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――闇の魔法具編――
ギルと男
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―――
―――――
ギルと男はミアが部屋に入るのを見届けると、男は体を離す。先程の勢いは消え、弱々しそうな表情と共に申し訳なさそうに頭を下げる男にギルは少し驚いた。
「……あの、すみません……」
「え、離して良いんですか……」
「どうしても、お願いを聞いて欲しくて……」
「あー、ミアちゃん……じゃなくて、あの魔女さんは何でも依頼を聞いてくれますよ?」
ギルは何故、こんな事をするのかと疑問だった。ミアは前に犬探しの依頼が来た時も、文句を言いながらだが探し出した。きっと、優しさからかどんな依頼でも受けているのだ。
何も知らない人物なのだろうか、とも考えたが先程のペンダントから感じた闇魔法にそれも無さそうだと考えながら白いレインコートを脱ぐ。
「……えっと、昔から魔法使いである事に差別され続けてたので、なんと言いますか……あまり、人と関わるのが苦手でして」
眉を下げ笑う男にギルはこの男が人間不信なのだろう、と考えては何と答えて良いか分からず話題を逸らした。
未だにノーマジからだけではなく魔術師からの差別もあり、反対に魔法使いから魔術師への差別が存在している。
かなりの数、では無く地域によっては根強い差別文化がある。大昔の戦争からか差別や、嫌っている人物がいるのは事実だ。
「あー、お名前聞いても?」
「あ、えっと、ヘンドリック・ヴェインです」
「俺はギルです。……あの魔女さんはミアちゃんって名前ですよ~。あ、勝手に教えたら怒られるかな。……ま、いっか」
先程の印象とは真逆のヘンドリックの姿にこれが本来の性格なのだろう、と差し出された手を握り返し握手をしたギルは緩い笑みを浮かべた。
「まあ、ミアちゃんは良い人なのでそこは安心してくださいね~」
「……魔女って聞いてたから、怖い人かと」
「ん~、とっても可愛い魔女ですよ」
優しく笑うギルの横顔を横目で見ていたヘンドリックは、兄を思い出し床を見つめた。
「……あのペンダント、実は兄のなんです」
「お兄さんが居るんですね」
「ええ、とても優しい兄だったんです」
だった、と言う言葉にギルは椅子に座りながらヘンドリックを見つめた。
「……だった?」
「……俺が、弱かったから兄さんは闇に染まったんです」
ヘンドリックの横顔はとても悲しそうで、悔しそうな表情でもあった。ギルは闇に染ったと言う言葉に少しばかり、考えた。
――俺は闇に染まりたくない……。
「すみません、こんな暗い話……」
「ああ、気にしないでください~」
「ギルさんは兄弟とか居るんですか?」
「……俺は1人っ子です」
「じゃあ、親御さんにとても可愛がられたでしょう?」
「……さあ、俺自身を見てないですからね~。俺はあんまり、あの人達の事は好きじゃないんで」
いつもの緩い笑顔で平然と口にしたギルは、此方を見つめてくるヘンドリックにコーヒーでも淹れようと立ち上がった。
ギルは正直自分の事をあまり、話したくはない。特に、ミアには。思わず口にしてしまった言葉に後悔しながらも、ギルはキッチンへと立ち慣れた様に杖を振りながらコーヒーを淹れ始める。
全くコーヒーを淹れる事等してこなかったが、ミアから教わり今では常連客にも褒められている。それでもやはり、ミアのコーヒーが1番だと皆言うがギルもその通りだと思う。
ギルはミアのコーヒーを淹れる姿を思い浮かべながら優しく微笑むと、必ずミアがする事を真似した。
「……美味しくなあれ」
言葉の魔法である。
「ヘンドリックさんどうぞ~。……あ、好きに座って良いんですよ」
「あ、すみません。……ありがとうございます」
「砂糖とミルクは?」
「えっと、じゃあ、両方ください」
「は~い」
ギルはテーブルにコーヒーカップを静かに置くと、白い角砂糖の入った茶色の丸い瓶と、ミルクが入ったミルクピッチャーもテーブルに置いた。
しっかりと自分のコーヒーも手に持っていた。
ギルの目の前に座ったヘンドリックはコーヒーに角砂糖を2個、ミルクを全て入れて飲むと、落ち着いた様に息を吐き出した。
