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「っぁああ~…」
ルイスは資料の山に埋もれながら椅子の背もたれに体を預けた。
連日の徹夜のせいか天井が回転して見える
「やっぱり無いな…願いが叶う伝説も、特効薬も魔法も…」
ルイスは両手で顔を覆い息をついた。
「仮に例の塔に行くとして…ユツキが着いてくるか?周りが許すか?ありえない…」
ルイスは独り言を呟く
「あー!くそっ!もっと何でもあれよ!世界は広いんだろ!?」
ルイスは机の上にあった紙の束を床にはたき落とす
「随分荒れておりますな」
ジョナサンがやってくるとすぐさま床に散らばっている紙を拾い上げ片付け始めた。
「やはり塔しかないかもしれない」
「左様でございましたか」
「お前、分かってたのか。」
「何をでございましょう」
ジョナサンが目を細めて微笑む
ルイスにはそれが誤魔化しているように見えた。
「ユツキを助けられるのは、この『失せ物の塔』以外にない。他にも遺跡や塔はあったが、確実に願いを叶えるのはここだけだ。」
ルイスはジョナサンの誤魔化しを見ないふりしていった。
「…よく、お調べになりましたね」
珍しくジョナサンが言葉を詰まらせた。
「他でもないユツキためだ」
「その意欲をもっと他のことにも向けていただければ爺も安心してお側を離れられるのですが」
気を取り直したようにジョナサンがニコリと笑う
「こういう時だけ爺を使うな!」
「ほっほっほ」
ジョナサンは愉快そうに笑った。
数日後、ローラント邸にやってきたルイスは神妙な面持ちだった。
客間に通されたルイスは挨拶をした後三十分以上無言だった。
ユツキは何度かをかけようかと思ったが、あまりにもの鬼気迫る様子に声をかけるのを躊躇っていた。
「ユツキ」
「は、はい…!」
突然声をかけられ、見るとルイスは真剣そのものな表情でユツキをじっと見ている
「今から大事な話をする。」
「はい」
「ユツキの体を治す方法が一つ、見つかった。」
「!」
椅子から身を乗り出しルイスに近づく
「本当ですか」
ユツキの目の奥を覗くような瞳に一瞬たじろぎそうになる
「だが、条件がある」
「条件?なんですか?」
ユツキが不安げな顔をする
「ここからはるか南にある、『失せ物の塔』
そこの最上階の魔物を倒せば願いが叶うんだ。ただ…」
「ただ?」
「当事者の願いしか叶えられないというのがある。つまりユツキの体を治すにはユツキも一緒に最上階へ登る必要があるんだ。」
「なるほど…失せ物の塔の話なら昔母上に絵本を読んでもらったことがあります。おとぎ話かと思っていましたが、本当にあるとは…」
ユツキが考え込むように額に手を当てる
「条件はユツキが一緒に向かうこと。それと、全員を説得すること」
「説得?」
ユツキは顔を上げる
「ユツキの執事が容易く首を縦に振るとは思えない。あと、兄貴もな」
「確かに…」
ユツキの兄、イブキ・グランデューク・ローラントは医者の卵でユツキの体調管理に厳しい
少しでも異変があれば本人が気がついていないことですらすぐさま察知する
性格は少しキツイが根は優しい人だ。
「父上も許してくださるか…」
「安心しろ。俺も一緒に説得する」
ユツキは頭を悩ませた。
「私は殿下が一緒であれば口出しは致しません」
レイザーがユツキの後ろから顔を出す
「いいのか?珍しい…普段なら外出にすら文句を言っているだろうに」
「ユツキ様が殿下を信じるというのであれば、私に何かを言う権利はございません。」
レイザーが頭を下げる
「ただし、私も連れていってください。私にはユツキ様を守る義務があります。」
「レイザー…」
頭を深々と下げるレイザーにルイスはふっと笑った。
「第一執事を連れていかない訳にはいかないな」
「ありがとうございます。」
レイザーは頭を上げるとユツキに視線を向ける
「命にかけてもお守り致します。」
「そ、そんな重く考えなくても…」
ユツキが困ったような表情でレイザーの手をポンポンと撫でた。
