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ここで彼女の人生は終わった
目覚めた少女が聞いた話
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あの日からどれくらいたったんだろう。体に力が入る。強い光も感じる。だけど目を開けるのには少し抵抗がある。起きたとき天国だったらどうしよう。翔がいなかったらどうしよう。怖い。けど開けないとだよね。
「ここは?」
まだまぶしくて完全に見えてはいないが病室のようだ。助かったんだ。
「奈々!やっとおきた」
目の前には聞いたことのある声で女の人がいた。おそらく六花だ。
「どれくらいたったの?」
「ざっと一週間くらいかな」
一週間も寝ていたのか。
「翔は?」
「まだ眠ってる。先に起きたのは奈々だったね」
まだ眠ってるということは翔も生きてるんだよかった。
「会いたい」
「まだだめ。奈々は大けがでなかったけど翔は奈々をかばって大けがだったから集中治療室にずっといる。私たちも一回見た切り見れてないの」
私のせいで翔は大けがになったんだ。私だったら確実に死んでたな。
「運転手の人も毎日来てるよ多分また五時くらいになると思う」
運転手の人に詳しく聞きたい。私は何もわからない。意識が戻ったときにはもうぶつかってたし。
「今日用事あるから帰るね。奈々とパパさんたちにも伝えておくからすぐ来ると思うよ」
「ありがとう。ごめんね」
「あの時私は何もできなかったからあやまらなくていいよ。それよりもほんと無事でよかった」
まるで私がもう起きないかもしれないような言い方だな。でも、夏休み前半にいきなりこんな思い出だとよくないよね。
とんとんとノックをする音がした。
「どうぞ」
誰だろう?
「なるほど。お前が選ばれた人か」
全く分からない人が来た。和服を着ているしなんか今の人には見えないけど。
「あのどちら様ですか?」
「簡単に言えば事故の光景に出くわしたものだ」
「じゃーなにがあったか知ってるんですか?」
聞きたくもない気持ちはあった。だが聞きたい気持ちが強かった。知りたかった。
「我が知っているのは事故にあった後。おぬしらの経緯までは知らん」
「そうですか」
少しがっかりだが目撃者から話が聞けそうだ。
「だが、これだけは伝えておく。どんなに苦しい事実を覆そうとも神が定めたことから逃れることができない」
私には何を言っているのかわからなかった。神が定めた。だったら私がトラックにひかれそうになって翔に守られたのも定めだというの?もしそうだとしたら私が眩暈をしたのも神が作ったわけなの。
「今は深く考えなくてよい。そのうちこの意味が分かるときがくる」
「あの名前聞いていいですか?」
「知る必要はないなんせここは夢なのだから」
謎の人がいなくなると急に部屋が崩壊を始めた。
「!!」
「おー起きたな。わが娘よ」
「お父さん?」
目の前にはお父さんがいた。
「六花ちゃんから起きたと聞いたから見に行ったらまた寝てたし」
やっぱりあの出来事は夢だったのか。じゃー神がうんぬんの話も全部私の創造が作ったのか
「お母さんは?」
「まだ翔のところだ」
「ねぇ。翔ってまだ生きてるんだよね?」
六花の発言と言いあのへんな夢確実になにかを隠されているようにしか思えなかった。
「まだわからん。だが、もし死んだといわれたらどうする?」
お父さんはいつもそうやって妙なことをいう。まー言っていることだし本当に大丈夫な気がした。
「私のせいで死んだんだよ。そんなの受け入れられない」
それでも本当にいないのだとしたら、私は自殺も考える。翔にどうやれば償えるのかわからないから。
「そういうこった。今お前が翔が無事かどうか知ればどちらにせよ、自分を追い詰めるはずだ。だからある程度お前の精神状態がよくなるまで合わせる気はない。それだけ走っていてくれ」
やっぱりこの人は私の親だ。何も覚えてないけど、私の本当の親はなくなった。養子としてお父さんが引き取ってくれて、その事実を聞いたとき少しためらいもあったけど本当でなくてもこの人は私の大切な家族なんだと感じた。