「……とっても、美味しいです」
「良かったです。……まあ、ミアちゃんのコーヒーには敵わないんですけどねえ」
目を細め緩く笑うとギルもコーヒーカップに口を付けた。我ながら上出来だと思うが、ミアの淹れるコーヒーは更に美味しく感じるのだから不思議だ。一体何が違うのか、と毎回思うものの分からなかった。
気持ちもあるだろうが、技術面の事はギルは詳しい訳ではない為、タイミング等が絶妙なのだろうと考える。
「……あの、ギルさんはミアさんとはどんな関係なんですか?」
「一応、弟子ですねえ。……まあ、ミアちゃんは認めてくれないから従業員、って事になってますけど」
「お弟子さんなんですね……。……何故弟子になったか、聞いても良いですか?」
遠慮がちに問い掛けるヘンドリックにギルは、小さく笑う。
「まあ、俺には守りたいものがあってその為に強くなりたい、って言うのが理由ですかねえ。……ん~、でも1番はどんな理由でも側に居て守りたいってのが理由かなあ」
ヘンドリックはギルの優しい笑みに少し、眉を下げた。羨ましくもあり、行動出来なかった自分が情けなくもあった。
「……とても大事なんですね。……その人の事を」
「ええ、どんなに諦めても諦めきれなかったですからね。……あ、これ2人だけの秘密ですからね~」
「……分かりました」
ヘンドリックは小さく笑うと、ギルも小さく笑った。
ギルの緩い雰囲気からか、普段人と話すのは得意ではないヘンドリックが話しやすい、と思えた人物で安心を覚える。
ギルは未だに激しく降り続く雨を窓から覗いた。当分止みそうにない天気に、晴れる事を願った。雨よりも青空の広がる晴れの方がギルは好きだ、と感じた。
扉の開く音がしてそちらを見ると、ミアは真剣な表情をしていた。ギルはもう解決したのかと驚きながらヘンドリックを横目で見る。
「……ヘンドリックさん、全て話してもらってもいいかしら?」
少し緊張した雰囲気にギルは静かにコーヒーを飲んだ。
――――
――――――
「……で?ギルはなーんで、仲良くコーヒー飲んでるのかしら? 人質でしょ……」
「いやあ~、雰囲気?」
「もう、ふざけないで。……それにヘンドリックさんも、ああ言うの本当にやめてください」
「……す、すみません」
ミアは仲良くコーヒーを飲む姿に真剣な顔を一瞬にして崩していた。何をやってるのだろうか、と溜息を吐き出した。
緩い笑顔で答えるギルと、先程の雰囲気とは真逆の弱々しい姿のヘンドリックにミアは2人の間に何があったのかと疑問が浮かぶ。
「まあ、男同士の秘密だよ~」
「……何よ、それ」
ギルの言葉にミアは再び深い溜息を吐き出しながらも、ヘンドリックにペンダントを見せながら話し始めた。
「ヘンドリックさん、このペンダント貴方のお兄さんの物ですね?」
「……はい、そうです」
「そして、お兄さんは……闇の魔術師として、死の使いに加担している。……ノーマジに対する復讐が目的ですか?」
「……恐らく、そうだと思います。……そのペンダントは元々、俺の写真が入った物だったんです。でも、兄がそのペンダントに魔術を掛けてしまって、開かなくなってしまったんです……」
ヘンドリックはペンダントを見つめながら、当時を思い出す。兄がペンダントに魔術を掛けた、あの日の事を。
ただ、ミアは気になっていたのだ。魔術を掛けた筈なのに闇の魔法が掛かっている、と言う事に。記憶を見ていても、魔法を掛けた場面は無かった。
「……これって本当に魔術だと?」
「……え?」
「ごめんなさい、記憶を見させてもらいました。……確かにお兄さんが握った時、光ってたんですがこのペンダントからは、闇の魔法を感じるんです」
ミアの言葉にヘンドリックは少し驚く。
「……開かなくなったのはお兄さんの魔術で間違い無いです。ただ、闇の魔法を掛けられたのは貴方の手に渡る前、だと私は思ってます」
「……つまり、誰かが魔法を掛けたと……?」
「ええ、そうです。……恐らく、このペンダントは闇の魔法具にされてしまったのではないかと」
ミアは見せていたペンダントを見ると、禍々しいオーラーを放つ闇の魔力に目を細めた。
闇の魔法具へと成り果てたが、効力が分からない。ミアはきちんと調べる必要があると考えていた。
