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第二章 無償の愛
42 ルーカスからの連絡
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ルーカスさんたちがチュアロに向かってから一週間が経った。
俺は近場でできる依頼を受けたり、弓の特訓をして過ごした。
もちろん寝る前の日課になっている、炎の魔術の特訓も忘れない。
今は手のひらサイズの炎を短時間生み出せるだけ。戦闘にはまだ使えない。
昼過ぎに南の出入り口から街を出た。
今日もリオとアレンが剣を交えている。
二人とも息が上がり、汗を垂れ流していた。長い時間撃ち合っているのだろう。
俺は遠くの木に向かって弓を引いた。矢は狙い通りの場所に飛んでいく。
俺が狙いを定めている方向から、大きな鳥が猛スピードで飛んできた。
「なぁ、あれってルーカスさんの使い魔だよな?」
リオとアレンに声をかければ、二人が戦うのをやめて空を見上げる。
「はい、フリューゲルです!」
リオが名前を教えてくれた。フリューゲルに向かって手を振っている。
「ルーカスさんからの連絡か? ギルドハウスに行ってみよう」
アレンの言葉に俺とリオは頷いて、ギルドハウスまで走る。
フリューゲルを見つけたからか、ボンドのメンバーがギルドハウスに駆け込んでいた。エントランスホールに、着々と集まっていく。
入り口に目を向けると、シーナとマナも入ってきた。俺と目が合うと、こちらに向かって駆けてくる。
「シーナとマナはどうしてここに?」
「バージルさんが私とマナにギルドハウスに来てほしいって、ボンドの人が呼びに来たの」
サブメンバーのシーナとマナをなんで呼んだんだ? 二人とも戦うことはできない。治癒術が使えるからか?
しばらく待っていると、バージルさんとヴィクトリアさんが姿を現した。全員が口を閉ざして、バージルさんの言葉を待つ。
「ルーカスから連絡が来た。チュアロの地図と手書きでギルドハウスの間取り図が送られて来た。構成員や薬の製造場所まで調べられている」
「明日の日の出とともに、街の東にある出入り口を出発するわ。全員で潰すわよ」
ヴィクトリアさんが目に力を込める。ピリピリと肌を刺すようなプレッシャーに冷や汗が伝った。
解散、の号令で、ギルドハウスから人がゾロゾロと出ていく。
俺も明日のために、アレンの武器屋に行こう。矢の補充をしたい。
「カイ、ちょっといいか?」
バージルさんに呼び止められる。
「はい、なんでしょうか?」
「マイルズは人から話を聞き出すのが得意なのか?」
「どういうことですか?」
「チアとルーカスは社交的ではない。あの二人が一週間でこれだけの情報を集められるわけがないんだ。そうすると、マイルズしかいない」
チアとルーカスさんなら異性に情報を聞き出せそうなのに、と思うが、二人とも色仕掛けとか出来なさそうだなと思い直す。
「マイルズは小さな頃から村のじーさんばーさんの話をニコニコしながら聞くから、相手が気持ちよく話せる雰囲気を作るんですよね。愛想がいいから話しやすいんだと思います」
「諜報もできるのか。優秀だな」
マイルズが褒められると誇らしい。それと同時に、俺ももっと頑張らなければ、と闘争心に火がつく。
「今日は早めに寝ろよ」
バージルさんが手を上げて離れていき、俺はアレンに武器屋に行きたいことを伝える。
リオとはギルドハウスの前で別れた。自分のとルーカスさんから預かった剣の手入れをすると、家へ駆けて行った。
シーナとマナとアレンと歩き、全員で武器屋に入る。
「いらっしゃい」
アレンの父親が大きな声で迎えてくれた。
「あの、私とマナも明日から留守にします。道具屋をお願いできますか?」
「任せな!」
アレンの母親が胸を張って、ドンと叩く。
