全てを妹に奪われた令嬢は追放先で自由に生きる

ララ

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3話

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家を‥この国を物理的に出ていく準備は整った。

あと問題なのは家族のことね‥‥。

一応これでも私は伯爵令嬢。

家を出るのもそう簡単な話ではない。

追放されるのが1番いいのだけれど‥‥。

でもきっとそれは大丈夫ね。

だってレナードとエミリアが話していたもの。

今度のパーティーで私との婚約を破棄して同時に私の悪行を暴いて追放するって。

気が重いわ。

パーティーは明日の夜。

いくら何が起こるかわかっていても辛いものは辛い。

レナードのことは諦める。

けれどそう簡単には行かない。

気を引き締めていないと涙が止まらなくなってしまう。

愛していたのよ‥‥。

明日はとびきり着飾っていきましょう。

いつもはエミリアに邪魔をされて地味なドレスしか着れなかった。

けれど明日はそうはさせない。

最後の舞台よ。

華麗に去ってみせるわ。

未練なんて絶対見せない。

堂々と。

そうと決まればやっぱりドレスが必要よね。

まともなの持ってないのよ‥‥。

パトリシアに頼んでみようかしら?

パトリシアは私の唯一の友達。

彼女は子爵令嬢。

彼女はブティックを経営しているすごい人なのよ。

今からオーダーは無理でも既製品なら買えないかしら?






ーー王都、ラグランシア(パトリシアの経営する人気ブティック)

すごいっ‥‥。

これがシアの経営しているブティックなのね。

「いらっしゃいませ。紹介状はお持ちですか?」

「あぁ、これを。」

「拝借いたします。」

ビクッ!!

私の渡した紹介状を見るなり驚きに目を見開く。

「すっ、すぐに支配人をお呼びいたします!!それまで間どうぞこちらでお待ちください。」

「ええ。」

数分出された紅茶を飲みながらまっていると聞き慣れた声が聞こえてきた。

「本当にエレノアがいる!!どうしたの??」

「シア、突然きてごめんね。」

「全然いいよ!!それで‥‥相談事?」

「そうなの‥‥。あのね明日のパーティーに着飾って行きたいんだけど何かいいドレスないかしら?」

「明日‥‥。ふふっ!嬉しいわ!!エレノアが私のドレスを着てくれるのね!!」

「明日はやっぱり難しいかしら?」

「それがねぇ、実はエレノア用のドレスを内緒で作っていたの。」

「?!」

「エレノアったらいつもエミリアのせいで地味なドレスしか着ていなかったでしょう?エレノアってすごく美しいんだから着飾ったらもっと素敵なのにって思ってイメージしながら作ったのがあるの!!早速試着してみてよ!!」

「えっ?あっ、ありがとう。」

シアがくれたドレスは本当に素敵だった。

幾重にも重ねられた繊細なレースに様々な色合いの青い生地が重なり合っていて動くたびに揺れてそれがなんとも魅力的で。

「すごいっ!!完璧だわ!!エレノア!!これでレナード様もきっとメロメロになってしまうわ!!」

興奮に頬をほんのりと赤く染めて悪気なく話すシアに少し後ろめたさを感じてしまう。

「ありがとう、シア。でもこれはレナード様のためじゃないの。」

「どういうこと?」

「婚約をね‥‥破棄されるのよ。」

「まさかっ‥‥?!また?またエミリアなの??」

「そう、レナード様まで奪われてしまった‥‥。」

「ひどいっ‥‥どうして‥どうしてそんなことができるのよ!!」

私のために涙を流して怒ってくれる。

ああ、本当に幸せだな。

シアという友達を持てて。

「ありがとう、私のために怒ってくれて。でもいいのよ。だから最後に最高に着飾って後悔させてやるのよ!」

「ええ、ええ!そうね!!ならこれに合わせたネックレスやピアスも必要ね!あと‥‥ぶつぶつ~」

それから1時間ほどで明日のパーティーに必要なものは全て揃った。

今度こそエミリアに邪魔されないように準備は全てパトリシアに任せて『ラグランシア』で全てを終えることにした。

「ねえ、エレノア。どこででもいい。幸せになってね。」

「ありがとうシア。私あなたがいてくれてよかった。本当に‥‥。落ち着いたら手紙を書くね。」

「うん、約束よ。」

「ありがとう。」





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