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―レッド・ブラットの兄妹編―
空へ立ち上がる魔女
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ミアは次々に飛んでくる魔術を軽々と避けるものの、数の多さにギル達の様子を伺うのが難しかった。
現在どうなってるか知りたいミアは少し眉を寄せた。
「ククッ、こんだけいりゃあ、キツいだろうなあ?」
「うっさいわね!”スターチ”!」
「……あの女、偽物だろう?」
面白そうに笑う30代くらいの魔術師はエミリアを見ながら口にする。
偽物は差別用語であった。ノーマジと魔法使いのハーフは、死の使いや、未だノーマジ差別をする者から偽物と呼ばれている。
エミリアは差別する者から偽物と呼ばれ、悲しそうにしていたのをミアは思い出す。
そして、ミアはその言葉が嫌いで思わず睨み付けてしまう。特に闇の魔法使いは偽物を嫌っている。
「……そんなに、純血が偉いかしら?そもそもアンタ達は魔術師でしょ?」
ミアは攻撃を塞ぎながら、アパタイトバードにマリアを乗せる姿に目を移した。抜け出せそうな様子に少し安心しつつ、目の前の魔術師を睨み付けた。
「……マリアッ!」
ビルの声に勢い良く振り向くと、あの魔術師が居た。右腕を自ら切り落とした、あの魔術師。
ミアは他の魔術師からの攻撃を避けながら杖を下に向けたまま振ると、箒が現れる。急いで乗ると勢い良く空へ箒を走らせた。
マリアを片腕で雑に抱えた魔術師の前まで箒を走らせれば、お互い見つめ合う。
「また会ったな。邪魔をしてもらったら困るんだよ、いい加減失せてくれないか」
「邪魔してるのはそっちでしょ。……その子は返してもらうわよ」
「やれるもんならやってみろ」
2人は睨み合うと攻撃を同時に繰り出した。
「マリアッ!」
「クソッ、援護したいけどこの人数じゃ出来ない……!」
「と、とにかく何とかしなきゃ!」
地上に居る3人は攻撃を防ぎながらミア達を見上げていた。援護しようにも周りの魔術師の数が多く、目の前の敵に攻撃して防御するしかなかった。
「ビルくん、大丈夫……! ミアなら絶対マリアちゃんを助けられるから!」
エミリアは杖を振りながらビルに声を掛ける、焦った表情でもあるが口元は笑っていた。ミアに対する全力の信頼をギルもビルも感じ取れた。
二人の仲は入学式の時からであり、喧嘩もしたりしたがミアに助けられた。
心眼術をコントロール出来ず、他人の心の声が勝手に流れ込んできていた。様々な声が聴こえるエミリアは人間不信だったのだ。仲良くしているかと思えば心の中では人を馬鹿にし、差別しながら表情は優しい笑顔。
何を信用して良いのか分からなかった時、ミアに出会った。
ミアの心の声はとても面白く、悪口や人を蔑む言葉は何も聞こえなかった。同時にとても可愛いと思った。
そんなミアに初めて心の底から仲良くなりたいと思えたのだ。
エミリアは学生時代を少し思い出してしまった。
――大丈夫、私はエミリアにいつでも心を聴かれても良いわ。
「……俺は、心配だよ」
ギルは伏せ目がちになるとエミリアはギルを横目で見る。心配している様子に、色々思うところがあるがエミリアは小さく笑った。
「……ミアも罪な女だねえ~」
「俺も、戦う! 俺だって少しは魔法使える!」
ビルはエミリアの可愛らしい杖とは対照的な、剣のような杖を握り締め構えた。
表情は真剣であり、ギルもエミリアも頷いた。
「あら、可愛い子猫ちゃん達ですわね。……いじめがいがありますわぁ」
優雅な素振りを見せる魔術師と、複数の魔術師が近付いて来ると3人は攻撃魔法を飛ばした。
「”ウーター”!」
ギルは杖先から溢れ出る荒々しい水を魔術師達へ向けると、津波の様に大きく壁を作り一気に流してしまおうと杖を大きく振った。
