断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました

ララ

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3話

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「国王陛下の入場です!!」

ゆったりとした歩調で入ってきた陛下は威厳ある素晴らしいお方だわ。

「なんの騒ぎじゃ。」

そばに控えている使用人が耳打ちをする。

「はぁ~、第二王子よ。何をしておるのじゃ。ここは大切な場。特に隣国の王女殿下に無礼を働くなど‥‥。王女殿下、そして公爵令嬢よ。大変申し訳なかった。愚息が迷惑をかけたな。」

まさか陛下が謝罪するなんて。

「お顔をお上げください。謝罪、しかと受け取りましたわ。今回のことは私の胸の内にとどめ国家間の問題にしないことをここに誓いますわ。」

「ああ、すまないな。助かる。さて、第二王子よ。そなたには失望したぞ。調査が済み次第お前への処分は決定する。そこの平民の妄言を信じてこんな無礼を行ったのなら相応の代償は払ってもらうぞ。お前にもその平民にも。覚悟せよ。」

「はっ、間違ったことはしていないからな!」

「はぁー、育て方を間違えてしまったのかのぅ。」

その声は小さかったけれどだいぶ聞こえていた。

もうこうなった時点で第二王子と平民の未来は決まっているようなものだけれど気がついていないのかしら?

相変わらずマリアは殿下の腕に引っ付いてふざけた口調で喋っているようね。

それに他の令息にまで色目を使って。

はぁー、どうにかならないのかしらねぇ。あれ。

まあ精々今を楽しみなさい。

顔が良くてお金持ちにチヤホヤされるのが好きなようだから。

でもそれも今のうちよ。

後悔しなさい。

自分の行動を。

平民が公爵家に盾をつくという行動が迎える結末を。













ーー後日、第三者を交えた正式な調査が行われた。

結果は平民マリアが全て企んだとのこと。

そしてそれに惑わされ殿下をはじめ多くの貴族令息が非常識な行為に走っていたことが明らかになった。

マリアに加担したものは家からの追放により平民に。

王子は王位継承権を失って謹慎という名の幽閉に。

そして全ての元凶であるマリアは公爵令嬢を陥れようとした罪により生涯、炭鉱での労働刑に。

ハーレムとは程遠い結末を迎えた。

公爵家には莫大な賠償金が支払われ、令嬢は他国の王族に嫁いで幸せに暮らした。

もちろん私も国に帰って国内の公爵令息と結婚して幸せになったわよ?

今でも公爵令嬢とは手紙をやりとりするしたまに会うくらい仲がいいわ!

結局ゲームとは違う結末を迎えたけれど当然よね。

ここはゲームに似ているけれど違う世界。

ここに生きる人々はゲームとは違ってそれぞれ感情があり動いているのだから。

それを理解するべきだったわね。

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感想 1

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みんなの感想(1件)

nahuto
2025.11.15 nahuto

オススメから来ました。
お~い、そこは隣国にスカウトじゃないんか~い、主人公が対象じゃないので薄味でしたが、ハピエン良かったです。
あと、どうせ平民では働けないだろうから、王子と愚息どもも鉱山でよかったのでは?愛する人と一緒になれるしねぇ。

解除

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