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ギルと男はミアが部屋に入るのを見届けると、男は体を離す。先程の勢いは消え、弱々しそうな表情と共に申し訳なさそうに頭を下げる男にギルは少し驚いた。
「……あの、すみません……」
「え、離して良いんですか……」
「どうしても、お願いを聞いて欲しくて……」
「あー、ミアちゃん……じゃなくて、あの魔女さんは何でも依頼を聞いてくれますよ?」
ギルは何故、こんな事をするのかと疑問だった。ミアは前に犬探しの依頼が来た時も、文句を言いながらだが探し出した。きっと、優しさからかどんな依頼でも受けているのだ。
何も知らない人物なのだろうか、とも考えたが先程のペンダントから感じた闇魔法にそれも無さそうだと考えながら白いレインコートを脱ぐ。
「……えっと、昔から魔法使いである事に差別され続けてたので、なんと言いますか……あまり、人と関わるのが苦手でして」
眉を下げ笑う男にギルはこの男が人間不信なのだろう、と考えては何と答えて良いか分からず話題を逸らした。
未だにノーマジからだけではなく魔術師からの差別もあり、反対に魔法使いから魔術師への差別が存在している。
かなりの数、では無く地域によっては根強い差別文化がある。大昔の戦争からか差別や、嫌っている人物がいるのは事実だ。
「あー、お名前聞いても?」
「あ、えっと、ヘンドリック・ヴェインです」
「俺はギルです。……あの魔女さんはミアちゃんって名前ですよ~。あ、勝手に教えたら怒られるかな。……ま、いっか」
先程の印象とは真逆のヘンドリックの姿にこれが本来の性格なのだろう、と差し出された手を握り返し握手をしたギルは緩い笑みを浮かべた。
「まあ、ミアちゃんは良い人なのでそこは安心してくださいね~」
「……魔女って聞いてたから、怖い人かと」
「ん~、とっても可愛い魔女ですよ」
優しく笑うギルの横顔を横目で見ていたヘンドリックは、兄を思い出し床を見つめた。
「……あのペンダント、実は兄のなんです」
「お兄さんが居るんですね」
「ええ、とても優しい兄だったんです」
だった、と言う言葉にギルは椅子に座りながらヘンドリックを見つめた。
「……だった?」
「……俺が、弱かったから兄さんは闇に染まったんです」
ヘンドリックの横顔はとても悲しそうで、悔しそうな表情でもあった。ギルは闇に染ったと言う言葉に少しばかり、考えた。
――俺は闇に染まりたくない……。
「すみません、こんな暗い話……」
「ああ、気にしないでください~」
「ギルさんは兄弟とか居るんですか?」
「……俺は1人っ子です」
「じゃあ、親御さんにとても可愛がられたでしょう?」
「……さあ、俺自身を見てないですからね~。俺はあんまり、あの人達の事は好きじゃないんで」
いつもの緩い笑顔で平然と口にしたギルは、此方を見つめてくるヘンドリックにコーヒーでも淹れようと立ち上がった。
ギルは正直自分の事をあまり、話したくはない。特に、ミアには。思わず口にしてしまった言葉に後悔しながらも、ギルはキッチンへと立ち慣れた様に杖を振りながらコーヒーを淹れ始める。
全くコーヒーを淹れる事等してこなかったが、ミアから教わり今では常連客にも褒められている。それでもやはり、ミアのコーヒーが1番だと皆言うがギルもその通りだと思う。
ギルはミアのコーヒーを淹れる姿を思い浮かべながら優しく微笑むと、必ずミアがする事を真似した。
「……美味しくなあれ」
言葉の魔法である。
「ヘンドリックさんどうぞ~。……あ、好きに座って良いんですよ」
「あ、すみません。……ありがとうございます」
「砂糖とミルクは?」
「えっと、じゃあ、両方ください」
「は~い」
ギルはテーブルにコーヒーカップを静かに置くと、白い角砂糖の入った茶色の丸い瓶と、ミルクが入ったミルクピッチャーもテーブルに置いた。
しっかりと自分のコーヒーも手に持っていた。
ギルの目の前に座ったヘンドリックはコーヒーに角砂糖を2個、ミルクを全て入れて飲むと、落ち着いた様に息を吐き出した。
「……とっても、美味しいです」
「良かったです。……まあ、ミアちゃんのコーヒーには敵わないんですけどねえ」