「そうだよね。今でも自分のせいでって言ってるし会ったらさらに追い詰めると思う。っとはいえ生きてると知ったらすぐにでも会いたくなる。だから私は生きてると信じて待ってるよ」
まだすべてが分かったわけではない。でも、私は生きてると信じる。それだけ。
「生きてることが分かり次第タイミング見て報告すっから安心しろ。そろそろだな」
時計を見ると五時になっていた。誰か来るのかな。
「トラックの運転手が来る時間なんだよ。お前が目覚めない間も仕事終わりに来てくれて。それが罪滅ぼしなんて言うつもりはないが、あまり責めないでやってほしい。監視カメラを見たがおかしなことが多すぎた。それにあそこは事故の多い場所だ。詳しくは本人から聞いてくれ」
お父さんは部屋を出て、運転所が来るの待っていた。責めるなら私。あの時私がしっかり翔のところに行けてればしこになることはなかったんだから。
「来たぞ。二人でゆっくり話せ」
入ってきたのは30代くらいの人だ。
「本当に申し訳ない」
いきなり土下座をした。
「やめてください。それより話しましょ」
「僕の知ることなら何でも話すよ」
「あの時。あたりが真っ白になって何も聞こえなくなったんです。なので何を聞けばいいのかわかりません。だから事故になるまでの運転手さんからの視点で教えてほしいです」
運転手の人は事細かく話してくれた。ざっくりとした内容で説明するとまず、ブレーキが利かずハンドルも動かくなった。私は何者かに引っ張られてるように道路に出ていた。なぜか事故にあってすぐトラックが急に止まった。
「私、引っ張られてる感じだったですか?」
「うん。あの時君は、声のする逆の方向に歩いていた。それも手を伸ばして。そして真中に来たら手をおろし、トラックに気づいたんだ」
もしそうなら声とか眩暈とか関係なく私は何かに引っ張られたのか。
「あそこは呪われているんだ」
急にトラックの運転手の人が関係はあるが路線の違う話をしだした。
「僕が研修のために先輩の横に乗って運転していた時全く同じ現象があそこで起こったんだ。その時は子供が飛び出してきて父親が助けた。でもその時は急に横に曲がってそのまま近くにいた人をまき沿いにしたんだ」
一度経験をしてこの場所を警戒するわけがない。それにここは事故の多い場所といわれてるらしい。そこで人が近くにいたら事故らないよう慎重になるはずだ。
「だったらこの場所にきたのは」
「信じてもらえるわけがないんだけどいつもならここは避けていた。けどなぜか避けていたはずなのにここに来ていた。分かった時点でブレーキを踏んだんだ。でもその時には遅かった」
すべてが誰かによって仕組まれていたのだとしたら。あの和服の人が言っていた神の定め。もしあれが本当だとしたらおかしなことがつながる。でも、あれは私が想像した夢のはず。あるわけがない。
「ここまで偶然がぶつかっての事故。だったら運転手さんが悪いことなんて一つもないですよ」
誰かが悪いとかもうどうでもよくなっていた。事故を起こしたとはいえ運転手さんも被害者に思えた。
「あの急で悪いんだけど、腕見せてもらっていい?」
何かを思い出したようだった。私は頼まれた通り腕をまくって見せた。腕をまくると急に顔を近づけてきた。その人は私が養子に来る前、記憶のない時についた傷をながめている。
「どうしたんですか?」
「君の親って今はどこに?」
「本当の親はいません亡くなったらしいです。私は養子としてお父さんの所にいます。そして、本当の親との記憶は何もないんです」
「そうなんだ」
何かくらい雰囲気を感じた。
「もしかしてこの傷が何の傷が分かるんですか」
「考えすぎでないのなら、いろいろとつながることがある。だから退院したら連絡をくれ。僕の意見を君に伝える」
運転手の人から名刺をもらった。私は、隠されていることが多すぎる。なんでなの。私はもう大人。向き合いたくなくて自殺しようと思っても、乗り越えられるのに。本当のお父さんのこともお母さんのことも知りたい。でも、ここで困らせるわけにもいかない。
「本当は今聞きたいけど、病院ですしね」
