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――闇の魔法具編――
ペンダントの記憶
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「取り敢えず、依頼は受けるわ。……でも、これ闇の魔法が掛かってるわよね?」
「ああ、だからそれを開けろ!」
「もう……分かったから、そうやって人質取るのやめてくれない?」
「良いから! やれ!」
大きな声で叫ぶ男にミアは深く溜息を吐き出すと、ギルは困った様に眉を下げて笑っていた。
何故そこまで、怖がるのだろうとミアは不思議ではあったが何か訳がありそうだと、手に持ったペンダントを見つめながら思った。
―――
―――――
突然の出来事に戸惑いながらも、ギルの身を心配はしていた。いくら、男にその気が無さそうに見えても何をするかは分からない。
従業員として雇っているのだ、いくらそれが不本意だったとしてもきっと、ギルと願っている事は同じだとミアは信じている。そして、雇っている側だから責任があるのだ。
ミアは奥の扉を開き書庫へ入ると、闇魔法について記載された本を数冊集め、目を通していた。気持ち悪い程に闇の魔法を感じるロケットペンダントは、開けられない様に固く閉じられてしまっている。
試しにいくつか呪文を試してみたが弾き返され、どれも駄目であった。
「……そもそも、何でこのペンダントに魔法を掛けたかよねえ」
ミアは小さく呟くと、経緯が分からなければ掛かった魔法が分からないと考えた。しかしあの男が簡単に話してくれる訳でも無さそうだ。
「待って……。聞けないなら、見ればいいじゃない!」
ミアは思い付いた様に本から顔を上げると、本を読む為に設置していた机の上にペンダントを置き杖を向けた。
「”メモリー・ションミー”」
唱えたと同時にペンダントが強く光だし、ミアはあまりの眩しさに目を瞑ってしまいながらも、何かに吸い込まれる様な感覚に陥った。
そっ、と瞼を上げると記憶の中に入り込んだのか書庫とは全く違う風景だった。何処にでもある様な一軒家が目の前にあり、その家の前で2人の小さな子供が泣いていた。
「……何で、ママもパパも叩くんだ……っ。痛いよ、お兄ちゃん……っ」
「ごめんなっ、守ってやれなくて……っ」
小さな体を寄せ合い泣き合う2人は家から出て来た両親らしき人物に、強く腕を引かれ家へと押し込まれていく。
2人の顔はとても恐怖に満ちており、逆らえない程何かをされたのだろう。抵抗する事なく連れて行かれた。
すぐに場面は変わると表情の暗い子供達が、集まっていた。その中に先程の2人が居て、少し離れた場所で女性2人が小さな声で話して居るのが見えた。
「……新しく入って来た子だけど、2人共魔術師と魔法使いの子供ですって。しかも、虐待されてたらしいのよ」
「嘘~、可哀想~。……でも、何で虐待なんか……?」
「差別されてたんですって。……ノーマジのご近所さんに。それもあって子供達でストレス発散してたんじゃないかしら?」
「……うわあ、本当に可哀想」
哀れみの目で2人を横目で見ながら話す女性に、どうやら気付いていた兄の方は睨み付け、弟の方は気まずそうにしていた。
女性の話でミアは2人が虐待により、施設に預けられたのだと理解する。集まっている子供達は皆、魔力を持っている子達ばかりな様子できっと似たような理由で施設に居るのだろう。
どの子供も笑みを浮かべている事は無かった。
再び場面が変わると、子供だった2人はすっかり大きくなり独り立ちする時が来たようだ。施設の前で抱き合う兄弟は、別々の道を進む様だ。
「……兄さん、俺不安だけど頑張るよ」
「何かあったら連絡しろよ。……俺はお前の家族だしな」
照れ臭そうだが、優しく笑う兄の顔に弟は安心した様に笑うと手を振りお互い反対の方向に歩き始める。