目を細め緩く笑うとギルもコーヒーカップに口を付けた。我ながら上出来だと思うが、ミアの淹れるコーヒーは更に美味しく感じるのだから不思議だ。一体何が違うのか、と毎回思うものの分からなかった。
気持ちもあるだろうが、技術面の事はギルは詳しい訳ではない為、タイミング等が絶妙なのだろうと考える。
「……あの、ギルさんはミアさんとはどんな関係なんですか?」
「一応、弟子ですねえ。……まあ、ミアちゃんは認めてくれないから従業員、って事になってますけど」
「お弟子さんなんですね……。……何故弟子になったか、聞いても良いですか?」
遠慮がちに問い掛けるヘンドリックにギルは、小さく笑う。
「まあ、俺には守りたいものがあってその為に強くなりたい、って言うのが理由ですかねえ。……ん~、でも1番はどんな理由でも側に居て守りたいってのが理由かなあ」
ヘンドリックはギルの優しい笑みに少し、眉を下げた。羨ましくもあり、行動出来なかった自分が情けなくもあった。
「……とても大事なんですね。……その人の事を」
「ええ、どんなに諦めても諦めきれなかったですからね。……あ、これ2人だけの秘密ですからね~」
「……分かりました」
ヘンドリックは小さく笑うと、ギルも小さく笑った。
ギルの緩い雰囲気からか、普段人と話すのは得意ではないヘンドリックが話しやすい、と思えた人物で安心を覚える。
ギルは未だに激しく降り続く雨を窓から覗いた。当分止みそうにない天気に、晴れる事を願った。雨よりも青空の広がる晴れの方がギルは好きだ、と感じた。
扉の開く音がしてそちらを見ると、ミアは真剣な表情をしていた。ギルはもう解決したのかと驚きながらヘンドリックを横目で見る。
「……ヘンドリックさん、全て話してもらってもいいかしら?」
少し緊張した雰囲気にギルは静かにコーヒーを飲んだ。
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「……で?ギルはなーんで、仲良くコーヒー飲んでるのかしら? 人質でしょ……」
「いやあ~、雰囲気?」
「もう、ふざけないで。……それにヘンドリックさんも、ああ言うの本当にやめてください」
「……す、すみません」
ミアは仲良くコーヒーを飲む姿に真剣な顔を一瞬にして崩していた。何をやってるのだろうか、と溜息を吐き出した。
緩い笑顔で答えるギルと、先程の雰囲気とは真逆の弱々しい姿のヘンドリックにミアは2人の間に何があったのかと疑問が浮かぶ。
「まあ、男同士の秘密だよ~」
「……何よ、それ」
ギルの言葉にミアは再び深い溜息を吐き出しながらも、ヘンドリックにペンダントを見せながら話し始めた。
「ヘンドリックさん、このペンダント貴方のお兄さんの物ですね?」
「……はい、そうです」
「そして、お兄さんは……闇の魔術師として、死の使いに加担している。……ノーマジに対する復讐が目的ですか?」
「……恐らく、そうだと思います。……そのペンダントは元々、俺の写真が入った物だったんです。でも、兄がそのペンダントに魔術を掛けてしまって、開かなくなってしまったんです……」
ヘンドリックはペンダントを見つめながら、当時を思い出す。兄がペンダントに魔術を掛けた、あの日の事を。
ただ、ミアは気になっていたのだ。魔術を掛けた筈なのに闇の魔法が掛かっている、と言う事に。記憶を見ていても、魔法を掛けた場面は無かった。
「……これって本当に魔術だと?」
「……え?」
「ごめんなさい、記憶を見させてもらいました。……確かにお兄さんが握った時、光ってたんですがこのペンダントからは、闇の魔法を感じるんです」
ミアの言葉にヘンドリックは少し驚く。
「……開かなくなったのはお兄さんの魔術で間違い無いです。ただ、闇の魔法を掛けられたのは貴方の手に渡る前、だと私は思ってます」
「……つまり、誰かが魔法を掛けたと……?」
「ええ、そうです。……恐らく、このペンダントは闇の魔法具にされてしまったのではないかと」
ミアは見せていたペンダントを見ると、禍々しいオーラーを放つ闇の魔力に目を細めた。
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