「エミリアちゃん、防御して!」
「あ、うん! ”ポーター”!」
エミリアはギルの声に慌てて防御魔法を唱えれば、弾き飛んでくる水を防ぐと、数人の魔術師は巻き込まれたのか全身濡れたまま気絶していた。
「私濡れるのは嫌ですのよ?」
フードから見える金髪の長い髪の毛はとても綺麗で、口調からお嬢様なのだろうと伺えた。
「レディには申し訳ない事しちゃったね~。……でも、俺達あまり君達には構ってられないんだ」
ギルは笑顔を浮かべながらも鬱陶しいのは事実だった。魔術師達に杖を向けると、バチバチと痺れるような音がしたかと思えば電光がうねるように広がりだす。
電光は魔術師達を一瞬にして貫いていくと、口から黒煙を吐き出しながら倒れていく。エミリアとビルは唖然とした表情で倒れていく姿を見ているしかなかった。
「……ごめんね~。水は雷に弱いからわざと濡らさせてもらったよ、お嬢様」
いつもの緩い笑みではなく、目を細め勝気な表情を浮かべると空を見上げた。
そんなギルにエミリアとビルは瞬きを数回して、顔を見合わせた。
「「……男前だ」」
「……っ、お姉ちゃんっ!」
「大丈夫よ! 助けるから!」
ミアに手を伸ばしながら、大きな瞳に涙を沢山溜め込んだマリアは高さと恐怖に体が震えていた。生まれて初めて危機に晒されたマリアは、いつも頼りになる兄を思い浮かべる。
「お前には何も守れやしない! 前も言っただろう?守るものがあるから、人は弱くなる。……全てを捨てろ! ミア・リード」
「……可哀想な人」
ミアは哀れみの目を向けた。
彼に守るべき大切なものが何も無いのだろう。過去も何も知らないが、とても可哀想に見えてしまう。
大切なものが無いからこそどんなものも犠牲に出来る強さがあるのは事実だが、守りたいものがあるからかそ人は想像出来ない強さを発揮出来る。
片腕だけでマリアを抱えた魔術師はミアの言葉に空気が変わった様に思えた。その空気を察したミアだが、唐突な強風にバランスを崩してしまう。
「……お前に何が! 分かる!!!」
まるで魔術師の感情が如く下から突き上げられた突風に、箒から吹き飛ばされてしまう。
「……ッ!」
箒を手に引き寄せようと手を伸ばし魔法を発動させようとしたが、目の前に現れた魔術師によってそれは出来なかった。
「……吹き飛べ」
「っ、ぐっ!」
魔術師の言葉通り地上へと風と共に吹き飛ばされると、ミアは風を着地地点に集めた。クッションのように受け止められると弾けた勢いで、地面に足を付けた。
落ちてくる箒を片手で受け止めると、ミアは再び空へ駆け出す。今度は普通に乗るのではなく、箒の上に立って乗っていた。
強い風でもバランスを崩す事なく、まるで海の上で波乗りをしている様に、踊っている様に見えた。
長い髪は風に靡かれ、ローブも音を立てて激しく靡かせる。風に負けじと箒にミアは立ちながら自由自在に動かす。
「……すげえ」
ビルは空を見上げると、箒に立ち乗りしているミアを見つめては目を輝かせている様にも見えた。魔法使いは何でも出来るのだ、と。
ビルはミアがとてもカッコイイ魔女に見えた。自分もあの様になりたい、と。
「ミアって凄いでしょ?」
可愛らしい笑みに問い掛けられれば、ビルは頷いた。
「まだ来るか……。しつこい男は嫌われるんだろう?」
「あら、女に追っかけられるなんて喜ばしい事じゃない」
ミアは魔術師の周りを飛びながら魔術師を倒すよりも、マリアを取り戻す事に集中した方が良さそうだと杖をマリアに向けた。
「”チェーン”!」
マリアに優しく巻き付けると、鎖を引き寄せるかの様に手前に杖を引くと、マリアの体が魔術師から離れる。
しかし、同時にミアは魔術師が飛ばす魔術に当たってしまった。紫色に光る魔術は、魔術師の言葉通りのそれに見えた。
「毒に掛かれ!!!」
「……ぐっ、っ!」
