佐々木と吉田 崩壊するのに、どうやって戦争すんだよ編

言葉は固定観念

固定観念に従う方が楽

「つまりこっちは」
　佐々木が続ける。
「あなたの言ってること、矛盾がありますよねって言ってるだけなのに」
「はいはい」
「貴様、敵の味方をするのか、みたいなこと言い出すわけじゃん」
「先輩」
　苦笑しながら吉田が言う。
「それが世の中です」
「まぁ、そうなんだけどさぁ」

「そういう風に考える方が、分かりやすいとか、飲み込みやすいって言うじゃん」
「はい、そうですね」
「固定観念に縛られる方が、従う方が楽じゃんって言うじゃん」
「はい、はい」
「どこが？」
　ハハハハハハッと吉田は笑う。

「俺に言わせればそっちの方が、よっぽど飲み込みづらいよ」
「それは・・・・・」
　吉田が苦笑しながら答える。
「先輩がそういう人間だからですよ」
　うううんんっと佐々木が唸る。
「殆どの人は、そっちの方が楽なんですよ」
「そうなんかねぇ、そういうもんかねぇ」
　佐々木が首を捻る。
「敵味方、右翼だ左翼、どっち側みたいなのが、楽なんですよ」


「ネットの・・・・っていうっても、俺もそんなに観てる訳じゃないんですけど」
　吉田が喋る。
「ユーチューブとか観てると、そういうので溢れてますよ」
「まぁ、そうなんだろうけど」
「で、そういうのって、なんていううんだろう・・・・」
　吉田が手を振る。
「俺たちはネットの民だから、反メディア、反左翼みたいなのがあって」
「ああっ」
「そういう人たちにそういうものを提供する、ってなって」
　吉田が手をグルグル回す。
「そういうのがすごい進んでいくと、これって反メディアなの？これって反左翼なの？ってみたいなのになって」
　ハハハハハハッと佐々木が笑う。
「これもう反メディアでもなんでもないよね、ただなんか叩いてるだけだよねっ、てなってるんすよ」