桜が散っているのを見ると季節は春だ。ミアは兄弟の記憶を静かに見ていた。
ペンダントは兄の首に掛かっているのを見ると、どうやら兄の方の記憶らしくすぐに場面は変わるものの、その場に居たのは兄だけだった。
「久しぶりだな。……元気にしてたか?」
家の中で電話をしていた兄の表情はとても穏やかなもので、ミアは電話の相手か弟なのだろうとすぐに察する事が出来た。
「どうした……? 声に元気が無いが、何かあったか?」
心配そうに問い掛ける兄だったが、弟は何も言わなかった様だ。それでも兄だからだろうか、心配な表情のまま電話越しに話していた。
しかし、突然兄が叫んだように声を出し始める。
「オイッ! どうした!? 返事してくれ! ヘンドリック!」
弟の声が聞こえず、焦った様に声を掛ける兄の様子を不思議そうにミアは見つめていたが、兄は部屋を飛び出し何処かへと走り出した。
必死に走った先には、激しく燃え上がるアパートの姿があり、兄は炎に包まれたアパートを目の前に膝から崩れ落ちた。
その姿にミアは弟、ヘンドリックの住むアパートが燃えているのだと少し悲しそうな表情で見つめていた。
「……やだ、あそこに住んでたのって魔法使いじゃなかった?」
「まさか、何か魔法でも使ったのか? いつも差別されてたからなあ」
「違ぇよ、いつもおちょくってた奴等が燃やしたんだよ。 俺見てたからな」
「止めなかったのか?」
「当たり前だろ、魔法使いなんて怖くて居なくなってくれた方が助かるぜ」
「ハハ、違いないな!」
「ちょっと、アンタ達やめなさいよ!」
近所の人間が話す内容を耳にした兄は突然、居なくなって良かったと話した男の胸ぐらを掴んだ。兄の目には憎しみの色が浮かんでおり、胸ぐらを掴まれた男は困惑していた。
「い、いきなり何だよ!!」
「何故! 止めなかった! そんなに、魔法使いである事が……魔術師である事が悪いのかッ!?」
大声で叫ぶ兄の声に周囲は唖然としていた。そして、いきなり場面が変わり、兄の姿は黒いローブを羽織りフードを深く被っていた。その姿はミアにとって、とても見覚えのある人物だった。
「……え?」
ミアは思わず声を出してしまうものの、その声には誰も気付かない。
「兄さん、何やってるんだよ! 俺は生きてる! そんな事する必要は無いんだッ!」
「……俺に弟なんて居ない。守るものも何もない。……弟は死んだんだ。……だから、こんな物も要らない!」
兄がペンダントを首元から引っ張ると繋がれたチェーンは引きちぎれ、黒い光に包まれていた。そしてそれを投げ捨てると、その場から立ち去った。
「兄さん! 待ってくれ! 頼むから! 死の使いなんて辞めてくれ!!」
弟、否、火傷を負った男が叫んだ。その声にあの魔術師が振り向く事は無かった。
―――
―――――
再び眩しい光に目を瞑るミアは記憶が此処で終わるのだと分かった。暫くして瞼を上げると、元に戻ったのか本棚が沢山並ぶ書庫の風景だ。
ミアは今の記憶でギルを人質に取った男が弟であり、兄が今は片腕の無い魔術師だと言う事実に驚きを隠せなかった。
以前、魔術師は守るものが無ければ強くなると言っていた事を思い出す。彼の中では弟は死んでいた事になっている。何故だろうとミアは考えるも、結局は臆測でしかないが復讐に囚われすぎているのだろう。
「……死の使いだったのね。でも、何でも印が無いのかしら」
ミアは弟である男が叫んでいた言葉を思い出すものの、魔術師の手の甲には印が無かった。隠しているのだろうか、と考えるもののミアにはいくら考えても答えには辿り着けなかった。
「あまりにも断片的過ぎるわ。……話を聞かせてもらわないといけないわね」
ミアはペンダントを握り締めると部屋を出る。
此方を見つめて来た男に、ミアは真剣な表情を向けた。きっと、これは今後とても重要になる話なのだ。きちんと話してもらわなければ、とミアは思っていた。