ミアは体内に入ってきた毒に全身が激痛に襲われ、目眩を起こすとマリアを庇うように抱き締めたまま頭から落下していった。
「ミアちゃん!!!」
「ミア!!」
現在どうなってるか知りたいミアは少し眉を寄せた。
「ククッ、こんだけいりゃあ、キツいだろうなあ?」
「うっさいわね!”スターチ”!」
「……あの女、偽物だろう?」
面白そうに笑う30代くらいの魔術師はエミリアを見ながら口にする。
偽物は差別用語であった。ノーマジと魔法使いのハーフは、死の使いや、未だノーマジ差別をする者から偽物と呼ばれている。
エミリアは差別する者から偽物と呼ばれ、悲しそうにしていたのをミアは思い出す。
そして、ミアはその言葉が嫌いで思わず睨み付けてしまう。特に闇の魔法使いは偽物を嫌っている。
「……そんなに、純血が偉いかしら?そもそもアンタ達は魔術師でしょ?」
ミアは攻撃を塞ぎながら、アパタイトバードにマリアを乗せる姿に目を移した。抜け出せそうな様子に少し安心しつつ、目の前の魔術師を睨み付けた。
「……マリアッ!」
ビルの声に勢い良く振り向くと、あの魔術師が居た。右腕を自ら切り落とした、あの魔術師。
ミアは他の魔術師からの攻撃を避けながら杖を下に向けたまま振ると、箒が現れる。急いで乗ると勢い良く空へ箒を走らせた。
マリアを片腕で雑に抱えた魔術師の前まで箒を走らせれば、お互い見つめ合う。
「また会ったな。邪魔をしてもらったら困るんだよ、いい加減失せてくれないか」
「邪魔してるのはそっちでしょ。……その子は返してもらうわよ」
「やれるもんならやってみろ」
2人は睨み合うと攻撃を同時に繰り出した。
「マリアッ!」
「クソッ、援護したいけどこの人数じゃ出来ない……!」
「と、とにかく何とかしなきゃ!」
地上に居る3人は攻撃を防ぎながらミア達を見上げていた。援護しようにも周りの魔術師の数が多く、目の前の敵に攻撃して防御するしかなかった。
「ビルくん、大丈夫……! ミアなら絶対マリアちゃんを助けられるから!」
エミリアは杖を振りながらビルに声を掛ける、焦った表情でもあるが口元は笑っていた。ミアに対する全力の信頼をギルもビルも感じ取れた。
二人の仲は入学式の時からであり、喧嘩もしたりしたがミアに助けられた。
心眼術をコントロール出来ず、他人の心の声が勝手に流れ込んできていた。様々な声が聴こえるエミリアは人間不信だったのだ。仲良くしているかと思えば心の中では人を馬鹿にし、差別しながら表情は優しい笑顔。
何を信用して良いのか分からなかった時、ミアに出会った。
ミアの心の声はとても面白く、悪口や人を蔑む言葉は何も聞こえなかった。同時にとても可愛いと思った。
そんなミアに初めて心の底から仲良くなりたいと思えたのだ。
エミリアは学生時代を少し思い出してしまった。
――大丈夫、私はエミリアにいつでも心を聴かれても良いわ。
「……俺は、心配だよ」
ギルは伏せ目がちになるとエミリアはギルを横目で見る。心配している様子に、色々思うところがあるがエミリアは小さく笑った。
「……ミアも罪な女だねえ~」
「俺も、戦う! 俺だって少しは魔法使える!」
ビルはエミリアの可愛らしい杖とは対照的な、剣のような杖を握り締め構えた。
表情は真剣であり、ギルもエミリアも頷いた。
「あら、可愛い子猫ちゃん達ですわね。……いじめがいがありますわぁ」
優雅な素振りを見せる魔術師と、複数の魔術師が近付いて来ると3人は攻撃魔法を飛ばした。
「”ウーター”!」
ギルは杖先から溢れ出る荒々しい水を魔術師達へ向けると、津波の様に大きく壁を作り一気に流してしまおうと杖を大きく振った。
「エミリアちゃん、防御して!」
「あ、うん! ”ポーター”!」
エミリアはギルの声に慌てて防御魔法を唱えれば、弾き飛んでくる水を防ぐと、数人の魔術師は巻き込まれたのか全身濡れたまま気絶していた。
「私濡れるのは嫌ですのよ?」