「変なこと言ってごめん。お兄ちゃんも生きてるといいですね」
「はい。いろいろありがとうございました。気にしないでとは言いませんがお仕事頑張ってください」
少しずつ進んでいく。あとは翔が生きていればすべてがいい方向に進める。しかし私に降り注ぐ不幸は始まったばかりだった。
「ここは?」
まだまぶしくて完全に見えてはいないが病室のようだ。助かったんだ。
「奈々!やっとおきた」
目の前には聞いたことのある声で女の人がいた。おそらく六花だ。
「どれくらいたったの?」
「ざっと一週間くらいかな」
一週間も寝ていたのか。
「翔は?」
「まだ眠ってる。先に起きたのは奈々だったね」
まだ眠ってるということは翔も生きてるんだよかった。
「会いたい」
「まだだめ。奈々は大けがでなかったけど翔は奈々をかばって大けがだったから集中治療室にずっといる。私たちも一回見た切り見れてないの」
私のせいで翔は大けがになったんだ。私だったら確実に死んでたな。
「運転手の人も毎日来てるよ多分また五時くらいになると思う」
運転手の人に詳しく聞きたい。私は何もわからない。意識が戻ったときにはもうぶつかってたし。
「今日用事あるから帰るね。奈々とパパさんたちにも伝えておくからすぐ来ると思うよ」
「ありがとう。ごめんね」
「あの時私は何もできなかったからあやまらなくていいよ。それよりもほんと無事でよかった」
まるで私がもう起きないかもしれないような言い方だな。でも、夏休み前半にいきなりこんな思い出だとよくないよね。
とんとんとノックをする音がした。
「どうぞ」
誰だろう?
「なるほど。お前が選ばれた人か」
全く分からない人が来た。和服を着ているしなんか今の人には見えないけど。
「あのどちら様ですか?」
「簡単に言えば事故の光景に出くわしたものだ」
「じゃーなにがあったか知ってるんですか?」
聞きたくもない気持ちはあった。だが聞きたい気持ちが強かった。知りたかった。
「我が知っているのは事故にあった後。おぬしらの経緯までは知らん」
「そうですか」
少しがっかりだが目撃者から話が聞けそうだ。
「だが、これだけは伝えておく。どんなに苦しい事実を覆そうとも神が定めたことから逃れることができない」
私には何を言っているのかわからなかった。神が定めた。だったら私がトラックにひかれそうになって翔に守られたのも定めだというの?もしそうだとしたら私が眩暈をしたのも神が作ったわけなの。
「今は深く考えなくてよい。そのうちこの意味が分かるときがくる」
「あの名前聞いていいですか?」
「知る必要はないなんせここは夢なのだから」
謎の人がいなくなると急に部屋が崩壊を始めた。
「!!」
「おー起きたな。わが娘よ」
「お父さん?」
目の前にはお父さんがいた。
「六花ちゃんから起きたと聞いたから見に行ったらまた寝てたし」
やっぱりあの出来事は夢だったのか。じゃー神がうんぬんの話も全部私の創造が作ったのか
「お母さんは?」
「まだ翔のところだ」
「ねぇ。翔ってまだ生きてるんだよね?」
六花の発言と言いあのへんな夢確実になにかを隠されているようにしか思えなかった。
「まだわからん。だが、もし死んだといわれたらどうする?」
お父さんはいつもそうやって妙なことをいう。まー言っていることだし本当に大丈夫な気がした。
「私のせいで死んだんだよ。そんなの受け入れられない」
それでも本当にいないのだとしたら、私は自殺も考える。翔にどうやれば償えるのかわからないから。
「そういうこった。今お前が翔が無事かどうか知ればどちらにせよ、自分を追い詰めるはずだ。だからある程度お前の精神状態がよくなるまで合わせる気はない。それだけ走っていてくれ」
やっぱりこの人は私の親だ。何も覚えてないけど、私の本当の親はなくなった。養子としてお父さんが引き取ってくれて、その事実を聞いたとき少しためらいもあったけど本当でなくてもこの人は私の大切な家族なんだと感じた。
「そうだよね。今でも自分のせいでって言ってるし会ったらさらに追い詰めると思う。っとはいえ生きてると知ったらすぐにでも会いたくなる。だから私は生きてると信じて待ってるよ」
