させる為特に力の無い者は妖精が必須であり、魔法陣を展開させる必要があった。故に、魔術師達と思われる人影に妖精の光も見える。
「ミアちゃん!今すぐそっちに……」
「来ないで!私は大丈夫だから!それより、ギルはアパタイトバードに集中して!私がアイツ等の相手をするわ!」
「でも……!」
「ギル、貴方私の役に立つんでしょ!?自分で言ったんだから、最後まで役に立ってみせなさいよ!自称弟子なんでしょ!もし失敗したら、クビだからね!」
ミアの言葉にギルはハッ、とした。そして、小さく笑う。
「え、まだ自称弟子なんだ……。ははっ、分かったよ。君の言う通りにする。クビになるのはごめんだからね。……でも、気を付けて。何かあったら必ず、俺を呼ぶんだよ、必ず」
「私を誰だと思ってんのよ、クイーンだったのよ?そっちは、任せたわよ!ギル!」
ミアはギルにそう伝えると、柄を此方に引き寄せ箒を中心に、上へと足から回りながら再び箒に乗れば、アパタイトバードから離れ人影に向かって箒を走らせた。
「折角、良い所だったのに邪魔しないでくれるかしら?」
「邪魔なのはお前だよ、ミア・リード」
「あら、私の名前知ってるのね。光栄だわ」
彼等の前で箒を止めると、すぐ様囲まれるも強気な表情で話し掛ける。
箒を使っていない所を見れば、魔術師で間違いない様だ。ミアはモイラ・アトルで出会った魔術師の臭いがしないと気付けば、恐らく彼の仲間だろうと察した。
「「「「「「弾け飛べ!!!」」」」」」
全員から魔術が飛んでくるとミアはリズミカルに回りながら避けていけば、1度降下して魔法を飛ばす。
「スターチ!」
杖を彼等に向けると呪文を叫び、杖先から光が飛んでいく。1人当たると、石像の様に石になって地上へ落下していった。
「悪いけどこの先は絶対に、行かせないわよ」
ミアは彼等を鋭い眼差しで見上げれば、口角を上げて不敵に笑った。
――――
―――――――
ミアにアパタイトバードを任されたギルは先程の余裕を見せずにいた。
怒りに身を任せたアパタイトバードは激しく動き回りながら、更にスピードを上げ飛んでいる。負けじとギルはスピードを上げると、箒の乗り心地に密かに感動を覚えていた。
まるで自分が鳥になったと勘違いしてしまう程、滑らかな動きと軽さに、抜群の安定感。ギルは笑みを浮かべると一気にアパタイトバードへと詰め寄り、睡眠薬を鳴き声を上げる為に開かれた嘴の中に放り込むも、量が少ないのか効き目は見えない。
「睡眠薬これ、全部入れた方が良い感じか……?って、さっきミアちゃんに沢山入れろって言ってたか」
ギルは舌の裏に隠されたぬいぐるみが見えると、落とさないようにしているのかと関心しつつ、此方に翼を当てようとする姿に慌てて距離を離す。
これでは時間が掛かってしまうとギルは後ろが気になりながら考える。いくら、ミアでも箒に乗ったまま魔術師6人相手はキツイだろうと、ギルは心配していた。
横目でアパタイトバードを見れば先程よりも更にスピードが上がってしまっている。このままでは追い付けなくなってしまう、と考えたギルは真っ直ぐ目の前を鋭く見つめるとスピードを一気に、限界まで上げると髪の毛が激しく揺れ、ミアに貰った黒いローブも音を立てて揺れていた。
「さあ、俺と勝負してくれよ!」
ギルの表情は挑発的で、とても勝気な表情であった。きっと女性が見れば一瞬で心を奪われてしまうような、美しくて男らしい表情である。
「キィエエエエエエェエエエエエッ!!!!」
異物が入って来たのが分かるのか先程よりも、大きな鳴き声に眉を寄せてしまえば、ギルはアパタイトバードよりも先頭に行こうと集中し始める。
ギルの匂いを辿ってくるかの様に、体当たりをしてこようとするアパタイトバードにギルは杖を取り出すと、透明な壁を作り出し防御した。
それを何度か繰り返しては、追い越して追い抜かれても同時に繰り返した。
綺麗なプラチナブロンドを輝かせ揺らしながら、透明な壁をアパタイトバードの目の前に出し、ぶつかった勢いで止まる。そうして隙を作ったギルは勢い良くアパタイトバードの前へと飛び出す。
「俺からのとっておきのプレゼント、受け取ってくれよ~」
鳴き声を上げようとした嘴の中に睡眠薬を全て、放り投げればぶつかる寸前でギルは横に逸れる。
「……ッ、エェ……ッキ……」
大量に飲み込んだせいか、すぐに効き目が出てきたのか体が不規則に揺れ瞼も落ちていく。