俺は矢筒に詰められるだけの矢を買った。足りなくないか不安にならないよう、魔術で矢を具現化できるようになりたい。
俺は近場でできる依頼を受けたり、弓の特訓をして過ごした。
もちろん寝る前の日課になっている、炎の魔術の特訓も忘れない。
今は手のひらサイズの炎を短時間生み出せるだけ。戦闘にはまだ使えない。
昼過ぎに南の出入り口から街を出た。
今日もリオとアレンが剣を交えている。
二人とも息が上がり、汗を垂れ流していた。長い時間撃ち合っているのだろう。
俺は遠くの木に向かって弓を引いた。矢は狙い通りの場所に飛んでいく。
俺が狙いを定めている方向から、大きな鳥が猛スピードで飛んできた。
「なぁ、あれってルーカスさんの使い魔だよな?」
リオとアレンに声をかければ、二人が戦うのをやめて空を見上げる。
「はい、フリューゲルです!」
リオが名前を教えてくれた。フリューゲルに向かって手を振っている。
「ルーカスさんからの連絡か? ギルドハウスに行ってみよう」
アレンの言葉に俺とリオは頷いて、ギルドハウスまで走る。
フリューゲルを見つけたからか、ボンドのメンバーがギルドハウスに駆け込んでいた。エントランスホールに、着々と集まっていく。
入り口に目を向けると、シーナとマナも入ってきた。俺と目が合うと、こちらに向かって駆けてくる。
「シーナとマナはどうしてここに?」
「バージルさんが私とマナにギルドハウスに来てほしいって、ボンドの人が呼びに来たの」
サブメンバーのシーナとマナをなんで呼んだんだ? 二人とも戦うことはできない。治癒術が使えるからか?
しばらく待っていると、バージルさんとヴィクトリアさんが姿を現した。全員が口を閉ざして、バージルさんの言葉を待つ。
「ルーカスから連絡が来た。チュアロの地図と手書きでギルドハウスの間取り図が送られて来た。構成員や薬の製造場所まで調べられている」
「明日の日の出とともに、街の東にある出入り口を出発するわ。全員で潰すわよ」
ヴィクトリアさんが目に力を込める。ピリピリと肌を刺すようなプレッシャーに冷や汗が伝った。
解散、の号令で、ギルドハウスから人がゾロゾロと出ていく。
俺も明日のために、アレンの武器屋に行こう。矢の補充をしたい。
「カイ、ちょっといいか?」
バージルさんに呼び止められる。
「はい、なんでしょうか?」
「マイルズは人から話を聞き出すのが得意なのか?」
「どういうことですか?」
「チアとルーカスは社交的ではない。あの二人が一週間でこれだけの情報を集められるわけがないんだ。そうすると、マイルズしかいない」
チアとルーカスさんなら異性に情報を聞き出せそうなのに、と思うが、二人とも色仕掛けとか出来なさそうだなと思い直す。
「マイルズは小さな頃から村のじーさんばーさんの話をニコニコしながら聞くから、相手が気持ちよく話せる雰囲気を作るんですよね。愛想がいいから話しやすいんだと思います」
「諜報もできるのか。優秀だな」
マイルズが褒められると誇らしい。それと同時に、俺ももっと頑張らなければ、と闘争心に火がつく。
「今日は早めに寝ろよ」
バージルさんが手を上げて離れていき、俺はアレンに武器屋に行きたいことを伝える。
リオとはギルドハウスの前で別れた。自分のとルーカスさんから預かった剣の手入れをすると、家へ駆けて行った。
シーナとマナとアレンと歩き、全員で武器屋に入る。
「いらっしゃい」
アレンの父親が大きな声で迎えてくれた。
「あの、私とマナも明日から留守にします。道具屋をお願いできますか?」
「任せな!」
アレンの母親が胸を張って、ドンと叩く。
俺は矢筒に詰められるだけの矢を買った。足りなくないか不安にならないよう、魔術で矢を具現化できるようになりたい。
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