まだすべてが分かったわけではない。でも、私は生きてると信じる。それだけ。
「生きてることが分かり次第タイミング見て報告すっから安心しろ。そろそろだな」
時計を見ると五時になっていた。誰か来るのかな。
「トラックの運転手が来る時間なんだよ。お前が目覚めない間も仕事終わりに来てくれて。それが罪滅ぼしなんて言うつもりはないが、あまり責めないでやってほしい。監視カメラを見たがおかしなことが多すぎた。それにあそこは事故の多い場所だ。詳しくは本人から聞いてくれ」
お父さんは部屋を出て、運転所が来るの待っていた。責めるなら私。あの時私がしっかり翔のところに行けてればしこになることはなかったんだから。
「来たぞ。二人でゆっくり話せ」
入ってきたのは30代くらいの人だ。
「本当に申し訳ない」
いきなり土下座をした。
「やめてください。それより話しましょ」
「僕の知ることなら何でも話すよ」
「あの時。あたりが真っ白になって何も聞こえなくなったんです。なので何を聞けばいいのかわかりません。だから事故になるまでの運転手さんからの視点で教えてほしいです」
運転手の人は事細かく話してくれた。ざっくりとした内容で説明するとまず、ブレーキが利かずハンドルも動かくなった。私は何者かに引っ張られてるように道路に出ていた。なぜか事故にあってすぐトラックが急に止まった。
「私、引っ張られてる感じだったですか?」
「うん。あの時君は、声のする逆の方向に歩いていた。それも手を伸ばして。そして真中に来たら手をおろし、トラックに気づいたんだ」
もしそうなら声とか眩暈とか関係なく私は何かに引っ張られたのか。
「あそこは呪われているんだ」
急にトラックの運転手の人が関係はあるが路線の違う話をしだした。
「僕が研修のために先輩の横に乗って運転していた時全く同じ現象があそこで起こったんだ。その時は子供が飛び出してきて父親が助けた。でもその時は急に横に曲がってそのまま近くにいた人をまき沿いにしたんだ」
一度経験をしてこの場所を警戒するわけがない。それにここは事故の多い場所といわれてるらしい。そこで人が近くにいたら事故らないよう慎重になるはずだ。
「だったらこの場所にきたのは」
「信じてもらえるわけがないんだけどいつもならここは避けていた。けどなぜか避けていたはずなのにここに来ていた。分かった時点でブレーキを踏んだんだ。でもその時には遅かった」
すべてが誰かによって仕組まれていたのだとしたら。あの和服の人が言っていた神の定め。もしあれが本当だとしたらおかしなことがつながる。でも、あれは私が想像した夢のはず。あるわけがない。
「ここまで偶然がぶつかっての事故。だったら運転手さんが悪いことなんて一つもないですよ」
誰かが悪いとかもうどうでもよくなっていた。事故を起こしたとはいえ運転手さんも被害者に思えた。
「あの急で悪いんだけど、腕見せてもらっていい?」
何かを思い出したようだった。私は頼まれた通り腕をまくって見せた。腕をまくると急に顔を近づけてきた。その人は私が養子に来る前、記憶のない時についた傷をながめている。
「どうしたんですか?」
「君の親って今はどこに?」
「本当の親はいません亡くなったらしいです。私は養子としてお父さんの所にいます。そして、本当の親との記憶は何もないんです」
「そうなんだ」
何かくらい雰囲気を感じた。
「もしかしてこの傷が何の傷が分かるんですか」
「考えすぎでないのなら、いろいろとつながることがある。だから退院したら連絡をくれ。僕の意見を君に伝える」
運転手の人から名刺をもらった。私は、隠されていることが多すぎる。なんでなの。私はもう大人。向き合いたくなくて自殺しようと思っても、乗り越えられるのに。本当のお父さんのこともお母さんのことも知りたい。でも、ここで困らせるわけにもいかない。
「本当は今聞きたいけど、病院ですしね」
「変なこと言ってごめん。お兄ちゃんも生きてるといいですね」
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