ギルは落下しないように魔法を掛けてやれば、気持ち良さそうに眠り始めるアパタイトバードを見つめて小さく笑った。
後ろを振り向けば彼女の元に駆け付けたい衝動に駆られたが、魔術師が現れたと言う事はアパタイトバードを回収されてしまうと考える。
折角、成功したのに連れ去られて最初からになってしまったら最悪な展開である。
ギルは何かあった時、呼んでくれるだろうと信じてその場に待機する事にした。
ミアの無事を祈って。
星に負けんばかりに輝き飛び立つ姿は、とても速く美しく、アパタイトバードが通った場所は少し、光っている。
「待って!ギル速くない!?」
「だから言ったじゃん~、俺役に立つよ~って」
アパタイトバードをミア達も物凄いスピードで追い掛けるものの、ギルはミアよりも速くまだスピードを出せそうな程余裕そうな表情に見えた。
今ならあの自信満々な笑みの理由が分かった気がして、少しばかり苦笑いを浮かべそうになる。
しかし、ミアも負けてられないとスピードを出せばしっかり柄を握りしめ、目の前のアパタイトバードを追う。
「じゃあ、そろそろ睡眠薬やっても良いんだよね?」
「ええ!勿論よ!私は右側からやるわ」
「なら、俺は左側ね」
左右に同時に分かれるとミアは一回転しつつ、右側を何とかキープさせるものの正直、気を抜くと置いて行かれそうな気がしていた。
箒に乗るのは不得意ではなく、寧ろその逆で運動神経の良いミアは上手だった。しかし、スピードとなるとまた訳が違う。安定感もそうだが、ミアの細身でスレンダーな体系では飛ばされそうになってしまい、思わず変な所に力が入ってしまう。
箒はそんなミアをカバーするかの如く頑張ってくれるおかげで、いつも無事で多少無理なスピードを出せている。
「……ごめんね、今日はいつも以上に無理しなきゃいけないみたい。頑張ってね」
ミアは箒に視線を落とし小さく呟き、そっと柄を撫でた。
長年乗ってきた箒だ、いつ寿命を迎えるかは魔法使い次第であり、ミアはかなり愛着が湧いている。無事に壊さず仕事を終わらせたいと思いながら、腰に付けた袋の中から睡眠薬を数粒、取り出した。
この距離で反応しない所を見ると、上手く匂いを隠せている様だ。
ぬいぐるみを銜えた嘴は少し隙間が空いており、そこに投げ込めば上手く効いてくれる筈だと考え、ぶつかる寸前まで距離を詰めた。
素直に投げてしまってはこのスピードだ、飛んでいってしまう為入れ込む形にしなければいけない。手を伸ばし何とか口の中に入れようとしたが、伸ばした前髪が視界を邪魔してしまい、髪を結ってくれば良かったと後悔する。
「ギルー!入れれるなら沢山入れて!」
「分かったよー」
こんな場面でも緩い口調に小さく息を吐き出してしまった。
気を取り直してもう1度挑戦しようとした時、ミアは手を止め目だけ横に動かした。
叩き付けられる様な向かい風の中、鼻を掠める臭いが強く感じれると同時に複数の気配を感じた。
早くもお出ましなのかと今度は深い溜息を吐いたが、邪魔をされてしまって困るとアパタイトバードに隠れたギルが居る方向に目を向けた。その時だった、アパタイトバードが大きな鳴き声をあげたのは。
「キィエエエエエエエェエエエッ!」
思わず耳を塞ぎたくなる甲高い鳴き声に、少し頭が痛くなった。
ミアはその鳴き声を聞いて少し驚く。この鳴き声をあげる時はアパタイトバードが怒った時に鳴く声で、何に怒ったのだろうかとミアは考える。
「弾け飛べ!!!」
「……っ!」
後ろの方から声が聞こえたミアは振り向く暇も無く、箒から飛ばされてしまうが、右手で掴み何とか落下を免れたものの、速く走る箒に体を大きく揺らされてしまう。
後ろを何とか確認すれば、6人程フードを被り空を飛んでいる人影が近付いてくるのが見えた。
魔術は基本、何かを代償に魔術を発動させる為特に力の無い者は妖精が必須であり、魔法陣を展開させる必要があった。故に、魔術師達と思われる人影に妖精の光も見える。
「ミアちゃん!今すぐそっちに……」
「来ないで!私は大丈夫だから!それより、ギルはアパタイトバードに集中して!私がアイツ等の相手をするわ!」
「でも……!」
「ギル、貴方私の役に立つんでしょ!?自分で言ったんだから、最後まで役に立ってみせなさいよ!自称弟子なんでしょ!もし失敗したら、クビだからね!」
ミアの言葉にギルはハッ、とした。そして、小さく笑う。