「……ヘンドリックさん、全て話してもらってもいいかしら?」
「ああ、だからそれを開けろ!」
「もう……分かったから、そうやって人質取るのやめてくれない?」
「良いから! やれ!」
大きな声で叫ぶ男にミアは深く溜息を吐き出すと、ギルは困った様に眉を下げて笑っていた。
何故そこまで、怖がるのだろうとミアは不思議ではあったが何か訳がありそうだと、手に持ったペンダントを見つめながら思った。
―――
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突然の出来事に戸惑いながらも、ギルの身を心配はしていた。いくら、男にその気が無さそうに見えても何をするかは分からない。
従業員として雇っているのだ、いくらそれが不本意だったとしてもきっと、ギルと願っている事は同じだとミアは信じている。そして、雇っている側だから責任があるのだ。
ミアは奥の扉を開き書庫へ入ると、闇魔法について記載された本を数冊集め、目を通していた。気持ち悪い程に闇の魔法を感じるロケットペンダントは、開けられない様に固く閉じられてしまっている。
試しにいくつか呪文を試してみたが弾き返され、どれも駄目であった。
「……そもそも、何でこのペンダントに魔法を掛けたかよねえ」
ミアは小さく呟くと、経緯が分からなければ掛かった魔法が分からないと考えた。しかしあの男が簡単に話してくれる訳でも無さそうだ。
「待って……。聞けないなら、見ればいいじゃない!」
ミアは思い付いた様に本から顔を上げると、本を読む為に設置していた机の上にペンダントを置き杖を向けた。
「”メモリー・ションミー”」
唱えたと同時にペンダントが強く光だし、ミアはあまりの眩しさに目を瞑ってしまいながらも、何かに吸い込まれる様な感覚に陥った。
そっ、と瞼を上げると記憶の中に入り込んだのか書庫とは全く違う風景だった。何処にでもある様な一軒家が目の前にあり、その家の前で2人の小さな子供が泣いていた。
「……何で、ママもパパも叩くんだ……っ。痛いよ、お兄ちゃん……っ」
「ごめんなっ、守ってやれなくて……っ」
小さな体を寄せ合い泣き合う2人は家から出て来た両親らしき人物に、強く腕を引かれ家へと押し込まれていく。
2人の顔はとても恐怖に満ちており、逆らえない程何かをされたのだろう。抵抗する事なく連れて行かれた。
すぐに場面は変わると表情の暗い子供達が、集まっていた。その中に先程の2人が居て、少し離れた場所で女性2人が小さな声で話して居るのが見えた。
「……新しく入って来た子だけど、2人共魔術師と魔法使いの子供ですって。しかも、虐待されてたらしいのよ」
「嘘~、可哀想~。……でも、何で虐待なんか……?」
「差別されてたんですって。……ノーマジのご近所さんに。それもあって子供達でストレス発散してたんじゃないかしら?」
「……うわあ、本当に可哀想」
哀れみの目で2人を横目で見ながら話す女性に、どうやら気付いていた兄の方は睨み付け、弟の方は気まずそうにしていた。
女性の話でミアは2人が虐待により、施設に預けられたのだと理解する。集まっている子供達は皆、魔力を持っている子達ばかりな様子できっと似たような理由で施設に居るのだろう。
どの子供も笑みを浮かべている事は無かった。
再び場面が変わると、子供だった2人はすっかり大きくなり独り立ちする時が来たようだ。施設の前で抱き合う兄弟は、別々の道を進む様だ。
「……兄さん、俺不安だけど頑張るよ」
「何かあったら連絡しろよ。……俺はお前の家族だしな」
照れ臭そうだが、優しく笑う兄の顔に弟は安心した様に笑うと手を振りお互い反対の方向に歩き始める。
桜が散っているのを見ると季節は春だ。ミアは兄弟の記憶を静かに見ていた。