フードから見える金髪の長い髪の毛はとても綺麗で、口調からお嬢様なのだろうと伺えた。
「レディには申し訳ない事しちゃったね~。……でも、俺達あまり君達には構ってられないんだ」
ギルは笑顔を浮かべながらも鬱陶しいのは事実だった。魔術師達に杖を向けると、バチバチと痺れるような音がしたかと思えば電光がうねるように広がりだす。
電光は魔術師達を一瞬にして貫いていくと、口から黒煙を吐き出しながら倒れていく。エミリアとビルは唖然とした表情で倒れていく姿を見ているしかなかった。
「……ごめんね~。水は雷に弱いからわざと濡らさせてもらったよ、お嬢様」
いつもの緩い笑みではなく、目を細め勝気な表情を浮かべると空を見上げた。
そんなギルにエミリアとビルは瞬きを数回して、顔を見合わせた。
「「……男前だ」」
「……っ、お姉ちゃんっ!」
「大丈夫よ! 助けるから!」
ミアに手を伸ばしながら、大きな瞳に涙を沢山溜め込んだマリアは高さと恐怖に体が震えていた。生まれて初めて危機に晒されたマリアは、いつも頼りになる兄を思い浮かべる。
「お前には何も守れやしない! 前も言っただろう?守るものがあるから、人は弱くなる。……全てを捨てろ! ミア・リード」
「……可哀想な人」
ミアは哀れみの目を向けた。
彼に守るべき大切なものが何も無いのだろう。過去も何も知らないが、とても可哀想に見えてしまう。
大切なものが無いからこそどんなものも犠牲に出来る強さがあるのは事実だが、守りたいものがあるからかそ人は想像出来ない強さを発揮出来る。
片腕だけでマリアを抱えた魔術師はミアの言葉に空気が変わった様に思えた。その空気を察したミアだが、唐突な強風にバランスを崩してしまう。
「……お前に何が! 分かる!!!」
まるで魔術師の感情が如く下から突き上げられた突風に、箒から吹き飛ばされてしまう。
「……ッ!」
箒を手に引き寄せようと手を伸ばし魔法を発動させようとしたが、目の前に現れた魔術師によってそれは出来なかった。
「……吹き飛べ」
「っ、ぐっ!」
魔術師の言葉通り地上へと風と共に吹き飛ばされると、ミアは風を着地地点に集めた。クッションのように受け止められると弾けた勢いで、地面に足を付けた。
落ちてくる箒を片手で受け止めると、ミアは再び空へ駆け出す。今度は普通に乗るのではなく、箒の上に立って乗っていた。
強い風でもバランスを崩す事なく、まるで海の上で波乗りをしている様に、踊っている様に見えた。
長い髪は風に靡かれ、ローブも音を立てて激しく靡かせる。風に負けじと箒にミアは立ちながら自由自在に動かす。
「……すげえ」
ビルは空を見上げると、箒に立ち乗りしているミアを見つめては目を輝かせている様にも見えた。魔法使いは何でも出来るのだ、と。
ビルはミアがとてもカッコイイ魔女に見えた。自分もあの様になりたい、と。
「ミアって凄いでしょ?」
可愛らしい笑みに問い掛けられれば、ビルは頷いた。
「まだ来るか……。しつこい男は嫌われるんだろう?」
「あら、女に追っかけられるなんて喜ばしい事じゃない」
ミアは魔術師の周りを飛びながら魔術師を倒すよりも、マリアを取り戻す事に集中した方が良さそうだと杖をマリアに向けた。
「”チェーン”!」
マリアに優しく巻き付けると、鎖を引き寄せるかの様に手前に杖を引くと、マリアの体が魔術師から離れる。
しかし、同時にミアは魔術師が飛ばす魔術に当たってしまった。紫色に光る魔術は、魔術師の言葉通りのそれに見えた。
「毒に掛かれ!!!」
「……ぐっ、っ!」
ミアは体内に入ってきた毒に全身が激痛に襲われ、目眩を起こすとマリアを庇うように抱き締めたまま頭から落下していった。
「ミアちゃん!!!」
「ミア!!」
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