「え、まだ自称弟子なんだ……。ははっ、分かったよ。君の言う通りにする。クビになるのはごめんだからね。……でも、気を付けて。何かあったら必ず、俺を呼ぶんだよ、必ず」
「私を誰だと思ってんのよ、クイーンだったのよ?そっちは、任せたわよ!ギル!」
ミアはギルにそう伝えると、柄を此方に引き寄せ箒を中心に、上へと足から回りながら再び箒に乗れば、アパタイトバードから離れ人影に向かって箒を走らせた。
「折角、良い所だったのに邪魔しないでくれるかしら?」
「邪魔なのはお前だよ、ミア・リード」
「あら、私の名前知ってるのね。光栄だわ」
彼等の前で箒を止めると、すぐ様囲まれるも強気な表情で話し掛ける。
箒を使っていない所を見れば、魔術師で間違いない様だ。ミアはモイラ・アトルで出会った魔術師の臭いがしないと気付けば、恐らく彼の仲間だろうと察した。
「「「「「「弾け飛べ!!!」」」」」」
全員から魔術が飛んでくるとミアはリズミカルに回りながら避けていけば、1度降下して魔法を飛ばす。
「スターチ!」
杖を彼等に向けると呪文を叫び、杖先から光が飛んでいく。1人当たると、石像の様に石になって地上へ落下していった。
「悪いけどこの先は絶対に、行かせないわよ」
ミアは彼等を鋭い眼差しで見上げれば、口角を上げて不敵に笑った。
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ミアにアパタイトバードを任されたギルは先程の余裕を見せずにいた。
怒りに身を任せたアパタイトバードは激しく動き回りながら、更にスピードを上げ飛んでいる。負けじとギルはスピードを上げると、箒の乗り心地に密かに感動を覚えていた。
まるで自分が鳥になったと勘違いしてしまう程、滑らかな動きと軽さに、抜群の安定感。ギルは笑みを浮かべると一気にアパタイトバードへと詰め寄り、睡眠薬を鳴き声を上げる為に開かれた嘴の中に放り込むも、量が少ないのか効き目は見えない。
「睡眠薬これ、全部入れた方が良い感じか……?って、さっきミアちゃんに沢山入れろって言ってたか」
ギルは舌の裏に隠されたぬいぐるみが見えると、落とさないようにしているのかと関心しつつ、此方に翼を当てようとする姿に慌てて距離を離す。
これでは時間が掛かってしまうとギルは後ろが気になりながら考える。いくら、ミアでも箒に乗ったまま魔術師6人相手はキツイだろうと、ギルは心配していた。
横目でアパタイトバードを見れば先程よりも更にスピードが上がってしまっている。このままでは追い付けなくなってしまう、と考えたギルは真っ直ぐ目の前を鋭く見つめるとスピードを一気に、限界まで上げると髪の毛が激しく揺れ、ミアに貰った黒いローブも音を立てて揺れていた。
「さあ、俺と勝負してくれよ!」
ギルの表情は挑発的で、とても勝気な表情であった。きっと女性が見れば一瞬で心を奪われてしまうような、美しくて男らしい表情である。
「キィエエエエエエェエエエエエッ!!!!」
異物が入って来たのが分かるのか先程よりも、大きな鳴き声に眉を寄せてしまえば、ギルはアパタイトバードよりも先頭に行こうと集中し始める。
ギルの匂いを辿ってくるかの様に、体当たりをしてこようとするアパタイトバードにギルは杖を取り出すと、透明な壁を作り出し防御した。
それを何度か繰り返しては、追い越して追い抜かれても同時に繰り返した。
綺麗なプラチナブロンドを輝かせ揺らしながら、透明な壁をアパタイトバードの目の前に出し、ぶつかった勢いで止まる。そうして隙を作ったギルは勢い良くアパタイトバードの前へと飛び出す。
「俺からのとっておきのプレゼント、受け取ってくれよ~」
鳴き声を上げようとした嘴の中に睡眠薬を全て、放り投げればぶつかる寸前でギルは横に逸れる。
「……ッ、エェ……ッキ……」
大量に飲み込んだせいか、すぐに効き目が出てきたのか体が不規則に揺れ瞼も落ちていく。
ギルは落下しないように魔法を掛けてやれば、気持ち良さそうに眠り始めるアパタイトバードを見つめて小さく笑った。
後ろを振り向けば彼女の元に駆け付けたい衝動に駆られたが、魔術師が現れたと言う事はアパタイトバードを回収されてしまうと考える。
折角、成功したのに連れ去られて最初からになってしまったら最悪な展開である。
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