ペンダントは兄の首に掛かっているのを見ると、どうやら兄の方の記憶らしくすぐに場面は変わるものの、その場に居たのは兄だけだった。
「久しぶりだな。……元気にしてたか?」
家の中で電話をしていた兄の表情はとても穏やかなもので、ミアは電話の相手か弟なのだろうとすぐに察する事が出来た。
「どうした……? 声に元気が無いが、何かあったか?」
心配そうに問い掛ける兄だったが、弟は何も言わなかった様だ。それでも兄だからだろうか、心配な表情のまま電話越しに話していた。
しかし、突然兄が叫んだように声を出し始める。
「オイッ! どうした!? 返事してくれ! ヘンドリック!」
弟の声が聞こえず、焦った様に声を掛ける兄の様子を不思議そうにミアは見つめていたが、兄は部屋を飛び出し何処かへと走り出した。
必死に走った先には、激しく燃え上がるアパートの姿があり、兄は炎に包まれたアパートを目の前に膝から崩れ落ちた。
その姿にミアは弟、ヘンドリックの住むアパートが燃えているのだと少し悲しそうな表情で見つめていた。
「……やだ、あそこに住んでたのって魔法使いじゃなかった?」
「まさか、何か魔法でも使ったのか? いつも差別されてたからなあ」
「違ぇよ、いつもおちょくってた奴等が燃やしたんだよ。 俺見てたからな」
「止めなかったのか?」
「当たり前だろ、魔法使いなんて怖くて居なくなってくれた方が助かるぜ」
「ハハ、違いないな!」
「ちょっと、アンタ達やめなさいよ!」
近所の人間が話す内容を耳にした兄は突然、居なくなって良かったと話した男の胸ぐらを掴んだ。兄の目には憎しみの色が浮かんでおり、胸ぐらを掴まれた男は困惑していた。
「い、いきなり何だよ!!」
「何故! 止めなかった! そんなに、魔法使いである事が……魔術師である事が悪いのかッ!?」
大声で叫ぶ兄の声に周囲は唖然としていた。そして、いきなり場面が変わり、兄の姿は黒いローブを羽織りフードを深く被っていた。その姿はミアにとって、とても見覚えのある人物だった。
「……え?」
ミアは思わず声を出してしまうものの、その声には誰も気付かない。
「兄さん、何やってるんだよ! 俺は生きてる! そんな事する必要は無いんだッ!」
「……俺に弟なんて居ない。守るものも何もない。……弟は死んだんだ。……だから、こんな物も要らない!」
兄がペンダントを首元から引っ張ると繋がれたチェーンは引きちぎれ、黒い光に包まれていた。そしてそれを投げ捨てると、その場から立ち去った。
「兄さん! 待ってくれ! 頼むから! 死の使いなんて辞めてくれ!!」
弟、否、火傷を負った男が叫んだ。その声にあの魔術師が振り向く事は無かった。
―――
―――――
再び眩しい光に目を瞑るミアは記憶が此処で終わるのだと分かった。暫くして瞼を上げると、元に戻ったのか本棚が沢山並ぶ書庫の風景だ。
ミアは今の記憶でギルを人質に取った男が弟であり、兄が今は片腕の無い魔術師だと言う事実に驚きを隠せなかった。
以前、魔術師は守るものが無ければ強くなると言っていた事を思い出す。彼の中では弟は死んでいた事になっている。何故だろうとミアは考えるも、結局は臆測でしかないが復讐に囚われすぎているのだろう。
「……死の使いだったのね。でも、何でも印が無いのかしら」
ミアは弟である男が叫んでいた言葉を思い出すものの、魔術師の手の甲には印が無かった。隠しているのだろうか、と考えるもののミアにはいくら考えても答えには辿り着けなかった。
「あまりにも断片的過ぎるわ。……話を聞かせてもらわないといけないわね」
ミアはペンダントを握り締めると部屋を出る。
此方を見つめて来た男に、ミアは真剣な表情を向けた。きっと、これは今後とても重要になる話なのだ。きちんと話してもらわなければ、とミアは思っていた。
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