ルイスは資料の山に埋もれながら椅子の背もたれに体を預けた。
連日の徹夜のせいか天井が回転して見える
「やっぱり無いな…願いが叶う伝説も、特効薬も魔法も…」
ルイスは両手で顔を覆い息をついた。
「仮に例の塔に行くとして…ユツキが着いてくるか?周りが許すか?ありえない…」
ルイスは独り言を呟く
「あー!くそっ!もっと何でもあれよ!世界は広いんだろ!?」
ルイスは机の上にあった紙の束を床にはたき落とす
「随分荒れておりますな」
ジョナサンがやってくるとすぐさま床に散らばっている紙を拾い上げ片付け始めた。
「やはり塔しかないかもしれない」
「左様でございましたか」
「お前、分かってたのか。」
「何をでございましょう」
ジョナサンが目を細めて微笑む
ルイスにはそれが誤魔化しているように見えた。
「ユツキを助けられるのは、この『失せ物の塔』以外にない。他にも遺跡や塔はあったが、確実に願いを叶えるのはここだけだ。」
ルイスはジョナサンの誤魔化しを見ないふりしていった。
「…よく、お調べになりましたね」
珍しくジョナサンが言葉を詰まらせた。
「他でもないユツキためだ」
「その意欲をもっと他のことにも向けていただければ爺も安心してお側を離れられるのですが」
気を取り直したようにジョナサンがニコリと笑う
「こういう時だけ爺を使うな!」
「ほっほっほ」
ジョナサンは愉快そうに笑った。
数日後、ローラント邸にやってきたルイスは神妙な面持ちだった。
客間に通されたルイスは挨拶をした後三十分以上無言だった。
ユツキは何度かをかけようかと思ったが、あまりにもの鬼気迫る様子に声をかけるのを躊躇っていた。
「ユツキ」
「は、はい…!」
突然声をかけられ、見るとルイスは真剣そのものな表情でユツキをじっと見ている
「今から大事な話をする。」
「はい」
「ユツキの体を治す方法が一つ、見つかった。」
「!」
椅子から身を乗り出しルイスに近づく
「本当ですか」
ユツキの目の奥を覗くような瞳に一瞬たじろぎそうになる
「だが、条件がある」
「条件?なんですか?」
ユツキが不安げな顔をする
「ここからはるか南にある、『失せ物の塔』
そこの最上階の魔物を倒せば願いが叶うんだ。ただ…」
「ただ?」
「当事者の願いしか叶えられないというのがある。つまりユツキの体を治すにはユツキも一緒に最上階へ登る必要があるんだ。」
「なるほど…失せ物の塔の話なら昔母上に絵本を読んでもらったことがあります。おとぎ話かと思っていましたが、本当にあるとは…」
ユツキが考え込むように額に手を当てる
「条件はユツキが一緒に向かうこと。それと、全員を説得すること」
「説得?」
ユツキは顔を上げる
「ユツキの執事が容易く首を縦に振るとは思えない。あと、兄貴もな」
「確かに…」
ユツキの兄、イブキ・グランデューク・ローラントは医者の卵でユツキの体調管理に厳しい
少しでも異変があれば本人が気がついていないことですらすぐさま察知する
性格は少しキツイが根は優しい人だ。
「父上も許してくださるか…」
「安心しろ。俺も一緒に説得する」
ユツキは頭を悩ませた。
「私は殿下が一緒であれば口出しは致しません」
レイザーがユツキの後ろから顔を出す
「いいのか?珍しい…普段なら外出にすら文句を言っているだろうに」
「ユツキ様が殿下を信じるというのであれば、私に何かを言う権利はございません。」
レイザーが頭を下げる
「ただし、私も連れていってください。私にはユツキ様を守る義務があります。」
「レイザー…」
頭を深々と下げるレイザーにルイスはふっと笑った。
「第一執事を連れていかない訳にはいかないな」
「ありがとうございます。」
レイザーは頭を上げるとユツキに視線を向ける
「命にかけてもお守り致します。」
「そ、そんな重く考えなくても…」
ユツキが困ったような表情でレイザーの手をポンポンと撫でた。
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