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6話
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それから約2週間をかけて大森林を抜けた。
ふぅ、なかなか大変だったわ。
奥に行くほどに魔物は強くなっていく。
昼間の太陽が出ている時間になるべく進む。
夜は暗い中動くのは危険だから木の上で過ごす。
普通の野宿なら火を焚いて魔物を寄せ付けないようにするんだけど‥‥。
魔物は基本的には火を恐れる。
けれど強い魔物ほど火を恐れなくなる。
特に大森林の奥にいる魔物なんて強い魔物ばかりだからそんな中で火を焚いているなんて自殺行為よ。
木の上なら辺りを見渡しやすいし地上にいる魔物の方が多いから地上よりは比較的安全。
まあこれは1人だからできることだけれど。
寝る時は結界を張ったまま。
初手さえ躱せればあとはどうにかなる。
そんな感じでアーカディアに向けて進んでいった。
途中で高く売れそうな薬草や果実、戦闘になった魔物を解体する暇はないからそのまま異次元収納袋に突っ込んでこれからの資金にする。
大森林の最深部は行った人が帰ってきたことがないと言われるほど危険だから遠回りだけれど比較的安全な道を選んで進んでいった。
そして今日、ようやくアーカディアに辿り着いた。
とは言っても辺境の小さな村なんだけどね。
そこは牧畜を生業にしている人が集まる小さな村だった。
「こんにちは。」
穏やかに笑って話しかけると最初は警戒されていたが女性だということもあってかよく話を聞いてくれたし歓迎してくれた。
「お嬢さん。こんにちは。見ない顔だね。隣国からのお客さんかい?」
豪快に笑いながら話しかけてくれるのはこの村に住んでいるお爺さんだ。
「そうなんです。これからアーカディアの王都か比較的大きな街へ向かおうと思っていて‥‥。」
「ほおぅ、それならここから比較的近いシトリンがいいんじゃないかぇ?シトリンは王都と同じくらい栄えている街じゃよ。あそこを収めている領主は聡明な方で寛大じゃ。ダンジョンが近くにあるから人も物も集まって発展してきた街なんじゃよ。」
「シトリン‥‥。すごく魅力的だわ!!ありがとうございます!!」
「ほっほ、役に立てたようなら何よりじゃ。どうじゃ?急ぎでないならこの村に泊まっていかんか?」
「いいんですか?ご迷惑じゃ‥‥。」
「なぁに。迷惑なんかじゃないわい!むしろ嬉しいんじゃよ。ほれ、そうと決まれば歓迎の宴じゃ!!」
あれよあれよという間にこの村に数日滞在することになってその日は夜遅くまで宴を楽しんだ。
この村には若い人が少ない。
若い人は多くが王都や栄えている街へ行ってしまうらしい。
だから私は孫や子供みたいだと言ってたくさん構われた。
貴族として生きてきた私にはない体験で恥ずかしいけれどとても嬉しかった。
頭を撫でられたのはいつ以来だろう‥‥。
お母様とお父様にもされたことはないわ‥‥。
ふと寂しくなる。
けれど同時に自由になってよかったとも思う。
ふぅ、なかなか大変だったわ。
奥に行くほどに魔物は強くなっていく。
昼間の太陽が出ている時間になるべく進む。
夜は暗い中動くのは危険だから木の上で過ごす。
普通の野宿なら火を焚いて魔物を寄せ付けないようにするんだけど‥‥。
魔物は基本的には火を恐れる。
けれど強い魔物ほど火を恐れなくなる。
特に大森林の奥にいる魔物なんて強い魔物ばかりだからそんな中で火を焚いているなんて自殺行為よ。
木の上なら辺りを見渡しやすいし地上にいる魔物の方が多いから地上よりは比較的安全。
まあこれは1人だからできることだけれど。
寝る時は結界を張ったまま。
初手さえ躱せればあとはどうにかなる。
そんな感じでアーカディアに向けて進んでいった。
途中で高く売れそうな薬草や果実、戦闘になった魔物を解体する暇はないからそのまま異次元収納袋に突っ込んでこれからの資金にする。
大森林の最深部は行った人が帰ってきたことがないと言われるほど危険だから遠回りだけれど比較的安全な道を選んで進んでいった。
そして今日、ようやくアーカディアに辿り着いた。
とは言っても辺境の小さな村なんだけどね。
そこは牧畜を生業にしている人が集まる小さな村だった。
「こんにちは。」
穏やかに笑って話しかけると最初は警戒されていたが女性だということもあってかよく話を聞いてくれたし歓迎してくれた。
「お嬢さん。こんにちは。見ない顔だね。隣国からのお客さんかい?」
豪快に笑いながら話しかけてくれるのはこの村に住んでいるお爺さんだ。
「そうなんです。これからアーカディアの王都か比較的大きな街へ向かおうと思っていて‥‥。」
「ほおぅ、それならここから比較的近いシトリンがいいんじゃないかぇ?シトリンは王都と同じくらい栄えている街じゃよ。あそこを収めている領主は聡明な方で寛大じゃ。ダンジョンが近くにあるから人も物も集まって発展してきた街なんじゃよ。」
「シトリン‥‥。すごく魅力的だわ!!ありがとうございます!!」
「ほっほ、役に立てたようなら何よりじゃ。どうじゃ?急ぎでないならこの村に泊まっていかんか?」
「いいんですか?ご迷惑じゃ‥‥。」
「なぁに。迷惑なんかじゃないわい!むしろ嬉しいんじゃよ。ほれ、そうと決まれば歓迎の宴じゃ!!」
あれよあれよという間にこの村に数日滞在することになってその日は夜遅くまで宴を楽しんだ。
この村には若い人が少ない。
若い人は多くが王都や栄えている街へ行ってしまうらしい。
だから私は孫や子供みたいだと言ってたくさん構われた。
貴族として生きてきた私にはない体験で恥ずかしいけれどとても嬉しかった。
頭を撫でられたのはいつ以来だろう‥‥。
お母様とお父様にもされたことはないわ‥‥。
ふと寂しくなる。
けれど同時に自由になってよかったとも思う。
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